花器に絵付けをされている。
前作のコピーを横に置いているのは、この工房の売れ筋の定番商品だからです。
と言っても、一つ一つ手捻りで造形して、こうして手描きしている製品ですから、そう安価なものではありません。

型に入れて成型するのならばどれも同じ大きさ、形をしていますから、そこに彩色するにしてもまたく同じようにできるわけでしょうが「やはり焼きあがってきたものが微妙に形も違ってくるから花の形や込み具合も少しずつ工夫して」描きこむのだそうです。
陶芸作家と陶芸職人とは目的とするところが違います。自ずと技にも違いがあるように思います。
(写真作家と写真職人もまたそういう相違があるのでしょう。それぞれの役割、社会的存在意義がありますね。)

陶器も型で絵付けをしたりプリントさえできる時代ですから安価な大量生産品に押し流されないためにはご苦労があると思います。
何分ちょっと見た目には手書き風にわざと乱したり崩したりしてプリントする時代です。匠たちの仕事を写真で取り込んでしまうこともできます。
職人の仕事は問屋に納められてしまえば著作権を主張することは難しいのです。
そもそもその職人もまた過去のパタンや絵柄を踏襲しているのですから。(この「踏襲」というところが微妙な意味合いを持つのですけど)

それにしてもこの会場も職人さんには優しくない会場ですね。
照明一つとってもとても職人さんのためのものでないことが明らかです。
常設ではないので・・・・臨時的、一時的なので・・・・金はかけられないという事でしょうか。
人を招いているのだという敬意を持った心配りがiいくらか不足しているように感じられます。

職人さんたちも、昔の偏屈な職人気質を脱っしてきている世代になっています。ですから、この業界のこと、仕事の事、高い技についてもっともっと知って欲しいという意欲があるわけですから、その気持ちを大切に汲み取ってあげてほしいなあと思います。

働きなれた普段の工房とは大きく異なった環境で物を作るという事は楽なことではないと思います。
『いつもは誰とも話さないでラジオだけが友達みたいな生活だからたまにはこうしてたくさんお人と交流できると嬉しい。」と言ってくださる方たちがいて・・・・不躾にカメラを向ける私としては・・・・ちょっと、ホッとするわけです。

この花器の素焼きがどういう風に焼かれて手元に来るかと言う様な話をしてくれています。
- 2016/03/27(日) 00:00:25|
- 陶芸
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