「こんなにたくさんの種類の漬物があったら「これはどんな味?」と聞かれたら困るね。どれも味を知っているの?」
「そうですねぇ。でも一通り皆食べさせていただいていますから、何とか説明させていただいていますけど・・・。」
まあ、あまりに当然のことを聞いてしまいましたが、店の奥の方までよくこれだけの種類をと思うほどたくさんの漬物と派生商品が並んでいます。

最近では、いろいろなお店で客の言動が横柄なことをたびたび見ます。何故そんなに偉そうなのかと、その態度が酷いことがあります。
一方、接客の仕事をしているのに、どうしてそうも気が付かないのか、所作や言葉に気配りがないのかと思わせられることが一再ではありません。
そういう意味でこの人を見ていると実にほっとします。

京都は観光の地ですから国の内外からたくさんの人が来られます。
それに対して受け入れる側のホスピタリティーはどうかというと、かなり疑問を抱くことがないわけではありません。
TVや雑誌などでやたらと京都、京都と持ち上げて名店や何だか勿体を付けた銘菓とか料理とかが紹介されますが、はたしていうほどなのかなあと思いますし、特別な世界だけを取り上げて素晴らしい素晴らしいというけれど全体的に満足度が高いかといえば疑問もあります。
そういう意味でこうした観光の中心地のお店で働く人たちには期待するものも大きいわけです。
逆を考えれば、フィレンツェ行ったんだけど、パリではね、ロンドンは、ミュンヘンで・・・とたまたま入ったお店でその町全体、いやその国の印象が決まりませんか。何十日も滞在していれば別ですが、私のようなツアーで一日二日いただけなどという場合は、なおさらです。
いやあ、福岡の店は料理がうまかった・・・○○はひどかったねえなどと言ってもすべて食べ歩いているわけではないのです。

私が「ききみずガーデン」の時に海外から、他府県からのお客さんと交流する時に、そういうことをとてもつよく意識しました。
ですから一緒に車座になってワインを飲みながら楽しい時間が送れた時などは、よかったなあとつくづく思うのです。

外国からのお客さんが、いくら払えばよいのかよくわからなくて自分の財布の中を見せて「必要なだけとってくれ・・」と言っています。
そういう事ができる安心感をこの人の表情は出しているとおもいました。
(こういう事を書くと日本は安全だ。日本人は素晴らしい。それに比べて・・・。とすぐに他国民を侮辱しないではいられない人がいます。そういう言葉を吐いているその人の表情を見たら、きっとこの海外からのお客さんは開いた財布を引っ込めることでしょう。)
日本人はではなくて、この人は・・・という風に考えるべきだと私は思います。

帰り際に、・…こちらが写真を撮らせていただいたのに・・・ありごとうございました、と言われてしまいました。
こちらこそ本当にありがとうございました。
- 2016/05/03(火) 00:00:31|
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