小森氏のライブが終わって、ややすると小森氏はブルーシートの隅で紙を取り出していつもの習作を始めた。
キッチンペーパーを握るか揉むかしてしわを作り、そこに筆ペンで無造作に墨を置いていく。何かをイメージして描くわけではない。
左から右へ、ぺたぺたと無造作に墨を置く。そしてそれを別の紙で、ザーッと擦ってしまう。
それがあるときには雪の北山に見え、また美山の山並に見える。すっと線を引けばそれが川岸になったり山の細道になったりする。
偶然の中から造形をつかみだす。

それを見ていた一人の女性がいました。
興味シンシンです。
「やってみる?」と小森氏。 教室を開いている経験から上手に声をかける。

「これ、面白いです!! 楽しい!!」
ここにまた一人、日本画家誕生か? 実に楽しそうな笑顔です。

私は、小森氏の今日の活動の中からまだ何かつかめないかとカメラを構えていて、関心を持つ方の様子を入れた写真を・・、と思って声をかけたのです。
「背中をお借りしていいですか?」と。
それが別の意味で決定的瞬間を捉える写真になるとは。

思わぬ風情のある絵が浮かび出てくるこの技法に夢中です。
この方があるものに出会った瞬間です。見ている我々までが幸せを感じる時間でした。

さあ、この後どのように筆を入れましょう。

墨が手に付くのもいとわず、2枚目3枚目に挑戦です。

それにしてもなんて素直に感動を表現する方でしょう。
小森氏が、丸めた紙を広げる時のこのわくわくとした表情。
自分がしたことなのにまるで魔法を見るようです。

今はキッチンペーパーを使っていますが、この方が立派な和紙に描く日はそう遠くないと感じました。
そして、この人の写真を撮ろうと・・・もう撮っていますが(もちろん写真は背中だけではなく撮りますよと了解していただいています。念のため)・・・決めました。

この人の中に、新しいワクワクが誕生した記念日です。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2014/05/05(月) 00:00:15|
- 人物
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
コメントありがとうございます。
偶然で当て瞬間ですが、こちらも楽しく、うれしくなります。
その瞬間を写真に残せたことは「写真愛好者」としてはラッキーでした。
- 2014/05/06(火) 07:51:27 |
- URL |
- soujyu2 #-
- [ 編集 ]