何かを一生の仕事として手掛けて、この人みたいに奔放・闊達の境地に達せられたら幸せだろうなあ、と思いました。

実はここも実演をしてくれる場所なのです。数日前に見に行ってすっかり話しこみ、写真を撮りたいということも話したのです。
しかし、残念なことにその時にされていた仕事は、こうして写真に撮って公開できないものでした。
「えっ?! これを西陣の手描きの方が描くの?!!!???」とびっくりするような色遣い、筆遣いの作品を手掛けていました。
上の写真は「手描きの帯」です。 それだけでちょっと意表を突かれるでしょ?!
「こういう仕事もするんだよ。 もっとびっくりするモノも着ものに描いてきたよ。」といいます。

話を聞いて本当に「知らない世界があるんだなあ。金持ちというのは本当に何をするのか想像もつかないなあ。」と思いました。
いえ、好きが高じたからでしょうが。

ご自身は「日本画の勉強もずっとしてきたからね。ほら、だからこんな絵も描くよ。」と可愛い猫を写実的に描いた作品も見せてくれました。
「だから、職人としての仕事に収まらないで作家として描けるんだよ。いや描きたいんだね。だってワクにはめられてるんじゃ嫌だろ?! 自分のモノを作りたいじゃない。」

ですから注文も破天荒なものが来るのですね。描けるからこそ。 ここが肝心なんでしょうね。 描けるんです。
自分で描いて、いいものが描けると手放したくないんだよ。
実は今目の前で描いてくれているモノもご自身の創作の帯で、斬新な色遣いの幾何学的な模様です。
これならご自身の作品ですから
「撮っていいよ。」
先日「これを撮ってもらう訳にはいかない。数日後に自分の帯を持って来るから撮りに来るかい?」と言っていただいていたのです。
だから、「来たねぇ。」 と仕事を切り替えてくれたのです。

下書きは、なしなんだそうです。

線は多少曲がっていても、太い・細いがあってもそこが手描きのいいところじゃないか。
二度と同じモノは描けないしね。

こういう職人さん、うん?!作家さん が「そう、じゃあ撮ってもいいよ。」と言ってくれるという状況にふさわしく撮れるカメラマンになりたいなあ。
- 2014/08/12(火) 00:04:53|
- 伝統工芸
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先日はいろいろお話を聞かせていただき、また写真も撮らせていただきありがとうございました。
その上にブログを見ていただきありがとうございます。それなのに誤字・脱字の山で大変失礼をしました。
「洞」などは見直して訂正したはずなのに、いったいどうしたことでしょう。申し訳ありませんでした。
ひどいやつだとあきれられただろうと思いますが、これに懲りずにまた作品展の際にはぜひお知らせください.
- 2014/08/13(水) 16:48:33 |
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- soujyu2 #-
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度々のご指摘ありがとうございます。無学を露呈して恥ずかしい限りです。
職人の方々がそれぞれ思いを持って技を磨いてきたことに対する敬意が足りませんでした。反省しきりです。
間違いに対するご指摘を感謝するとともにお詫びいたします。
蒼樹
なお直接メールにて返信させていただこうとしましたが、アドレスを認識できないということで失礼いたします。
- 2014/08/19(火) 08:39:54 |
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- soujyu2 #-
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