和紙に柿渋で施したローと状の袋の先に先金をつけて、金粉を混ぜた糊状のものを押し出して描いていく。

図柄の縁取りをしたり葉脈を描きこんだりする。
金彩はこうしたやり方のほかに平面上に糊を施したうえに真砂を振りかける手法、さらにその面に金箔を貼る仕方がある。
金箔を貼ると面で光を反射するから最も華やかで豪華になる。

この分野に女性は少ないが、この方の娘さんもあとを継いでいる。
この方のお父上から三代続くことになる。

妊娠や子育てで幾分仕事から遠のいても幼いころから父親の仕事を見て培った職人の勘や技はいつかまた湧水となってこんこんと湧き出る。
男の仕事の一生とは違った女の仕事の一生。二枚腰三枚腰のしなやかな働き方。
女性の果たす役割は大きい。

これから、生産にしろ、消費にしろ、企画・管理にしろ、政治にしろ、すべての分野で飛躍的に女性の活躍を認め引き出さなければ日本の将来はないと私は思っている。
女性の社会的な地位の低さは開発途上奥を含めて日本はせいぜい中程度でしかない。

男たちの作ってきた社会制度はすでに完全に制度疲労を起こし、機能不全に陥っている。
男女を敵対的二元論的に仕立てて議論することは生産的ではない。だが、男たちは容易に反省しないのも事実だから相当根本的に覆されたほうがいいと私は思っている。
上野千鶴子氏の講演を僅か10数通のメールを理由に中止するような男たちに未来はない、とそう思う。

それはともかく「食べられない。」「将来が不安。」な分野から男性が撤退し、あるいは進もうとしない分野で、そこに女性がしぶとく生き抜こうとしている姿を見ることが、時にある。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2014/03/18(火) 00:04:51|
- 伝統工芸
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