「お昼ごはんは食べたのかい?」「はい、食べました。」
「宿へは何時ころまでに帰ったらいいの? 宿の食事の時間もあるだろうから。それまでに切り上げないとね。」
この会話に私の認識不足が「てんこ盛り」になっている。
「夕食はカバンの中にあります。」「???カバンの中?(コンビニ弁当でも買ってあるのかなあ。こんな暑いときに一日カバンの中に入れて持ち歩いたら危ないなあ。)」
「はい、パンと飲み物を持っています。お昼もパンでした。」
「!?!?」
「私は京都のいろいろを見に来たので食事のために時間を取られることはこまります。食べながら歩きます。行儀悪いですか?」
「(悪くない、悪くない)」・・・最近の私はこういう話を聞いただけで目頭に涙が滲んできてしまう。
無論同情ではない。感動なのである。
私は折悪しく自転車で行動中なので彼女にバスを案内して、先回りをすることにした。実際、四条京阪のバス停には私の方が10分以上早く着いた。

彼女が言うには「バスの中で年配の女性が『私が京都を案内しましょうか。』と言ってくれたのですが、もう案内してくれる人がいるのでとお断りしました。」ということだ。さもありなん。
漢字文化圏の人だからということもあって日本語の様々な掲示はわずかに補ってあげるだけでほとんど理解する。
彼女は池田屋襲撃事件の詳細を知っているだけでなく、歴史学としても相当の本を読んでいる。NHKドラマに触発されて一時的に歴史好きになっているのとはいささか違っている。
佐久間象山、武市半平太、山県有朋、大村益次郎・・・、
「私、中国との関係で山県有朋は好きではないです。」 きちんと理解している。

写真に撮られるのもあまり好きではないとのことで「かわいく写る方法をこれしか知りません。これ、やっていいですか?」とVサイン。
ちょっと記念になるように観光風にも撮っておこうと提案した時の返事です。
カメラを向ければ条件反射的にVサインというのとは違います。

日本で仕事を見つけたいのですがといいながら、日本で外国人が職を見つける難しさについて冷静な観察をしていました。

「大学で私は早く理解できなくてあまりよい学生ではありません。」と日本語の難しさもあって苦闘の様子を話しますが、非常に優れた理解力、本質に近づこうとする思考力は相当なもので、あの超有名大学に留学生として受け入れられた実力が垣間見えました。
「でも運が良かったんです。」と留学できた事情を話します。
今は体調を壊すほど勉強しているようです。
こんなに素直で好奇心に満ちた目を日本の多くの青年にも見たいものだと感じました。

そうした中で息抜きも兼ねての強行軍的一人旅行(昨日は一言も人と話をしなかったそうな。)で笑顔と会話のある半日をお手伝いできたことをうれしく思いました。
あすは神戸から香川に回るんだそうですが、「それは何かテーマがあるの?」という質問に対する答えを予想できますか。私にはさっぱり見当もつきませんでした。その答えに、国は異なってもやはり現代の若者なんだなあと不思議に思ったり感心したりでした。
高瀬川や高瀬舟、舟入などの説明を熱心に聞いてくれて、お別れの直前にまたカメラを向けました。
写真としてはもっと他にいいものがあるのですが、あえて「Vサイン」のこの写真を載せることにしますす。
Gさん。このブログを見ていますか。大学で良い収穫を得て日中の素敵な懸け橋になってくださいさいね。再見。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2011/08/02(火) 00:04:02|
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