陶磁器といえば茶碗や花器を作るというイメージですが・・・。
もちろんそうでないものもたくさん陶磁器として生産されています。

この方は例えばお土産になるようなものを作られています。
今こうして作られているものは紐の先にぶら下がる「カバ」です。

なんだそんな玩具か、飾りかというなかれ、そこがやはり手作りの職人技が作り出すものは一味も二味も違います。
安いものは型に粘土を押し込んで成形して着色して焼きます。それで沢山同じものができます。
そのような同じものを手作業で作るのですが、その肌の風合いや曲面の滑らかさ感じ、さらにカバの表情などなど、うんなるほどという手指の技があるのです。

隣に十二支が並んでいます。愛嬌たっぷりのミニ龍たちが並んでいるのですが、その造形にこの方の工房ならではの表現があります。
工房のお名前は「暁陶房」 宇治にあるんだそうです。
小さなお地蔵さんがあるんですが、よく似ています。 誰にですって? 勿論この方にです。
これまた愛嬌たっぷりで見ていると顔がほころびます。

カバは二重瞼だったってご存知でしたか?
勿論こちらの工房の表現なんですが、それがとてもいいんです。
黒目を囲う瞼を作っています。

考えてみれば世の中のお店に並べられているものは何にしても生産者がいるんですね。
当たり前の事なんですが時に忘れがちです。人がものを作り出さない限り人に有用な材は生まれないんですからね。
(もっとも、経済学的に言えば自然財といって人の労働に依らないで無償で入手できるものは確かにありますけれど。例えば光や空気など。)
作られたものの背景に、人の営為をイメージしたいものです。
- 2016/04/04(月) 00:00:21|
- 陶芸
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