これまで、すでに2度、3度撮らせていただいている方です。
お邪魔でしょうに、いつも快く「どうぞ。」と撮影を承諾してくれています。

今回は、もうほとんど完成間際と言っていい、仕上げの段階でした。
地蔵尊を彫っておられます。
このお地蔵さんは、珍しく半跏の姿勢で、頭をわずかに傾けています。
よく見る地蔵さんに比べて柔和な感じです。

木彫では、長い時間、像を手の中に持っていますから手の油がついて・・・・却ってその油が効果的に働く素材もあるのだそうですが・・・・変色してしまうので、手袋をはめての作業です。

象を彫る工程の中で、どの段階が最も重要で難しいのか・・・と見学の高校生たちが質問していました。
「荒彫の段階だね。そこで腰や背骨などの骨格、体の傾きや肉付きが合理的にバランス良く彫れていないと、そのあとどれほど細密で注意深い仕事をしても、どこまでも落ち着きの悪いものにしかならない。」と話されていました。
だから、師匠が荒彫りをすると、その後の仕上げを弟子たちが分担するのだそうです。

「例えば指先の爪などを彫るのには、一定の仕方というものがあって、それを段取りよくきちんとやればある程度には彫れるモノなんですよ。そういうことは弟子がするんです。」とのことでした。
絵画で、デッサンが大切という事はそういうことでしょうね。
- 2015/08/17(月) 00:00:20|
- 伝統工芸
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白黒の似合う仕事場…お地蔵さんの姿も見てみたくなります…祈りを形にする仕事…憧れます♪
- 2015/08/17(月) 18:13:49 |
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- ひでわく #oyUv4a/.
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コメントありがとうございます。 この会場は比較的広いところに三人の方が黙々と制作に励んでおられます。そして、それぞれの仕事が高い集中を必要とするものですから、シン としています。
道具をとったり置いたりするときぐらいしか音というものがしません。
刃物はよく研がれていますから、鑿がきれいに木を削っていく音も、無音の音といった感じです。
ですから私のシャッター音が妙に大きく響いてしまいます。
そこで職人さんの呼吸を乱さないようにそのリズムに乗って撮りたいなあと・・・・試みはするのですが。
- 2015/08/17(月) 21:56:10 |
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- soujyu2 #-
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