暑い毎日が続きますが皆様お元気ですか?
ドイツから帰国して降り立った羽田で「日本はこんなに暑いんだ。なんて言う湿気だろう。」と思いましたが、ドイツの夏は快適でした。
気温の上下が激しく日較差がかなりあるように感じましたが、暑くなって日差しがとてもきついなあと感じてもカラッとしていますから木陰に入れば快適ですし、爽快さがあります。(それに何しろ森の国ドイツには町中でも緑がふんだんにあります。 ただし旧市街は少々事情が違うようですが。)
京都のこの暑さとはなんという違いでしょう。

マイセンでは同伴者が旅行前から「どうかしてマイセンの陶器を買って帰りたい。」と言っていましたが、とにかくお高い。
同じツアーの客の中の何人かは何点も買い求めていましたが、我が家の家計ではとてもとても・・・・。
日本語の音声案内に従って私たちに丁寧に制作の具体的な工程を見せてくれますが、漢字としてはお仕着せの案内無いように不承不承従っているというのではなくて、とても積極的に誇りをもって紹介してくれているように思いました。
「この部分が接合されるんですよ。」

紹介のアナウンスに応じての表情なのですが、生き生きとしています。
少しも慣れた惰性を感じませんでした。

ドイツの教育制度では、日本でいうところのち中学生の頃に、将来について深く考えさせるのだそうで、卒業とともに将来は大学などの高等教育を受けることを目指してユニバーサルな知識を獲得しようとするのか、それとも個別的な製造やサービスの労働のスペシャリストを目指すのかを迫られます。
よく知られているように高度なクラフトマンやサービスマンは社会的な尊敬を受けていますから、「職人風情が・・。」などと蔑まれることはありませんし、「職人より作家の方が偉い」みたいなこともあまりないようです。

それがこの人のきりりとした表情によく表れているのかなと思いました。
人生を豊かに楽しむために、労働ということがどういう意味を持つかということについて日本でより、より深く考えられているのかなとも感じられました。

まあそれにしてもここはマイセンで、そこの職人ですから、それをもってすべてを推し量ることは危険なことですが。
この方もそうですが、一見厳格そうで近寄りがたい印象の方でも、実はとても親切で社交的な面をお持ちです。
私は路上やお店の前で幾度も「写真を撮らせてくれませんか?」とお願いしましたが、三分の二は断られました。
その断り方の中には、迷惑な話だと言う風な強い拒否を感じさせるものもありましたが、むしろとてもシャイな感じで「いや、私はちょっと・・・・。」という印象が強かったです。
この方は、私が撮影をしているのを認めると、「これで撮りやすい?」という風な反応で、うまく撮れましたかという表情を浮かべます。
そこに、こういう仕事の性質上お客さんには逆らえないというか、我慢しておこうという卑下した感じや、媚びた感じはありません。
「どお?! いい感じでしょ?!」

- 2016/08/10(水) 00:00:25|
- 工芸
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