京都の同志社大学の東に「ほんやら洞」という喫茶店があります。そこのご主人の甲斐という方は写真家としても知られた方で、店に来られた方などを中心にたくさんの人物を撮ってこられました。
その甲斐さんの写真展があるギャラリーで行われているのですが、そこに掲示されら文章の中でこれまでフィルムで200万コマ撮ってきたとありました。
恐るべきコマ数ですね。昔フィルムカメラのシャッターの耐久性について10万回が一つの目安だったように記憶しています。それを越えてこそプロ仕様だとか何とかなんとか。
意思を持って撮る人のすることはやはり文字通り桁が違うのですねぇ。
手描き友禅の職人さんです。
この施設では「ときどき職人の仕事の様子を撮りにくるものがあるらしい。」と一つ二つの組合の関係の方にはうわさされるようになりましたが、ここらあたりに「慣れ」という落とし穴がありそうで要警戒です。

出会い、お話をさせていただく人は皆初めての方ですから、同じ仕事の人だからと言ってこちらが新鮮な興味を失って慣れてしまえば写真もそれまでになってしまいます。
それにしても先に書いたところが乾かぬうちに色を加えてグラデーションを作り出し、微妙なぼかしを生みだすのですが、何とも上品な感じになります。
「これを蒸しかけるとまた発色が違ってくる」のだそうで、ちょうど陶器の釉薬が窯の中で火によって変化するように、今ここで塗っているのではない色をイメージして描いているのです。

筆にどれだけ水を含ませるか、どれだけ染料を含ませるか。微妙な職人の勘です。

先ほどまでにこやかにお話していた表情とはずいぶん違います。

テーマ:ある日の写真 - ジャンル:写真
- 2014/03/08(土) 00:04:28|
- 伝統工芸
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