下賀茂神社の馬場を利用して開かれる手作り市です。
今回はなんとなく、どことなく雰囲気がこれまでと違いました。何でしょう、この感覚。おしゃれ感が減ったかなあ。
そんな手作り市で「素敵な人」を探します。

手作り市での人探しは、まずは素敵な「もの」づくりです。
上の写真の左手上段に青っぽいぐい飲みが見えますね。まずこの色合いと景色が気に入りました。上品で、それでいて華やぐ面もある。
蒼の色もまたとてもいいので・・・・。

備前焼です。
黄や茶色の器は酸化焼成です。蒼の方は還元焼成です。
「窯の中で空気が十分な場所で焼けるのがこちらで、そちらの青い方は空気が少ない場所で焼けたものです。」と分かりやすく説明してくれました。

「どうして備前焼を選んだんですか?」
「う~ん、なんとなくかなあ。釉をかけるものより土と炎でそのまま表現できるのがすきだから・・かな。」
この「なんとなく」は、いい加減な意識ではなくて、言葉には言い表しにくいけれど気持ちの奥深くでこれがいいと感じるものがあったという事です。直感的でうまく説明がつかない、理由は後付けできるけど、その頃はどうだったかなあという感じでしょうか。
どうして写真を選んだんですか?に対する答えも、まあそういうものだと思いますので、共感できます。

この人も京都の伝統工芸大学校の卒業生だそうですが、ここの卒業生は本当にあちこちで活躍しています。
知り合いの若い女性が、もう一度芸大に戻って勉強してみようと思うのだけれどといった時に「工芸分野だし大学院で勉強するのもいいけれど、この伝統工芸大学校も選択肢の一つとして考えてみたら。」と言ったこともありました。
その人は無事に院に合格しました。おめでとう!!
と、話を戻して・・・、
こうしてご自身の制作物を手にするときに気持ちが出ますね。

工芸でも芸術でも可能な限り自身の技能、知識を高めて対象をコントロールしようとするわけですが、しかしなお炎や土の偶然に越えられてしまう運命を持っています。そこにまた醍醐味があるのですし、その偶然の中に美を発見する楽しさがあるわけでしょうね。
人の力と偶然のコラボレーション・・・・これまた写真も同じことです。

お客さんがやってきて「いや~ 好きなやつがあったんだけどね。割っちゃってね。 これいいなあ。」と物色を始めました。

こちらの女性。手にしているものを即断即決。「来た。見た。買った。」でした。
自分がほしいものを極めて明確に意識していて、すぐさま判断を下し、行動できる。素晴らしい!!
そういう力が私に有ったら・・・・、と。
- 2016/12/10(土) 00:00:36|
- 陶芸
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