東山三条に、並河靖之七宝記念館という建物があります。並河靖之七という人は明治期から昭和初期にかけて活躍した人で、日本を代表する七宝作家だそうです。建物は帝室技芸員にも任命された並河靖之の自宅兼工房が記念館として公開されているのですが、庭も大きくはないけれど良くできたものです。
その記念館にはたくさんの七宝の作品が展示されていて私も何度か見に行きました。そうした経験があったものですから七宝焼きに先入観ができていて「キティちゃん」を七宝で描く??!!と驚いたわけです。
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しかし、従来の枠で七宝焼きを続けてきたから衰退してきたわけで、座して衰亡するのではなくて現代の人に歓迎される新しい枠組みの中で七宝を生かしていくにはこうした若い感性が大切なのでしょう。

ただ、なんでも「カワイイ!」という美意識で取り入れられ・作られているだけでいいかということについては、この若い七宝作家自身が問題意識を持って考えていました。

伝統工芸大学校を出てしまうと七宝について教えを受けることが困難だといっていました。並河靖之七宝記念館にも行っていろいろ学ぼうとするのだけれど「壺の内側までは見せてもらえないし。そこがどう処理されているか見たいところなんですけど。」
美術館の中でゆっくり模写させてもらえない。いろいろな文化財の写真撮影が禁じられている。工芸作品に手を触れて裏返しにしてみることができない。
芸術や工芸を学ぼうとする人々にとって日本の環境は必ずしも良いとは言えないと思います。
作品を守るためのルールなのか作品を所有している人たちの経済的な利益を守るためのルールなのか。
文化を育てない国だと思う。
それにしてもこの集中した姿・表情は魅力的ですね。
私は政治公約を簡単に反故にしてすませるような政治文化に反対です。核兵器・原子力発電に反対です。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2011/09/15(木) 00:00:05|
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お立ち寄りありがとうございます。
「人を撮る」ためには、あまりよい社会環境とは言い難い面があります。でも私は「素敵な人がいる」ということを、もっと率直に認めて心を動かしたいと思っています。ちょっと大げさですが。
そして写真を撮らせていただいて皆さんとともに「素敵な方だなあ」と喜びたいと思います。
これからもよろしく御批評ください。
- 2011/09/15(木) 09:13:56 |
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