最近、私が撮ろうとしている写真のコンセプトが大きく二つあります。
その二つのコンセプトの交差するところにいるのがこの人。この人は今年初めの個展の際のDMで活躍してくれた方です。
そして私が写真を再開した折に、ただ楽しみとして撮るのではなくて、その先を意識して撮ることを考えさせてくれた人です。ですから、私にとってのキー・パースンの一人です。

で、私は勝手に応援団をしていて、人にはこの人の追っかけをしているんだと話しています。
ご本人には迷惑な話でしょうが。

先日浮世絵の摺り師さんのことを話題にしましたが、あの方にお会いしたのはこの人が清水寺の経堂で実演をしていることを知って会いに(というか撮りにですが)行った帰りだったのです。
実演会場に行くと私は当然のようにカメラを取り出すのですが、この人は表面上はいやな顔一つされずに撮影を受け入れてくれるので、それに甘えて出かけるのです。

この写真はその清水寺の経堂での実演の様子ではありません。
これまで数度撮らせてもらっているのですが、次回の個展でも中心的な作品にしたいと思い、シャッターを切ります。
ですが、ご覧のようにかわいらしいきれいな人ですから、どう撮ってもある程度魅力的な画面になります。
でも、ここからですよね。ご本人は同じような作業を同じような姿勢で繰り返しているのですから、魅力的な写真とするのはあげてこちらの構えにかかっています。

それだけに、今回この人の何を撮りたいのかを意識しなければなりません。そこが訓練・修業の足りない私には決定的に難しい点です。
うっかりするとみとれて、感心して終ってしまいます。
この人が職人として地道に前進しているように私も頑張らねばいけません。
年齢は大きく離れていますが、私の中ではそういう存在なのです。
だから、今までより少し違ったテイストの写真になるように、工夫をしてみました。
成功しているかどうか。
この人にこのときの写真を送ったら、私が意識して撮った写真を「気にいった2枚」として挙げてくれました。
でもちょっと評価の視点が違いました。若い女性らしくお気に入りのひざかけがきれいに映っているのをとり上げていました。が、案外直感的に何か感じてくれているのかもしれません。

実演の会場はどうも職人の目に優しくないようです。どこも暗すぎます。職人は目を悪くするとハンディーが大きくなりますから、大切にしてほしいものです。
- 2014/05/26(月) 00:02:44|
- 工芸
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