神祇関係の衣装や道具類を作られる分野があります。
先日は冠を制作する方に登場していただきましたが、今回は「房」を作られる方です。
幕や神輿などの隅に房が下がっているのをよく見ますが、それを見た時に、作られている人やその作業を想像することはありませんでした。
そういえばいろいろなところに「房」があります。そしてそこにもまた匠たちがいたのです。
紐とその先の「房」
紐はまた様々に結ばれますが、その結び方にも伝統が。

先代から兄弟で引き継いでおられるのだそうです。
この方がお兄さん。 受け継ぐ責任をひしひしと感じておられます。
この仕事もまた・・・・先日の烏帽子・冠ほどではないにしても・・・・お仕事をされる方が少なくなっているのだそうで、親子で継承することが大半だそうです。

木を中身にした頭(房頭)の部分とそれに下がる糸の部分とは別に作られるのだそうですが、「職人の腕の良しあしは房頭を編みこんで包む細やかさや精度ですぐわかる。」とのことでした。

今見ているのは切房のようですが、その糸の長さを丹念に調整しています。
長さの不ぞろいになった糸(むしろ細い『紐』というべきでしょうが)を取り出して、巧みに逆方向に引き込んで調整します。
「多少長さが不ぞろいで出荷されるような場合もあるようなんですが、私はどうもそれが見過ごせなくて・・・・・。」


歌舞伎の世界や相撲の世界、あるいは縁起物や近いところでは祇園祭の鉾などに房が見られますが、お土産用の、例えばストラップの房などはほとんど海外で生産されているようです。
この方たちの作るのはいわばほとんどが高級品です。
京都はそういう世界の需要がまだまだりますからね。
またそうであるからこそ高い技術が生き続けられるという事なんですが。


この方の名刺には「神官・法衣・飾り房紐製造」とありました。
- 2016/03/24(木) 00:00:47|
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