先日、京都の職人の内で親子で仕事を継いでいる方たちを、その工房で写真に撮った作品展を見せていただく機会がありました。
どこの職人の世界でも跡継ぎのことが大きな問題となり、手技を継承することができなくて、さまざまな工芸の分野が衰亡の縁にたっています。
そこで幸いにも後継者を得た親子に注目して写真を撮ろうという着目点は面白いと思いました。

職人さんの写真を撮らせていただく、それもその方ご自身の工房で・・なんていうことに対して私などは勝手にハードルを高くして・・・ここでは敷居を高くのほうがいいですね・・・到底かなわないことというか想像もできないことでした。

あまり光の条件がよくないだろうという思い込みが、なおのことしり込みをさせてきました。自分にはとても撮れないなあと。
まあ、実際そうなんでしょうけど。 でもその写真展をされている方はクリップオンのストロボ一灯で全てまかなって見事に撮られていました。無論、工房の照明や窓からの自然光を最大限生かしてです。
それにしても庭からの光を背にして親子二人が並ぶという、実に難しい条件でも見事に撮っておられているのにはうならされました。

「いやあ、カメラのおかげだよ。」とその方はデジタルカメラが高感度で撮れるようになったからだとさかんにおっしゃっていました。なるほどそれは事実ですが、それだけではあのような写真が取れないことは明らかで、またこうした職人さんたちに撮影を申し入れる関係を作り、カメラの能力を最大限に引き出し、困難な条件をモノともせずに映像化されたことはやはりプロの腕というべきだと思いました。

遠く及ばないなあと感じつつ、闘志が湧いてきたのも事実です。

制作をしている職人さんのほとんどは、皆下を向いています。大方がそうです。ですから構図が似てきますし、顔の表情(目)をとらえることがとても難しくなります。

でもやはり魅力的ですから、撮ります。

- 2014/09/06(土) 00:02:44|
- 伝統工芸
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