「この楽器の名前をご存知ですか?」
「はい、ユーフォニュームでしょ?!」
「よくご存じですね。 音楽関係の方ですか?」
「十で天才、十五で才児、二十過ぎればただの人」 小学校の担任に言われた言葉です。 小中学校では教科書に書いてある以上のことをよく理解し記憶したのです。
二十歳も遠くなりにけり・・・・いまや、ただの人のレベルにさえついていけない体たらくです。
そんななか楽器演奏の出来る人はことのほか羨ましくて・・・・・。

コンサートを聞きに行ったりするとステージに居並んだ黒服の人たちを「天上の人」ではないか・・・・この世の人とは思えない・・・・とさえ錯覚するほどで・・・。

ましてこんな良い季節にこんな場所で音を響かせているなんて、・・・・・。
「どこかのオケの方ですか?」
「オケではないんですが、市民のグループに参加して吹いてます。」
院生ですから学内のオケやブラスの加わることもできるでしょうが、
「なかなか研究と両立というわけにはいきにくくて・・・・。」

ユーフォニュームはメロディー部分を担当することが少ない楽器ですし、あまり目立ちません。
それを長くされているという事は、ハーモニ-を作る音楽がとても好きなんだと思います。
「ええ、音楽は大好きです。 好きですね。」

学校のブラスバンド部にはいったときにこの楽器の名前だけ知らなかったのですが、その名前を知らない楽器の担当になって「それで一生が決まるんですよね。」
わかります、そういう『運命』の決まり方。

私は不幸なことに小学校ではクラス対抗の合唱コンクールや合奏コンクールでは「指揮」を命じられたのです。
で、音楽の時間に習うハーモニカや「スぺリオパイプ」以外にはなんの楽器もできるようになりませんでした。
アコーディオンをした時には恐ろしく習熟が遅くて散々でした。
以来何とかできるのは歌と口笛です。

こういう広々とした場所で気兼ねなく音を出せるのはいいですね。楽しいでしょうね。
私もその楽しさをほんのわずか頂きました。

楽器ができると人生は相当豊かになるでしょうねぇ。
- 2015/10/09(金) 00:00:39|
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