初めから構想があって描いているのではないらしく・・・・・イメージが膨らんでその都度紙は四方八方に継ぎ足され、
左上を書いていると思えば急に脚立を降りて、スタートらしきところに手を入れてみたり、
視線は部分に集中しているかと見えて、次の刹那には彼方を見ています。

絵では作者がどんどん紡ぎ出していきますが、写真では在るものしか撮れません。
現に在るものの何を選択するかという事になります。
もっともすでに写真でも様々な技術を駆使してコラージュしたり削除したり色の変換をしたりしますから、絵と変わらないともいえましょうが。

まあ、私自身についていえば絵を書くほどの忍耐と精神の持続はできませんので、作画の世界に入ることはないのですが。
しかも最近大いに巷の話題になっている創造性と独自性などというものは私にとっては逆立ちしても出てきません。

・・・・ただまあ創造性と独自性だけが価値だ、みたいな考えだけが本当に正当なのかどうか短兵急には肯じられない気持ちもあるのですが・・・・

この人の個展の案内のカードは一般に使用されるDMの2倍の大きさ、厚さがあります。
大勢に流されることなく立ち止まって、しっかりと自分というフィルターを通して表出できるという事は貴重な資質だと思います。
学びたいと思う点です。

自分が個展を計画しているからこそ、こうしたことも意識できるのだなあと思い、怠惰な自分には良い機会だと思うのです。

私が絵や造形をする人を撮るのは単に羨ましいからなのかもしれません。

それで楽器の出来る人も撮るのでしょう。
「すみません、ちょっと脚立に上がって貰っていいですか? 気持ちの流れに沿わないところを書いてもらって悪いですが。」
「いいえ、ここはここで手を入れたいですから、大丈夫ですよ。」

- 2015/09/22(火) 00:01:44|
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