私が大学の卒業を前にした時には、見かけほど卒業の覚悟も準備もできていませんでした。
だからこそ外見上は大層な決意をして見せていたとも言えます。
ほとんど中身は空っぽだったなあと今にしては思います。
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芸術系の大学の卒業制作展が、相次いで行われていました。
その一方での個展やグループ展です。

この人はギャラリーの片隅に、日常を描いていました。
畳敷きの上に置かれたちゃぶ台。
その上に広げられた受験問題集、落書きがされたノート、親しい友人との写真・・・、ひざ掛けの毛布とクッション。
「せっかくの展示会の記念です、撮りましょうか?
「お願いします。
「じゃあ、あなた自身も作品の一部になってください。

ノートの右端には「パラパラ動画」が描かれています。
落書き一杯のノートは、退屈な授業や学習を意味してるようです。 まあ私にも経験があります。
「つい退屈になってしまうのが・・・・・数学だったんです。」というわけで、ちゃぶ台に開かれた問題集は「数学」のそれでした。
ちゃんと計算されています。

あんなに算数が得意で学習することが楽しかった少年が、なぜ極め付きの数学不得意高校生になってしまったんでしょうね。
大学では微分などを…自主的に・・・・楽しんだんですから、決して数学そのものが嫌いではなかったのに。
「とにかくそういうものだと考えて・・・・。」という教師の決まり文句と、「ここ出るぞ! これくらいできなくては国立に行けないぞ!!」という呪文を聞かされて、高校での学習のほとんど丸ごとを拒否してしまった多感な高校生・・・という事に自分の中では、なっています。

こうして一緒にグループ展を開ける友人を得たこと、それも大学生活の貴重な財産ですね。
それに加えて、こうした学外のギャラリーで自分を表現し大人たちと交流する機会を持てたこと。
大学の外に踏み出す機会はとても大きな意味を持つように思います。

この人は、進学してなお一層学ぶのだそうです。
小石に彩色しています。

その色の感覚は魅力的です。

4年間の勉強で卒業し様々な職業人となっていく人に比べて、進学する人は、絵画や造形のプロパーになろうとするのですから、覚悟や資質はより高いものを求められます。
で、会場にそういう人がいると、私の話は少々出力のレベルが変わります。
「敢えて話す」内容になります。

あと30人の方を撮ると、累計で1000人/5年となります。
あと30人、今まで出会ったことも話したこともない方にお会いして、撮影をお願いして写真を撮る。
一か月に、十数人の方の写真を撮るペースなのですが、考えれば一月のうちに知らない人を十数人撮るという事自体が、「えっ?!どうすればそんなことができるの?! あてはあるの?」と自問自答して途方に暮れてしまいます。
そういうことを目標にして、達成しよう達成しようと思えば結構重い気持ちになるでしょうね。
これまでに30人の十倍の300人を撮ったのですし、その三倍の900人を撮ってきたのですから、容易くできるようにも思えるでしょうが、未達成の30人は、やはり「難しいなあ」と思うのです。過去が未来を保証するわけではありませんから。
山登りの人は頂上を見上げながら登らないそうです。足元の一歩一歩を見ながら足を運ぶのだと聞いたことがあります。
頂上を見上げると顎が上がって、その姿勢では登るのが大変になるという事と、まだ着かないまだあれだけ歩かなければならないという気持ちが心理的に重くのしかかって、より疲れるのだそうです。
で、以前書いたことと矛盾するようにみえるのですが、「毎日の努力が結果を生む」と考えて、結果がどうなるかを意識の外にして地道に頑張ろうという心理状態を推奨する人がいるのですね。
数字について触れると、このブログのアクセスランキングは人物写真の分野では、一時期一けた台になりましたが、このところはたいてい十数位です。写真ジャンルでは100番を挟んでいったり来たりです。
拍手は48、000を越えました。これに一喜一憂することを適度に楽しんでいます。一番うれしいのが拍手ですね。
しかし、肝心の写真の質がどうなのか、そこを意識しなければなりません。
当初の、つまり5年前ですが、そのころの写真と比べれば、多少の成長はあるかなと思います。ただ、残念なことに、あくまで『多少の』という程度ですが。
それでもこうして続けてきたことで、「ブログを見て戴ければ、私の活動を知っていただけます。」と言えるのはいい面ですね。そして、「じゃあ撮っていただいていいですよ。」というお返事もいただけるようになりました。
過去の自分が今の自分を支援しているという事でしょうか。
撮らせていただいた方が力添えをしてくれると言うことでもありますね。
来月の末にはブログが満5年を迎えます。その時までに1000人達成はまず難しいですが、この間中国にいっていたり、入院したりしていますから、まあざっくりと5年間で1000人という事にはなりましょうか。
次の5年間は、どうなるでしょう。私の人生では・・・或は余命といいましょうか・・・・2000人の方の写真を撮らせていただくことになれば、何かそれなりのことをしたというようになるでしょうか。
今年4月の8,9,10日には高瀬川四季AIRで、ミニ個展をさせていただけそうです。着物でおいでの方の写真も撮ることになりそうです。
9月初旬には、また京都文化博物館でのグループ展(京都ファイーンダ―クラブ)に参加します。
6月にと思っていた「1000人達成記念の個展」は、1000人はタダの通過点だなあという意識が強くなってきたためか、まだ何の準備もできていません。ちょっと口先だけの宣伝が風呂敷を広げ過ぎています。
これまでの1000人/5年より、次の5年をどう成長させるのかの方に気持ちが移りつつあります。
あと、5年×2ほどの余命ですから、もっともっと楽しまなくちゃいけませんからね。
- 2016/02/16(火) 00:00:09|
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