傑作の「予感」ではなくして、もはやはっきりと傑作だろう。
久しぶりに興奮するような「モノづくり」に出会った。

モノづくりに接して感動するのは、その精妙な技術(腕前)に対してのこともある。
そのものの機能やそれが生む効果に対するものもある。
この人のモノ作りはそれが多層になって感動させてくれた。

そしてこの人の表情それ自身も「素敵!」なのだ。

この人が作っているのは「iphone を置くだけで音色が変わる電源も設定もいっさい要らないスピーカー」
木製の「ラッパだけの」スピーカーなのだ。
大昔に雑誌で見た記憶のある「JBL Paragon」の実寸大を自身で作っていたりしている。

iphoneの差込口があって、この iphone が音源となる。そしてアンプもスピーカー用の電源コードもない。
コーンがない!!
店の前を行く人にiphone を差し込んで音を出して聞かせる。と、ほとんどの人が「ええっ!!??」という顔をして立ち止まる。
その反応を見て別のスピーカーに差し替える。
すると大半の人が、一歩踏み出して驚嘆の表情をする。 その反応を見るときのこの人のうれしそうな顔。
この曲だとこんな感じ。 これも聞いてみてと、ボーカルの曲を。
私自身はiphoneを持っていないし、小さな音源で「シャカシャカ ジャカジャカ」という音を聞く気にならない。
そして街にあふれている質の悪い音にうんざりしている。 音の暴力だと思うこともままある。

この人はそれをそのままにしておかないで、「iphone 自体は音源として悪くないんですから、こうして出してやれば、ほら!!」という提案をしているわけだ。
何十、何百万円のオーディオ機器を持てばそれはいい音に近づけるだろうけれど。
CD音源はどんなレコーディングで、再生機は・・、アンプは真空管?・・・スピーカーはウーハは? ツィーターは?
そんな話ではない。 普及著しいiphone を、こうすれば、どうです?!と提案しているのだ。 それも理論じゃくて「これで聞いてみて!」
そこがすごい。
そして。「、音がいい!!のだ。
やったね!! それが私の率直な感想だ。
大昔、ソニーのウォークマンが市販・普及される前に、価格設定の市場調査として聞かせてもらって以来の驚きと言っていいかもしれない。

「あちゃちゃ・わちゃわちゃ・ぎっちょんちょん!」が工房名。
もし株式会社化するなら「投資して応援したい」と思ったことだ。
でも株式会社化なんてしないでね。
- 2015/06/09(火) 00:02:17|
- 手作り市
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