今度は「削り」の工程です。
工房の向こうの方に完成された作品が並べられています。
張さんは台湾の学者で作家という高名な方から、その方が長年研究してきた「釉薬の奥義」を授けられています。
そしてそれを単に踏襲するだけではなくてそれ以上の改良や施す際の工夫を積み重ねてこられているのだそうですが、奥の机上に見える作品にその様子が見えます。
カラーでないのが残念ですが、このシリーズ初日の工房前で撮らせていただいた一枚がカラーですので、ご覧ください。
とても魅力的な釉薬の描く世界です。

釉薬は、鉱物の配合のレシピが重要なだけでなく、それをどのように素焼きに塗るのか、厚さは、重ね方は、・・そして何度で焼くのか、どの温度を継続するのかなどなど、最高の状態を引き出すためには、それこそを無限ともいえる試みが必要になってきます。
妥協、諦めとは無縁の世界に住まねばなりません。
作家になると言うことは、そういうことです。

写真にも同じことが言えるのだと思います。
ですから、私は到底「写真家」を名乗れません。 せいぜい「・・のようなものをまねていると思い込んでいる」と言えるぐらいのものです。
でも、まあせいぜい思い込みましょう。
そうすれば、例の「ブタ」くらいにはなれるかもしれませんから。

えっ?! 例のブタとはなんだですって?! ほら、あのおだてられているうちに自分がブタだという事を忘れて着に上っちまた彼奴のことですよ。
飛ばないから、お前はタダのブタだと言われたっていうあいつの事じゃないですよ。

もうじき作品展があるのですが「前日になってももっといいものを・・と思って『これで止めておこう』という風にならなくて・・・。」といわれます。
それは素人の私でも同じですね。
ですから個展の準備をしながら、気持ちはもう次の個展に向かっています。

こうして肌を丁寧に仕上げないと「釉薬をかけて焼いていくとこの肌の具合がどうしても出てくるんですよ。ちょっと触ってみてください。」
なるほどペーパーをかけた部分は気持ちよいくらいにすべすべしています。

「今回は撮ってもらえなかった釉薬がけや窯入れ・窯出しもぜひ撮ってください。」と言っていただきました。
ぜひぜひそうさせていただきたいと思います。
今度は雪の道を京北のこの工房まで来ることになるのでしょうか。
楽しみです。
- 2015/11/28(土) 00:00:18|
- 陶器
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