京都に住んでいれば、いつでも撮れそうな写真です。
撮れそうだと思われている写真です。

私が「人物の写真を撮っている」というと「いいですね、京都には舞妓さんや芸子さんがいるから。」とよく言われます。
ですが、私は、ほぼ、撮りません。
撮らない理由はいくつかあるんですが、・・・・。

今日は写真の背景をご覧になってお分かりのように、ギャラリーでの撮影です。水彩の風景画が並んでいます。この絵はある方が開いておられる絵画教室の「生徒」さんたちの作品です。かなりのレベルのものがあってすごいなあと思います。
そして、絵画教室の方たちが舞妓さんをモデルに絵の勉強です。
ギャラリーのオーナーさんの情報で図々しくも闖入しています。

皆さんが描き始めても私は絵の道具も持っていませんから、ただじっと舞妓さんを眺めています。
「目の保養」をしているわけではないのですが。
20分のスケッチの後10分の休憩。これを繰り返します。休憩時間になっても皆さん描くのを止めません。どうやらみなさん着彩まで行こうとしているようです。
私はといえば、休憩時間に舞妓さんに近づいて話しかけます。
「〇〇さんでお目にかかったことがありますか?!」
「・・・?・・・・」
「多分そのお店でごあいさつしていただいたような記憶があるんですが。」
「そのお店にはよう行かせてもろてます。」
・・・・・・・・・
「描かはらへんのどすか?」
「僕は写真のほうなんで・・・・。」
「・・・・・・・」
「僕は基本的にはあなたたちを撮らないんです。」
「・・・?・・・・」
「むろんあなたの許しがあれば撮りますが。 それがないと。」
「かましまへんえ。」
というわけで・・・。。

花見小路や宮川町などで長いレンズをつけたカメラを持ってリュックを担いだたくさんのカメラマン・ウーマンたちが舞妓さんや芸子さんを待ち構えて不作法にシャッターを切っています。
あの姿が嫌いな私は、この人たちにあまりレンズを向ける気にならないのです。
ただ、「こうした職業に就いた若い女性」を撮ってみたいという気持ちはあるんですが。

視線を浴びながらじっとしているには、20分は結構長いと感じられると思います。
生徒さんたちは無言で集中して描き続けていますから、余計にモデルさんは疲れるでしょう。
着慣れてきているとはいえ、こんな衣装でじっとしてるのは肩がこるでしょう。
私一人でこの人をフォトマヌカンとして撮るのなら、もちろん声をかけ、話をしながらするんですが、この場では私は闖入者ですからそれはできません。
愛知県の出身だそうで「一年生の頃は時々こんなお仕事もさせてもろてますけど、ひさしぶりどす。」とのことでした。

窓の外、高瀬川の対岸を「あ、お姉はんが・・・・・。」と。
この辺りは舞妓さん、芸子さんがよく行き交います。宮川町に近いですからね。
「うちもよくこの辺を通りますけど、今までこちらのギャラリーさんがあることは知りまへんどした。」
- 2015/06/02(火) 00:00:57|
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私の憧れの舞妓さんですが^^
カメラマンさんにも写せない事情もあったんですね。
やっぱり京都はいいですね、こんなチャンスがあるわけですから
鬢付け油の香りが漂ってきそうです♪
- 2015/06/02(火) 08:26:40 |
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コメントありがとうございます。
舞妓さんや芸子さんはとても厳しいお稽古をしています。
この写真を撮った時にも10分間の休憩のときに、新しく習う踊りのおさらいをしていました。
「なかなか覚えられしまへん。」
そういう若い女性のありようを撮ってみたいですね。
- 2015/06/03(水) 20:39:31 |
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- soujyu2 #-
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