おそらくは機械にとって代わられる仕事でしょう。
けれど西陣の織り手さんたちの中には「続けてほしい」という願いがあると思います。
職人の仕事はその前後の職人の仕事と響きあって輝きを増すからです。
この仕事は「綜絖」といいます。
織物をする際に経糸を通して置く作業です。
経糸は一本一本が互い違い・・・などに・・・上下して、その間を杼が飛んで横糸が通るのです。
そのために経糸を装置から垂らされた細い紐の途中にある鳩目のような穴に通しておかねばなりません。この紐が上下するのです。

「お?! 若い女性ではないか!!」
私が若い女性好きだからの感嘆の声・・・ではありません。
綜絖をされる方は(家族労働ですから「家は」と言うべきですが)京都に数人しかおられません。
先に家族労働と書きましたが、実態は家族の力を必要とするだけの仕事量は、現在では、ありません。ですから家族と言っても「綜絖」の仕事を継ぐという方は稀なのです。
そこに若い女性です。

向こうから針を通して、その針の先端の鈎状のところに糸をかけて引きます。糸を受け取っている方は、この女性のお父上だそうです。
ここでの実演は、そのほとんどが同業の「熟年」男性の組み合わせでした。

どうやらこの女性は家業を受け継ごうと決意されたようです。
無論、業種界最年少です。 おそらく・・・そうならないように願いますが・・・・ずっとずっと最年少でしょう。

相方を務めているお父上は、見学の女性の質問に答えながら思わず顔がほころびます。
見学の中年女性は、私がおかしな方向から写真を撮っているのでいぶかしく感じておられたようです。
最後に再確認の意味で「ブログに掲載してもよいですか。」と伺い、もしよく撮れていたら個展にも使わせて・・・とお願いしました。
するとそれを聞いて先の女性が「やっぱり、プロは撮り方が違うねんね。」とおっしゃいました。
う~ん、これはどう受けとったら良いのか。
- 2014/10/10(金) 00:01:58|
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