Nordic sound
北欧に優れたジャズ奏者たちがいて現代ジャズの一潮流があるらしいことを知ってはいました。
けれど私は音楽についてもまた一知半解にも届かない門外漢ですから、聞いて楽しむ、そして「撮りたい」ぐらいの関心しかありませんでした。
ある日あるギャラリーをお尋ねするとデンマークの女性画家とコラボレーションをされたジャズ奏者がそのギャラリーで演奏をする、投げ銭制だと教えていただき、ぜひ来てくださいとお誘いを受けました。
それがこの方です。

会場に着くなり、私はスタッフの方に撮影の許諾を求めました。「ではKarsten Vogelさんに聞きにいきましょう。」と同行してくれて、お願いすると
「演奏中に撮るのか?」 「Yes.」 「そうか。いいよ、どうぞお撮りなさい。」と快諾していただけました。
クラシックなどでは到底お許しいただけないところですが。

会場の許可をとり、奏者の許しをいただいたとはいえ、今日の演奏を楽しむ方々のお許しを直接にはいただいていないのですから、当然目障り、耳障りな行動をとることは許されません。
私は並んだ椅子の列のいちばん右端、後ろに椅子の無いところを選んで陣取りました。都合よくそこから先は広く床があります。ですから、うまいことに他の方から遠ざかってシャッターを切れます。

デンマークの方ですが英語で曲の紹介やなぜ日本に来ているのか、あるいは日本や京都にはどんな印象を持たれたのかというお話をされます。
ですが残念ながら私には聞き取れません。
でも音楽に浸ることはできます。

曲が盛り上がり音が激しくなった時を選んで数カット撮ります。そしてすぐさまカメラはお腹の下にしまいます。
それでも演奏を楽しみ一方で常にファインダーをのぞく意識で見ていますから、いつの間にか椅子から半分お尻がはみ出て体も背もたれから外れてしまいます。こういう行動も実は後ろにいて聞いている人にとっては目障りなんだと思います。
それですっかり椅子から降りて床にお尻をつけます。

曲と曲の合間に床をにじっていって、やがて2,3メートルも離れていきます。
曲を楽しむときに他のお客さん同様に曲に集中しますが、時期に撮りたい意識が盛り上がてきって次のチャンスを待ち受けて2,3カットまた撮ってはカメラを隠します。

でも時々お客さんから言われます。
「目障りで申し訳ありません。シャッター音は邪魔ではなかったですか?」
「いいえ、写真を撮るのに集中されていて、それも音楽を楽しんでいるようで、違和感はありませんでしたよ。」と。
「あんなふうに写真を撮られるのですねぇ。」
それは低い位置から撮りたいためにほとんど腹ばいになって撮っていたからです。

せっかく奏者にもお客さんたちにもご迷惑をかけながら撮らせていただくのですから。下手は下手なりに一生懸命撮らないと・・・・と思うとついそういう事にもなってしまいます。
(ところで私は常々思うのですが・・・・・。飲食店の中には喫煙が許されているお店があります。そこで隣り合わせた客が食後やおらタバコを取り出して、火をつけるのです。「タバコを喫われるんですか? 私はまだ食事が終わっていません。私はタバコの煙が苦手です。でも席を離れられませんから今しばらく我慢していただけますか?」とお願いすると「なんだと!この店は喫煙が許されてるんだ。喫うのは自由じゃないか。お前に何か言われる筋じゃない。喫煙も権利だ。嫌煙権など振りかざすな!」と怒り出す人がいました。 職場や公共の場、あるいはこうした飲食店でタバコを喫うことに制約があるのはお店に迷惑をかけるからではありません。無論たばこの煙の臭いが沁みついたりやにで店内が汚れるのを避けたいお店もありましょう。しかし何より大切なのは周囲の非喫煙者が無理にたばこの煙を吸わされる被害を避けようという事です。「この店は喫煙可」かどうかを確かめることも大切ですが、何より周囲の人がそれを忌避していないかどうかです。他人に迷惑をかけないかどうかです。こういうことが分からない人が喫煙者の過半ではないかと私は感じています。)
- 2016/12/04(日) 00:00:42|
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