若い庭師は自分の借りた家の前に塀を築き始めた。
「版築」という手法で塀を作るのだという。版築という方法は万里の長城や竜安寺石庭の塀などに用いられている方法で、一段一段土を突き固めていく方法だ。ただ彼はそれをふるいにかけた均質な土でするのではなくて、様々な土、砂、砂利あるいは炭を混ぜた土などを階層的に突き固めて塀を作ろうとしている。
表面に階層的な模様が浮き出るはずなのだ。
右手のボードをはがせばその姿が現れるはずだが、彼自身初めての試みでいったいどのようなものが現れるのか・・、興味津津である。(6月30日)

雨のぱらつく中を作業を進めようとするが、初めての試みの面があって必ずしも段取り良く事が進まない。この場所の初めからあった土を掘り起こしrてできるだけ再利用しようとしている。(7月1日)

家の前には軽トラックなど自動車を入れることになっている。左手に家への進入口を作る。
この土地は土が固く締まっているし、木の根も残されている。やはり重機を使わないと手作業では難しい。この重機を借りる段取りなどで手間も取るし、経費もかかる。(7月2日)
人手も借りねばならないが、彼には特有の人を引き付ける、また人に援助をしたなるようにさせる稟質がある。

スロープの構想が決まりきらない。重機を前にして思案だ。
構想は現場で変化する。やってみたいこと、制約でやれないこと、いろいろ折り合いをつけながら、でも一つの作品にしたい。
私たちがいやもいろいろと口を挟む。(7月3日)
- 2011/07/26(火) 00:03:32|
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