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素敵な人たちと

素敵な人たちと一緒に素敵な写真を撮ります。 なお写真のコピーはご遠慮ください。

素敵な人たちと   高瀬川幻想   Ⅴ 

(本文と写真には何の関係もありません。文中に登場する人物および人間関係は架空のものです。言わずもがなですが。)


 これから写真をしたいっていうの?!   それでイタリアに?!  なぜ、ニューヨークじゃないの?
 えっ、イタリアなら僕がいるから許してくれそうだって?!

 う~ん、これは驚いた。
 あいつが時々マジ顔になったわけだ。    いや、暮れに飲んだ時さ。  歳だ歳だと自分に勢いがなくなったようなことを嘆いていて、ふと真顔になるもんだから、やっぱりどこか隠してる病気でもあるんじゃないかなんて・・・。
 そうじゃなかったんだ。

 あいつ一言も言わなかったけど、そういうことになってたのか。

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 あいつが国際的に進出する資本の先兵みたいな仕事を、それこそ猛烈にしてきて、それでも相手国の人たちに尊敬のまなざしを忘れなかったことは、僕も認める。そういうあいつの表だって見せにくい良心みたいなところを貴ちゃんは法律の世界で形にしてきたみたいなところがあるしね。それがあの二人のバランスというか、夫唱婦随というか。

 それを見てきた綾ちゃんが・・・・・写真で・・というわけ?!

 中学生の頃だっけ?! きみが、おじさんはなぜ憲法を守るとか、核兵器に反対するとかいうことを、声にして、行動しないの?!って、手厳しく追及されたことがあったね。覚えてる?  君はそのころから岩波新書の憲法や法律の本を何冊も読んでいたからねぇ。追及を逃れるにはなかなかホネだったね。
 貴ちゃんが大庭さんには大庭さん流があるのよって助け舟を出してくれなかったらどうなっていたことやら。
 あいつはにやにやして喜んでいるだけだし。  時々俺の仕事は綾に軽蔑されてるんじゃないかって、こぼしてたから、僕がやり込められているのを様を見ろと見物を決め込んでいたんだろう。

 その時にこの二人はいい子を育てたなあってね。で君はお母さんと同じ大学で法律を勉強するってあいつを喜ばせたんだ。
 それが、どうして・・・。 

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 あったあったそんなことが。 
 僕がイタリアから帰って一週間ぐらいでベトナムに、というときに君の高校の文化祭に行った時のことだね。
 綾ちゃんはホームステイしたりして部活の発表にも参加できていないから来なくていいと言ってたのを、僕が日本の高校の文化祭を見たいから「関係者」にしてくれといって無理矢理に行った時だね。確かこの辺にワッペンみたいのをつけさせられて。
 
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 君の高校には珍しく写真部があったんだよね。
 特に指導する人もいなかったようだけれど皆意外なほど真面目に写真を撮っていた記憶があるなあ。いいセンスしてる子が何人かいたよ。
 そこで一枚一枚、みんなで合同批評会をしちゃったからね。
 君が盛んに袖を引っ張るのを他の子が「いいじゃない。」と引き留めてくれたんだ。
 そうしたら君の担任まで参加しちゃって。

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 あっ!! その時のことか。
 ぼくの言ったことって。  そういえばそのあと珍しく手紙をくれたんだった。

 あいつの字はいい加減だし、貴ちゃんもそう上手いとは言えないのに君の字は端正だったなあ。
 
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 確か僕が人を撮る写真について何か言ったんだよね。  なんだったかなあ覚えてないなあ。
 何しろ写真は少しも売れないのに、忙しく動き回りはしていたから気持ちが高揚して何かくちばしっちゃんたんだね。

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 「この子らの命をま正面から見よう」って?!・・・・確かにそのころはよくそういうようなことを言ってはいたね。
 思い出させられると何だか気恥ずかしかしいね。

 たしかに君たちの命とこの人たちの命を同じ重さで見る目を持ちなさいというようなこと偉そうに言ったかかもしれない。

 そうだね、それを言葉で表現するんじゃなくて写真という画像を通じて、見る人の心にそういう思いを呼び起こすのが写真家の一つの仕事だとね。

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 確かにそんな話をした時には皆ずいぶん真剣に聞き入ってくれたね。     思い出した。
 雑誌社に行く途中で、たまたまそのころインドシナ半島で撮った写真を持っていたから、見てもらいながらね。
 そうそう、そういえばそのあとベトナムから帰ってきたときにあの担任の先生と飲んだんだっけ。
 

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 それで、確か、じゃあ、おじさんはどうしてイタリアを拠点にしてヨーロッパのおしゃれな町やきれいな人たちを撮るの?って手紙にあったような記憶がある。

 あの時、それにうまく答えられたかなあ。 今でも自信がないが。   それは君の宿題にしようか。
 
 え?! あの時それを読んで僕の考えをもう知ってるって?!  あの頃よりは僕も、もう少し賢くなっているかもしれないのに。


 了解。続きはイタリアのパブでワインを飲みながらね。

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  1. 2015/03/12(木) 00:01:44|
  2. 人物
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Author:soujyu2
 人はいろいろな場所で様々な思いを抱いて頑張っています。そんな人々の素敵な表情を追いかけてみようと思います。
 「素敵な人たちと」の出会いが私をワクワクさせます。

People hold various thoughts and are doing their best at various places.
I think that I will pursue such people's great expression.
Encounter of "nice people"
excites me.


 大変恐縮ですが、無理をお願いして撮らせていただいている写真です。ご本人のためにも無断でのコピー、転載は固くお断りします。

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