「京都アートフリーマーケット 2016秋」の会場でお見掛けしました。
ここは「アート」と銘打っているだけに他の手作り市とは幾分趣が違う出店が期待されます。
それを楽しみに出かけました。

勘亭流の書体で「直筆した作品」を展示販売されています。
この字体を書ける人が少ないからでしょうか、またワープロのフォントの中でしか見たことがないからでしょうか、多くの方は「ワープロで書いたものを」デザインしてプリントしたモノだろうと思い込んで、あまり注目しないで通り過ぎてしまうようです。
昨年の教訓を踏まえて「手書き」だという事を掲示しているのですが、それがとても控えめで・・・・。

もともとは継続して筆を執ってたというのではないのだそうですが、ある時から勘亭流の師匠について学んで身に着けたのだそうです。
と言っても書き方を具体的に習ったのでも師匠の指導で書いていたのでもなく、ひたすら下働きのような仕事を手伝いながら「見ていた」のだそうです。

勘亭流は江戸期・安永年間に岡崎勘六という書道指南が始めたという事です。
歌舞伎の招きなどに使われるあれですね。
太い文字で、線と隙間とのある種の緊張感のある魅力的な文字です。で、意外にチラシなどに多く使われているケースを見ます。

私は最近、多くの場所で手書きでない、こうしたワープロの印字・フォントで描かれたものを見るにつけ、つい首をかしげてしまいます。
なぜ自分で描かないのだろう、と。
そのせいで毛筆の字を見ないばかりか、いわゆる手書きのレタリングの字もあまり見ません。
どうも安直だなあと思いますし、これでは文字に対する感性はどんどん貧弱になるなあと思います。
出来合いのフォントもデザイナーが精魂込めているのですから、一面ではよくデザインされていますから、まあそれなりの見栄えもしますし、誰からも「下手だ」と言われる気づかいはありません。

でも、これでいいのかなあといつも思います。
- 2016/09/20(火) 00:00:12|
- 書
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何時もご訪問有り難うございます。
・・かって書体デザイナーとして働いていた者として、拝見していて感動しました。今は殆どの字がパソコンに組み込まれていて、手書きの文字は見れません。勘亭流は日本の完成された文字文化ですね。勘亭流や相撲文字は太くて美しい文字です。看板も今は殆どシートをコンピューターの働きで切り抜いています。個性ある手書き文字を残したいですね。有難う!。
- 2016/09/20(火) 10:16:17 |
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- 走れ‼でんどう三輪車 #-
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こちらこそ見ていただきありがとうございます。
その時その時の思いで記事を書きますので、様々な立場、いろいろな仕事をされている方の、どなたかには不快に感じられる書きようをしているのではないかと恐れつつ・・です。
ただ右顧左眄して八方美人をするのもつまらないので、できるだけ思うように書きたいとも念じています。
こうしてキーボードで書く文字や文章について、これで当たり前と思わないくらいの意識はもっていたいなあと思っています。
これからも素敵な文章を読ませてください。
- 2016/09/20(火) 21:49:26 |
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- soujyu2 #-
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