分類を彫刻としていいのかどうか門外漢の私にはわかりませんが、・・・。
3月3日から15日の日曜日まで、京都寺町通太町の東南角近くの「ギャラリー知」さんで上路市剛さんの個展が開かれています。
「re:meale」
作者は20代半ばの若い男性です。

展示されているのは立体が3点と、絵が3点です。
作られた「人」について「同時に私の心を慰めるセックスドールでもある。」と書いている通り、三作の絵も含めて自身の「男性性」についての省察が基盤にある作品群となっています。

DMには、私のブログではご紹介しないもっとも初期の作品が取り上げられています。(ギャラリーのHPをご覧ください)
ここに掲載するのは中間の作品となります。
もっとも製作の時間経過から完全に段階的になっているのではなく並行する期間があったそうです。
若々しい像です。

こちらの人物は世界的に有名な方ですし、お名前を聞いて「知らない。」という方はほとんどおられないと思います。
しかし、ソクラテスやレオナルド・ダヴィンチの肖像は記憶にあっても、それに劣らず有名なこの人の顔を思い浮かべられる人は案外少ないかもしれません。

私自身、「そういえば、この人の風貌は知らなかったなあ。」というのが率直なところでした。
この人の肖像画や彫刻の絵や写真を丹念に収集して詳細に研究した成果だそうです。

もし私が3枚目の写真の後に、ちょうどこの時にこんな方がギャラリーを訪ねてきましたと書いても、「ほう、そうなのか。」と思い込む方が一人や二人ではないのではないかと思えるほどリアルに人物が造形されています。
しかし、これは作品なのです。
お分かりのように「ミケランジェロ」氏です。
参考にされた肖像画や彫刻を見ると、無論、作者により、あるいは時間的な経過により、あるいは手法によるブレはあるもののミケランジェロは斯くあったであろうという象に形象されています。

頭髪などは「人毛」を植え込んでいるんだそうで、ハリウッドなどの特殊メークの技法を独自に学んで製作したそうです。
1作目からこのミケランジェロ像までの半年余りの制作過程で技法の獲得は飛躍的に進み青年作家の成長の見事さを示しています。

私は作家さんの作品を撮ることはあまりしません。
写していいですよとお許しいただいたり、その作者を撮る際にその成果も写しこむことがあっても、なぜか無意識に抑制が働いてしまいます。
しかし、今回「『撮っていいですか?」とお聞きして撮らせてもらいました。
- 2015/03/07(土) 00:00:50|
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