
私の楽しみの一つに西陣織物会館に行ってそこで実演をされている職人のみなさんからお話をうかがいながら、その仕事を見せていただくということがあります。
この方は染めに先立って、「糊」を置いています。
こ糊を置いた内側に染料を入れていくわけですが、占領がその外に浸み出ないようにダムを施しているわけです。

この円錐のロート状の筒の中に糊が入れられていて、それを指で挟んで押し出しながら図案にそって線を描いていくわけです。
糊は米を粉にしたものを糊状にしてそこにカーボンを混ぜて作っていると聞きました。
以前は着色には紫ツユクサが使われていたのですが「それをする職人がいなくなって、自分で工夫している。」とのことでした。

私もこの糊を置く作業をほんの少しばかりやらせていただいたことがあるのですが、適量を均等に押し出そうとすると妙に力が入り、しかも線の通りにノズルを滑らそうとしても糸の凹凸に阻まれてゴットンゴットンとぎこちないのです。

しかもこの押し出す作業と線をひく作業とでは力の向きが相反するので「難しい」のです。

この方の指先をご覧ください。
人差し指はこうした毎日の仕事で変形してしまっています。 まさに職人の手です。

このロート状の道具は江戸時代ころの和紙の反故紙を利用しています。ですから良く見ると墨で書かれた文字が見えます。
「和紙がいいんですね。しかも昔のものがいいようです。ちょうどいい柔らかさと丈夫さと・・・。こういう紙も昔はいくらでも手に入ったんですが。」

使っているうちに一週間ほどでなじんで柔らかくなるのですが、その頃には耐用の限界になって新しいものに取り換えます。すると真新しいモノはまだ固いですから調子が変わるんですね。
古い使い込んだものと新しいモノとを触らせていただきましたが、成程ずいぶん違います。この両方を取りかえて瞬時に調子よく描くのはなかなか難しそうです。
「まあ、そうですね。」と難しいということにうなづきながらの笑顔は、そこは職人としての技術と熟練ですからという自信がうかがえます。

円安の影響で台湾からのお客さんに加えて・・・・大陸からのお客さんは政治的な摩擦の影響でぐっと減りました・・・欧米からのお客さんが増えました。
ここで実演していても外国からのお客さんがほとんで日本人が稀にしか来ない。日本の人にこういう職人の仕事を知ってもらいたいのだが、とおっしゃいます。
日本のことは外国の人の方がよく知っているのかもしれません。そして日本人は欧米の人が日本を評価するのを見て、・・・自分ではよく知らず、自分自身では評価する力もないけれど・・・日本が世界に誇る文化を持っていると自己満足しているのです。 最近の富士山現象もその一つのように思えます。「日本人で良かった」などと。
この口金を作る職人さんも「もう一人しかいない。」のだそうです。
これも消耗品ですから「仕方がないから買い貯めをしているんだけれど、自分で作らなければいけなくなると思う。 これはハンダ付けがされているんだけれど、どこがついであるか分からないでしょう?!」

今、糊を置いているのは着物の布です。
最近は友禅の着物でもインクジェットプリンターを使った「印刷」が盛んです。絵柄も過去の遺産をコンピューターにスキャニングして取り込み、コピペして「出来上がり」なんです。

手仕事による職人の仕事がなくなれば「創造性」がなくなります。
職人の仕事は細かな分業を、単に高度な技でこなしているというだけだはないのです。その一つ一つの細分化された分業の中で営々として工夫が積み重ねられてきているのです。そしてその総結集として最終の着物なり帯ができるのです。

消耗品であるこの口金にも職人の長年月の技が結晶しています。

半世紀後、こうして職人の仕事の様子を写真に撮ることができるかどうか・・・・。
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- 2013/09/30(月) 00:04:06|
- 伝統工芸
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最近は私がかつて撮った写真を何枚か持ち歩いて、事前にお見せしています。
このカードの裏側にも写真が印刷されていますが、その写真のような作品を、その後、撮れていないのに、それだけを見せて「私の作品です」というのも少々気がひけて。

この方たちの写真も使わせてもらえば、説得力は高まるかもしれません。
(⇔)

それにしてもアクセサリの出店はどこの手作り市でも多いのですが、作品は多様で、ええ?!こんなものをつけたい人もいるの!?と驚いたり、これを耳からぶら下げようと思える女性の心理は分からんなあとひとりごちすることもないわけではありません。
この方のモノは奇をてらわないデザインです。

店の演出は可憐に華やかです。

灯りのムーディーな演出も女性の好みでしょうか。
私にその精神的なゆとりがないのかもしれません。

これからもいくつかの手作り市に出店を計画されているようですから、きっとまたお会いできると思います。

別に仕事をもちながらの「手作り」で材料や道具で部屋が占領されつつあるとのこと。
でも、生活の中に楽しみがあるのはいいですね。
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- 2013/09/29(日) 00:05:55|
- 雑貨・カード
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色彩の楽しい蝋燭です。そして奥の方がアクセサリー作り。
かつて同じ職場で働いた仲の良いお友達だそうです。
(⇔)

この方がろうそくを作られています。

こちらはアクセサリー。
手作り市には同様のものを販売される方が少なくないですから、それぞれに「差別化」が必要です。だからと言って「差別化」を自己目的としたのでは、自分の「手作りの楽しさ」を見失ってしまいます。
自分の「きれい、素敵」を大切にモノづくりをします。
(⇔)

そこに手作り市に集まる人たちの魅力があります。
無理やりの「売らんかな」商売ではないのです。
それで私はこうして足しげく手作り市を回って、それぞれの人の個性を楽しんでいるのです。

みなさん、作られているモノに合わせてファッションも意識されています。というか、おのずから雰囲気は作るモノも服装も同様の味が出るのでしょう。
実は私はそういうバランスも楽しんでいます。

男性も一見無頓着なようで、案外こだわっている方がいますしね。
そう言っている私の場合は、・・・まあいいじゃないですか。

私は初めてお話しするのですが、仲の良いお二人でいてくれるので、こんな表情も撮ることができました。
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- 2013/09/28(土) 00:01:57|
- 工芸
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蒸し暑い残暑の中で「ゆかた」を着ての出店です。
販売しているモノが和服の布などを利用した「和雑貨」ですから、その雰囲気を高めるためです。
「自分で着られるの?」と尋ねると「自分で着た。」とのことです。
最近の若い人は胴が細くウエストのくびれもありますから、和服を着るには少々難しさがあります。
実際この方たちの着方は、多少ぎこちなく見えます。


西陣織や友禅で有名な京都でさえ?和服文化はふるいません。お隣の韓国でチマチョゴリをうまく現代風にデザインしたものを白人女性モデルが着ている写真を見たことがあります。これなら現代の若者も進んで受け入れるだろうという斬新さと古典的記号が両立していました。
そういう和服の現代化がない限り、「伝統文化が滅ぶ、滅ぶ」と嘆いているだけでは、結果は目に見えています。

そんななかでこうして「ゆかた」ではあるけれど(?)着ている人は貴重だと思うのです。
しかも、「ゆかたを着る季節はさすがに今日まで。今度はまた季節にあった着物を着てくるつもり。」というのです。

テーブルに並ぶ和雑貨は、女性向けのデザインや柄ですが、このメガネ入れはどうですかなどと、さかんに私に勧めます。
ジェンダー・バイアスにがんじがらめのわたしでは、・・・とても、とても。

店にはお二人がいるのですが、この方が作者です。もう一人の方は「彼女が作者で、私は実務方ですから・・・。」とさがられますから、紹介したいのですが仕方ありません。
約束は守らないと。(後日お許しをいただいたので、先の写真には出ています。)

ちょうど顔の前に作品が懸っているこの写真は「顔にモザイクを掛けられるよりはましだ。」とお許しいただいたものです。

こんな表情も・・。

これから手作り市の常連になっていくかもしれません。
この手作り市(岡崎平安楽市)はこの日が一周年だということです。出店されている方々がそれぞれに連帯感をもってこの手作り市を大切に盛り上げようとされています。
先ほどはお祝いの意味も込めてでしょうウッドバーニングのご主人がお宅で焼いてきたというバナナ入りのケーキを常連さんにふるまっていました。私もお相伴にあずかりました。ありがとうございました。美味しかったです。

この方たちもこういう方たちにまじって自分の努力の成果をここで多くの人たちに受け止めてもらえるようになっていくのだと思います。これからも和服を大切に活躍してください。
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- 2013/09/27(金) 00:01:30|
- 雑貨・カード
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私の好きな言葉に「男子、三日会ざれば、刮目して見よ。」というのがあります。
先日の改発さんもそうですが、青年にとって1年、あるいは数カ月というものは実に大きいものだと思います。
・・・いえ、壮年だって、熟年だって、老年だって同じことですが・・・・
元来革細工をされる方ですが、数年前から点描の絵を描かれています。
(⇔)

初め見た頃は、目立とう目立とうという派手な赤や青や黄の色遣いが目立ち、面白いなあとは思いながら、いつも素通りしていました。
ところが上の写真の通り、色がとても落ち着いて、色同士が柔らかく共鳴するようになって来ていたのです。

アクリルの絵の具を、畳針を使って一点一点置いていくのです。
色々試行錯誤をしながら今は三種の針を使っているとのことでした。
(⇔)

この絵の具の凸は視力障害者にも「見て」もらえる可能性があります。この方は既にそういうことを意識されて「虹はどう描いたらいいかなんて考えているんです。」といいます。

そういう新たな可能性の追求。「やってもみたいことが一杯あるんですよ。」という前向きの意識や、こういう手作り市出のお客さんとのやり取り、何より喜んで手にしてくれる人たちとの出会いがこの方に自信をつけさせて、色合いにも変化が生まれたんではないかと、私は勝手な解釈をしています。

「革を使って色々なものを作っていた時よりも、たまたま始めたこの点描の方が自分のよく表現できるように感じて、今はこちらの方にうウェートが懸っているんです。」といわれる表情に明るさがあります。
私が写真撮影をお願いした時に、説明が不十分だったのでしょうか、
「絵を撮るのだと思っていたから、・・・。」と少々戸惑い気味ですが、
そのまま描いていてもらえたらありがたいといいますと、撮影中はずっと制作を続けてくれて、一度も顔をあげてくれません。
根が真面目なんでしょうね。

右手に写っているのはお母さんのようですが、息子さんが自分の道を見つけて成長している様子を眼前に見ていますから、私が、絵にはこんな変化が見られますねといいますと、とても深く頷いて、うれしそうな表情をされていました。
こんど佛立ミュージアム(上京区御前通一条上ル東堅町110 佛立会館)というところで「ほんもんさんアート市」が開催されるそうで、縁あってそのチラシのデザインをされたのだそうです。活躍の場が広がりそうです。
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2013/09/26(木) 00:02:34|
- 絵画
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1年以上前のことです。二人展をされている時に、この方がこれから描いていく絵を見てみたいと思いました。
その方からメールで個展の案内をいただきましたので、珍しくお隣の県まで見に行きました。
作家として活動されていますので、お名前を明らかにしてもよいだろうと思います。
ちょうどこの方が絵画教室を開いたりしている画廊の方が見えて、・・・。
「この体で(スリムな方なんです)とても頑張って描いていらっしゃるんですよ。」と身近な方を応援者にされていました。

江戸時代の浮世絵や「明治」以後の上村松園をはじめとする美人画に、私は少々興味があります。
この方の絵が・・・可愛い顔立ちのきれいな女性を描いているからと言って・・・その系譜上にあるとは、いいにくいと思いますし、そうあろうとされているかどうかも分かりません。

ですが、私としては勝手にそうなってほしいなあと申し上げています。

この写真の背景にある絵は洋服を着ていますが、和服を意識されていて、自身も着つけを学ばれ、こうして個展の期間中ずっと和服を着ています。
「そうしないと和服が描けないんです。」
絵は女性に人気があり、既にあちこちで個展をされています。今度は四国だそうです。

前回見た時にいくつか気になっていた弱点が見事に改善されていて、この間の勉強が進んだことがよく分かります。
この前進、成長は私にはとても大きなものに感じられました。
わたしの勝手な期待、つまり美人画の系譜を継いでほしいということからすればまだまだいろいろな注文がありますが、なにしろまだお若いのですから、十分期待はできます。

学校を出て「作家」としての自覚が彼女を成長させたのかなと思います。
この方の絵が、今のところ「きれいでかわいい」ので、表面的には軽い風俗画的な評価をされる方も、あるいはあるかもしれませんが、しかし、私はこの方は既にこの先をしっかりと凝視されているように思います。
そして「きれいかわいい」の価値もしっかりと握っています。

絵には実際のモデルがいるのだそうで、モデルにも恵まれています。モデルたちが彼女のモデルをひきうけるのは彼女の絵の「きれい、可愛い」のしっかりとした実力を評価するからだと思うのです。こんな風にきれいに描いてもらえたら嬉しいという以上の何かを感じているんだと思うのです。
それにしてもよいモデルに出会っていますねぇ。
良いモデルに出会えることも実力の一部です。

写真では和服の素敵な絵を紹介できていません。
彼女の名前をウェッブ以上で検索すれば、そうした作品をご覧になれます。
お名前は「改発静香」さんといいます。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2013/09/25(水) 00:01:36|
- 絵画
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他府県からの出店です。
午前中は雨が降りましたから、店を畳もうかどうか迷ったでしょう。
でもようやく雨が上がって曇り空。

私は並ぶ店をぐるっと見ながら、今日は興味深い出店者はないかな、面白い制作物はないかななどと歩いていました。
ふと目に留まったのがこの方の絵でした。

アクセサリーを並べて販売しているのですが、独特の表現をした絵も並べていました。
フレームに入っているのがそれです。
雨が降るかなという気配が強くなりましたので、並べた商品や絵を大きなパラソルの中心に集めています。

気負いのない自然な表現で、とても素直に見られる気持ちの和む絵です。

アクセサリーに興味をもたれたお客さんです。そういうお客さんは少なくないのですが「絵についてお話できたのは初めてです。なかなか見ていただけなくて・・・・。」
絵は描き続けていきたいと思われている方ですので、絵にも関心を持ってもらい、絵を挟んで話がしたいというお気持ちは強いようです。

まあ私は「シッタカブッタ」の友人ですから、牽強付会、我田引水、針小棒大・・・「シッタカブッタ」で色々お話します。
何よりお話をうかがいたいですから。
(⇔)

日本への留学を希望する学生が「日本は先進国か?」「豊かさとは何か?」という小論の問題を出されて答案を書いているんだけれど、・・とメールして来ました。
日本がどのような意味で先進国か、日本ははたして豊かなのか・・・。いろいろな議論がありうるとおもいますが、こうして若い方たちが自分の作品を発表でき、描き続けようと思えるのは、日本の豊かさの一つの現れだと、私は思います。
中国ではさらに難しいのですから。
でも、・・・・。

今度もまたお会いした時に、さらに良い絵を見せてくださいね。
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- 2013/09/24(火) 00:03:44|
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何を描いているかというと・・・。お分かりですよね。
「おれ、イグアナ」 ピンクのイグアナなんですねぇ。
「う~ん?! 何か文句ある?!」

向こう側の人の肩から指先、刷毛までのライン
こちらの方の絵の具に鮮やかに染まった手。
どちらを撮ろうかと迷った挙句に・・・・。
(⇔)



さて、ダイオウイカの方の進捗状況はいかがでしょうか。
俄然、それらしくなってきましたね。 京都タワー危うし!!

この手、この黄色のポリバケツ・・・・青春だなあ。

この人の描き方からは何か楽しいリズムが感じられませんか?!
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- 2013/09/23(月) 00:02:40|
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この同じ日、同じ大学の3回生や4回生のあの人この人がグループ展や個展をしています。
それぞれがそれぞれの学生生活を満喫しているわけです。


ここでちょっと中間的なミーティング。
「これからどうする?!」
ダイオウイカの完成図をイメージして、まずこうした色をぬっているわけですが、流石に芸大生ですね。
(⇔)

さて、こちらは女性の二人組。
色調は打って変わって明るい華やかなものです。

何を描いているんだろうか? のまえにお二人のストッキングの面白さが、いかにもパネルの絵の楽しさと重なって、注目されます。
「ねぇ、やってみない?!」 「いいね、それ!!」なんて相談したんでしょうか。
そして上に着るシャツは「白」、というところがますますいいなあ、と私は面白がっていました。

お二人を含めて、まさに「色とりどり」です。

テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2013/09/22(日) 00:08:38|
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京都駅の西方に梅小路公園があります。最近・・・市民の中にある反対を押し切って・・・水族館ができました。
週末にはたくさんのお客さんが集まるようです。京都は動物園もこじんまりしていますし、遊園地もあるといばあるという程度ですから、今のところ一定の需要はあるのでしょう。
さて、ここでは色々なイベントが行われます。手作り市もその一つですが、・・・。
京都市立芸術大学の学生が野外に作品をもちだして展示し、装身具などを制作して販売する店を並べました。
それに加えて「ライブ・ペインティング」をするというので見に行きました。

この日はあいにくの天候でしたので、中止になるのではないかと心配しましたが。(私が帰宅する頃には雨が落ち始めました。)
一回生のグループです。
(⇔)

彼らのグループ名は「虜★ロール」です。
トリコロールは「三色旗」 フランス国旗のように「赤、青、白」の旗ですね。
(⇔)

そうです!
彼らの「作業服」が「赤、青、白」になっているんですね。
成程! こんな筆を使うのですね。
そう言えば学生の頃パネル4枚とか8枚をつなげた「立て看板」を毎週のように書いていましたっけ。(4枚張くらいの時はまだ楽だったんですが。)
連続講座の案内や学内ゼミナール大会への参加呼びかけなど。
どうやら今話題の生物が、何と京都タワーを襲って倒そうとしている図のようなんです。
「このダイオウイカが巨大化したのは、福島の原発事故の放射線を浴びたからかい?!」
「いえ、そこまでは考えませんでした。」
アメリカの水爆実験→巨大化したゴジラの登場→近代産業の象徴である東京という巨大都市の破壊
それとの連想からしても、ここには福島原発事故に対する不安なり怒りなりがほしかったなあ。
それにしても学生はこういうイベントを楽しめるからいいですよね。

三人がてんでに筆を入れているように見えて、うまいこと分担できているんですね。

それにしても、この白い「作業服」は、彼女の卒業までに・・・そんなに長く着続けるのかどうか知りませんが、・・・いったいどんな色になるのでしょうね。「トリコロール」どころじゃないでしょう。

彼は既にこんな状態です。
工学系や芸術系は、こうなるんですよね。こういうのがいいなあ。
(⇔)
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- 2013/09/21(土) 00:02:07|
- 絵画
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お店の名前は「こもりくの工作店」 まだ開店して間もない生まれたてのお店。いまは、ここに出張中。
(⇔)

ワインボトルの底をカットしてドライフラワーが中に吊るされているのですが、なかなかおしゃれです。
「ワインの瓶に詳しくなりました。」
「えっ?! 瓶だけですか? 中身は?」

同時代ギャラリーのブログには男性スタッフが紹介されています。
この方と交代で詰めているようです。

関東出身の方で、京都はまだ数年。
私は関東の言葉の方が親和性が高いので、話していると、とても話しやすくて、つい話し込んでしまいます。
(⇔)

(⇔)

(⇔)

「寿」の字の中に可愛らしい花が刻み込まれた判子だったり、お祝いの言葉の判子があったり。

この方の名刺もご自分の制作した判子印刷のものでした。
さあ、そろそろお暇しないとお仕事の邪魔になります。
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- 2013/09/20(金) 00:02:06|
- 雑貨・カード
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「植物屋」というんだそうです。
花を売るなら「花屋ですよね。でも、花というよりは・・・・。」

多肉植物もドライフラワーも朽ち木も・・・・。
ここは三条御幸町の角、同時代ギャラリーのある建物です。 studio 1928です。

9月の一カ月間、展示販売されています。
最初に興味をもったのはワインなどの瓶にドライフラワーを入れたオブジェです。
この方は「裏庭植物店」のスタッフでこの時は「ハンコ」を制作していました。オーダーメードの判子作りです。

この方の今使っているテーブルの、向かって左端にはコケが生えています。
「時々水やりをしているんですよ。」とのこと。我が家の庭よりちゃんとした苔です。
(⇔)

2枚上の写真には直方体の木材に丸い穴のあいているモノがありますが、これが面白くて、モバイルの音源立てなんですね。
モバイルの音源を差し入れるとこの木の中にくりぬかれた穴がスピーカーの役割を果たすというものです。おしゃれですよ。
お客さんでしょうか?
私はこの方に向かって夢中ですから、後ろの出入り口に人影があっても気づくことができません。
剣豪ならば気配を感じ、G13なら、そもそも背中は壁につけていることでしょうし、背後に気配を感じれば一撃のもとに・・・、イヤそなんことはどうでもいいのです
左手に見える棚材は、もう朽ち果ててボロボロです。普通の建材や工作の対象にはなりません。そんな木でもこうして「活かそう」としています。
先ほどのアイフォーン立てもほとんどこうした「使い物にならない」木を、そのまま捨てないで活かしているのです。
(⇔)

ドライフラワーを入れた瓶も、廃棄されて再利用されないモノを積極的に生かしているのです。
私はガラス瓶は「再生」されて使われているものだと思っていましたが、「実際は再生コストが高いからと言って、ただ捨てられているのです。」とのことです。 じゃアの分別回収はどんな意味があるのでしょう。
経済コストからいって利益の出る時には「自然を守れ!」だとか「リサイクル」だとか声高に言われても、そうでなければそんな「理念」は弊履のごとく・・・。
この方たちは「リサイクルではなくて」もっとステージの高い活用を考えている、のだそうです。

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- 2013/09/19(木) 00:04:42|
- 雑貨・カード
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遺作展の期間は、息子さんに囲まれての一週間です。
ギャラリーを訪れる方々も息子さんを偲んで、さまざまな思い出に触れます。
「本当に惜しい人を若くして失った。」 皆さん、そうおっしゃいます。
社交辞令、義理の上の言葉・・・、としてそういう言葉はよく耳にします。しかし、実際のお人柄は存じ上げませんが、少なくともここに残された作品を見る限り、その技量もお人柄も、文字通り「惜しい人を早くになくして残念だ。」と思いました。そしてお集まりの方々のこうした言葉は、言葉そのままの意味だと感じました。

息子さんの声を聴かせていただいています。
満佐子さんは娘さんの満沙美さんとともにお茶屋(まん)をされるとともに「上ゑ柳」という京料理店を経営されています。
京都のお茶屋さんは「一見さん、お断り」ですし、京料理店も私などの薄給取りで定年退職者には、いささか以上に敷居は高いのですが、この方の人柄に触れて「清水の舞台から飛び降りてみようか。」などと冒険的なことを思ったりもしてしまいます。

趣味が写真だという話になって、実は撮らせてもらいたいと思っていたのですが、といいますと、「どうぞ」とおっしゃって快く許していただけました。

他にもお客さんが幾人もいる時でしたが、遠慮なく周囲を回って撮らせていただきました。
京都人の言葉は表面的に受けとってはいけないということが言われますが、そういうことを恐る恐る斟酌しても、「下手な考え休むに似たり」が私でしょうし、何より、この方の人柄が、私の警戒心を解いてくれました。
お客さんがお一人帰られました。
すると膝を悪くしているのに・・・・今年は「祇園をどり」を諦めたというのに・・・こうして席を立って見送る姿を見て、「プロだなあ」と思いました。

で、・・・お人が悪いなあと思ったのですが(笑)・・・「あの人はプロのカメラマンどっせ。」ということでした。・・・・いえ、いえ、お人が悪いのではなくて、今ここにプロカメラマンがいることを知らせてしまえば、素人の私が気楽には撮れなくなってしまうという私へのお心遣いだったのだと思います。・・・・
何と私はそのプロのカメラマンの前で、事情も知らずにいそいそと写真を撮っていたというわけです。
「冷や汗三斗」ですが、こうして貴重な写真を撮ることができたわけです。

息子さんを亡くして気落ちされて、意気消沈するのではなく、しかもひざの故障も克服して「来年は、なんとか『祇園をどり』出よう思います。」とおっしゃる。舞台に上がり続けるという決意です。
そして舞の先生としての仕事も。

短くない人生ですから、この方にも忸怩たることはいくつもあっただろうと思います。
それでも、いえ、そうだからこそかもしれませんが、こうして凛とした美しさを持っておられる方がこうしておられるということ。そのことが、私のような若輩者を実に叱咤し励ますのです。
まだ、これからおおいに勉強して成長しなさい、・・・と。
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- 2013/09/18(水) 00:01:31|
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上柳宏彰(宏明)さんの遺作展にうかがいました。
といってもギャラリーの前を通った時に、絵の「赤」に気付かなければ、入っていなかったかもしれません。
明度も彩度も抑制しながら、しかし力の強い赤です。

この方は上柳宏彰(宏明)さんの御母堂。上柳満佐子さんです。
絵を描くとともにドラマーとしても活動されていた息子さんが50才を越えて間もなくに逝去されて、その遺作を展示されています。
私は作者についても、そしてそのお母様についても全く予備知識をもたないままに、ただ歌舞伎役者を描いたその絵の中の赤と力強い黒の線とに惹かれてギャラリーに足を踏み入れました。

この上柳満佐子さんは娘さんの満沙美さんと親子の芸子ということで有名な方だそうです。
祇園東に属するかたで何と藤間流の踊りの指導者です。
そういうことも知らずに、ただいつものように絵に導かれるままにしつこく絵を見ていたのですが、親切に声をかけていただいて、しばらくお話をうかがうことができました。
(⇔)

私はこの方とお話していて、物腰は柔らかで口調は丁寧、穏やかですが、時折見せる凛として背筋の通った姿勢とお話の内容に、「撮りたい」モードに早くから入ってしまいました。
しかし、何分「花街」には縁がないし知識もない、その迫力に気圧されてとても言い出せませんでした。
とにかくその表情の豊かなこと、そして人への気遣い。
芸子さんとして、一人の女性として「世間」をわたってきた、一筋縄ではないしなやかな優しさを感じました。
そして今日、ここでは若くして逝ってしまった自慢の息子さんを偲ぶ母親としての表情。

ふと気付くと、届けられた花には片岡仁左衛門さん、沢田健二さんなどの名前が。入り口の脇には杉良太郎さんからの花が。

たまたま、この方を「お母はん」とする芸子さんが付き添われていて、その方が私の生まれた町の隣の町の生まれだと知り、何かしらとても親近感を覚えました。 満彩代さんという芸子さんです。
満佐子さんのお人柄と、(ほぼ)同郷の芸子さんの同席ということでもなければ、私のお尻の落ち着きはよくなかったでしょう。

息子さんの絵は写真に出ている役者絵のほかに舞妓や芸子を描いたもの、ご自分が加わっていたバンドメンバーを描いたものなどがあり、実に魅力的なものでした。
洋画の手法が強いものですが、赤の色とともに黒の描線の力強さが印象的です。
私が感じたことの一つに舞妓、芸子を描いた作品に流れる感情があります。それぞれ人形を素材にしたものも含めて、舞妓・芸子との距離感がほかの人が描いたものと違うのです。親しみをもち、敬意ももちながら、しかし、ある種の・・・けっして否定的ではない・・・距離を置き、必要以上に美化せずに、持ちあげずに「媚を売らない」絵になっている点に、関心と好感をもちました。
それは息子さんの生い立ちに関係しているようです。
さて、私が満佐子さんを撮りたいと思った要因の一つが、実に「堂々たるお人柄」だということです。
私より一回り以上年配になるのだと思いますが、・・・・膝を悪くして立ち居に不自由があるとはいえ・・・いささかも揺るがない凛とした力と姿勢を感じたからです。
そしてそれが人に対して、覆いかぶさるようなものでは決してないという点です。

<続く>
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2013/09/17(火) 00:03:28|
- 人物
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それぞれがとてもユニークな発想で表現されていて、一緒に話している時間はとても楽しいものでした。
この方の作品は以前に見見せていただいたことがあって記憶の底にありました。でも作者にお目にかかったのはこれが最初。
現代生活への批判があって私としては好きなタイプです。

写真右手奥の作品がこの方のモノ。
兎とも何ともつかない「生物?」が様々な色やデザインで塗られて鏡の前に立っています。そこで鏡には「うら」が映るのですが、そこに面白さがあります。
私は仕掛けるということが好きですから、ついつい余計なことを口走ってしまいます。
でもこの方は素直に面白がってくれて、これからの作品が楽しみです。
(⇔)

この四者四様のキャラクターは実に面白い組み合わせだと思いました。
職場の仲間同士でこうした展示ができるなんて楽しいでしょうね。

普段はどちらかといえば個性を押し殺しての制作なのかもしれません。
ですから、「やろうよ!」「やろう!やろう!」ということになったのではないかと。個性を噴出したいという要求があったのではないかと。
私同様に、以前作品を見たことがあるという方が来られてひとしきりお話をしています。
それを見ている仲間の視線がとても好もしく感じられました。

そして批評を受ける当人の視線。
どんなことを言ってくれるんだろうという眼差しですね。
(⇔)


仲間として見つめています。
(⇔)

グループ展はいい勉強になりそうです。
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2013/09/16(月) 00:04:43|
- 絵画
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通り過ぎようとしてふと目に入ったポスター。

「四人分のムニャムニャ」です。

一人ひとりの中に取り込んだものを自分のなかで・咀嚼変形してイメージとして外に出して形象化(形に)されたもの。=作品
体に摂取したものを異化して外に排出された物体=「糞」
∴ 作品=「糞」
見事な三段論法ではないか!?
こういう見事な論理を展開できる人たちを見逃してはいけない。
こういうことの仕掛け人は、非常識極まりない不逞の輩に違いないからである。
その不逞の輩たちの調本らしき人がこの人である。
(右手のある作品の鏡の中に人の顔が映っているのは偶然です。)

なんとも「善良」そうな「張本人」で拍子抜けするくらいだ。
だがまあ、本当に悪い奴は日常は善人の皮をかぶっているから油断がならない。

この4人の「糞袋」たちはどういう集団かと尋ねると、どうやら同じ職場の人間だという。

デザイン会社か何かの同僚なのだろうか?
それが何と伝統芸能を陰で支える職人集団だというのです。 「たたき」をしているんですね。
「絶世の 美女もしょせん 糞袋」とは古い川柳の文句ですが、禅宗では人間はしょせん「糞袋」だと喝破しています。 身分の高貴・卑賤、貧富も美醜も、つまるところは「糞袋」に過ぎずというわけです。

この四人衆は、冒頭の三段論法とこの伝統的教養とを合わせて「四人分の糞」と銘打ったのではないかと想像するのです。
やはり相当の曲者です。
曲者ですかねぇ?!

仲間内のひそひそ場なしは怪しいですよね。
実は大学の後輩が訪ねてきて旧交を温めているのですが。
(⇔)
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- 2013/09/15(日) 00:05:23|
- 絵画
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空間を演出する。
これはなかなか魅力的な創作分野だと思います。
単にモノを作るのではなくて、その物と周囲の関係を創造・構築していくのは私にとっても興味深い分野です。
(⇔)

大学の夏休みの後半期です。
あちらこちらで学生、院生の個展やグループ展が見られます。
私は期待を込めて、また彼らの新しい創作に刺激されようと出かけます。
この方は「インスタレーション」に取り組んでいます。
入り口に「照明が消えていますが展示中です。お入りください。」というようなことが書いてありました。
(⇔)

塩化ビニールなどで樹木のようなものを作り、天井から二つの照明が鈍く光ります。
その照明はセンサーの働きで人の動きを感知して光りますので、作品の下を歩きますと様々な空間の表情を楽しめます。
四方の壁にも影や光が浮かび上がって水の底のような幻想的なムードを生んでいます。
写真で作品の下に立っているのが作者です。
この演出は「そこまでは、考えていませんでした。」と、私との会話の中で「ちょっとやってみましょう。」の結果です。
(⇔)

この作品の大きさは、このギャラリーの空間に合わせたものです。ですから大学の教室やロビーなどではこの作品を展示できません。
つまりこの展示期間=一週間の命の作品なのです。
搬入、搬出も難しそうですね。
(⇔)
こうして個展をしてみて色々な人の話を聞けることがうれしいと目を輝かせていました。


冷たいお茶を勧めていただいて、しばし歓談。
DMでは一抱えくらいかなと思われる、やはり塩化ビニールを素材としたオブジェが掲載されていましたので、そうしたものがいくつか並べられているのかと想像してきたのですが、意外や意外でした。

天井の照明はセンサーで点くのですが、またタイマーで消えてしまいます。そこで近くまで走って行って点灯しては、こうして撮っているわけです。
一灯しか点いていません。

二灯です。奥の明かりがついたから画面が明るくなったのではありません。
大した問題ではありませんが。

ちょっと、一緒に撮っているという気分を味わいました。とても楽しかったです。
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- 2013/09/14(土) 00:04:37|
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二人展の、もうお一人の方はたまたま在廊されていませんでしたが、こちらの方の作品も魅力的です。
会期中にもう一度お邪魔して、こちらの作者の方にもお会いできたらなあと思います。
・・・それにしてもこの二人展のDMはよくできています。
ねっ?! Dさん! ・・・・・

シャッターを切った瞬間に、「イヤ今のはまだまだ、もっと良い表情がある。」と思わせてくれるタイプの方です。
とても真面目な方ですから、カメラが向けられている間はどうしても緊張されます。それは撮る方への「親切の気持ち」もあってなのですが。
それで、会話に切り替わった瞬間、「あっ、その表情が撮りたかったなあ。」という表情をされるのです。

「これっ!というカットを撮るには半日かかるなあ。」などと話しながらです。

どうしてもいくらか緊張してしまうのにはレンズが50ミリのせいもあります。
フィルムで撮っていた時の85ミリならなあ、なんて思う瞬間です。
α900につける85ミリは高価で手が出せないのです。残念ながら。

でもようやく、ここまで来ました。


でも「笑った写真」がいいというわけではありません。今日のどの写真も私は好きなんです。こんなふうに思っていたんで写真の腕前は向上しないかもしれませんが。

これまで私が撮ってきた写真のうちの何枚かを見ていただいています。
自分の写真を絵を専攻している人に見てもらうなんて、ちょっと「緊張」しますね。
(⇔)
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- 2013/09/13(金) 00:05:27|
- 絵画
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ある漆器作家の個展を訪ねた時に偶然お会いした方です。
「会った」ということもできないくらいの短時間でした。その漆器作家さんがある大学の先生をされていて、そこに来られた学生さんです。先生に「私のグループ展と二人展のDMです。」と渡される時に、それまでその漆器作者と話し込んでいたのをいいことに(?)、「ついでに私にもいただけませんか?!」とお願いしました。
二人展の相方が漆器の方ですから、その先生も事情をよくご存じのようでした。
で、そのDMを見て「これは見に行かなくては・・。」と思ったのです。
グループ展(「清々展」・・・日本画専攻の方たちのグループ展です。)を訪ねるとその方の作品がありました。意外にも・・・というのも二人展の方では一見抽象のような絵がDMで紹介されていたからです。・・・人物を描いておられました。そして、その人物がなかなかいいのです。
この会場にも人物の絵がありました。
人物は同じ大学の学生をモデルにして書かれたとのことでしたが、どことなく異国の人の雰囲気がします。
前方、やや上を遠く見つめる視線や、顎にあてた指先に内面的な思いが感じられます。
小さな町屋の2階が会場でした。階下は骨董店です。ここがギャラリーになっていたことを知りませんでした。
ご覧のようなガラス窓があって採光の良いギャラリーです。
(⇔)

小柄な可愛い方ですが、

ふと、とてもしっかりした人柄を示す表情を見せてくれます。

私自身がこうして「人を撮る」ことを意識していますので、人を描く人、人を撮る人にお目にかかると、つい話し込んでしまいます。
・・・・残念ながら、人を撮って作品を発表される方がとても少ないのが現状ですし、また、たまに作品を見て話しかけても絵を描く人ほどに「人を対象としている」ことに意識的でないことが多いです。
人を撮る動機と人を描く動機もかなり違っているような気がします。
(⇔)

ほとんどすれ違っただけ、という最初の「出会い」でしたが、その時に受けた印象通りの方でした。
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- 2013/09/12(木) 00:01:15|
- 絵画
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「片想い」は皆で考えたテーマ。
単純に異性に対する「片想い」ということではないらしいのです。
人をどうとらえ、どう描くか。 私にもとても関心のあることです。
この人が学んでいる大学の学生はおおむね謙虚で真面目だ。
私のような人間の話でもよく耳を傾ける。
この方も、私が少しばかりこの絵について話し始めると、遠慮せずに厳しく批評してくださいと姿勢が前のめりになる。

自分や絵に対する取り組みの課題を日ごろから意識しているためか反応が敏感だし、受容深度が深い。

この絵たちの空気に入ってもらって・・・・。
(⇔)

絵にはこの方の感性と意識の一面がひきだされ強調されて表現されているわけだけれども
普段の顔は、・・・。

この振れ幅の大きさや深さが絵の魅力にもなるのでしょうし、創造の活力にもなるのかなあと思います。
その点で、自分の写真は・・・なんて思ってしまいます。
(⇔)
この方の服はお母さんが仕立てられたものだそうです。よく似合っていますし、この年頃でお母さんが仕立てたものを着るというところに、この人の人柄が出ているように思います。
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- 2013/09/11(水) 00:03:55|
- 絵画
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その展覧会のテーマは「片想い」展
芸術系の高校の同窓生によるグループ展です。
「一方的な想いだけど、見てくれる人々と分かりあいたいという気持ちで展示します。」ということです。
お邪魔した時にはこのお二人が在廊されていました。
この方は版画です。

この方は日本画。

高校の時には版画の専攻がなかったらしく、大学に入ってからの取り組みです。
私を無視してあちらを向いている・・・と、いうわけでは勿論、なくて。
(⇔)
版画の一般的な特徴であるとは言いながらエッジがとてもきれいです。そして描かれたエッジの線の微妙な表現が細やかです。
ここに見える作品でも、ずいぶん図案化されているようでいて、脚のくるぶしのあたりなど実にリアルで表現の幅を持たせています。
隣の作品では「黒」でありながら視覚的に様々な色合いを帯びて感じられるようで不思議な効果をあげています。
(⇔)

似たようなカットですが、この写真の表情などがとてもよく、捨てがたくて掲載しています。

高校の同窓の仲間とこうして作品展ができるなんて羨ましいですね。
流石に芸術系の方を撮らせていただく時には「絵作りに協力的」なので助かります。
でも、私が間違えました。右足は、ちょっとひいた位置に、つま先を床に軽くつけて立てていただくのが良かったようです。(本当かなあ?!)

この方の作品はなかなかインパクトがあります。
モノクロでなくカラーで色を紹介すればなお一層その様子が分かったのでしょうが、その色再現に自信がありませんでした。
でもインパクトがあるということはモノクロでも十分に分かってもらえると思います。
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- 2013/09/10(火) 00:02:09|
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私の大学の3,4回のゼミの時には女性がいなかったと記憶しています。多分そうだったと思います。(頼りない記憶だなあ。)
何しろ経済学部ですから、同じ回生の女子も数えるほどでした。当時でも女性で法律や経済を勉強する人は少なかったのです。
まだまだ「女は文学部」という傾向が強かったですね。
「法律や経済に行ったら結婚できない」が殺し文句でした。
まして?理工系には進学者が少なく、女性は多くの障害を越えなくてなりませんでした。
小・中・高の学校の教室では、教科書では「男女平等」と教えられても、進路指導をする先生自身が障害の一つでしたからね。
多くの女性が悔しい歯がゆい思いをしたことでしょう。(しかも、女性の敵は女性という面もありましたし。)

内閣総理大臣、閣僚、政務次官、高級官僚に都道府県知事、企業の管理職・・・・、いまだに女性の割合はあまりに低い。この実態は「憲法違反」でしょう!! とても先進国とは言えません。

リクルートスーツに身を包んだ女子大生を町で見かけると「頑張れ!!」とつい心の中で呟いてしまします。

そして、君たちのお父さんたちが君たちの敵でないことを祈る、とも。
採用人事にかかわって女性差別をするのも、ブラック企業のブラックな管理職も普通のお父さんたちなんですから。

つい先ごろ仙台まで野球観戦にいってきたのだそうです。
そして「生マー君を見てきた。」そうです。
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- 2013/09/09(月) 00:04:01|
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外は激しい雨です。道路に落ちる雨粒がしぶきをあげて煙っているようです。これでは自転車では帰れません。 しばし、雨宿りです。・・・というのを良い口実にして。
このゼミには数人の女性がいるそうで、作品も展示されているのですが、今日はたまたまこの方だけがおられました。

次の写真の左手に写っているのがこの方の作品です。
といってもボケていますからお分かりにはなりにくいと思いますが。
3人の方が在廊していて、二人まで撮ったのですから、次はあなたですね。

「覚悟」していたかどうかは分かりませんが、・・・。
もう撮り終わったお二人が、盛んに突っ込んでくれますから・・・、とても自然で魅力的な表情が出てきます。

ですからこれらの写真は、「被写体」になってくれたこの方と、仲間の男性お二人と、そして撮影者の私と・・・もちろん向こうで笑って見ているオーナーとの合作ということですね。

雨脚は少し弱くなって、外は次第に明るくなってきました。もうじき雨が上がるでしょう。
(⇔)

でも乗り掛かった船を無理やり進めて、
この方の作品に、天上からの番線でつるした半透明の白い布に動画を映し出すものがありました。
そこにスキップして走りまわる女の子やイラスト風のキャラクターの映像が写ります。
何やら面白い活かし方ができそうです。

「モデルさんをきれいに撮る」としたらこういう腰かけ方はしてもらわないのですが、この方が明るくて楽しい方だったので・・・。
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- 2013/09/08(日) 00:04:10|
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ジャンルを「絵画」にしています。CGの作品を「絵画」に入れるにはまだまだ落ち着きが悪い感じがします。 しかし、それも時間の問題でしょう。
日本では静止画の写真が芸術性を獲得しないうちにCGの方がその域に達してしまうかもしれないなあ。
( それぞれ根を張っている文化的状況は変わらないのだから、芸術の域に達しないのは結局同じことかもしれません。ただ技術が違うというだけに終わるかも。いえいえ、新しく登場するモノは自分に対する認知を獲得する為に色々と挑戦するだけに、ステップ・アップの可能性があるかもしれません。 )
立命館大学映像学部のCGゼミの仲間です。

ハリネズミとサボテンを「仲間」として並べたり、ベネツァの運河を描いたり。
デジタル写真の場合と違って一から映像を作る大変さがあります。
カブトムシの画像を切り貼り合成しているわけではないからです。
だからカブトムシもしっかりと観察しなければなりません。その意味でまさに一点一点描いているのです。

今、友人たちが話しかけてくれていますので、少しずつりラックした写真が撮れます。

「どう?普段の彼はどんな感じの人?」
「全くこのままですよ!」と友人たち。 心やさしい気さくな人のようです。
もう?4回生ですから、学生生活も残すところあと半年余り。
仲間とともにこうした企画を実現できたことは貴重なことでしょう。
私には4回生の一年間をどう過ごしたか全く記憶がありません。就職活動をしていなかったことだけははっきりしているのですが。

この写真が彼らの思い出の一ページを呼び起こすのものになってくれたらと思います。
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2013/09/07(土) 00:00:33|
- 絵画
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「ギャラリー知」のHPにはこのように紹介されている。
「立命館大学映像学部のCGゼミ生による有志のグループ展です。「mix up!」というテーマのもと3DCG、イラストレーション、写真など様々なジャンルの作品をごった煮感覚でお楽しみ頂けます。CGゼミ生達の豊かな感性とこれまでの努力の成果を是非この展覧会でご覧下さい。」
雨に降られるギャラリー巡りでしたが、今日の最後はいつものように「ギャラリー知」です。ここがお休みだとどうも寂しくていけません。ようやく夏休み明けです。
大学のゼミとして外に打って出る。 最近色々な分野で目立ちますね。大学の肝いりで、とか、教員の指導援助でという場合もあるようですが、
このゼミはこの人がリーダーシップを発揮してこの企画を実現したようです。

彼の背後に見える「達磨落とし」の画像が彼の作品です。
かなり高度な技術をお持ちのようです。画像に陰影があり、立体感が自然です。

私自身はデジタル写真を撮っていてもraw現像もしないし、フォトショップなども使いません。ですからデジタル映像技術についても全く分かっていません。
そんな私に懇切に色々話してくれました。
写真写りが悪いし・・・・、なんていうものですから余計に私の「撮らせてよ」モードに火がついて、その犠牲になっているわけです。

テレビCMでも映画でも今やCGを使わないモノはほとんどないのでは、というくらい普及しています。
芸術系の大学の文化祭などでは、CG作品がたくさん紹介されています。
デジタル映像のソフトもハードも日進月歩ですから、これから「やれること」が幾何級数的に増えていくことでしょう。
その技術に追いついていくだけでも大変です。

リーダーシップを発揮する人には、やはり人間的な力があります。とがっている面もあれば抱擁する面も。
この頃のリーダーは旗を振るだけでなく、実務能力というか、現実化能力の高さがこれまで以上に求められるようです。

このギャラリーの空間で若い作家たちが意欲を発揮し自由な創造の空気を吸えるのは、この方の力が預かって大きいと思います。
オーナーです。苦労はとても多いようですが、自分の役割を模索しながら頑張っておられます。
彼の醸し出す空気の中で若い人たちがこうなります。

私も時々その空気を吸いに行きます。
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2013/09/06(金) 00:03:01|
- 絵画
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う~ン、雑貨といえば雑貨なんですが。

この方はコンクリートで家の形をした「ペーパーウェート」を作っておられます。
定年後に洋風庭園の「造園」を手がけるようになり、その中で庭に置くオブジェを提案してきたことから次第にこれを生み出してきたのだそうです。

家の形の各面の作りと、面と面との接合部の精度の高さが命だと思いました。その各面にできる光と影の美しさが見事なんです。
コンクリートは以前から使い慣れたものなんだそうですが、これらの作品の「型」は、複数回利用するのではなくて一度一度壊されてしまうのだそうです。手間を惜しんでいないんですね。そうしないと先ほど触れた面と面の接合部の潔いほどの乱れの無い、線を作ることができないのだそうです。

かつては有名な企業で大量生産に関わって来られて、受け取ってくれた消費者の声が届かないし、手ごたえがなかった。それが今は直接に要望にこたえられるし、自分の仕事が直接お客さんの反応として返ってくるという楽しさを感じているといいます。
物作りにおいて何故何をどのように作り、だれに売るかを自己決定できることはとても大切なことです。
(資本主義的企業ではそれができませんものね。そこにいわゆる労働疎外が起こるというわけで、このことは働く者の労働観や自己肯定観を形成するうえで極めて重要なことだと思います。)

コンクリートの家の形をした時計がありました。またコンクリート造りの傘立ても。
「まあとにかくモノを作るということが元来好きなので・・・。」

写真の中で、向こうに二人の方が写っていますね。
今回、この方の「石」と、中ほどの方の「木」、そして一番奥の三上さんの「革」という三つの素材にこだわっての出店だそうです。 こうなると「手作り市」もステージが上がって行くように思います。
別のところでは、モノクロの写真と、手書きのモノトーン「黒」の絵を並べてお二人の方が出店しています。
なんだか手作り市が一段と面白くなりそうですね。

定年後の人生をいろいろ構想する人がいますし、実際色々な活動を見ます。
中でうらやましいのはこの方のように半分の年齢の人たちとこんなに素敵な笑顔でともに物作りを語り合えるということです。
三人の作品をセットにして「受験生を励ますグッズ」にしたらどうだろうなどと新しい企画が飛び出してきました。
俗に言う「第二の人生」ですが、「生き生きワクワク」ですね。
団塊世代はまだまだ熱いぞ!というところです。
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- 2013/09/05(木) 00:03:26|
- 雑貨・カード
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この方目には日本の情景はどう映っているんでしょうか。
初めての国、始めて後、初めての「手作り市」

今回は男性の方の故国での旅です。
でも多くは二人のいずれにとっても異郷の地です。
その異郷の地をともに旅する二人だからでしょうか、いわく言い難い空気が二人の間にはあります。

これまでに何カ国ぐらい旅したのですか?
そうですねぇ。あまり多くないんですよ。え~と、あそこ行ったし、それから・・・。10カ国ぐらいでしょうか。

当たり前ですが、人生には人の数だけの姿があります。
冒険すればいいってことでもないでしょうし、世界を回れば立派ということでもないと思います。
私の中学の同級生には、中学を卒業して以来、定年を迎えたあとの今日までずっと郵便局に勤務している男がいます。もう長い間会っていませんが、秘かに敬意を感じています。彼はずっと・・そうこれからもまだ続けるんでしょう。・・・故郷のその地域に貢献し支えてきたのです。私たちが外から懐かしむその地域で。

家を建て、家財道具を整え、憧れの自動車に乗る・・・・。今のところはそういう生活とは無縁なお二人です。
彼女はもう長い間郷里に帰っていないのだそうです。
「日本で石を買ってもらってお金を貯めたら彼女の国に行こうと思っているんですよ。」

また地球を半周しなければいけませんね。
(⇔)
アディオス! ( Adiós )
ノス ベモス オトラ ベス( Nos vemos otra vez. )
・・・・でも、もう一度お会いすることはまずないんでしょうね。

私のブログを飾ってくれてありがとう。( Gracias. )
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- 2013/09/04(水) 00:03:43|
- 工芸
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中学生や高校生が「進路希望」を先生に訊ねられることは一再ではないはずです。
進路意識を高めるなどという理由で何度も何度も「進路希望」欄を埋めねばなりません。
でも「進路希望」って何なんでしょうね。 進学?! 就職?!
京都には国の予算もつぎ込んで小中学生、(そして高校生にも)将来の仕事を「体験的に」考えさせる大きな施設があります。(いまでもあるのかなあ?) パテシエ、コックさんになる?! 自動車の整備工?!
お花屋さん?! まあそういうレベルです。 それらの職業が悪いというのではありません。
ただ、「進路」を考えることって、こういうお店やさんゴッコでいいのでしょうか。
大人は子供たちに何を期待しているのでしょう。
また子供たちの人生の可能性をどう理解しているのでしょう。
人生観を耕す教育が不足してはいないかと・・・。
この方は中高の時にご自分の進路をどう構想しておられたのか。
おそらくは「進路希望調査票」に記入した通りの人生ではないのだろうと思います。

今はこの方を人生の同伴者として暮らしておられます。

おそらくは一般的な「親」からすれば、心配だらけの人生だと思います。
サーファーとして「もっといい波」を追いかけているうちに、いつの間にかインドのヒマラヤへ。
そしてそのインドの地で「石の魅力に惹かれて、それにのめり込んでいます。」

その石を求め、石の導くままに、世界を回る生活になったのだといいます。
インドには石を研磨することで知られた町があるそうで、そこに世界の石が集まり、美しく磨かれて、また世界の石の産出地に戻って行くのだそうです。

そのインドでこの女性に出会い、当時彼女が生活の基盤を置いていたスペインでしばらく暮らしたのだそうです。
「ということはスペインの方ですか?」
「いいえ、彼女の生まれはウルグアイなんですよ。私たちの会話は英語なんです。」
とのこと。
ここに並べられた石たちを見ていると、単に色がきれいだというだけではなくて何か不思議な内的世界を持っていて、そこに引き込まれるような気がします。
表面の色の奥から輝き出る世界がありますし、透かして発見する奥に潜んだ世界があります。

インドで石を仕入れて、世界の各地でそれを販売するという、いわば「流浪」の生活です。
日本にもつい最近、本当に久しぶりに帰ってきたのだそうで、この京都の手作り市にも急きょの出店です。
「これから四国の方にいってみようか、それとも・・・。」といいながら、
「最近、一つ所に根を生やした生活をしたいなあと思い始めているんです。」
大人たちはしたり顔で「結局そういうことになるんだから・・・。」初めからよい高校、良い大学、そして優良企業への就職をしておけば、今頃は・・・、と言うかもしれません。
その「結局は・・」という言葉によって無視されてしまいがちな「生活体験とその思い(時にはご自身が子供には経験させたくないとさえ思うような)」、それが人生の内実なんじゃないかと私には思えるのです。
ただ私にはこのお二人のように生きる動機も決意もなかかっただけで。
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- 2013/09/03(火) 00:04:41|
- 工芸
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私の卒業した高校は旧制中学を引き継いだ学校でしたから、新旧含めれば相当多数の卒業生を出している思いますし、新制になってからの人数も多いことだろうと思います。
私は学校で行われる同窓会にも出席していませんし、同窓者の住所録の購入もしていませんから、卒業生の動向にとても疎いのです。
ある日いつものように寺ブラをして「きむら」というギャラリーに足を踏み入れました。
一通り作品を見せていただいて、壁に張られたプロフィールを一瞥すると・・・。(私は先入観を持って作品を見たくないので、ある程度実績のありそうな方については、帰り際にしかプロフィールを見ないように心がけています。)
プロフィールの名前の下には「静岡県〇〇市××」と出身地が書かれていました。
何と私も〇〇市の生まれなのです。思わず振り返って作者の方の顔を見て「〇〇市のご出身なのですね。私も同郷です。」と話しかけました。

すると「そうなんですか?! では、高校はどちらですか?」
・・・・郷里が同じだと聞けば、高校は?と尋ねるのに何の不思議もありません。が、私はこの質問に答える時にいつも一瞬躊躇するのです。・・・・
「IM(人によってはBNというのでしょう。)です。」「そうですか、私もIMです。」 ということでひとまずはいらぬ心配は消えたわけですが。

私の弟と同学年のかたでしたが、その頃できたばかりのコースだったため弟と同じクラスになることはなく、弟のことはご存じなかったようです。
(弟は不肖の兄と違って勉学においても優秀でしたから、多少の知名度はあったはずなんですが、同じ高校の中にコースを作るとこういうことになるのですね。学年集団というものが成立しなくなるのです。)

それからしばらく郷里のことや高校でのことを懐かしく話したのですが、旧制中学を引き継いだ学校によくある「自由な校風」の良い面を身につけられた囚われない自律した考えをお持ちの素敵な方でした。

私が卒業した年の入学という関係ですが、それだけでも私たちくらいの世代に対するイメージは「自分たちとはずいぶん違う」と感じておられたようです。それは意外でした。
私たちの学年は当時の京都の高校生に触発されて「制服廃止」の運動をしました。代議員会では私や数人の3年生の議論で大きく「廃止」支持が広がり、一旦は代議員会で三分の2の多数をもって「制服廃止」を学校に要求することとなりました。

ところが職員会議を経て、各クラスでの先生方の巻き返しで、次の代議員会では逆転して賛成は三分の一になってしまいました。一旦、議決されたことが代議員からの再議決の要求もないまま議題になり採決のやり直しがされるなどというところに当時の学校の姿がありました。(まあ、先生たちも頭を抱えたのでしょう。「伝統≒OBの圧力」も考慮しなければならないし、生徒が「教育の在り方、し方に口を出す」ことに対する抵抗感もあったでしょう。子供の権利条約を批准した今でも生徒が教育の内容や先生のあり方について当事者として発言することなど思いもよらないという教師や教育行政が普通に見られるのですから。)
ただ、当時の先生方にも立派な面があって、少なくとも「首謀者」にたいして圧力をかけたりすることもなく、また校長や職員会議の権力で生徒の決議を反故にするようなことはしなかったのです。
つまり主観的には民主的であろうとしたのだと思います。戦術的にも「火に油を注ぐ」愚は犯さなかったということでしょう。30歳になるかならないかの若い先生たちが頑張ったんだと推測します。
生徒の「制服廃止」の考えも底は浅いものでしたし、戦略も戦術もありません。ただ「戦後民主主義」の理想を漠然と「信じていた」ということでしかなかったのでしょう。ですから、容易に覆ってしまいました。
しかし、この方の在学中に「制帽」は「制」帽ではなくなったようです。
「先輩たちの奮闘の結果だと思っていました。」とは初めて聞いたことでした。

この方の生徒を見る目や、芸術教育の中で何を大切にするのかについてのお考えをうかがっていると、こういう先生に担当していただいたら授業も楽しいだろうなあと思わずには居られませんでした。
この方が指導する絵画教室の生徒さんたちもすぐ隣で展覧会をしていました。そして少しお話もうかがいましたが「自由に描かせてくれるし、スケッチ旅行も本当に自由で楽しい。」とおっしゃっていました。鈴木さんのお人柄の影響でしょう。
生徒さんといっても私と同世代か先輩の方が多いようですが。

また今度個展を見せていただくお約束をしてお別れしました。
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2013/09/02(月) 00:04:32|
- 絵画
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写真を撮らせていただきたいとお願いして、OKをいただいたのですが。
いざ撮ろうとするとファインダーフレームからススッと姿を隠してしまう。
「素敵な人たち」を撮ろうとしているんだということをもう一度説明し直して、
「う~、ちょっと恥ずかしいなあ。」
(⇔)

いいことか悪いことか、私は重ねて説得することはほとんどしません。
「う~ん??!!「」と、どう返事しようかと考えあぐねている場合には、すぐに引っ込みます。
どの方もプロのモデルさんではありませんし、またほとんどが初対面の方なのですから、画面に緊張が出るのは仕方がありません。
が、不承不承の気配が出れば、画面的には「笑顔」であったとしても、見ていて心地よいものにはなりませんし、何より写ってくれた方にいい印象・記憶を残しません。
決してよい写真にはならないと思うからです。
政治家などの正体を暴露する種類の写真とは違いますから。

今ちょうど三人のお客さんが来ておられますので、色々な姿を撮ることができました。
お客さんの内のお一人が画面に入らないように後ろに下がっています。映りこむことを愉快に思わない方も当然おられますので、ご迷惑をおかけしないように注意しなければなりません。

ミケランジェロの『最後の審判』、『ET』を意識して・・・・というわけではないんですが。
(⇔)

このまなざし、表情がいいですね。
仕事の楽しさ、お客さんへの気持ちがよ~く出ていると思います。
(⇔)


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- 2013/09/01(日) 00:02:39|
- お店
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