日中が暖かくなると、鴨川には楽器の練習をする人が出てきます。
昆虫や小動物などが冬眠から覚めて地面の外に出てくるようにです。
春だぞ~、と背伸びをしているようです。

そんな中、この付近には三味線を練習する若い男性もいれば、サックスを吹く30代半ばくらいの男性もいましたが、私はこの人に興味を持ちました。
彼は譜面に添って吹いているのでも、丁寧に音階をたどって基礎練習をしているのでもないのです。
とにかく猛烈な勢いでキー、ビー、バウウワウウウ、ボフというような音を出しているのです。これでもかこれでもかと・・・。

話しかけて訊ねてみると、やっぱり、音を探していたのです。
教えられたり、誰かの演奏を聞いて、美しい音、いい音での演奏を模範的にしているのでは、自分の表現を打ち出すことはできません。
バイオリニスト、ムターの演奏などで常識的な美しい音と、外れた音のギリギリのせめぎ合ったところの音を耳にすることがあります。

楽器と自分との組み合わせの中で未だに響かせたことのない音を模索するのは冒険的でわくわくすることでしょう。
それは写真にも言えることだろうと思います。 でも私はそういう冒険ができていません。

何か奇をてらったままで「出来た」ことにするとその作品は人との出会いに失敗するように思います。

でも人に褒められた形が忘れられなくてパターン化してしまうと多分二度と褒められるものにはならないようにも思います。
そこがむずかしいですね。
こうして自分を突き破ろうとしている青年を見るのは楽しいことです。
- 2018/04/02(月) 00:00:33|
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エイプリール・フール
洒落の利いた「嘘」は耳にされましたか。それともあなたご自身が・・・・・。
日本の国会での政府答弁は年がら年中「フール」です。
「嘘」があまりに上塗りされて、それが総理以下の行政官や与党政治家の「面の皮」に重なり重なり張り付いているようです。
それに比べてこの人の爽やかなこと。
私がこうした写真を撮りたいと思う心理的な原因の一つが、世情があまりに下劣だということにある気がします。

ずっと以前に別の人とここで撮影をした時には寒い冬でした。しかも天候の条件が悪くて。
でも今日は春の光満ちて、この人のように若い翠が輝いています。

太陽が雲の間から顔を出すと、一面は緑の光が溢れますから、当然色かぶりがあります。
それはそれで、わたしはとてもすきです。
が、雲が太陽を隠すと、この人の白い肌がそのままに表れます。

陽の下ではこうした白い肌の人はなかなかに手強いのです。
レフ板か何かでキャッチライトしたようにうまく目の中に光があります。
私の背後の方に木々のトンネルの一方の出口があるのです。
今度の写真教室の時に、この撮り方を教えてあげよう・・・・もし忘れていなければ。

これもよくある「ポートレート撮影術」の入門書の後ろの方に時々書いてあるノウハウを使ったものです。
案外うまくいっているようです。

もしこうすると、最初の写真のような後ろ姿のシルエットはできなくなりますが・・・・、どちらがいいでしょうね。

そして、次回の予告編
- 2018/04/01(日) 00:00:56|
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