今年も最後の日となりました。
ブログをご覧いただいた皆さまにはいろいろとお世話になりました。厚くお礼を申し上げます。
瀋陽に行っていた5ヶ月間の「空白」にもかかわらず、帰国後にほどなくしてたくさんの方にご来訪いただきました。
私は「アクセスカウンター」をつけていませんので、毎日、あるいは累計でどれほどの方々にブログ上でお会いしているのか数字的には把握できません。けれども最近ではおそらく100名を超す方に見ていただいているのではないかと推算しています。
それが「とても多い」のかどうか、他の方のブログと比較するつもりは毛頭ありません。ただただブログを始めたころに比較してみれば文字通り身に余る皆さまの好意だと喜んでいます。
この一年は私にとって生涯の記憶に残る、また今後も活かしていきたい様々なことを経験しました。
ブログに限って言えば、昨年4月以来の累計で実数で約350名の方々に写真を撮ることを許していただき、このブログに掲載させていただきました。
ちなみに男女比は、男性の方が54.5%、女性の方が45.5%ということになります。
友人のK氏よ。くれぐれも誤解なきよう(笑)
拍手を送っていたただきました。累計で4800あまりになります。ブログを初めて間もないころに友人が送ってくれた一つの拍手に感激し、そのうちに未知の方から二つ、三つと拍手をいただいたうれしさを今でも覚えています。
この頃では平均して一日20余りの拍手になります。30以上のことも時々あります。
こうした数字は他の方のブログを見れば、決して驚くような数ではありません。ですが、私にとって見れば文字通り幸甚のことです。
写真レベルとしてはそうした拍手をいただくほどのものではないことを本人がよく知っています。そこに映っていただいた方々の魅力・「素敵さ」が拍手をいただいているのだと思います。そういう意味では、ここにも「素敵な方がいますよ」とご紹介するという私のブログの一つの目標がわずかでも達せられていることはとてもうれしいことです。
「木沈み、石流れる」ようなこの社会に、灯となるような人たちがいる。そうした方たちにお会いしたい。そういう方たちに人々のまなざしを向けたいという小さな願いです。
無論、写真として良いモノにしてこそ私の趣味と言えるのですから、「素敵な人たち」の魅力におんぶにだっこという写真ではなくて、魅力をきちんと描く、表現としての写真に、今後一層成長させていきたいと念願しています。
こうして書いている文章は、独り善がりのまとめでしかありませんが、どこかに節目をもって次へとつなげていくこともまんざら無駄ではないと思って書かせていただいています。
ところで、ブログに掲載していくというスタイルは、写真をとても短い「賞味期限」のモノとしてしまいますし、何より「素敵な人たち」を数日で「消費」してしまいます。これはとても辛いことです。
そこで、今日から自分自身を振り返る意味をも含めて、過去の写真の再掲をしていきたいと思います。もしよろしければ、「続きを読む」に掲載します過去の写真も見ていただければありがたく思います。
さて、もう何時間かで新年を迎えます。
私は間もなく家族とともに近所の等持院に除夜の鐘を打ちに行きます。
皆さまにとっても、東アジア、世界にとってもよりよい新たな年でありますよう、心から念願しております。
良い年をお迎えください。
過去の写真から
![201105111902280de[1] - コピー](https://blog-imgs-56-origin.fc2.com/s/o/u/soujyu2/20121229221952b30.jpg)
多伽羅さんです。


この写真以前のモノはハードディスクが壊れて取り戻せないのです。(ブログから採ればいいのですが。)
- 2012/12/31(月) 00:07:04|
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昨年、壬生寺の周辺で偶然にお会いした中国からの女子留学生。その方は東大の大学院で学ばれている方ですが、その旺盛な好奇心と自覚的な学習意欲に触れ、また日本では希薄になった対人的な礼節のある言動を見て感じた中国青年への興味。それがこの人たちとの出会いにつながっていました。
(⇔)

その留学生から感じられたものが例外的なものではないのだということをこの人たちに出会って確信したわけです。
無論、今の中国の若者(だけに限らず)の持っている良質な面も、今後の中国の近代化によって・・・日本でも他のアジアの諸国でも進行してきた、あるいは進行しているように・・・これから失われたり変容していくのでしょうし、日本人の一般的な価値観からいえば、首をかしげざるをえない面がないとは言えません。
私には中国礼賛論に与する気持ちもありませんし・・・。

ただ、石原某氏などがまき散らしている品の無い中韓の人々に対する侮辱の言葉は、ことの一面をいたずらに拡大しているだけのことだとはいえると思います。彼らの傲慢な自意識から出てくるこうした言葉が実に偏見に満ちているということの反証に、この人たち自身の存在自身がなってくれています。

それにしても・・・話は変わりますが・・・綺麗な紅葉でしょ?!
ちょっと時節外れというか、遅い紅葉の写真ですが。
ここは紙屋川の上流にある「しょうざん」という施設のお庭です。ただ、ここも別の場所にあるお庭は料亭利用者にしか見せないという風になってしまっていて実に残念なんですけど。

ポーズも何もありません。ただこの人の魅力に任せて撮っているだけです。

観光案内の途中です。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今年は竹島問題、魚釣島問題がクローズアップされました。韓国や中国の言動もかなり強硬です。
それにつけても、日本は今とは異なった東アジアを(それゆえ今日とは違った北朝鮮や韓国、それに中国やロシアを形成しながら、)、いいかえると日本国憲法的な日本と東アジア世界をつくる絶好のチャンスを自ら放棄して来たといえるとおもいます。今はまだそういう平和な東アジアを形成するうえで日本がイニシアチブを発揮する為のいくらからのアドバンテージがあると私は思っています。が、国防軍構想や核武装論者の発言、日本の経済力の相対的な低下、日本人のゆがんだアジア意識の形成(保存)などによって、そのアドバンテージはずいぶんと掘り崩されてしまっていると思います。これは世界史的な損害だと私は思っています。戦後の保守政治家の世界史的な失策、大失態です。
日本国民が世界史の上で「名誉ある地位」を得られる絶好の半世紀を無為に過ごしてしまった、いえむしろその逆コースを歩んでしまったことは返す返すも悔やまれます。
しかし、残念ながら日本の保守政治家と少なくない国民はこれからもまだしばらくその「逆コース」をだどるつもりのようです。
忸怩たる思いが募ります。
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- 2012/12/30(日) 00:13:42|
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私のこの一年は私にとって特別なものでした。それは決して一つの意味ではなくして様々な要因が重なり、撚りあって出来た「花」のような一年でした。
それを象徴的に示してくれるのが今日の写真の人(たち)です。

テーマでは「女性ポートレート」ですが、むしろ「プライベートフォト」と言った方がよいかもしれません。
この若い中国から日本に学びにやってきた友人はとても聡明な人で、私もいろいろ学ばせてもらっている人です。
私のブログにすでに登場していただいています。
中国瀋陽でお会いし、お話し、写真も撮らせてもらったこの人を日本の地でレンズの前にしている不思議を感じます。
(⇔)

わたくし事ですが、もしこの人たちと過ごした数カ月がなければ、今の私の精神状態、あるいは意識状況はよほど違ったものだったろうと思います。
それ以前に初めて約一年を経過した「人を撮る」ことから得られたことと、この人たちと出会った数カ月が、私にとって貴重な心の滋養となってくれました。

下の写真には、偶然の都合でこの人は入っていませんが、この若者たちは今後の私にとっても大きな意味をもちそうです。
(⇔)
(⇔)
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- 2012/12/29(土) 00:32:58|
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12月も押し詰まってきてそろそろ「この一年は」と振り返られる機会が増えるかと思います。
私のようなものでも「今年はどんな年だったろう。自分はどうだったかな」と多少は神妙に考えることがあるものです。
(人物写真+自転車+ブログ)という昨年からの継続の面に(中国留学生)が加わったのが、私の一年の何よりの特徴だったと思います。そしてそのことが・・・大げさな言い方ですが・・・私の人生全体から見ても大きな意味をもちました。
人に喜ばれることほど貴重なことはありませんからね。

私の拙い写真を見ていただいているみなさんに励まされて・・・私のいつものいい方で言えば「豚もおだてりゃ木に登る」体での写真ではありますが・・・なんと2年目がともかくも続いているということが有難いことです。

写真を撮らせていただいた多くの人からも色々吸収させていただきました。幸いにもそこから新たなお付き合いも生まれ、また私が写させていただいた写真を喜んでいただくということも経験させていただきました。

そしてここに登場してもらっているこうした若者(たち)と触れ合って、未来に対して希望が持てることをうれしく思うのです。

「未来は青年のもの」だといいますが、その青年と「ともに未来を語ること」ができるということもまた嬉しいことです。
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- 2012/12/28(金) 00:05:31|
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これまであまり人の写真を見せていただく機会がなかったのですが、今年は多少意識的に写真を見に行きました。
そこで色々なことを感じました。学生たちのサークルのグループ展もできるだけ見逃さないようにしました。もっともそれぞれの大学内でやられているものまではなかなか足を運べませんが。
そこで「人々は何をどう見ているのだろう」ということを次第に強く意識するようになりました。

それをわが身に振りかえって、来年は一層「見ること」を意識化してみようと思います。
ただそれで、「面白さ」「ワクワク感」を失うことだけは避けなければなりませんが。だってこれは趣味ですから。・・・なんて言うと本当の面白さはね、なんていうもう一人の私が登場してきますから、そこはそっとしておきましょう。

来年は、こうした撮影を一緒に楽しんでくれる様な方に出会えるでしょうか。

はるか〇〇県から来ていただくわけにもいきませんしね。

(⇔)

一期一会、愛別離苦・・・・

では、お元気で。 再見。
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- 2012/12/27(木) 00:04:58|
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今年はなぜだか24歳の女性と縁がありました。何かの機会にお話ししたり作品を見せていただく中に24歳だという女性が何人もおられました。
何故なんでしょうね。何かあるんでしょうか。
そんなうちのお一人。
今年、その方の作品も見せていただき、その一方で写真撮影でもご協力いただいたかたです。
人生の岐路に立って、新年を大きく変わった環境で迎えられるということですので、エールを込めて写真を掲載させていただきたいと思います。
(⇔)

先日、二科展の写真部会の会場で「大竹省二」さんの写真に出会いました。
二科展写真部会の創立者のお一人ですから、相当のご年配だと思いますが、写真は実にクリアで清新な感覚でした。ちょうどそのころある人にお願いして写真が撮れそうだったので一応構想じみたものを思い描いていたのですが、なるほどこうも違うものかと心地よいショックを受けました。

残念ながらその方との話はいったん途切れることになってしまいましたが、大竹さんをはじめとする写真界の先達に関心をもつよい機会になりました。
そして「人を撮る」ことをなお一層意識するようになりました。

来年は「人を撮る」ことを基本として、今まで以上に「色々に撮る」ことに挑戦したいと思っています。 私の畏友のHudson Terraceさんも盛んに新たなことに挑戦していますし、刺激を受けます。
そのためにはますます様々な方にお会いして撮影に協力していただかねばと思っているのですが。

そしてまた「写真を撮る」ということは結局「見ること」だとも思うようになり、見れども見えずじゃダメなんだと自分に言い聞かせている次第です。
なんでも難しくしないといけない世代の悪い癖かもしれませんが、そうして自分に物語を作っていくのも、人生の送り方の一つですしね。
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- 2012/12/26(水) 00:03:28|
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手作りの品々には作り手が写し込まれている。

名古屋の方だそうで、京都進出は初めて。

デザイン、革の染色から裁断・縫製まですべてご自身でされるのだそうです。

非常に丁寧な縫い目で、そこに人柄が表れている。
「ステッチがデザインの重要な要素ですから、意識して丁寧に縫っています。」

もともと美術系の学校で絵画の勉強をされていたそうで、「どうしてもデザインが優先になるのですが、求めていただいた人の使い心地や作りの良さも大切にしたいんです。」
革の染色にもずいぶん心を砕いているようで、良い色が出ていました。
それなのに撮影する私の技術が余りに未熟で、その色が写し撮れません。申し訳ないです。
この赤も魅力的な赤でした。

これは?という点を指摘すると、実は一番悩んだ点で試行錯誤があるんですと、率直にお話してくれました。
デザイン、強度、使いやすさなどなどの要素をそれぞれ満足させるのは、実用品であるが故に難しいようです。
革に色からデザインまで注文主と一緒に作っていって、世界に一つのものを作ろうとする気持ちがつたわってきます。
- 2012/12/25(火) 19:30:28|
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今日はクリスマスイブ。
街は、皆さんのお宅はいかがでしょうか。
それと同時に「もういくつ寝るとお正月」の時期です。 おせち料理はどうされますか。
京都には多くの名店があり、腕を競い合っています。
(⇔)

とはいっても私には縁のない世界ですが。

こうした料理の展覧会があって、そこでお客さんたちにふるまう料理のためにてんぷらをあげている方がおられました。昨日(12/13)には600尾ものエビをあげたのだそうです。きょうは300尾?400尾?

私が撮影をお願いしてカメラを向けていると「よっ!てんぷらあげ名人!!」と声をかけて行く同業者がおられました。

最初につけた衣にさらに衣を振りかけてつけていきますが、それによってえびは一層おいしそうになっていきます。サクサク、ホクホクですね。えびの甘みまで口に広がるようです。

私の言葉を聞いてでしょうか、「関東ではもう少し色が濃いでしょ?! 」と。ゴマ油の配合が違うんだそうです。
実はこの時私は昼食がまだでしたから、お腹が鳴ってなって仕方ありませんでした。
揚がりましたねぇ。

同好の方がいて、カメラに収められている姿を見かけますが、私のようのしつこく撮る方はおられないようです。どんなふうに撮っておられるのか興味ありますね。
向こうでマグロの解体をしているようで、その捌きの様子も取りたいのですが、何しろ即売会がるというのでお客でごった返していてとても入り込む余地がなさそうです。

これからまだまだたくさん揚げるようです。
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2012/12/24(月) 00:24:40|
- 人物
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平安楽市。
まだ新しいこの手作り市も次第に店も増え人出も増えつつあるのに、この日の寒さはそれにブレーキをかけた。
午前中には時雨れることもあって、出店者も幾分あきらめ気味?
その悪天候の中でも頑張っていたのがこの方。

ぽち袋などに切り紙で様々な可愛い絵柄を描いています。
ここはちょうど北西からの冷たい風の通り道です。小さな作品たちが風に飛ばされそうです。そして時々吹き飛ばされてとんでしまいます。

手作り市や街のギャラリーを歩くときに私が内心呟いていることは「垣根を作るな。」ということです。「一歩前に出よう」とも。

お客さんの服装を見ても「寒い~っ」ということが分かってもらえるともいますが、そういう中でも「カワイイ」といって作品を手に取る人は少なくないのです。

どんなものが受け入れられているのか、求められているのか、こうして見ていると分かってくる気がします。

これまでも百万遍知恩寺の手作り市などに既に何度も出店されていたとのことですが、店構えが小さかったこともあってか、私はあまり意識できていませんでした。ごめんなさい。

コーヒーのフィルターにデザインしたものが、近くに出店されていたコーヒーショップの若いご夫婦に好評でした。

そのお二人と会話している様子です。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2012/12/23(日) 00:04:04|
- モノづくり
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もうそろそろやめ時かな、などとおっしゃる。
伝統的な技術と職人の未来に深く思うところがおありなだけに、その言葉の響きは複雑だ。
わずかに微笑むように言葉を継がれる。
糸のこと、糸の染めのこと、今織っている織り方の特殊なことなどなど、お話は尽きないが、決して吹聴する体の話し方ではない。
「先生の方がよくご存じだと思いますが、・・・」といって話を続ける。
私が先生?! アレ?どうした誤解だろう? 飲み屋に行くと「先生」だとか「社長さん」あるいは「大将」などと客を呼ぶけれど・・・。

そう言えばギャラリー巡りをしているとよく「絵をお描きになるんですか?」「大学の先生でいらっしゃいますか。」「何かお作りになるんですか。」などを画家や陶芸家に間違われることがある。そう言って間違えておけば当たり障りがないからだろうが、「先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし。」などともいう。何か偉そうなものを醸し出しているのだろうか。自戒せねば。
ここに設置されているのは会場が準備した機なんだそうで、どうも勝手が違うようです。
あらかじめ準備された経糸もちょっと斜めにずれているし・・・。

それにしても「哲学」をもっておられるなあと感じいる。職人として問屋から与えられた仕事をただき真面目にこなしてきただけの人ではない。

話しながら浮かべる微笑に深い悲しみと寂しさを感じさせる。



テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2012/12/22(土) 00:10:58|
- 伝統工芸
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(⇔)

こうした方がこの場所で実演をされている、そのことが友禅や西陣織の職人さんたちが現在のおかれた状況を物語っているようで何となく心が痛んだ。
ここは西陣織会館。私が中国に幾以前には多数の職人さんが場所を占めて実演をされていた。その数は・・・記憶が曖昧だけれど30を数えたろうと思う。
だが今年度に入ってからだろうか、府の補助費が打ち切られたのか大幅に削られたのか、その数は1/3ほどになっている。
販売用の商品が中央部を占めて、職人さんたちは階段を上がった場所や、ファッションショーの舞台の裏手の暗い、陰の場所に・・・ここも以前は実演者が多くて手狭だったために使われていたが、実演の数がずっと減ったのに・・・配置されている。

既にたえそうになっている技術をお持ちの、40余年のベテランの職人が階段をあがった(この階段は通行止め)場所で実演をされている。

お話を伺うと、実に深い見識をお持ちの方で、機会があればぜひ別の場面でも色々話を聞かせていただきたいような方です。

通常はお名前を記載したパネルが実演の場所のどこかに掲示されているのですが「そういうものはイヤなんで」とおっしゃる。
何やら薄いみどりの糸を巻いた小さな「杼」を手にして逡巡されている。そしてやおら今織ったばかりの糸を抜き初めて「この色はどうも具合が悪い。合わないね。」とほどいていくのです。

通常であれば別の下絵職人が描いたものを織っていくのですが、この帯は「自分で考え考え織っているのだけれど・・・。どうも納得できなくて・・・。」
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2012/12/21(金) 00:05:08|
- 伝統工芸
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60歳代だと中堅どころだという西陣織や友禅染めの世界。
80代でも弦ね気バリバリの方がいるからこそそういうことになるのだけれど、一方で若者がいない。せいぜい40代半ばまでだという。それも数少ない。

この方は友禅の下絵を描かれている。昔は紫ツユクサのしぼり汁を濃縮して使っていたそうだが、今は代用品を使うのだそうだ。ツユクサから採るためには相当大量のツユクサを集めなければならない。それから液を濃縮して染料とする手間暇もまた相当なものだそうで、こうした仕事をする方が全国さえもう2,3人だという。
(⇔)

私はここでいつも「描かれているあなたを撮らせていただきたいのです。」とお願いする。
観光の方も同じように制作の様子を撮っていかれる。
製品、デザインだけの撮影は禁止です。
撮影はついつい筆を走らせている瞬間を撮ってしまいます。これでは作者の集中している緊迫感は撮れない。そういう自覚はあるのですが、なかなかいい瞬間を切り取れません。
(⇔)

キーワードは枝雀師匠の「緊張と緩和」にあると・・・。
(⇔)

ちょっと違った方面の緩和ですが。
何も知らない私に実に懇切な説明をしてくれました。

絵画や工芸の若い作家さんたちもこういう場所に来ていろいろ話を聞くといいのになあと思います。ほとんどの方がキャリア40年のベテランですから、制作上の様々な話は貴重だと思います。
伝統的な図柄はたくさん蓄積されていますから、そうした過去のものから学ぶことはもちろんですが、「鴨を書こうと思ったら鴨川に写生に行くよ。そうしないと本当の線は描けないからね。」とこのベテランにして・・です。

この会館には「伝統工芸士」の称号をもっている方が幾人も実演のために来ておられます。
伝統工芸士は全国に約4000人。そのうち京都には約1000人がおられるのだそうです。そこに京都のすごさがありますね。
しかし、・・・。
ちなみに伝統的工芸品として指定されている工芸品の数は都道府県別に言うと京都が17品目、続いて新潟が16、沖縄・東京の13品目が続きます。愛知12、石川10と続きますが意外なことに奈良は2、滋賀は3なのですね。我が?静岡も3です。
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- 2012/12/20(木) 00:03:07|
- 伝統工芸
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ギャラリー巡りをし、時には芸術系の大学の展示会などにも見学に行って得たことは、絵画以外の芸術・工芸分野にも多少の興味や関心が持てるようになったことです。
(⇔)

手作り市を回って工芸作品に触れる様になったことも影響していると思います。
(⇔)

私たちの世代では絵画や版画、あるいは彫像・塑像の経験はあってもこうしたオブジェを作ったり空間を全体としてデザインするようなものは学校の美術教育の中に見られなかったと思います。
「芸術作品」が生活のより広い範囲に浸透し、デザインが注目されるようになっているのでしょうね。
「豊かさ」を考える上でとても好ましい傾向ではあると思います。

それにしても若い女性の活動が目につきます。
私がギャラリーに飛び込むのは全く地理的・機械的な選択です。作者の名前を見、性別を見て、はいるかどうかを決めているわけではありませんから、この印象はあまりゆがんでいないと思います。


テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2012/12/19(水) 00:31:40|
- オブジェ
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take twoというギャラリーがあります。現役の学生、大学卒業から間もない若い人などの展示が多いように思います。
今回は「彩芳 × Sakura. 二人展」を見せていただきました。
作品の内容はギャラリーのHPをご覧ください。搬入の様子から紹介されています。

私は毎週火曜日には「寺ブラ(寺町を徘徊すること)」をすることにしていますから、大概の貸しギャラリーは「初日」にお邪魔することになります。
お二人の展示には「最初のお客様です」ということになりました。
(⇔)

共通のコンセプトは「集」だそうです。
お互いの素材は自然の植物と工業製品という対照的なものです。
(⇔)

この二種が並べられると互いが一層、その特性を発揮するように思われました。

かずらは自ら山に入って切り出してくるのだそうで、急峻な斜面も高い木々もいとわず山に入りこんでの採取です。その様子も写真で紹介されていました。

作品と並んでお二人を紹介するのにも野趣あるものと、華やかさのあるものとで撮り方も自ずと変わってきます。
(⇔)
- 2012/12/18(火) 00:43:48|
- 未分類
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京都にもたくさんのギャラリーがあります。著名な作家の高額な絵などを展示する、少し足を踏み入れがたいギャラリーもたくさんありますし、また貸しギャラリーもあります。
私が行くのはもっぱら貸しギャラリーです。
今日は河原町四条を少し上がったところにある「maronie」というギャラリーです。
ここの3,4,5階が貸しギャラリーのようです。
ろうけつ染めの展示がありました。といっても和服などに描かれる絵柄ではありません。
(⇔)

初め私は、水彩絵画かと思いました。
多くは向こうむきの人物が描かれています。その人物は皆学生くらいの若者です。
夜遅くに、一人旅行に出る風で歩く女性を見て、その過去、現在、未来を感じてスケッチしたのだそうです。
(⇔)

作者です。
毎日必ず人物のスケッチをするそうです。実によく観察されています。
このフロアに来る前に「3・11」を主題とした3人展を見せていただいていたのですが、そこに陶板などを出展されていたT氏と「デッサンの重要性」を語り合っていたばかりでした。そのT氏が私に「この人はデッサンができてるよ。」 見てやってくれという感じで声をかけてくれました。
(⇔)

T氏には「個展の時には写真を撮ってもらおう」といっていただいて「若者を撮ってあげてください。」とも言われて、・・・。
この絵は京大の交響楽団のメンバーの練習風景。
(⇔)

話を聞いてみると私の徘徊エリアと重なる部分があって、「どこかできっとすれ違ってますよね。」
(⇔)

ご自身はある学校で美術講師をされながらの作家活動だそうです。

とにかく写真でも絵画でも人物を対象としているものには一段と興味を惹かれるのです。
彼の絵にはしぐさの表情が豊かで、単に写生しているのでない情感があります。情感というとウエットな語感がありますが、湿った感じはありません。
(⇔)

私よりずいぶん学生世代に近いわけですから当然と言えば当然ですが、学生世代への親近性がとても感じられます。
生活の一コマへの共感性というのでしょうか。

ご自身のファッションにも「色々意識してるねぇ」・・・すると「こんなポンチョを着てきているのですが。」と絵に前の立ってくれました。

色を多用しない、むしろモノクロの世界だということも今の私には興味深いところです。
ギャラリーのコンクリートの壁にもマッチしたよい作品群でした。
- 2012/12/17(月) 00:04:28|
- 染色
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色々な人たちから呼び止められ話しかけられて、なかなか忙しそうです。

「撮らせてもらう」という話はできたのですが、「すみません少し時間いいですか?」と向こうに行ってしまいましたので、取り残された私はこれ幸いにカメラを意識しないその人を撮ることができました。

途中で気付かれてしまいましたが。

PV制作の時などは、スタッフに「ちょっと!あんたたち何もたもたしてんの?! 企画の意図分かってる?!!」なんてやってんでしょうかね。

先ほどからずっとケーキの周りにいた現業風の服を着た男性がリンゴの差し入れです。

ちょっとこの時点でウルウル来ていますが、・・。

彼女が神戸で声をかけたという美大で映像の勉強している女子大生がわざわざ神戸からやってきて差し入れです。
この女子大生は「写真が面白くなって・・。」と一眼レフ・カメラを首から下げています。(おじさんとしてはつい知ったかぶりを発揮してしまいました。)

感激屋のようですね。

こういう彼女だからスタッフだけでなく色々な友人・知人が「友達の友達は皆友達」と集まってくるんでしょうね。
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テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2012/12/16(日) 00:00:19|
- 人物
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正月の風情も年々歳々変わっていきます。
変わらなければ新しい需要が起こらない、つまりはビジネスチャンスが生まれない。景気が良くならない・・。そういう論理で様々なものが消えていきます。
それでいて「日本の美しさ」「日本精神」などいうことを言っても虚しく感じます。
変な所に「サムライ」だ、「ナデシコ」だといっても、それは逆に私にはみょうちきりんに感じられます。むしろ胡散臭ささえ。
日本文化が日増しに軽薄になっているように思えてなりません。

でもこのような花瓶を作り、愛でる精神がまだ日本にはあります。
「日本に京都があってよかった」、本当にそう言える京都であってほしいと思いますし、京都を単なる博物館、映画の書き割り・セットにしないで、広く日本全体と浸潤し合える、活きた京都であってほしいと思います。

ちらし寿司です。
酢飯の上に錦糸卵、筍、シイタケなどをのせています。

「おにいさん、写真と撮っていいかな?」・・・。人に呼び掛けるのに「おにいさん」といってしまえる歳になりました。
「ヘイ、ミスター」とも言えませんが、てんぷらの職人さんに対してもそうでしたが、いつも呼び掛けの言葉に困ります。
「おじさん」「大将」「ご主人」・・・。対人関係を作るための呼び掛けの言葉に困っています。
女性に対してはなおさらです。

テレビで流れている「たまりません」という例のあの言葉がよぎります。

これからお正月に向けて忙しいのでしょうねぇ。

料理人てなんだか魅力的です。

テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2012/12/15(土) 12:08:45|
- 絵画
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カレンダーを見ていただけますか。22日の上の段を。15日ですよね。「15」が上に乗っているので「22日」は苺のショートケーキの日なのだそうです。
半年ほど前から22日に出町柳の三角州に大きなイチゴショートケーキをもちこんで「ピクニックをしませんか」と呼びかけてきたのだそうです。

このショートケーキはあるプロモーションビデを制作する際に作ったものなのだそうで、「壊してしまうのには惜しいなと思ったので・・、なにか面白いことに使えればと考えて・・・。」
その仕掛け人の一人がPVの企画者のこの人です。
(⇔)

今年の5月ころからのことだそうですので、ちょうど私が日本を離れている時期のことでした。で、私はこのことをまったく知らなかったわけですが。
自転車で向こう岸を走っていると妙な景色が目に入ってきて、各大学の学園祭もあちこちで開かれているからその一環のパフォーマンスかなあなんて思いながら近づいてみました。
私に色々話して説明してくれたのは、彼女の友人の男性で、写真手前に映っている人です。
すでにネット上でも、一部マスコミでも伝えられているらしくご近所さんも、かなり遠くの人も三々五々集まってきます。
なんでも「京都旅行に行くんだけど『イチゴショートケーキでピクニックの22日』にしようか。」ということで来られる方もいるとか。
そうして集まる人はカメラを取り出して写すんですが、彼はとても愛想よくそうした人たちに「写しましょうか?」と声を掛けカメラを預かります。そして、ついでに自らのカメラでも撮影。

お客さんの一人です。

私も便乗しましたが、無論カードを渡して撮影のお許しをいただいています。

橋の上から見ていて「面白そうだ。」「なんだろう」と降りてくる人もいますが、わざわざお弁当や飲み物をもって集まる人もいるのです。
一枚目の写真に写っている男性はポットも持ってきています。
そして見知らぬ者同士お話をし食事をするのです。
仕掛け人のこの方にいろいろお話を伺いました。

私のこのブログのカテゴリーは「情報」ではありませんから、詳しいことはネットで御調べください。
ということで逃げておいて・・・。

今、企画会社の人なのか、情報関係の人なのか・・・、色々お話をしています。

テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2012/12/15(土) 00:28:20|
- 人物
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「曇り空を晴らすように、みんなの心を晴れにする」
これが大曇天返しのコンセプトのようです。



群舞ですからマスとしての魅力が当然あります。
演目が三つあって、その一つでも踊りきるにはかなりの体力が必要だと思いました。練習量がものをいいそうです。三つ目の演目の時は流石に動きの切れが落ちてきます。でも懸命に笑顔を作り、リーダーをはじめお互いに「疲れてないぞー」と叫びあって励まし合っていました。
そうした中で一人一人が作る表情は汗にまみれた、いいものです。
(⇔)クリックをお願いします。

(⇔)クリックをお願いします。

観客も巻き込んでいこうと懸命です。


先ほどからずっとカメラをもって撮っていた女性が乱舞の中に入って踊り始めました。OGでしょうか。

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- 2012/12/14(金) 00:42:27|
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全国各地にこうしたグループや催しがあるようです。
かつてテレビ番組の中で中学生が「ソーラン」を踊ったのを見た世代が成長してきているのでしょうか?
エグザイルのようなダンスグループへのあこがれもあるのでしょうか。参加型のこうしたダンスっぽい舞が流行っているようです。 伝統的な要素も含めて衣装の華やかさ化粧の大胆さなど若者の琴線に振れるのでしょうね。
京都府庁の庭での演舞です。

チームの名前を「大曇天返し」といいます。
「四竹」という楽器をカスタネットのように手で挟んで打ちならしながらの演舞です。
この竹は京都産です。
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こうした集団演技の写真を撮ることはなかったですからどう撮ろうかと思ったのですが、心の準備がないまま撮り始めることになってしまいました。
京都学生祭典への参加から生まれたそうで、学生・社会人で構成されています。
学生が取り組んでいる、というだけで何かしら支援的な気持ちが動いてしまうのです。

ただ私は、体を激しく動かして「充実感」、「みんなで取り組んだ感」を得ようとする若者の最近の傾向に批判的なので、少々腰が引けています。
感動を与えたい、励ましを与えられたら、癒しになれば・・などの言葉が最近あふれています。それを若者が口にします。多くの人が余りに情緒的です。

苦しみや辛さの根源やそれを取り除く方途について探求し、解明し、提示し、実践する知性的な活動に、もっと取り組んでいかなければ、強硬な姿勢(パフォーマンス)を示しながら「変える」という強い言葉だけを叫ぶ呼びかけに情緒的に流され踊らされる大衆が生まれてしまいます。

ただその反面、若者がある「実感」に飢えている心情は理解できるように思います。

そして、彼らが自分自身の楽しい実践と人々を結びつけて考えているところは評価したいとおもっています。大学の中だけではなくて被災地や様々な商店街や福祉施設と自分とを結び付けて「なにかする」「したい」気持ちをもっているのが今の若者のように思います。
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- 2012/12/13(木) 00:09:39|
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私が路上で写真展をしたらどうだろう。
素通りする人、立ち止まってくれる人、見いってくれる人も中にはおられるかもしれないが。想像をするだけで身が縮む。
路上で演奏をするということの厳しさを思う。
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色々お話を伺った。
私の気持ちの根底には「いまどきの若い者は・・・。」がある。
けれどこのブログにも紹介させていただいているたくさんの若者の姿は実にたくましい強いすがすがしい。そこから私はどれだけ学ばせてもらっているか、叱咤されているか。
彼らに気負いの姿はない。
(⇔)
私は撮らせていただいた写真を整理するときに色々な音楽を聞きながらすることが多いが、こうした人たちの人生とたまたま交差してこうして写真として切り取らせていただいたことに切なさを感じてしまう。
決して撮らせていただいた「人数」にしていけないと思う。


無論、どんな形でもいいから「もっと知ってほしい」という彼ら彼女らの気持ちもあって撮らせていただけている面があることは事実だ。
しかし、カメラの前で率直な姿を見せてくれる彼らがそれを見た時に微笑んでもらえる写真にしたいと強く思う。

これからはますます寒くなる。
「11月までかなあ、ここでできるのは。」
彼の演奏を認めて「店を紹介してあげるよ。「こんなパーティがあるから演奏しないか」と声をかける方もおられるとのこと。スケジュール帳は「これからクリスマスのシーズンですし、大分埋まりました。」と。

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(⇔)
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- 2012/12/12(水) 21:00:16|
- 音楽
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三条、四条の橋の近辺ではストリートパフォーマンスがよく見られます。

チェロを弾いています。ケースにはかなりのすり傷があります。

ご本人の演奏を録音したCDを販売しています。ご自身作曲もされるようです。そのCDを音源にスピーカーから音が流れ、それに重ねて演奏されています。
室内楽器のチェロにとってはこのようなオープンな場所では音量的にかなり苦しいでしょう。まして今日は冷たい風があります。

かなり良い音を出されています。
ストリートパフォーマンスでは楽器は湿った梅雨時や、暑い夏の太陽、そして乾いた冷たい風にさらされなければなりません。
「楽器にはよくないでしょうねぇ。」とご本人。
特にどこにも属さないでお一人で演奏されてきているとのことです。
そして実は今年の初めころに東京から移ってきたのだそうです。
奥さんやお子さんを原発事故の放射線から避難させるために。
(東京電力の幹部よ、自民党・公明党・民主党の政治家よ、この事実にどう責任をとるんだ!!(怒り)
自主避難者には支援・補償できないとか、バカも休み休み言いなさい!!)
(⇔)

この方は別の職業を持ちながらこうしたストリートパフォーマンスもされているのだそうです。
(⇔)

中腰になっている紳士がCDをお買い上げになりました。
(⇔)

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- 2012/12/11(火) 02:41:25|
- 音楽
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「日本ウッドバーニング協会」というものがあるらしく、この方は最近まで「グランドマスター」を務めてこられたんだそうです。本部のある東京との往復で忙しくされていて、そして今でもなかなか忙しくされているんだとか。
でも「忙しくて疲れている」風はみじんもなく、やはり人生楽しんでいるなあという感じです。
(⇔)

奥さんはバックや服を作っておられますが、・・・こういういい方は僭越ですが・・・なかなかよいセンスをされています。
(⇔)

知人の方、お顔を汚してすみません。

このお二人の歩んでこられた軌跡に興味がもたれます。



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- 2012/12/10(月) 00:55:34|
- 雑貨・カード
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そこ(手作り市)を訪れるたびに思わされることは「人生にはいくつもの色がある」ということです。
決まり切った人生はない。人の数だけ生き様がある、ということはごく当たり前のことなのですが、学校に入り、試験を受けて、安定した生活を得る・・・という人生のコースを思い描いているとつい忘れてしまう「真実」です。
職場をリタイアした後、それまでも続けてきた「ウッドバーニング」を楽しんでおられる方です。
北山のクラフト展でお会いした時に、奥さんの作品(布製の肩掛けバック)にも惹かれてテントを覗いたのです。
その時に、「私もこんなふうなバッグを使っています。今日は持ってきていないので次回お見せしましょう。」と言っていただいていたのですが、そのバッグがこれなんだそうです。
サンタクロ-スや王様といった豊かに白髭をたくわえた人物が描かれています。まるでこの方のために染められた布のようですが、実は布は既製品なんです。

この方は革片に動物や楽器などを電気ゴテで焼いて描いておられます。お買い上げの方には「無料でお名前を入れます」ということで、今お客さんの求めで名前を焼いています。

「ウッドバーニング」というのですから元来は木の板などに焼き焦がした点や線で描いていたのでしょうか。
チェ・ゲバラ、ヒッチ・コックなどの絵が飾られてあります。 向こうにはジョージ・ブッシュとマイケル・ムーアが並んで描かれています。同世代の感性を感じます。
(⇔)

親しい知人がお見えになって、その方と楽しいやり取りをしながら品物を選んでいます。
奥さんの視線は楽しそうにしている夫君に注がれています。

前回お会いした時に「我々のような夫婦があってもいいんじゃないかと、・・。」そう思って出店しているというお話もありました。
なんて羨ましい言葉でしょうねぇ。
(⇔)

この方の人を見る誠実そうな眼差しが、その根底にあるのかもしれないと思いました。
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2012/12/09(日) 00:55:26|
- 雑貨・カード
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ここは建物の北側にある部屋です。北側に窓があるとはいえブラインドがかかっていますから、光は回ってくれるのですが、光量は多くありません。
それが分かるものですから、作業用の照明器具を「近づけましょうか?」などとかえって気を使わせてしまいます。

金工用の「糸のこ」とこの人の風情がなにか不思議な取り合わせのように感じます。

写真を選ぶときに本当に困ってしまいます。
コンテストに一枚だけ応募、なんていうことになると、迷いに迷って、結局考え疲れて「やめとこ。」となるのが、私の落ちのように思います。
もっともそうしたコンテストに応募する気は少しもないのですが。

こんなによく似た写真ばかりを並べるのはどうかと思うのですが、それぞれのニュアンスの違いが、みな捨てがたいのですね。
この方への「お届け」の意味もあるので、掲載します。

画面では集中して無言で作業をされているように見えますが、結構いろいろな話をしながらの撮影なんです。
(⇔)



(⇔)


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- 2012/12/08(土) 00:49:00|
- 工芸
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彼女は本来は七宝の制作をする方です。けれど今ここでは故あって彫金をされています。
制作の様子を撮らせていただきました。
「お久しぶりです。」

この人は、私がこうして写真を撮れているという上で一つのエポック的存在なので、「もう駄目です。」と言われるまでは、追いかけて撮ろうと・・・私の方が勝手に・・思っている人なんです。
(⇔)

まあ、芸能界で言えば「追っかけ」ですかね。
ストーカーにならないように気をつけなくてはいけませんが。

今、金工用の糸のこぎりで薄い金属板を切りぬいていますが、その絵柄はウサギやペンギンです。
これを使ってストラップを作るのだそうです。
本来は七宝の制作をしたいのだけれど・・・。
(⇔)

依頼された個数を作るという課題もありますから、なかなか大変です。
根気のいる仕事です。
自分が本来取り組みたいことと、そこから少し外れるけれどしなければならないこと・・、モノづくりをしていこうという人の多くが持つ悩みですね。
私も特注品をお願いしました。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2012/12/07(金) 00:44:34|
- 工芸
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さあ、焼きあがったようです。
先ほどから若い夫婦に連れられた小学生くらいの女の子がパンのできるのを心待ちにしています。
「いい香り!!」 そういいながらカメラを向けていました。

パンの種類と焼き具合を見ながら順に引き出してきます。
(⇔)

出来具合を見ながらパンをバケットなどに移していきます。
辺り一面に香ばしい香りが漂います。
(⇔)

焼きたては香りがよいのですが「冷めてからの方がおいしいですよ。」とのことでした。
(⇔)

彼はこうして毎朝パンを焼いているのです。
彼のパンを心待ちにしている人たちのために。
(⇔)
- 2012/12/06(木) 00:52:30|
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窯の温度が十分上がると、一旦窯の中をきれいにします。棒の先に長い布切れをつけそれを水でしぼって隅から隅まで窯の中を清掃します。
窯の温度が下がり過ぎてはいけませんから手際よくやりますが、奥が深いですし、その分棒は長いのでなかなかの労働です。熱いですしね。

長い棒がしなっています。
窯の開口部右手には灯りを差し込む穴があって、そこにライトをつっこみます。
質問し損ねましたが昔はどうしていたのでしょう。窯の中が暗いまま勘で掃除をしたのでしょうか。
(⇔)

こうして隅々まで丁寧に作業します。
(⇔)
モノによっては二日前から発酵させていたパン生地を窯に並べていきます。手際が悪ければ窯の温度が下がりますし、早く入れたものとあとで入れたものとで焼き具合が変わってしまいます。
パンの表面に切れ込みを入れています。

棒の先に取り付けられたボード上に並べられた成形されたパン生地を窯の奥に並べていきます。

流れるような作業には高い集中力があります。
私はといえば、彼の作業の見事さに、追いかけきれないもどかしさ感じながらの撮影です。
ISO感度をあげ、もう少しオートフォーカスに頼らないピント合わせをするべきでした。

一段落ついてほっとした職人の額には汗が光っています。
絞りを開けていますので、目にピントを合わせるのか汗に会わせるのか戸惑っているうちにこんな写真になってしまいました。絶好のチャンスだったのに残念です。
充実した満足感と自信。そして職人の厳しさを感じさせるまなざしです。
- 2012/12/05(水) 00:14:46|
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梅小路でお会いして「パンを焼くところ撮らせて」とお願いし、「いいですよ。」と言っていただいたので、早速翌日にお邪魔しました。
「えっ? 昨日の今日来たの?!」と驚かれたようですが、何しろチャンスの後頭部は禿げていますので・・・。
お店の外観です。

日本最大のパン焼き窯。フランスに伝わる伝統的なパン焼き窯で、今ではフランス本国にも数基(窯はなんと数えるのでしょうか)しかないということです。
それをフランスから窯作りの職人を呼んで本格的に建造。この会社でも彼だけがこの窯を使えるのだそうで、彼以外は一切手を出せません。
フランスでもこうした窯で焼く技術を持つ人はもうわずかなんだそうです。
(⇔)

この方がパン焼き職人さん。

フランスではこうしたパン焼き窯は地下にあって客からは見えないのだそうです。ですが敢えて見えるところに設置してお客さんに見てもらっているのだそうです。
今は窯を熱しています。こうして薪で窯の温度をあげて、一旦火を消し、窯の中をきれいにしてパン生地を窯の中に並べるのです。

窯の温度は窯の前に立てば体感で分かるんだそうです。温度計は使っていません。
それが職人ですから、と彼はいいます。

窯の火を絶やさないようにして温度が上がるのをしばし待ちます。その間、様々なお話を聞くことができました。

今回一番の写真です。
彼が顧問を務めている会社について、その経営法や理念を聞かせてもらいましたが、「普通ですよ。」「難しくない。難しく考えないでやればいい。」「苦労だなんて思わない。楽しいですから。」「自由が大切。自分がしたいことを抑えてまでしない。」などなど・・・聞いていて興味は尽きない。
この伝統的な窯を使ってパンを焼く。それが彼のライフワークのようです。
「お金のために働くのは意味がないでしょ?!」
(⇔)

彼は社長のいすを欲しがったり、「金をもうけて遊んで暮らす、高級車を乗り回す」という生活観・人生観とは無縁の人のようです。「その気持ちが分かりません。」といいます。

彼は一面「コマネズミのように」働きます。
彼が留守をしているとき「彼がとても熱心に働くので我々もつい一生懸命働くんです。」とスタッフが笑顔で話してくれた。それは決して苦笑いではありませんでした。
- 2012/12/04(火) 00:10:11|
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彼は革製品を作っている。
私のカメラのストラップはカメラを購入した時に付属していたもので、連日持ち出すので合成皮革部分がはげて来て、ちょっと貧相になってきました。これが本革なら使いこんだ艶がでてカッコいいのになあ、なんて思っていたのです。それになんだかカメラとのバランスがよくないんです。滑り止めの感触は悪くないんですがちょっとチープなんですね。それにメーカーのロゴが入っている時点で「趣味が悪いなあ。」と思ってしまうのが私なんです。
ソニーのカメラ作りの考え方には、・・・少なくともα900の時点では・・・共感することがあったにしても・・・、です。
彼の「見世棚」には、一眼レフカメラにつけられた革製のストラップがありました。

どうやら彼自身も最近一眼レフを手に入れて写真を楽しんでいるようです。

革と可愛い柄の布を合わせたストラップなどもつり下げられていました。
ここにも「カワイイ」が浸透してますね。
その流れも認めつつも、「でもね。僕たち団塊の世代のオジサンたちとしては・・・。」などとまたおしゃべりをしました。
製品の完成度を大事にして、と。

彼もヴィ氏と同じように、日本各地を旅してやがてこうした技術を身につけて今に至っているようです。
「ヴィ氏程の規模じゃないけど・・・。」といいながら色々な経験を話してくれました。

どうですか?このストラップ。何かもっと、という注文はありませんか?というので。
「そうだねぇ。これまでの経験で困るのはレンズキャップの始末だね。ついどこにしまったのか分からなくなったり、どこかに置き忘れたりする。ライカのある機種の様にカメラ本体に細いラインでつながっているというのも一つの工夫だけど、僕の感覚から言うとカッコ悪い。それを何とかしたいね。・・・」
「ふ~む。」

何とかする為のアイディアが浮かびかかっているようです。実用にはなかなか難しさが出てくると思いますが、彼の秘めたワクワクが顔に出てきています。 いいですね。

テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2012/12/03(月) 00:09:22|
- モノづくり
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