ギャラリー巡りは私の楽しみの一つです。
「絵を描かれる方ですか?」と聞かれることがあるけれども「見せていただくのを楽しみにしているだけです。」とお答えしている。
もし、なお「何かされているのでは?」と尋ねられた場合には、モゴモゴと「写真を撮って楽しんでいます。」と白状するのです。
さて、この方はすでに長年芸術分野で教鞭も取ってこられ、作家としても実績を積まれてきた方です。
実は、私はギャラリー巡りを通じてこれまで何度かこの方の作品を見せていただいていたのです。特徴のある絵ですから遠目にもそれと分かります。

私は様々なギャラリーを訪ねて絵を見せていただく時に・・・・これまでも何度も書いている通り・・・・・落胆して会場を出ることが多いのです。
専門の画家たちの絵を見てのことです。
(むろん趣味として絵を描くことを楽しんでおられることが分かる会場では、それはそれとして鑑賞させていただきます。
そして、ご自身の時間を豊かにされているのは羨ましいなあなどと、私自身の写真に比べての充実ぶりに感心することも少なくないのです。)

そうした中で、この方は特異な作品を描く数少ない画家のおひとりでした。
ご本人は存じ上げないのですが、作品を通じていつかどこかでお会いできたら、是非ともお話を伺いたいという気持ちが積もっていました。
堀川通の出水を西に一筋入ったところに「ギャラリーかもがわ」があります。
時々寄せていただいていましたが、この日「あっ?!あの作品だ。」と思わず中に足を踏み入れました。

するとどうやら奥の部屋で来場されたお客さんたちと、くだんの作家さんが楽しそうにお話をしているようなのです。
こういう時にはいつも気おくれがして、つい機会を逃してきた私でしたが、少しづつ足を踏み出す努力をしてきました。
この時にもお邪魔を覚悟で、談笑する方たちの近くに行きますと、「どうぞこちらへ。お茶でも飲みませんか。ビールもありますよ。」とまるで旧知の者のように招き入れてくれました。

私は、せっかくのお誘いでしたので椅子に掛けると、「実はこの絵を今まで何度か見ていて、作者にお会いしたら確かめたいことがいくつかあったのです。」と話しました。
するととても興味深そうに耳を傾けてくれて、作家さんのお隣の・・・・長いお付き合いのあるような・・・・方が、「先生、想いの通りに受け止めてくれる方がいましたね。よかったですね。」と言ってくれました。

私のような素人が一知半解にものをいうのはずいぶん憚られるのですが、この方にお会いした瞬間に広い懐を感じて思わず思っていたことを口にしました。

集まっているお客さんとの親交の深さを感じさせる会話が続いていました。
こういう人たちが時間を割いて個展に集まってくれる人というのはどのような方なのでしょうか。
時々、話がどちらに向き、何を話そうと必ず自分の活躍話に結び付け「こんなことをした、あんな著名人と知り合いだ、そんなことは疾に知っている」と話す人がいます。
人の作品の話をしているときに、いつの間にか自分の作品を取り出して並べて話を盗ってしまうような人も。
私は何が嫌いと言って「偉そうぶる人」が一番嫌いです。牽強付会、我田引水の人が嫌いです。
自分にそういう面がないとは言えないのでなおさらです。

その点、この方はその真逆の人格のように感じました。
- 2016/09/22(木) 00:00:55|
- 絵画
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何時もご訪問有り難うございます!。
何て素晴らしい笑顔・・静かな笑顔!。
・・カメラは対象を写すだけでなく撮影者の心をも写すのだと思います・・素晴らしい作品を拝見出来て感動しています。有難う!。
- 2016/09/22(木) 12:03:40 |
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- 走れ‼でんどう三輪車 #-
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コメントありがとうございます。
> ・・カメラは対象を写すだけでなく撮影者の心をも写すのだと思います。
それはその通りだと思います。
ですから、自分の撮った写真を人様に見ていただくのは、自身をさらすことと同じわけで、どうしてそんな大それたことが私にできるのか、自分でも不思議でなりません。
褒めていただくような人間ではありませんが、しかし、人を敬う気持ちをもって人と接する空気を醸成するのに何ほどかの事をしたいという思いで撮っています。
よろしくご鞭撻ください。
- 2016/09/22(木) 22:47:25 |
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- soujyu2 #-
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