結婚して50年目を祝うのを金婚式というのだそうです。
この方はそれを記念してこれまで描きためた日本画の作品の個展をされました。
もともとは十余年前に「川の流れを埋め尽くす『花筏』のきれいさにうっとりしているとき、さっとカワセミが飛来して、その全体の光景に息をのむ美しさを感じた。」のだそうで
「それを何とか絵に表してみたい」と思われたのが事の発端だったそうです。

良い先生と出会えたのも幸運だったとおっしゃいます。

個展のコンセプトは『[片目の絵]と目が合って・・・・日本画」とされていました。
「(亀岡の)自然からの贈り物と目が合って、楽しく描いて」来られたと案内の文にあります。

ご自分で「自画自賛」だとおっしゃっていますが・・・・いろいろな絵画教室などのグループ展、あるいは退職記念の個展などを見てきた私からいわせていただくと、ご自身のみずみずしい感動にとても忠実に描かれているという印象が強い、魅力的な絵だと思いました。
よくある「上手な絵を描きたい」という欲が見えない気持ちの良さです。

山野を背景に画面の中央に空に向かってはねるアユが書かれている作品がありました。
「ちょっと太り気味でしょ?!」と「あれアユなんですよ。」とちょっと心配そうにおっしゃるのですが、どうしてどうして立派ににアユです。
「あのアユ、私なんです。」

ちょっと太り気味という意味でご自身だとおっしゃったのではなくて、空に向かって力強く気持ちよく跳ねているアユの姿が私なんだという意味です。
こうして生きて来て、絵にも出会い自然の素晴らしさを見付てその感動をこうして描くことができて、金婚式を迎えて、個展ができる。「とても幸せです。」とおっしゃいます。

その表情を見て、これは撮らせていただかないと・・・・と思いました。
この10分後には人に会う約束のある私でしたが、お願いして撮らせていただきました。
- 2016/11/22(火) 00:00:18|
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