七宝焼きの作品を販売する店の姿が減っている様に思います。
七宝焼きの職人さんもその数を減らしているそうです。

この方はもともと別に仕事をされていたのですが、今は七宝焼きを専業にされています。

平面に銀の線をはわせるのはそう難しくないとしてもこうした立体の曲面に銀線を沿わせてつけるのはなかなか難しそうです。
いろいろなノウハウがあるのだそうです。
ここは実演をして見せてくれる場所なので、窯に入れたりはしません。
私が撮影をお願いすると「じゃあ、実際の場合のようなわけにはいかないけれど、・・。」といってわざわざ制作に取り掛かってくれました。
実際の場合と違うというのは、デモ用の制作物と実際の作品とでは緊張・集中の仕方が違うということです。

そういいながらもあえて難しい壺で実演していただけたのはありがたいことでした。

自己流でいろいろな技術を身につけていくのは難しいということをいろいろなケース・・・たとえば温度管理や銀線の幅の広さ、鉱物顔料の一度に重ねる厚みなどなど・・・でお話しいただきました。
自己流で写真を撮っている私にも苦い言葉でした。

作品を数多く見たとしても、その制作の過程を読み取ることは、恐らく作品の制作者以上の技量と制作観がなければならないでしょう。
優れた人の制作過程を補助するような仕事をしながら技を盗むなどということでもなければ、なかなかこうした職人技を学べません。
この方はご自身のノウハウを伝えようと教室を開いておられますが、職人の世界はまだまだ「秘密」が多いようです。
七宝に限らず、もやは技術を隠して我だけ生き残るような事態ではないように思うのですが。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2014/02/12(水) 00:02:06|
- 工芸
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