「今度の写真展に向けて写真を撮らせてもらえませんか?」
そうお願いしたのはもう一か月ほど前になる。
快諾していただいた後、なぜか気持ちがうまく整わないでお店の前を通り過ぎていた。
よし今日は!と表と店に入ると、お店のご主人は「いいよいいよ、今餃子を包んでいるから、いまだよ!!」と厨房を指さして迎え入れてくれた。

私はお昼の注文をしてからお願いしようと思て知多のですが、その間も有らばこそでした。
奥にいるこの人と目が合って「你好!」と声をかけると照れくさそうなはにかんだ笑いが返ってくる。
「こんにちは」 彼の声が耳に届く。 日本語の語彙が徐々に増えているようだ。

実に生真面目で、その笑顔もいつも穏やかだ。
中国東北部の出身だというので、…ほんのしばらく瀋陽に行っていた経験があるだけなのに・・・・それだけで親しみを感じる。
中華鍋な重いから無骨と見える手指だが、餃子を包むには少し大きすぎるようにさえ見える。
しかし、指の先まで神経が行き届きその流れは滞りがない。

80~200ミリのレンズと、カメラ本体には28~70ミリの重いズームをつけて、それらをリュックに入れて走るのは走り出しにちょっと気合が必要だ。
でも今日は撮らせてもらおうと決めたら背負ってくるしかない。
チャンスは短時間だ。

カメラを向けていると…生真面目な彼は…よそ見さえしないし、他のスタッフと冗談の一言ともかわそうとしない。
一枚目に笑顔の写真があるのが不思議なくらいだ。
私が撮ることに対してとても生真面目に応じてくれている。
だから仕事の障りにならないように勝負は短時間に決めなくては・・・・と思う。

できればこの9月のグループ展に出せえる一枚を欲しいのだ。
実は、若い女性たちの写真にしようか、この人や作家さんたちにしようかと未だに迷いがある。
それぞれに、今見てもらいたい思いがあるからだ。
- 2015/07/18(土) 00:00:19|
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