こんな作業を見たら、いったい何をしていると思いますか。
京都には千枚漬などの「漬物」がたくさんあります。 しっかり重石をして・・・・。

確かに竹のタガが巻きついたモノは「桶」です。
ですが、この桶は「絞り染め」の桶なのです。
実は写真の順番は逆になっているのですが、この桶には、この範囲は染まってはいけないという部分が押し込まれていて、縁を固く締めて、これを丸ごと染料の桶に投げ込むと、周囲のはみ出した部分だけが染まり、中の部分は染まらないというわけです。

染料が、防染を施した枠を越えて染まることを「なく」といいますが、中の部分までナカナイないようにするためにはきっちりと締めあげなければなりません。
実に繊細な絵柄と染めの世界で、こんな力仕事があるとは・・・。
この作業では染めない部分の際を押し込んで整えているのです。

これが最初の写真と同じ作業ですが、上下にかけられた太い紐を、まさに「きりきり」と締めあげます。
この会場のスペースが十分でないので、このあとの作業ができないのだそうですが、交差する太い紐に道具を差し込んで一層きつく締めあげて、染料の水がしみ込むことがあっても染料の粒子が入っていかないようにするのだそうです。

桶は丸ごと染料の中に投じられますから、桶自体がすっかり染まっています。上の写真では緑色ですが、この写真のモノは藍です。
つまり色ごとに桶がいくつもあるということですね。
これらの桶はかなりの厚み(4,5センチ)あるのですが、上下の縁が内側に傾斜しています。(固定的にふさがれた底というモノはありません)
その切れ込んだ傾斜部分に生地を針で止めて、その後にこうした締めあげる作業になるわけですが、何度も針を刺しては抜く作業をすると縁が穴だらけで柔らかくなります。そこでその部分を固い部材のところまで削るのですが、何年もの間に桶はどんどん浅くなってしまうのです。
下の写真は針を抜いているところですね。



桶絞りの作業がひとまず一段落すると、こうした絞りの作業も見せていただけます。
- 2014/08/19(火) 00:00:50|
- 伝統工芸
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0