工芸の小作品展が京都伝統工芸館で開かれた折に、京都美術工芸大学の卒展も覗いてみました。

第一期生の卒業だそうです。
伝統工芸大学校が実技コースなら、こちらはその実技も学びながら理論的な面も学ぶようです。
この人の作品を見ながら20世紀前半くらいのデザインがリスペクトされているのかなあなんて素人ながらみていました。

とてもモダーンな感じで・・・といても現在に対してモダンというのではないのですが・・・・、ファッションで言えばジバンシーを感じさせるような(なんて言うとよくご存じの方から何を頓珍漢なことを言っているのだと笑われてしまうでしょうが)オシャレ感があります。

なんといっても象嵌の手法で黒い線(マホガニーでしょうか)が生きていますし、天板などには微妙にアールがつけられているところなど、工夫が満載です。
そしてそれがうるさくないところにこの学生の感性の良さと力量を感じましたが、何といってもよく勉強したなあという印象です。

私の「一知半解」では正しく評価できませんが、素材の高級感もあって市販しても、良い価格が付くなあという感じです。
写真をご覧になって分かっていただけると思いますが、この学生が充実した4年間を送ってきた自負心と満足感を感じます。
すでに某有名家具メーカーに就職が決まっいることも相まってとても良い表情をしています。

私の的外れな質問にも丁寧に答えてくれ、写真を撮りたいとお願いすると・・・・照明が「逆光になる」ので・・・・・友人を呼んで反転させてくれました。

学生時代を総括する、このよくできたデスクは「弟にやろうと思っているんです。」とのことでした。
私のお粗末なデスクに比べて・・・・。
弟さんは良い兄さんを持って幸せですね。

卒展会場には多くの作品が展示されていて卒業生が会場で「説明員」を務めていますが、「一期生」だという事に誇りと自覚を持っているように感じられました。
おそらく学校としてもずいぶん熱心に育てられたのでしょう。
他にもよい作品がいくつも見られました。

それらの作品は、単に巧みに制作したというのではなくて、コンセプトを明確に持とうとする意欲が垣間見られていましたが、そこにこの学校の特徴があるのでしょう。
専門の高い技術を持った先生方の熱心な助力と指導があったようです。
学校に期待も背負いつつ、これからそれぞれの場で大いに活躍していくのでしょうね。
- 2016/03/15(火) 00:00:37|
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