いつものように自転車に乗って「素敵な人」を探しに出ると・・・・。
シャッターに「駐輪・駐車禁止」などの文字を書いているお二人を見つけました。

その日は一応目的がありましたし、午前中の作業に思わぬ時間を費やしましたので、この場は通り過ぎようと思ったのです。
ところがお二人の背後を通り過ぎる刹那に「この人はいい!!」という直感が・・・。

一枚目の写真ですでにお分かりの通り、この方の仕事に対する取り組みは、実に誠実で高い完成度を目指すものだなあと感じたのです。

こういう仕事ぶりの方に声をかけさせていただくときに思い浮かぶのは、
「余計な雑音を入れて邪魔されたくないだろうなあ。」ということです。
これまで職人さんたちと話をしていて、時々「職人の中には偏屈なものが多いからねぇ。」と、自分の仕事に対するプライドのために人にちょっとやさしくない場合があると言われたりもするのです。

この方が、ただ書けばいいという思いでないことはこの人の目つきを見ればわかります。
ですから、声をかけるときにどうしても一呼吸おいてしまいます。
でも、経験上、こういう方には案外?と「ああ、いいよ。」と快くお許しいただけることが多いのです。
それはなぜなんだろうといつも思います。

シャッターに書かれた文字や絵を見ていつも思うのは、こういう凹凸のあるところにどちらから見ても不自然に見えない書き方をするのは難しいだろうなあということです。
そして不自然にではなく線を連続させること。凹凸があるのに直線に見えるというにはどういう工夫があるのかなと、思うのです。
それで仕事をされている背後から、時々のぞかせてもらうことがあるのです。

どんな仕事だって簡単なものはないとはよく言われることですが、こんな表情をしながら書いたシャッターの文字。
それを見たら身が引き締まります。
- 2015/01/17(土) 00:00:18|
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これは、ものさし定規とガラス棒を使って、筆で直線を引く”溝引き”手法ですね。 ものさしの凹溝に沿って、ガラス棒の先端の丸玉をスゥーと滑らせます。 筆とガラス棒を指にはさみばがら線を引く指使いと、ガラス棒をスムースに滑らせる指使いを、同時にコントロールする慎重な作業となります。
その時の表情がとく捕らえられていますね。
- 2015/01/17(土) 08:47:43 |
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- Hudson Terrace #ZeBYuJyY
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小さい頃、竹の30センチの定規に彫られていた溝を使って直線を引くことをしましたね。こうすると平行線が何本も引けましたし。僕はこのやり方を亡くなった父から小学生低学年のころに教えてもらったような記憶があります。
小さい頃は、こういう『技』を教えてもらうと親に対する尊敬心がわきますね。
学生時代の「立て看板」書きの時にもこのやり方を応用していました。
- 2015/01/17(土) 14:10:11 |
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- soujyu2 #-
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