2011年4月から始めたこの活動で、お願いして撮らせていただいた方が882名。
ですから、時折「以前にも撮らせていただきましたね。」という方にお会いするようにもなりました。
「撮ってもらったのでブログを見せてもらったら知人がすでに登場してました。」というケースもあります。
少々京都が狭くなりました。

「もう一度いいですか?」
「ああ、いいよ。」と言っていただいた時に、前回の撮影が不愉快なモノでなかったと安心もします。
「職人の仕事に関心を持ってもらえるだけでもうれしい。」ともいわれます。

撮影を始めてシャッターを何度も切っていると
「きちんと撮ってくれてるなあと思って仕事に気持ちが入る。いいカメラのシャッターの音はいいものものねぇ。」
良い構図や、よい瞬間を探してシャッターを切っていると職人の多くの方が「マジ」になっていかれます。 それが公開の実演の会場でもです。
仕事に対する誇りだと私は思います。

それは工芸的職人さんに限りません。
先日の中国料理の料理人さん然り。何事によらず仕事を大切にして取り組んでいる人はそうなんだろうと思います。
この方が今使っている小刀をご覧ください。
2本の小刀を合わせてピンセットの先のようにして、一度に1,2ミリの幅を切り抜くことができるのです。ご自身でこういう道具を作られるのです。
「いやこういうのは先輩などに教えてもらったりして使うようになった」のだというのですが、ご自身に合わせて少しずつ少しずつ改善して、やがてご自身のからだの延長にしていくのです。
「職人は道具だからね。」

友禅で、こうした職人が切った型を使う「染」はもうごく特殊な場合を除けば仕事はありません。
この方もこうして額装する作品を作ったり、小物を作ったりされています。
「まあ、時代と言えばそれまでだけど、寂しいわなあ。もう弟子を育てっる言ったって、いい仕事ができるまで修行させるような時間も仕事のチャンスもないさかい、間にあわんしなあ。」

今は見学の人の利便性のためにバックライトを当てていますが、通常はこういう台の上で切ることはないのだそうです。

最初に書いた人数は延べ人数ではありませんから、今年のように繰り返し撮らせていただくようなケースが増えてくると実人数の数は増えません。
ですが、だからこそ意識する点を変化させて撮る機会にもさせていただけるようになっています。
やはり物事は弁証的に発展するんですねぇ。
1000人の方を撮れたら「パリで個展」という酒席の大風呂敷的誇大妄想的目標はずっと先に延びますが、来年の個展(次々回)では1000人達成を祝いたいものです。
- 2015/07/21(火) 00:03:41|
- 伝統工芸
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