四条を下がって五条までの間に何か面白いものはないかと自転車を走らせていて「おや?ここは壬生に通じる道じゃないか。」なんて知らない道を走っていると、案の定、壬生寺の南側に出た。
NHKの大河ドラマで新撰組が登場するたびに観光客は増え、壬生寺とその周辺もそれに合わせて観光化を深めてきた。
近藤や土方がなぜそれほど関心を持たれるのか私にはよくわからない。単純に反動的特殊警察≒白色テロリズムの権化などと決めつけるつもりはないが、そうかといって信念さえ持っていれば・・・その信念のいかんを問わないということは日本の文化思想の一特徴だと思うが・・何をやってもよいというものではないと思うし、果たして彼らが信念の人だったかどうかにもいささか以上に疑問を持っている私だから壬生にはさして興味がない。この点は多いに異論があろうと思うが、私としては、非武士が武士になろうとして武士以上に武士をふるまう姿は時代錯誤で哀れに悲しく写る。こういうことはいつの時代にもあることだが。
しかし、ここ(壬生辺り)に集まる人々の関心や意識のあり様には少しばかり興味・関心がある。
第一なぜ大半が女性なのだろうか。
さて、そこを素通りしようとしていると若い一人の女性が地図とアイフォーンを手にして行きつ戻りつしている。服装もその表情も私が普段身の回りに見ている若い女性たちと異質なものを感じる。
目的の場所を探しあぐねているようでもあり、そうでないようでもある。壬生寺の壁の周囲を行ったり来たりしている。
「何か見つけられずに困ってる?!」
「いえ、ここを探していました。」
どうやら案内は必要ないようなので境内をショートカットして抜けようとすると、自転車の男性に声を掛けられて時間を食い、再びその女性に会うことになる。

話しているとどことなくイントネーションに違和感がある。
話を聞いてみると中国からの留学生だという。それにしては流ちょうな日本語だし語彙も豊富だ。
東京のある超有名大学の研究課程にいて「国際政治学」を学んでいるそうなのだが、夏休みを利用して京都に来たのだそうだ。
熱心に写真を撮っている。

1年間の日本語教育をうけたうえでの来日だそうだがそれにしても・・この人に限らず・・来日してい勉強している多くの外国人の日本語の見事なこと。
どうやって勉強したのかと聞くと、日本のアニメを繰り返してみました。だから「敬語を適切に話せないと思います。」という。しかし実に丁寧な話し方だ。「ご免」とか「拙者」などという言葉にもずいぶん親近感を持っているのは新撰組などを扱ったアニメをたくさん見たからだという。

私が、京都案内を買って出たのは彼女の眼、彼女の考え方や態度に大いに興味・関心を抱いたからだ。
無論とてもかわいい人だということも否定はしないが。
初めは壬生寺周辺の案内のつもだったが、彼女の地図に書き込まれている一日の見学計画や、事前の情報収集、さらに・・・。
「これからどうするの?」
「坂本竜馬関係の場所を訪ねます。どういけばいいいいですか。」
早朝から一日乗車券(500円)を手に京都の代表的な場所を片っ端から回っている彼女の意欲とタフさには感心する。
中国から日本に来て2年目、東京に住み、京都、奈良、神戸からさらに香川に行くのだという。
しかも日本の歴史を勉強することが好きなのだと言われれば多少は日本の歴史をかじったものとして放ってはおけない・・・ということにして・・河原町三条の池田屋、酢屋などを案内することにした。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2011/08/01(月) 00:02:00|
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