西陣織はたくさんの分業で成り立っています。
その一つに「整経」という仕事があります。
以前「綜こう」という仕事をご紹介しましたが、その前段になります。

つまり織物の経糸を並べる仕事です。
非常に多い場合は2万本の糸を縦に10余メートルにわたって一本ずつ整然と並べる仕事です。

布の柄によっては、異なった色の糸を並べるわけですが、そのどの糸も張り具合を同じにしなければなりません。
ピンと張ったもの、緩んでいるものがあれば、それだけで布にむらができるといいます。生糸は光沢がありますから、その反射が微妙に異なってしまうのですね。

同じ力で「張って」いっても糸の状態が微妙に違うのですから途中で切れることもある。それをまた巧みにつながねばなりません。
かなり厄介なことだといます。
「まあ、仕事だからね。難しいなんて言っていちゃ始まらないけど。」

ここでのお仕事は「整経」の仕事で余った糸を巻き取りなおしているところです。
こうして集められた糸は横糸に使われたり、染め直して別の用途に使われたりするのだそうです。
実はもうそろそろお昼の休憩というところでしたが、懇切なお話をしてくれた上に
「写真を撮るなら・・・。」と座りなおしてくれました。

この巻取りの装置には色の違った糸が巻き取られていますので「きれいでっしゃろ?!」とおっしゃるのですが、どうもホワイトバランスが難しくて、モノクロで撮っています。

絹糸は光沢に華があり、かつ上品なので実にきれいです。
- 2015/01/15(木) 00:00:08|
- 伝統工芸
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