素敵な人たちと

素敵な人たちと一緒に素敵な写真を撮ります。 なお写真のコピーはご遠慮ください。

素敵な人たちと   by 蒼樹  扁額作り    999

 見せていただいているときにきちんとお訊ねするべきでした。

 お店のある場所を教えていただきましたから今度お訪ねして質問してみようと思います。

 神社に行くとお賽銭箱の上の方に大きな鈴がぶら下がっています。そしてその鈴には太い紐・縄が結ばれ、参拝した人がその紐・縄を揺さぶって鈴を鳴らします。
 
 調べてみると、この鈴を本坪鈴というそうです。

 こうした鈴を神前で鳴らすのはそう遠い昔にさかのぼれる伝統ではなくて、全国的に普及したのは戦後の事だそうです。

 弥生式土器文化の時代に稲作文化とともに金属器が韓半島から伝来しました。むろん人が持ち込んだわけですが、その中に後に銅鐸と呼ばれる神器の元祖がありました。

 韓半島ではそれは牛などの首に下げてカランカランと鳴らした「カウベル」だったのではないかと推測されています。
 列島に持ち込まれてからは木につるされて、中の舌を揺らして周囲の壁にあてて音を響かせるものとなり、やがて地上に下ろされて形状を豪勢に飾り立てた神器となったようです。

 土や木や石などは相互にぶつけても鈍い音しかなりません。列島にはそういうものしかありませんでした。そこに金属の甲高い、時には澄んだ金属同士が当たる音が響けば、時の列島の人々は驚き、得も言われぬ感情を抱いたかもしれません。
 人間がそう感じるものは、また人間の共同幻想的創造物である神々もまたそう感じるであろうと、神々を慰めたり鎮めたりするのに金属の鐘や「鈴」が用いられるようになったのかもしれません。
 (まあそういう意味では鈴や鉦や太鼓によって心揺さぶられるというのでは案外神様も他愛のないものかもしれませんね。)

 鈴木という名は、その鈴を小枝にぶら下げて神事を行った人々についた名です。


 神社に下がっている鈴の下の紐は「鈴緒」というそうです。
 「魂の緒よ 絶えなば絶えよ ながらえば・・・」と詠われた、あの「緒」ですね。

 単なる紐や縄ではないらしいのです。 神魂と我々を結ぶ「緒」なのですね。


 と、長々しく書いてきましたが、肝心のこれは何て言うんでしょう。

 鈴緒と房との間にありますね。

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 素材は桐だそうです。

 この方は「鳥居」や神社、仏閣の建物に掛けられる「扁額」を作られますが、今日はこれに文字を刻み込んでおられました。
 扁額もまた字を刻み込みますし、切り出します。

 傍らには「稲荷神社」の扁額が置かれていました。

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 実は、以前からこの方の店の前を何度となく通り、そのたびにガラス越しに仕事をされているのを覗いては「一度間近に見てみたいなあ。」と思っていたのでした。
 「エッ?! あそこの店なんですか?!」というわけです。

 そういえば立派な看板や額がいくつも置かれていました。

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 文字はそれが専門という方が書き、それを板に刻むのです。
 時には有名な書家や政治家などという人が書いたものを刻みます。
 私は以前から、その墨痕をカスレや筆の勢いや、ふくよかな線のふくらみを鑿でどうやって表現するんだろうかと、その不思議さと見事さに感心していたのです。

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 今日の文字は楷書のような整った字形ですから、まだ仕事はしやすいのではないかと思いますが、これまでの作品の写真を見せていただくと、やはり驚くような表現のものがたくさんありました。
 鋭い線、柔らかい線、伸びのある線、擦れた線・・・・それを刻むのにはやはりいろいろ素人には分からない技が隠されていました。

 文字はそのエッジを刻んで、かもまれた部分を面として平らに削っているのではないのでした。
 線の内側に当たる部分は芯になるところが山に膨らんでいるのでした。平らな面ではないのです。だからこそ見た目に勢いや力が感じられるのでした。しかもそのふくらみは細い線、太い線、交わる線、擦れる線などで皆微妙に違っているのです。
 そこに光の反射の妙があるのですね。

 触らせていただくと、ますます実感します。


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 どの方の仕事を見てもそうなのですが、こうして文字を刻んでいても小刀が滞ることがありません。
 そして刃を入れる方向や角度が舞を舞うように変わっていきますから、この角度で撮るのがいいか、このタイミングかと追いかけても追いかけても追いつきません。

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 やっとのことで光る刃先を撮った時には「あっ、向こうにお客さんが入ってしまっている!!」と気づきながらも「ままよ!!」という感じでした。

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 どこをどう撮れば職人さんの腕の冴えや迫力が撮れるのか、今回もまた暗中模索でした。

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 職人さんたちのお仕事と私の写真とではキャリアが違う・・・ということでしょうね。

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  1. 2016/04/05(火) 00:00:34|
  2. 工芸
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Author:soujyu2
 人はいろいろな場所で様々な思いを抱いて頑張っています。そんな人々の素敵な表情を追いかけてみようと思います。
 「素敵な人たちと」の出会いが私をワクワクさせます。

People hold various thoughts and are doing their best at various places.
I think that I will pursue such people's great expression.
Encounter of "nice people"
excites me.


 大変恐縮ですが、無理をお願いして撮らせていただいている写真です。ご本人のためにも無断でのコピー、転載は固くお断りします。

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