私が、こうして今のように「人の写真を撮る」ことを始めたのは、(前史を含めれば少しばかりさかのぼるけれど)5年前の事。
今月末で満5年となります。この記事を書いている時点(3/28)では、1002名の方を撮ることになりました。(1000名に達したら個展をしようと考えてはいたのですが、それが6月くらいになるのではという年初の予想がだいぶん外れました。それで、そのことは曖昧模糊・意識朦朧のうちに忘れたことにします。)
拍手もこの5年で5万超となりました。何か一節越えたような気がします。
私としては、実に個人的なことで、何か公表して話題にすることがはばかられるような感じもしますが、自分に関心を持ってくれる人は世界広しといえど・・・・亡くなった両親以外には・・・・そう多くはないので、せめて自分が自分のことに関心を持とうとおもいまして書きつけてみました。
世界を尺度にすれば、まことに微々たる達成ではあり、やれ5年続けただの、1000人の人を撮っただのということは「それがどうした」と言われれば身も蓋もないようなことではあるのですが、私のような小市民が自分のことを・・・・あくまで個人を基準をとってみれば、まあ今日明日中に達成できることではないという意味では、いくらか注目してよいことだと思うのです。
カメラのアイスピースもひび割れるくらい度々ファインダーをのぞき込んではシャッターボタンを押してきましたので。
ただ問題は、・・・・私の意識からすれば・・・・このことがどれくらい世の中につながり、人の気持ちをすがすがしく、前向きにすることに役立てるのかという事が肝心なことだと思います。このことについてはまた改めて考えながら撮り続けようと思うのです。
基本的には私のしていることは個人の道楽には違いないのです。
が、世の中に対して閉じた独り善がりにはならないように気を付けたいと自戒を込めて思っています。
その点で言えば、最近こうして人を撮る写真への現実的期待を感じることがたまにあります。
そこをしっかりとつかみきればこれからの5年を少し意味あるものへと高めていくことができそうだなとも思います。
そういうかすかな予感があるから、これからの5年間を楽しみにしようと思っています。
被写体になっていただきました多くの方々。ありがとうございました。
ブログ見ていただいたり、個展・グル-プ展に足を運んでくださった方々。ありがとうございました。
私が写真を、まして人の写真を撮ることについて好意的に見ていて下さった方々。ありがとうございました。
皆さん、これからもよろしくお願いいたします。
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先日ある場所で友禅職人の作品展が開かれ、そこにプロの写真家がの撮った職人さんたちの写真が展示されているコーナーがありました。
「あそこにあなたと同じようなテーマで撮った写真があるから見るといい。」と顔見知りの職人さんに教えていただいて、じっくりと見せていただきました。

職人さんの工房に出向いて撮っているだけに、現実的な迫真性がありましたし、また光もよく整えられていました。
その時に不遜にも、ここに自分の写真も並べさせてもらえたらなあと思うことができたのは、うれしいことでした。
さて、今日のブログでも、同じような写真を並べています。
それは私にしっかりと選び抜く力がないという事に加えて、もっと基本に「帯に短したすきに・・・」という写真を撮っているからです。
個展などではどうしても避けねばならない出し方ですね。

茶碗の内側の局面の形成には桜の木を削った型を利用します。
轆轤で引いて作るこの茶碗は同じ大きさと形のもので、絵柄も同じ。それをキチンと同じ大きさ、形の作り出す技術が職人技でもあります。
このサクラ材の型は、無論自作。
使い続けていくうちにすり減るから、あるときまた新たに作らねばなりません。
考えてみれば桜の木が土(壁)で何度も何度もこすられていくのですからすり減らないわけがありませんね。
鉄でできた小刀でさえ木を削っていくと、すり減って刃が鈍るのですから。

今、唇の当たる茶碗の縁を滑らかにしています。
日本では食器を持ち上げることが少なくありません。それで手触り、風合い、重さなどが重要な要素となります。
そして口当たりもまた軽視できないのですね。
焼き物は表面が滑らかですべすべしていればいいというわけではなくて、時には微妙なざらつき感が好まれることもありますね。 熱伝導や厚みもまた大切な要素。
日本人はこうした感性が比較的鋭敏に育つ文化社会を作ってきています。
(「だから日本[人]は素晴らしい」・・などと安易に言いたがる今日の風潮は危険だと私は思っています。世界の他の地域に住む人々の様々な感性のありようについての知識も、実体的な見聞も乏しいのに軽々しく自国(民)をほめそやして悦に入っている・・・その裏返しですぐに他国・地域の人々を軽蔑したがる・・・・姿はあさましく、下品ですね。)

優れた職人たちが、これまた優れた使用者たちの感性と良い緊張感をもってお互いを成長させてきた成果だろとおもいます。
良い仕事をしてくれると私たちも育てられます。
だから、私たちも職人の仕事の成果を楽しんで享受し、時には注文をつけられる文化性を持たねばならないと思のですが。
(ただ残念なことには、大概の作品は高価で庶民には手が出しにくいという事ですね。せめて鑑賞はさせていただいて交流したいものだと思いますけれど。)
- 2016/03/29(火) 00:00:27|
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こんにちは。
5年間のブログ継続、本当におめでとうございます。
そして、1000人の魅力あふれる方々の写真撮影の達成、おめでとうございます。
そして、本当にありがとうございます!!
私は、毎日蒼樹さんの写真を拝見しては、様々な感銘を受けてまいりました。
今蒼樹さんが一区切りを迎えられて、私も何か感謝の気持ちをお伝えしたいと思うのですが、言葉にすると足りなくなってしまいます。
ですから、申し訳ありませんが、まずありがとうございます、とだけ言わせてください。
一つ思いますのは、単純に、本当に大変だっただろうなぁ、ということでございます。
フォトマヌカンになって頂く方を確保するだけでも、非常な苦労をされたことと思います。
そしてご自分の心に響いた姿や情景をファインダーに切り取っていく、納得がいくまで何度でも繰り返す。
被写体の方とコミュニケーションを取りながらの撮影は、楽しくもあるでしょうが、これだけの期間継続するという事は並大抵ではありません。
道楽と仰いますが、対価を求めずにやっておられるからこそ、プロカメラマンが失っている純粋さがあるように感じています。
私は写真のことは全く解りませんが、蒼樹さんの写真を拝見しておりますと、四季折々の風景の中に蒼樹さんそのものを見る思いがして実に楽しいです。
どうぞこれからも宜しくお願い致します!
- 2016/03/29(火) 13:44:45 |
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- ★赤影★ #-
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こんばんは。
何年も同じ題材を続けて撮影することは一種修行のようですが、簡単にできることではないですね。
お猿さんを30年、40年と獲り続けている人たちを知っていますが、もう道楽と云える物ではなくなっています。
健康に留意されて、これからも長く続くシリーズとなりますように!
- 2016/03/29(火) 19:25:34 |
- URL |
- yokoblueplanet #-
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大変に心のこもったコメントをいただきありがとうございます。
5年間、1000人の方たちの写真を振り返ればこもごも思うことがあります。
昨日も4年前に二人展をしたおられてその際に撮らせていただいた方に、その方の個展でお会いしました。
さらに活躍されている様子をうれしく拝見しましたが、私も継続していたからこそお会いできたものと喜びました。ちょっとした天のプレゼントですね。
課題はありますがこれからも「人を撮る」ことを続けていきたいと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
- 2016/03/30(水) 10:27:55 |
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- soujyu2 #-
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コメントありがとうございます。
30年、40年ですか・・・・。私にはそういう時間は残されてはいませんが、まだ1000人くらいの方々にはお会いできるかもしれないなと新たな決意をしています。それ自体が目標ではなくて、心に響く人物写真を撮ることを求めていきたいし、それぞれ生きていることの素晴らしさを認め合えるような写真を撮りたいと念じています。
それを続けて行って、振り返った時に「ここまで来たんだなあ。」と思えたらいいなあと。
これからもよろしくお付き合いください。
- 2016/03/30(水) 10:32:25 |
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- soujyu2 #-
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