私は「写真家」ではありません。
時々私を写真家だと言って紹介してくださる方がいます。そんな時「そのように紹介していただくと、そこから誤解が生じるんですが・・・・。」とできるだけの笑顔で訂正させていただく。
「そんなことは分かっている。社交辞令、お愛想、サービスのたぐいだという事は皆分かるのだから、いちいち訂正しなくてよい。メンドクサイ人間だ。」と思われているのに違いないのです。
しかし、この人は写真家です。

ある写真ギャラリーで、今日は臨時のお留守番。
「このギャラリーのオーナー兼写真家の方によくしてもらっているんです。」とのことでした。
その日の写真個展の作者ではないかと声をかけたのですが、そういう事でした。

で、ご自身も写真家で、「いま、ある家の大量のごみの中から見つけたアルバムの写真を写し取って作品化しているんです。ひどく劣化が進んでいるんですが、それを一瞬止めて、それで写真としてのものとそれが経過した時間とを意識してみたいと思ったのです。」

このギャラリーのオーナーさんの仕掛けで数人の写真家を選んで台湾でそれぞれが個展をするんだそうですが、「その選ばれた一人」なんだそうです。
ご自身のトークもあるのだそうで「台湾では結構お客さんが多いらしいです。」とのことでした。

写真をやっている、しかも専門的な知識も技術も持って、なおかつ一個の「思想」を具現しようとして作品づくりをしている人に「撮らせてもらっていいですか?」とお願いするには少々勇気がいります。

対話しながら撮っているわけですが、
すでにこの人が作品化しようとして撮った写真が上がってきているので、それを見せていただいています。
ポジとプリントしたものがありました。ここからさらに選抜して、想いの大きさ、質にプリントをされるのでしょう。

やはり人柄は手に現れますね。
- 2016/10/14(金) 00:00:55|
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