いったん出来上がった着物を手直しすることがる。
「もう少し色を入れたいね。」などと。
そういう場合はじめとまったく違った色を加えるのならば話は簡単かもしれないが、同じ色を入れたいということになると、ここに一つの問題がおこる。
染料は着もの毎に一度きりの色を作る。
だから手直しのときには「同じ色」を作らねばならない。
しかも染料は描いたときの色ではなくて乾いたときの色が確認されなければならない。
作業場の湿度や温度でいろいろ変わってくる。いったん皿に作った色もこうした空調の強く働く場所ではどんどん乾いて濃くなってしまう。
ご自身の工房でないのでいろいろ大変だ。
こうして何度も色合わせをする。
今日は「色」が問題なので、カラー写真です。

「まあ簡単にいえば塗り絵をしているようなものですから、そう難しいことでもないんです。」
と、にこやかに笑みを浮かべて作業を続けられるのですが、口元は笑っても視線がぶれることはありません。

この作業机には金網が張ってあって、その下には電熱線のヒーターが置かれています。
その熱で布の裏から染料の水分を蒸発させて、染料が裏までしっかり届くようにしています。と同時に、乾いた色の具合を確認しています。
夏は熱い作業です。
みなさんにこの着物の柄や色をお伝えしつつ、かつ画面をドラマチックにしようと苦戦中です。

少し露出をいじるとこうなります。未熟未熟。
写真もやはり難しいですね。
テーマ:ある日の写真 - ジャンル:写真
- 2014/03/14(金) 20:49:26|
- 伝統工芸
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