西陣織や友禅の世界で「後継ぎ」とか「新弟子」が生まれたら業界全体の話題になるでしょう。
この若者は「箔」の家=西村商店を継ぎます。30歳だそうです。

「箔」の実演は空気が流れると箔がうまく扱えないので難しいのです。そこでいろいろな技術の中でこうして小さな箔をまき散らす手法を見せてくれています。

山下さんと業界の後継ぎの話をしていて、振りかえてったそこにこんな若者がいたので、声をかけました。周囲のみなが期待していますし、自分もそのことをよく自覚しています。
自覚しなければ済まない事情があまりにたくさんあります。
果たして周囲にいるベテランと同じ年齢までこの仕事が続けられるかどうか。

「箔」の仕事を支える様々な前後の仕事を担う人が既に高齢化しているのです。
いま真砂を撒いてくれていますが、とても細かい網の目をもった道具を使います。

いろいろな技術を施したものを厭わずに見せてくれました。同じ世代の職人がほしいですね。
彼の場合は「後継ぎ」ですが、それなりにプラスもマイナスもあるでしょう。

薬指に指輪が見えます。こういう進路を選んだ彼とともに歩こうという若い女性がいたというっことです。そのことも重要な点だと思います。

工房にお邪魔して写真撮りたいなあと云ったら「是非。」という答えをもらいました。
そこに新たな時代の職人の姿を見たように思いました。
- 2012/01/31(火) 00:01:58|
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鈴木さんは自ら子供たちに触れあっています。
小学校で体験学習に参加された経験からこんなことをおっしゃっていました。
「初め一時間か二時間でできる課題を設定して布に絵を描く指導をしたら『おっちゃん、こんなすぐできる簡単なものじゃ面白くない。もっと何かないの?!』と子供が言うんですよ。やり遂げたら本当に達成感のあるいいものを作らせることが大事なんやなあと思って一年かかるような大きな布と課題を与えたら、投げ出すことなくやりきるんですよ。いいものができましたよ。子供も喜んでいました。」

学校現場にある「どうせこの子らは・・。」という思い込みを反省させるような言葉でした。
私たち自身についてもそうなんだろうなあと思います。
自分自身、写真を撮ること一つについても「何を(どういうことを)目指すか。」で意欲も変わってきます。すぐにできそうなことばかりしていると「心も技術も伸びないんじゃないかな。」と。

鈴木さんの名刺にはこの業界での責任あるし度とをされていることが分かりますが、
「130人余りに組合員がいて、私より若いのは30人くらい。その人らも私とあまり変わらん。」
と業界の将来を心配しています。ここのみなさんが異口同音におっしゃることです。

「だけどね。しんどいからって言って本来の仕事をやらないで、当面収入になることをし始めると仕事が荒れる。」と大変厳しいことをおっしゃっていました。そうせざるを得ない現実を十二分に分かっておられる方の言葉ですから、職人としての矜持を強く感じました。
それは職人がそういう仕事をせざるを得ない現実に対する静かな怒りでもあるのでしょう。
ただ旧来の仕事に安住していていいのだというお気持ちはないように感じられました。

友禅の技術や業界のことや若い世代の育成などなどについてついついたくさんのお話をうかがってしまいました。
「写真を撮ってブログに・・。」という申し出に対しても、そういうことで少しでも関心を持てもらえればとこうして快く受けていただきました。
- 2012/01/30(月) 00:02:44|
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「グラデーションがきれいですね。」
「これは(職人の)腕じゃないよ。筆のおかげだよ。」
もちろん謙遜されているのですが、道具を使いこなしておられるからこその言葉だと思います。

筆の使い方を見せていただきました。
平たい刷毛のような筆は、毛の先が片方の端から反対の端に斜めにカットされています。
筆に水を含ませます。斜めにカットされたとがった方に染料を含ませると筆の中で次第に染料が広がってそこに「グラデーション」ができるわけです。その状態で布に描けばやさしい無段階の≒アナログなグラデーションが描けるわけです。

布の上で染料を少しづつ変えながらそれをしようとすると少し前のデジタル写真のようにグラデーションに「階段」ができてしまいます。上手く浸透し合わないのです。
筆の片方に赤を、反対に黄色を含ませれば「モミジ」の葉の紅葉のグラデーションが見事に生まれます。
こうすれば「誰がやっても・・。」という口ぶりですが、なんのなんのそうはいかないと思います。筆に含ませる水の量や染料の濃さ、染料が浸透する待ち時間などなど経験に裏打ちされたものがあってのことです。

ここには中国・台湾からのお客さんが多いのですが、日本のことに若い人に見てほしいなあとおっしゃっていました。
修学旅行生の姿もあまり見かけません。神社仏閣を見学させるのもいいですが、こういうところも小・中・高生に積極的紹介してほしいですね。
鈴木さんは・・・いただいた名刺からもうかがわれるのですが・・・子供たちの育成にとても関心をもっておられます。
こうした仕事を越えて幅広く活動されていますが「当面の収入を見るんじゃなくてどういう仕事ができる人間になるかを考えてほしいね。」と子供たちや子供を育てる人たちに期待しています。
- 2012/01/29(日) 00:02:39|
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この場では、ある意味で本来の仕事をされているのではないのですが、それでも道具をもつと「職人」の顔になります。
それが何よりの魅力です。

この作業は実はミクロンのレベルの仕事をしているのです。
人の感覚というのはすごいものですね。

これは糸ノコの「鋸」です。
「これくらい細くないと曲線に切ることが難しんですよ。」
木の葉の葉脈をデザインして切り絵のように仕上げられた作品を作ったりします。

今は私たちの国にこうした技術があるのですが、10年後にはどうでしょう。20年後には・・・。
「愛国心」を言葉で教え込む教育ではなくて、政府が率先してこうした技術を・・・博物館に入れるようにして保護するのではなく・・実生活の中に生かされる形で、職人を支援したいかないと「愛国」の中身は早晩なくなってしまいそうです。
防衛費や大企業の減税をほんの少し削れば、こうした技術を継承する若者に公務員並みの給与を出すことはたやすいことだと思います。
勤労者がこうした技術の成果を楽しむことができる賃金・所得を得られねば、教育基本法をどんなにいじっても、そこに生まれる愛国心なんて空虚なものでしかありません。
- 2012/01/28(土) 00:05:11|
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「象嵌」です。「嵌(は)めこんだ象(かたち)」、それが象嵌です。
はめ込むモノが貝殻でも木片でも金や銀でもいいのです。台が木であっても漆地であっても金属であっても、それは構いません。
「京象嵌」は台となる金属(鉄)の板に1ミリメートルの間隔に10本の溝を立てよ気に刻んで、そこに金や銀をたたいて埋め込む手法です。
その溝は他地方に比べて細かい感覚で刻まれているために繊細な表現ができるのが特徴です。
溝は金属の表面全体に施されます。溝は機械で施されます。
山下さんは「京象嵌」ということでここにおられますが、本来はその象眼を施すものを作る「キジヤ」さんです。
ここに見事な作品がありますが、山下さんの自慢は象嵌ではなくて「箱」の出来です。箱といい右の引き出し付きの家具のミニチュアの精度といったら・・・まさに溜息ものです。
(⇔)

「こういう仕事(箱や家具のミニチュア)ができるンはほかにおらんやろね。」とおっしゃるのですがその言葉には傲慢な自慢はありません。
仕事に対する誇りと、他に同種の仕事のできる職人、後を追う職人のいない寂しさがまといつきます。

薄い金の破片(箔)をピンセットでつまんで・・。

こういう職人さんの表情が見たくて時々ここのお邪魔するのですが、みなさん快く撮影を許してくれます。
「黙っていきなり写真に撮られるのはかなわんなぁ。ワシら実演をしているんやさかい撮られていかんわけやないし、文句も言わんけど、まあエチケット言うもんがあるやろ。」

本来は「生地」作りがお仕事ですが・・。
京都の溝は機械でつけますし、素材の全面に施されます。それ以前は溝は必要な場所に「たがね」で一本一本刻んだのだそうです。実は最初の写真の「箱」の面をみるとその様子が分かります。一部にだけ縦横の溝が施されていますので、そこだけ反射の仕方が違っています。

鏨(たがね)が3本こちら側に並んでいますね。それで溝をつけるのも実演してくれました。等間隔に並行に溝をつけていくのはマジックのようです。

こうしてカフスやペンダントなどを作るのは「余技」なんだそうです。
家具もミニチュアがありましたね。それに本職の象眼師に細工をしてもらうと「ウン百万」かかるんだそうです。
「で、失礼ですけど、山下さんの生地はどれくらいの値がつくんですか?」
「二百万ほどかな。完成品が店に出でれば八百万ほどかな。まあ問屋やデパートがごっつ取りよるさかいね。」
でもこれを手に取らせていただいたのですが、引き出しなどの細工や部材の「組方」を見たら唸るしかない代物で「家『宝』の名にふさわしいですね。」
これ自体には銀蔵が「仮に」施されています。
- 2012/01/27(金) 00:01:21|
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両の手のひらで包むようにして持っているこの感じです。

夏の炎天下でも、こうした冬の日でも「雨や雪が降ったり、刺し込むような寒さでない限りはたいてい毎日いるよ。毎日必ず出ていることが大切ってことがあるじゃない?! 人が出会うってことに。」

「どこにいるのかって探し回ってくれた人もいたし・・。」
(⇔)

「こうやって作ったものを喜んでくれる人がいればいいさ。」

「またおいでよ。話しに来るだけでいいから。
ブログ?!いいよ。好きにして。 ほかにも写真撮っていった人がいたけどわしはそういうもの見んから。 何かの役に立つのかね?」
先に作品を買っていったご婦人が銅心さんと握手して「案外柔らかな手をしているんですねぇ。」と驚かれていた。
握手をする。そうして見知らなかった人との距離を一層縮める。
温かな手でした。
- 2012/01/26(木) 00:05:42|
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編んで行く上で大切な点は横の銅線の上下の間隔をそろえることだそうです。それができないと「品質」として
「モノにならない。」といいます。そしてそれでこそ強度も高くなるのだと。

底の部分が円形になっていますが、ひっくり返してみると底の銅線も見事に均一に円を描いているのが分かります。

いろいろな方が立ち寄られるそうです。ただ毎日の散歩や通勤で通りかかる人も、いつの間にか心を開いて会話していくそうですが、言葉でいえば「辛くなった心に寄り添う温かさ」が一杯感じられます。
新規採用の教員が生徒の困難な状況に立ち往生しているときに、親からの不満の声、教育委員会からの指導を逃げたいばっかりに、教室の荒れを、管理職も先輩教員も全部若い教員の未熟さの所為にして済ませるようなことが各地に見られます。若い教員に責任をおっかぶせて、その結果追いつめられてしまった少なくない新人教員があちこちで教壇を去っています。静岡では自殺者さえ生んでいます。若い教員を責めても何も解決になりません。仮に若者が弱点だらけだったとしてもそういう若者を育成してきた教育機関や日本の文化自体が病んでいる表れなのですから。保護者も冷静な考えや対処の仕方をしたいものだと思います。
何のかかわりもない人に対しても「見守ろう」とするこの方のまなざしは、自分自身の生い立ちから来るやさしさなんでしょうか。保護者も学校の管理職や教育委員会も先輩教職員も若者を見守り支援する力をもちたいものです。

この方が「銅心」とネーミングしたいわれを聞かせていただきました。
時は1964年の東京オリンピック。マラソンで日本全国を湧かせたのが国立競技場のトラックでイギリスのヒートリーと悲壮なデッドヒートをして、ついに抜かれ、それでも堂々三位=銅メダルに輝いた円谷幸吉さんでした。(円谷さんは『国家』を背負わされて、その後、体の故障も重なり「自死」されます。痛ましいことでした。)
この銅メダルに心の素晴らしさを感じて「銅心」としたのだそうです。

実は今回私が一番好きな写真が・・ぼけていますが・・これなのです。
「工芸師 銅心」と刻んだこの小さな看板は障害をもつ少年がこの方のために作ってくれたもなんだそうで、「工芸『師』というのは、どうも落ちつかないけれど、こうして作ってくれたものだから・・・別に看板をもってもいるんだけれど・・・大切に使わせてもらっているんだ。」といいます。


私のカメラにはバリアングルのライブビューはついていません。ですからこの写真を撮った時には銅心さんの横で地べたに寝そべって下から撮っています。が、それを見た銅心さんはご自分のための小さなマットをすぐさま私に差し出してくれました。
この写真を撮って、ちょっと写真愛好者のはしくれになったかなという感じがしました。
- 2012/01/25(水) 00:02:43|
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大寒に近い今日この頃。各地で雪が激しく降り、ことに東北の被災者の方々にとっては苦痛の多い冬です。
今日も寒いですが、あの人は今日もあそこにいるのかしらん。
あの人というのはこの方です。屋号というか、職人としての号というか。「銅心」という看板を置いておられます。
銅線で籠などを編んでおられます。竹細工にはよくありますよね。

以前は堀川中立売りの付近でこうしてシートを敷いて籠などを作っておられました。いつの間にかそこから姿を消していたので「体を壊したりしたのかなあ。」と想像していましたが、最近はこの疏水べりで「店?」を開いておられます。
私も以前堀川の川端で二つほど求めたことがあります。大変丁寧な仕事をされていますし、「お安い」のです。

こんな風に路上で作業をしていますから、一見すると何やら不審なホームレスか?と思ってしまいます。ご本人も「不審そうな眼で遠巻きに見ていく人も結構いるよ。そういう壁みたいなものを越えてくる人は誰でも大歓迎だけれど、自分から声をかけて呼ぶことはしないよ。」とおっしゃる。
ここは岡崎公園・平安神宮にほど近い桜並木の下です。
この疏水の水の流れる音が好きでこの場所を選んだとおっしゃっていました。
「心が落ち着くくからね。」
(⇔)

つい先ほど、大阪からの?ご婦人が3人が立ち寄って買い求めていかれました。ずいぶん気に入ったようで、楽しそうな会話をしていて二つ求めていかれましたが、ちゃんと値切っていました。
「自分では値段を初めからつけないのよ。気に入ってくれてこれがほしいと言われたら『分けてあげる』という感じかな。」
で、他で求めるよりも「お安く」なっているようです。値段をつけて並べておくと「金を払って黙って買っていく人が多い。そういうのは好きじゃないね。気に入っていろいろ話ができて・・それがいいんじゃない?!」というわけです。

普段シートには10を超える作品が並んでいることが多いのですが、今日は二つしか残っていません。そこで「作るところを写させて・・。」とお願いしました。

「この技術はどうして身につけたの?」
「全くの自己流だよ。」と厳しかった生い立ちを話してくれました。子供のころ電線工事の現場に落ちている銅線を拾い集めて生活の足しにしたのだそうです。・・・50年代60年代の前半はまだまだ広く貧困がありました。電柱で工事をしている人たちはあえてこうした電線の切れ端を拾い集めないで「捨ててくれた」ように思います。貧しさに対する「共感」と健全な同情があったと思います。無論よいことだけあったわけではありませんが。・・・その銅線でモノをつくったら周りの人が喜んでくれたから、以来作っているのだそうです。そういえば私も紐にいくらか大きめの磁石を結んで地面を引きずって回り、針金、古釘などを集めて「クズ屋さん(今では廃品回収業者ですね)」に持っていったものでした。その時に赤金(銅)は高く買いとってもらえた記憶があります。
この方が本物だなあと私が感じたのは、この道具を見たからです。汚れた手入れの悪い道具は一つもないのです。そこに仕事に対する誇りが感じられました。

そして、この親指です。銅線は比較的軟らかいとはいえ指でぎゅっと引っ張るとかなり強い力が皮膚にかかるはずです。
「時々『弟子入りしたい』なんて子がくるけれど指が割れてやめていってしまうことが多いよ。」
この指に長年の仕事が凝縮しています。
ネットで「銅心」と検索すると2,3ヒットします。きょうは寒く幾分暗い日でしたが、もう少し良い季節に「銅心」さんを撮った写真もブログに見られます。製作物もそちらのブログでどうぞ。
- 2012/01/24(火) 00:03:04|
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普段街を歩くときに、街並みや建物をみて「今度はここで撮ってみたいなあ。」という場所を見つけます。ところがなかなかそのチャンスは訪れないのです。なぜかというと、ただ建物や街並みを撮りたいのではなくて、そこに「素敵な人」を配したいかならのです。そしてその「素敵な人」になかなか出合えないのです。
撮ってみたいものに工房での職人さんたちの仕事の様子、ダンサーや役者や楽器奏者の練習の様子などなどがあります。
ギャラリーで出会った絵画や陶器の作家さんたちにもぜひ製作の現場を撮らせてほしいと切に願っているのですが・・・。

前回も書いたようにこの赤い扉は私の好きな扉で、ずっと以前、高校生のロックバンドのグル-プもここで撮ったことがあります。ライブのチラシなどに使いたいというので写真を撮ったのですが・・。

実は、紫色の古びたドアや、工具のミニチュアを飾った素敵なライトグリーンのドアなど、一応下調べはしてあるのです。

そこでもいつか雰囲気のある人をモデルに撮ってみたいですね。
『色』に対する感覚がもう一つというかもう二つの私は、色を気にするくせにうまく取り入れることができません。
(⇔)

ですからモデルをしてくれる人にはできるだけモノトーンで服装をまとめてほしいとお願いするのです。
で、武内さんは「黒」で統一してくれたのですが、革や洋物の質感、そしてスカートのレースと実に「黒」の変化を上手に演出しています。
そこへ茶色の革のバックが映えますし、金と青の耳飾りが効果的です。
黒かった髪も少し明るい栗色に染めて・・、勉強になります。


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- 2012/01/23(月) 00:03:43|
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どうも政治がマンガのようになってしまって困ったものです。
「マニュフェストに書いてあることをしようとすれば反対され、書いてないことをやろうとしても反対される。」といって困っている方がいます。が、どうせ困るなら国民に約束したことを断固として、自民・公明に反対されて立ち往生し、困ってほしいものです。同じ政党が「消費税をあげない」と約束しておいて、自民党や公明党に反対されると「じゃあ消費税をあげるから賛成して!」と言って、それでも自民党や公明党に反対されるのは訳がわからんと困ってしまうのは、国民からすれば本当に困ってしまうのです。
財界に対するゴマスリ競争で主導権を握りたい自民党が、それは僕の仕事だから君に手柄をあげさせるわけにはいかないと邪魔をし、ここで政権を取り戻すチャンスにしようと張り切っているのもどうかと思いますが、「消費税を断固としてあげるのは僕なんですよ。法人税や高額所得者の減税を断固としてやるのも僕なんですよ。沖縄にだって米軍基地を押し付けて見せます。自民党よりお役にたちますよ。」と叫べば叫ぶほど国民から・・・そのやろうとしていることに賛否はあっても、二枚舌のみにくい姿に・・そっぽを向かれているのが分からんかのですかねぇ。
小学校の先生が生徒に説明できないような政治家の言動、姿は困ったものです。
そんなことより政治家には武内さんのような若い工芸作家(職人)が希望を持って製作にまい進できるような社会にしてほしいですねえ。
さて、ポーズをできるだけ自然な流れのあるものにしようと思うのですが、つい私自身の「かっこつけ」が出てしまいます。



モデルの武内さん方ではよく理解してくれて、しつこくカメラを向けられるのを嫌がらずに自然態でいてくれます。

「この場所いいなあ」と立ちどまると「そうですね。」と共感してくれてファインダーに入ってくれる呼吸がとてもよいのです。


モデル8割、ロケーション2割。 それが私の写真です。
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- 2012/01/22(日) 00:10:35|
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何の変哲もない建物(町の消防の施設です)の前ですが、何かいい場所のように見えてきませんか。

このお店は瀟洒な感じもあり、こうして面白いものを並べておしゃれに飾っています。
「錆」を好んで描く画家の方がおられますが、私も好きです。
右手の濃い緑に塗られたガラス戸に向けての表情と

左手の白い壁に向けての表情を変えてみました。若い可愛らしさが出るような気がします。
(⇔)

白い壁の前でこういう表情をしてもらうとスマートさが増すように思います。

お店のデザインが白と緑でうまく作られていますから、もっといろいろ撮ってみたい気がします。


枯れ葉の黄色を入れたいと思って撮りましたが、中途半端にぼかしたことで背景がガチャガチャしてしまいました。
(⇔)
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- 2012/01/21(土) 00:00:05|
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前回はちょっとすました雰囲気の写真でまとめたので今回はもう少しご本人のイメージに近い写真を含めてと思って、もう一度掲載させて下さいとお願いしてアップします。

実物のわたしを知っておられる方々が聞いたら吹き出してしまうでしょうが「おしゃれな写真」も私の追求したいところで・・・。

人間往々にして「ないものねだり」をするもので。

でもこうした方に協力していただける時くらいは「おしゃれ」の真似事くらいはしてみたいもので・・。

せっかく撮らせていただいた写真が自分ではお気に入りで、このまま日の目を見ないのはなんとなく残念で、みなさんに見ていただいているわけです。

武内さんへの感謝の気持ちもこめてということですが。
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- 2012/01/20(金) 00:03:52|
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お客さんから描いてほしいペットの写真を預かって注文の品に絵を描くのだそうです、ライオンやハムスターでもいいそうです。
ネットでも受け付けていました。お店の名前は「みやこ屋」さんといいます。

スタッフの女性がおられました。表情の明るい人当たりの良い方です。

店主さんがしっかり営業をしますので「作る人」はあまり話さなくてよいようです。
モノを作ったり書いたりする人には作品で自分を表現することは好きだし得意だけれども言葉で表現するのはどうもという人が少なくないようなのですが、この方も一見するところでは寡黙です。ですがこんな素敵な笑顔の持ち主です。

私は犬アレルギーなんですが、犬が大好きで飼っているんです。だからここには犬が描かれた作品が多いのだと言っておられました。
ペットを描き増すというとまだまだ間口が狭いかもしれませんが・・、と今後への展望を秘めておられるようです。

知恩寺への出店は二度目だそうですが、すでにリピーターを獲得しているそうです。


我が家(私は)は犬を飼っていますが、正直なところ可愛がってはいますがそれほどの犬好きだとは言えません。
机の周りから家じゅうが犬だらけ猫だらけ・・・写真や絵やお着物を含めて・・という人がいますよね。そういう人にはこれはたまらないでしょうね。
この若い書き手もよい人に巡り合ってこれから活躍の場を得るかもしれません。

- 2012/01/19(木) 00:02:26|
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今日は女子駅伝の日です。(私は長距離走の観戦が好きでよくTVで観戦しますが、この女子駅伝で女性の解説者が、中学生走者がタスキを受け取ったり、次に渡したりする時に「お姉さん選手が云々」といういい方をするのに違和感を感じています。男子の駅伝で「お兄さん選手の頑張りを引き継いで・・」とかいうでしょうか? 男女平等とか言いますが、・・違いはあっていいのだし、それを認め合うことが大切な面も少なくありませんが、女性自らが作りだしている「女性像」が男女平等の成熟の足を引っ張っているように思います。)
というようなことはまた別にして・・。
一年最初の知恩寺の手作り市です。顔見知りも少し増えたので一回りしてご挨拶をします。でも最近は競争率が2倍を超えていますから、おなじみさんでも抽選に外れて会えない方もちらほら。
今日お会いできたのはこの方たちです。
(⇔:クリックをお願いします。)

手提げかばんやハガキ入れの箱に犬や猫の絵が描かれています。そのこと自体は別に珍しくもありません。少し気になったのは背後の暖簾です。暖簾にも犬や猫が描かれています。
もう少しよく見てみると、「ペットの絵を描きます」という趣旨の紙が下がっています。
どうやらお客さんの注文でペットの似顔絵を描いてくれるらしい。

お話を伺うとこの男性は呉服店を営んでいるらしく「職人さんに仕事がない。自分たちとしても着物が売れないからと座して待っているわけにはいかない。そこでこういう仕事を考えたのです。」
とのことです。昨年来様々な分野の「作り手」と話す中で、工芸的な作品を、ことに伝統工芸の分野は職人さんの仕事の評価や生活の成り立ちについて深刻な事態になっていると感じました。

西陣では安ければ売れるだろうと人件費の安いアジアの国々に仕事を出してしまったことや、中間マージンを重ねに重ねて「流通」が利益を得て職人を粗雑に扱ってきた問屋などの責任が浮かび上がってきています。
そうした中でこういう若い人がなんとか職人も問屋も生きていく道を探っています。
この方のところでは製作もしているとのことですが「若い人に仕事と」の意識をもっています。

手提げかばんを製作したり、ハガキ入れの箱を作ったり、写真のフレームを作ったりということは別の職人さんの仕事を生み出すことになります。
こういう「コーディネーター」がぜひとも必要です。
描く人、作る人を結びつけて新しい製品を生み出す人がいないと、なかなか「しょくにん」の生きる道は見えてきません。作る力が優れていても「消費者」のニーズをつかむ力があるとは限りませんし、「職人」の常識が手足を縛っている場合があります。
彼女も着物に書く仕事をしている中で「ペットの絵も描いてもらっています。」学校を出たばかりの若い人に「仕事を作りたいんです。」というのが彼の意気込みです。
(⇔)
- 2012/01/18(水) 00:05:30|
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正月三が日をどう過ごせばいいか。箱根駅伝や大学ラグビーばかりを見てテレビにくぎ付けになっているわけにもいかず、・・・いや観戦は好きなんですからそれでもいいのですが・・
なんと3日には「手作り市」があるというので高台寺近くまで行ってきました。
敷地も広大というわけではなくて、この時期ですし、どれだけの出店があるのか人出があるのか予想もつきませんでしたが、近くに八坂神社もあるし、「市」の開設はその人の流れを護国神社にということかな、などと勘ぐりながら・・・。
正月の出店で「お土産売り」「屋台」感覚のものが多いのかなと思っていましたらこんな力の入った作品の展示・販売がありました。
(⇔)

この方は上野さん。ご自身を「鍛冶屋」だといういい方をされていました。
コークスを焼いて高い温度を得て、それで鉄を熱しては鎚で打つ。そういう昔ながらの手法で製品を作ります。
昔の様な鍋釜、農機具というような需要がないので、鍛冶職も「未来はないだろうなあ。後を継ぐ人もいないし。」と言われます。
ご自身は「師匠の下に弟子入りしたけれど5年ほどで『教えてもらう』ことに嫌になって、あとは自分で模索してきた。親方の仕事を耳で覚えて、それを指針にもしたけれど、今にして思えばもっと教えてもらえば良かった。」と。

「耳で覚えた」というところがいかにも「鎚打つ鍛冶屋」という感じですね。「トンテンカン、トンテンカン」という、今の若い人には知る由もない金槌と金床のリズムは私にとっても懐かしい。
(⇔)

青く光ったようなところはステンレスなんだそうです。鉄とステンレスを組み合わせています。
「こういう技術も私らで最後かなあ」と話に一抹の寂しさが漂うけれど、現役としてのご本人は創作に意欲的です。
「鎚をこう打ってね・・・。」と身振り手振りで話してくれるその表情は、「とてもいい仕事なんだよ。」という確信に満ちています。

私が「写真を・・。」といい出すと「是非多くの方に知ってほしい」からといって積極的に受けてくれました。そしてとても寒い日だったので上の防寒具を着ていたのですが、「じゃあ、勝負服にならなくちゃね、とその上着を脱いでいつもの作業服になってくれました。
思いがこもります。

鉄の造形にはまだまだいろいろな可能性がある、若い人にもぜひ体験してもらって感じてほしいと、工房では体験もできるようにされているそうです。
興味のある方は、
「ウエノ工芸」さん。
京都府久世郡久御山町野村村東152-1 075-631-5565 へどうぞ。
http://www3.ocn.ne.jp/~artisan1/
- 2012/01/17(火) 00:03:57|
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「好きな色名なんですか?」「〇〇ちゃんはね。ピンクが好き!!」
(⇔)

「まだぁ?!」
「もう少しで出来上がるよ!」
伸びあがって絵を見ようとしています。待ち遠しいのでしょうね。
(⇔)

「さあ、できたよ、いい?!」

「ほら!!」
この時が一番緊張する瞬間だそうです。お客さんの反応が気になります。
すぐにパット反応してくれる人、しばらく絵を無言で眺めてから「う~ん、いいねえ。よく似てるよ。ありがとう。」と言ったりする人。 その間はとても不安なんだそうです。

今日もとても喜んでもらえたようです。 ほっ。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2012/01/16(月) 00:02:45|
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昨年末、夜の街で写真を撮らせてもらった方です。本業は「似顔絵画家」。
今日の写真は年末の写真より先に撮っていたのですが、ブログの構成上、今日アップすることになりました。
年末の写真ではほとんどわずかにしか笑みはありませんが、元来はこんなに明るい方です。
(⇔)

今、三才ぐらいの小さな女の子を描いています。お母さんのお許しを得て少し画面に登場してもらっています。

私がこの場に着いた時にはもう既に筆で色をつけている段階でした。
ですから小さな子供にとっては少々長い時間が経っていたと言えるかもしれません。少し退屈してお母さんの膝の上で遊び始めています。でも溝手さんは落ち着いたもの。お母さんにも気を使わせないように、子供さんに上手に話しかけながら描き進めます。
(⇔)


テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2012/01/15(日) 00:01:35|
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つくば市の「びようしつ poco a poco」のポストカードに名前やブログを書いていただいたのですが、そのびようしつへの地図にちゃっかりと?自分のお気に入りの自転車を描き込んでいるほど自転車がお好きなようです。
刷りや紙へのこだわりも相当なもののようで、話がどんどん膨らみます。
そして時々、こうして自分の課題に思い当って、ちょっと考え込みます。

今日は寝不足のせいもあって一層テンションが高いのかもしれませんが、実に気さくに話してくれます。

「話しているとオーバーアクションになると人によく言われる。」といいながら・・・。
でも日本人多くはボディランゲッジが乏しくて、話の表情に精彩のない人が多いと思いますから、いいんじゃないでしょうか。
お話の仕方がとても「劇的」です。
(⇔)

版画の種類、技法のあれこれをとても懇切に説明してくれました。
ありがとうございました。

- 2012/01/14(土) 00:04:24|
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「しまいあーと 銅版画6人展 河崎ひろみ 北岡広子 武田文月 景井雅樹 森 雅子 たかせちなつ
2011年12月20日(火)~12月25日(日) 11:00 - 17:00」
昨年の暮れ近く、上記の版画展にお邪魔しました。
私は・・実は・・ほかにその日、別の予定があったのですが、何しろ一日の時間割がずいぶん緩いので、こうして目につくギャラリーには、ふらりとお邪魔することが多いのです。
まだ準備が整ったばかりで湯気が出ている(触ればインクが付きそうな)ようなところに入りこみました。
このグループ展に「白一点」というべきか「黒一点」というべきか一人だけ男性が参加していました。
それがこの方です。
版画についていろいろお話しているうちに、「やはり絵をされている方ですか?」なんて質問を受けて「写真を少し・・。」ということで、ここでも撮らせていただくことになりました。
この方が実に面白い方なんです。

今手にしているのは移動工房と銘打っていろいろなところで教室を開きながら展示する際に使う版画用のプレス機なんです。彼の個人私有物です。

写真を撮ることになって「どこを向いたらいいかわからんなぁ。」などといながら、実はもうお一人若い女性がここにいるのですが・・・、
「お話をしていてくれるといつもの表情が出ていいんですが・・・、・・。」ということでお話をしていてくれるのです。
残念ながら後ろの作品は彼のものではありません。会場の雰囲気をお伝えするために。
(⇔)

自転車にはことのほか興味があるようでいろいろ部品を集めては組み立てたり、人の自転車の面倒まで見ているようです。
どうやら「機械・メカ」がお好きなようで、こうしたプレス機もこだわりがあるようです。
「不思議とカメラだけはべつで・・。」
歯車や車輪が回っているところをこの目で見て楽しむ系の人らしいのです。
いつの間にかまた輪転機のハンドルを握っています。
(⇔)

この手指のインクが、彼を物語っています。というか、実は今日の開場に間に合わせるために今朝まで奮闘していたのだそうです。
- 2012/01/13(金) 00:03:04|
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結局、今のところこのお店を続けられるようになったのだけれど、もう閉めてしまうかもとお話して「がっかりして帰られた遠方のお客さんに、お店を続けていますよとお知らせするすべがなくて・・・。」と肩を落とされる。

「私のブログに掲載したところで1億2000万人のうちの100人程度の方にしか届きませんが、
「いえそれでもぜひ掲載して知らせてください。


長らくこのブログを見ていている方にはひょっとしてお気づきになった方もおあっれるかもしれませんが、昨日の写真は建物の部屋の奥から外に向かて撮っています。

昨年は入り口付近で、もたもたおろおろしながら撮っていました。
そこに多少の変化がありますね。
この写真も内側からです。少しずつ自分を変えられているのかなあと思います。
無論「京の雪」さんのおかげでもあるのですが。

「京の雪」さんは、今日も毎日元気に「営業中」ですよ!!!
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- 2012/01/12(木) 00:28:40|
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このお店の「アドバイザー」になっている長身の男性と話をしていたのはこの女性です。
陶芸をしています。
テーブルには「これはいったい何?」と思わせるような、どんぶりにしては大きくて深いし、鉢にしてはこぎれいだなあという作品が並んでいました。
そもそも私が足を止めたのは、このなんといえない大きさの陶器だったのです。その作品を作ったのがこの方でした。

店の前には格子状に区切られたケースにたくさんの小さなゾウが並んでいて、通りかかる人の多くは・・・とくに若い女性と子供たちは・・このゾウに引きつけられるようでした。
自分もこういうのを作ったことがあるんだけど鼻が折れてしまったりして案外難しんだよなあという感想を漏らすお客さんがいました。

製品揃えにインパクトがないといけないんじゃないかなあと「SATOYA」さんと話していて、「なるほどあのドンブリとゾウですね。」という話になった。

「作り手の先入観にとらわれずにお客さんの要求にこたえる姿勢、技術的に無理とか決めつけないで、とにかくどうすればできるのか工夫してみる。」
そんなことをたくさん話ができました。まじめな人なんです。

「写真を意識するとぎこちなくなってしまう。」と盛んに言っていましたが、何のなんのお客さんが来ればこの通り。

またぜひ会いましょうね、と言っていただいたことがうれしかったです。
寒いうえに日影の場所が多かったのですが、ここは日当たりのよい場所で、つい露出を間違ってしまいました。
- 2012/01/12(木) 00:05:42|
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さすがに12月の25日ともなると「寒い」のです。
上賀茂神社の手作り市は・・・終い天神や高校駅伝と同じ日だったこともあって・・・人出はもう一つでした。
この時期は出店を「やめとく」方も少なくないようですが、逆に新出店者とお会いするチャンスでもあるようです。
この方たちは今日が初めてだというわけではないのですが、ごく最近登場の方たちです。
「STOYA」と「Nuit Blanche」さんです。
まずは「STOYA」さん。

この男性は、本業の傍ら趣味で革製品を作って友人・知人に喜んでもらっていたのですが、本格的に取り組もうということで、ロゴマークも作って製品化しています。

作られたものはシンプルでスマートなデザインです。
今日は寒いためもあってお客さんがいつもよりまばらなので少し話しこみましたが、自分自身が販売に出てみておおいに学ぶことがあったといっていました。お客さんから直接に声を聞くことの楽しさと大切さを自ら何度も何度も繰り返していました。厳しい注文もあったようですが、そういう声を聞かないで、ただ「打ち込んで」いるばかりではダメなんだと。

販売の方は奥さんに頼っていた時期もあったそうで、
「よくあるパターンだね。」
「はい、そうなんです。 初めはどういうことを話せばいいかわからなくて・・。」

このお店は向かって右側に陶器、左側に革製品が並んでいるのですが、お店には3人が立っています。2=3という関係がよくわからなくて、話を聞くとこの長身の男性は、
「普段デザインの仕事をしているんですが、自分の製作物を出しているわけではないんです。」
「彼は客としてきてくれたんです、話が合って、店の名前のデザインをしたプレートを作ってくれたり、作るモノや展示の仕方などにデザイン的なアドバイスをしてくれているんです。前回は荷物の搬入なども手伝ってくれて、今日はついに一日こうして一緒に店に立ってくれているんです。」ということらしい。
人の出会いというものは不思議なものだ。

なかなか存在感があるので3人のうちのリーダー格かな、と初めの印象。
今振り返りながら話をしている相手が女性の出店者の「Nuit Blanche」さんです。こちらは陶芸。
- 2012/01/11(水) 00:01:23|
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耳にぶら下がっているのももちろんご本人の作品です。切り落とした材料を再活用して作ったものらしいです。

おくさんが販売を担当して接客に力を発揮してくれるからこそ夫君が製作に専念できるのですね。お客さんの反応を的確にフィードバックした製作に生かしておられるそうですが、「結構好きに作らせてくれるんですよ。だからちょっとこだわって作っちゃったりするんです。」と言って見せてくれたのが先のミニチュアの道具たち。包丁などは柄に銅が巻いてあるのです。クシもツゲの櫛の歯を作るように細いやすりで歯を作りだしています。
おくさんは夫君を信頼して「作りたいものを作らせている」ようです。

これから作りたいものの構想を話してくれているときは少年が冒険を語る時のような素敵な表情でした。

夫君の作品を身につけて、その話を遠くに聞いているおくさんと、鏡の中の夫君。
この写真もちょっと気にいっています。
- 2012/01/10(火) 00:05:43|
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「にがうり舎」です。百万遍の知恩寺の手作り市でお会いしました。神戸からの出店です。
装身具のお店です。

2平方センチメートルもないような小さな金属板にラクダ、イルカ、蜘蛛、日本犬などなどを実に見事に描いています。
毛のように細い糸ノコで金属の板の中に切れ目を入れていきます。ラクダはラクダの脚に、猫は猫の背の形に。兎はもこもこと。大した繊細さです。
「元来は糸ノコを使う練習としてやっていたんですが・・・。」

技術へのこだわりは相当なものです。職人さんが使うような道具の小さな小さなミニチュアもあります。

この写真を見るとお二人の普段の(力)間係が思い浮かびませんか? ・・失礼、失礼。
私にはとても良いバランスのように思われます。
着実に「ものを作りだす」ことこそもっと大切にされるべきなんじゃないか。
そういうお話で意気投合しました。
- 2012/01/09(月) 00:03:53|
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京都府立大学、京都工芸繊維大学、立命館大学、花園大学、精華大学、竜谷大学、京都産業大学・・。
ここ一カ月くらいの間に写真展を見せていただいた大学です。大学の写真部は今の時期が学外内外での展示の山場のようです。
そんな中京都外国語大学の写真展を見ました。

大学によって様々な顔を見せてくれます。外大はカラー写真が多数を占めていました。プリントはA4くらいであまり大きな作品はありません。(正面に写っているのはモノクロです。農村の一場面を描いていますが空がとてもきれいです。私の好きな作品の一つでした。)
どこの大学の展示でも、入場すると「アンケートをお願いします。」とボードを差し出されます。
私はこれが好きではありません。第一面倒です。
それに何より、何故、直接声を聞かないのかと思うのです。
そして私はどこの会場に行っても「合評会はしている?」と尋ねます。おおむねどこの大学でも「合評会?」という感じです。立命館がもっとも合評会をしっかりしているようです。
中国天安門広場、アフリカなどの外国の写真が見えます。 今の学生たちにとって外国に行くということは、さほどハードルの高いことではないようです。
この男子学生の作品です。舞台はアフリカ。仕事に出かけた夫の留守を守る若い母親の姿です。
背後の牛飼いの姿の取り入れ方といい、なかなかよくできています。
一緒に、「ここをこうしてトリミングしたらどうなるだろう? 君はどう思う?」とひとしきり一緒に合評会をしてみました。

とても真剣に素直に楽しんでくれました。 別の会場で展示会をしていた竜谷大学の学生も「サークルの中でこんなことができないか相談してみます。」と言ってくれました。
批判するのも批判されるのも敬遠する学生たち。それを彼らはよく自覚しています。自覚したうえで態度がわかれます。
大学で公認されたサークルとしてやっているからこそこんなギャラリーで展示できるのですね。うらやましいです。
でもサークルに入って仲間がいるということの意味をもっと大切にしてほしいなあと思うのです。それで「余計なお世話だ」と思われながらも「合評会やってる?」と聞いてしまうのです。
この男子学生のような学生がたくさんになるといいなあと思います。

(⇔)
この人は写真部の会長さんです。この人がまたなかなかすごい人です。

※ 昨日と今日の記事が前後が逆転してしまいました。 お詫びします。
- 2012/01/08(日) 00:05:11|
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思い立ったらもう飛行機のチケットをとっていて、宿の確保もしないで外国に旅立ってしまう。
一昔前なら、いや今でもそうでしょうが親が腰を抜かすような行動力です。

今度カメラを買い替えようと思っているんです、といいながら外国での体験を話してくれる。ポルポト派の犠牲になった人々のづ骸骨が山積みにされた写真も彼女が撮ってきた。カンボジアの軍人にカメラを向けるのは危険じゃなかったの?!
「知り合いの人で、許可を得ないでカメラを向けて危ない目に会う人もいました。今は案外平穏ですよ。」
東南アジアが好きなのだそうで、お米を使った料理がうまいと言っていました。

気がつくとすぐに外国に行ってしまうんですよ、・・・困った会長だとは言いませんが・・と。

行こう、見よう、撮ろうという熱があふれんばかりです。さすが外大ですから言葉の壁もねじ伏せていきます。「英語とほんの少しのスワヒリ語かな・・・。」 タイ、カンボジア、ベトナム・・・。
近所の大学にもたくさんの外国留学生がいますが、こうした世代が作るこれからの世界はどういうものでしょうね。
アメリカのグローバリズムもロシアや中国の覇権主義もやがてこうした若い世代によってその土台から崩されていくのでしょうね。
彼女の活動は私のブログに書いたような狭いものではありません。こういう青年がいることは未来の光です。どうか彼女のブログを訪ねてください。 http://freepicha.blog136.fc2.com/
- 2012/01/07(土) 00:03:50|
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知恩寺の手作り市からの帰り道です。今出川通は人も多いし車も多い。そこで裏道を通って帰ろうとするとそこにこの人がいました。
知恩寺の手作り市は今やメジャーですから、遠くから電車やバスでお客さんが来ます。京阪出町柳駅から知恩寺まで歩く人はこのコースが便利なのです。
知恩寺境内に出店しなくともここに出店していれば結構な人が通りかかります。
北野天満宮の「天神さん」でも周囲の民家の軒下やガレージなどで出店している人がいます。
「へ~、こんなところで。うまく考えたなあ。自分ならやれるかなあ。」などと考えながら・・・。

アンティーク風な装身具を作って販売しています。まだ20代半ばの若い方です。
少し話を聞いていると「いたいた。」と駆け寄ってくる女性がいました。その方は以前にここで買ったものがすごく気に入って、どうしてもまた新たに欲しいのだということでした。

一つを手にとると、う~ん、これもいいなあ、あれも可愛い、と次から次へと手にとります。腕飾りなど幾つもつけて試してみています。よほど気にいったのでしょう。

とても丁寧な作りになっているだけではなくて、少々大人っぽいテイストに可愛らしさを加味したもので銀の渋さが効果的です。
「どう?!これもいいでしょ?!」
(⇔)


「この三連のものは手を下げた時にそれぞれが重ならないでほら、こいう風に・・・・。」
ちょっとゴージャスになります。
これも気に入ってくれたようです。

自分の作ったものを喜んでくれているお客さん。
できるだけ似合うモノを選んでもらってもっと喜んで使ってもらいたい、そういう気持ちが全身から感じられます。

「手作り市などではこういうものが喜ばれるから、自分でも作るのが好きだし、つくってきたけれど、もともと絵を描きたい思ってそれも続けてきた。もうそろそろ絵に全力を注ぎたいと思って、装身具作りをやめようかなと思ってるんです。」
同じように芸術系の大学を出た人たちの頑張りや活躍も気になるのでしょうか。
「あなたの絵の作品も見たいなあ。」
「作品ができたら連絡しますね。」
まだまだ20代半ば、これからです。
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- 2012/01/06(金) 00:01:02|
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ある職業にはその職業にふさわしい顔というものがあると私は思っているのです。昔、先輩に連れられてスナックや居酒屋にいったりするといつも「あなたの職業は〇〇でしょ?」と言い当てられて「いやだなあ。」と思ったことがありました。が、やはりその職業にふさわしい顔というものがあるのだと今では思います。というか、仕事をしていればおのずとそういう顔・雰囲気が醸し出されますよね。
この人は実に『顔』が素晴らしいのです。その仕事が深くしっかりしたものだと直感的に感じさせてくれます。
その人に出会ったのはこんな場所でした。

京都府立洛南病院が絵画展をしています。職員の同好の士が集まってのグループ展でしょうか。「17回」と書いてあります。もし職員のグループ展だとしたら、なかなかいい職場なんだろうなあ。
「えっ?何者? この人病院関係者?」という第一印象でした。

が、すぐ次の瞬間、これはただ者じゃないなあと感じました。
洛南病院といえば、私がまだ若いころに・・今でも十分若いつもりですが・・草刈りのバイトに行ったことことのある病院で、京都府で唯一の公立精神科病院です。
この方はそこの作業療法士です。

知人が来場してきての顔ですが、この顔ができることが私には感動モノです。
高校生のころ「精神病」について関心を持ち、いくらか本も読みましたし仲間といろいろな議論もしました。
田舎だということもあってか地域には「気違い」という受け止め方がまだ非常に色濃くて、家族にそういう病をもったものがいると家族で隠そうとし、親戚も「世間に知られたら恥ずかしい。結婚・就職の妨げになる。はやくどこかに隔離をして・・。」という空気がありました。
こういう「病観」はおかしいという思いがあり、納得はいかなくともフロイトなどを読んで「治る(治る治らないレベルでだけ考えてはいけないと後に気付くのですが)」し、「私たち皆の問題だ」とおもって将来は心理学や精神医療を学ぼうかなとも考えたことがありました。

この病院では患者さんに自由に絵を描いてもらうということを治療の一環として取り入れてきたのだそうです。
よく箱庭療法などと同じように病態(状)を判断するために絵を使うことがありますが、この病院ではそういう解釈のために絵を利用しているのではないのです。

絵を描く行為が自分の中にある様々なコンプレックスを表出させてカタルシス効果もあるし、自己認識を助け、他者とのかかわりを回復する手立てになるということだろうと思います。
それを言葉でせかしたり、あなたはこうですよと外からレッテルを張ったりするのではなくて(病識をもつということは大事だとは思いますが。)自分のペースでゆっくりと自分を修復したりできるということはいいなあと思いました。
こうして絵画展に出品される喜びや自信、家族や友人、見も知らぬ人に「いいですね」と認めてもらううれしさ。こういうことが人にとって大切なんだと思います。・・・・これはあくまで私の理解です。
そしてこの顔です。
「えっ?!写真撮るんですか?どうしたらいいか分からんなぁ。」といいながら直立不動の姿勢をとってくれているのです。このお茶目さがいいじゃないですか?!

人が心の病を得る時には、他者の視線(表情・・顔だけではなくて体の姿勢なども含めて)が案外大きな意味を持っていると私は思っています。
職場の一人ひとりがバラバラに競争させられて、それぞれの机やPCにかじりついているような人間関係では、「あんたのことまで構っていられない。ダメなやつはさっさと職場から消えたら。」光線が背中から出ているのです。
上司に相談?!冗談じゃな。、あの人が私の心をズタズタにしているのに!!
上司に相談する?!冗談じゃない。人事査定する人に弱味なんか見せられる?!
お互いの顔が怖くなっていませんか。
そこでは、こういう顔に出会いにくいのです。ウェルカムと両手を大きく開いたようなこういう顔に。
えらくない医者、めんどくさがらない療法士。
来場されたお客さんを撮っている方をこの療法士さんが撮っているところを私が撮っています。
「大きなカブ」みたいですね。こういうのも珍しいでしょ?!となんでも楽しがる。

野球とフットサルを楽しむスポーツマンでもあります。
「いい人」に出会えました。もう一度ゆっくりと話をしてみたい人です。
- 2012/01/05(木) 00:02:45|
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京都の先斗町といえば舞妓・芸子、鴨川の床など。いかにも京都といった場所です。
木屋町にしろ先斗町にしろ、一時期やたらと若者が多くなって、しかも河原町はおかしな車が列をなすといった雰囲気で・・今はそれも排除されましたが・・大人の街ではなくなりました。
一方で我々庶民には縁のない「高根の花」的なお店も。
そんなわけで、もう長いことこの辺りでは飲んだことがありません。
祇園甲部の歌舞練場を少し南に下った場所にこんなお店がありました。
「えっ?いまどきこの場所に豆腐屋?! この下はかつては鴨川の河原だったはず。水はどうしてるの?かっこだけの観光豆腐屋?・・・・。」

看板も新しいし・・。(京都のお店の看板は素晴らしい書のお手本がたくさんあります。書をしている人にはたまらない町です。)

そこでいつものように好奇心のままに「すみません・・このお豆腐屋さんはここに長いんですか?」
お店はずいぶん以前からあったようで、私がここを通る時には大概お酒が入っていましたから気付かなかっただけのようです。

「間口も広くないし、特に昼間は目につかないようですよ。お店のことを知って訪ねてこられても何度も行き過ぎてしまうようで。周りも似たような家の並びで分かりにくいんでしょうねぇ。」
お客さんに湯葉をすくってもらうこともしているそうで、こいう風にやるんですよと実演してくれた。
「もう少し時間をおいてすくわないとこんな風にまだらになってしまうんです。」

「あの、失礼ですが、いぜんは『きれいどころ』として働かれていたんではないですか?」
「いいえ、こういう接客もほとんど経験がなかったのですけれど。・・・。」

「ただ案外こういう丁寧に几帳面にしなければいけない・・・湯葉作りのような・・仕事が性に合っているようで、いついてしまいました。」とのことでした。
実はやはりこの場所に井戸があるのではなくて、井戸は南の方にある工場にあって、豆腐生産はそこでしているとのことでした。
「湯葉作りはここでしていますが、やはり水が肝心でしょ。だから工場から毎日たくさんの水を運んできて使うんですよ。」

「写真撮らせてもらっていいですか?」「どうぞ、皆さん勝手に撮っていかれますよ。向こうの入り口からはいっていただいて・・・。えっ?!商品を写すんじゃないんですか? かわったはりますね。」

テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2012/01/04(水) 00:01:33|
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芸術家、プロは人のものを真似ていてはいけません。創造こそがキーワードですから。
けれど、その点素人は気楽で、素人は素人なりに、まねたい写真があるわけですね。よく見るような写真だけれどなかなかそうは撮れないというものをせめて自分の力で撮りたいなあというのが素人の願望です。いえ少なくとも私は。

無論そこに、たとえ微々たるものであっても自分の工夫や創造があれば、どんなにかうれしいでしょう。

いつもの写真はコンセプト自体が多少とも他に見ることが少ない積極的なものがあると・・自分では・・思っているのですが、今日のような写真では、そういうことはないので、どうしてもモデルの魅力におんぶにだっこ状態になってしまいます。





さようならの瞬間までモデルをしてもらいました。
遠いところをありがとう。
お茶を飲みながら少し休憩してからお別れしようと思っていたのですが、ごめんなさい。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2012/01/03(火) 00:02:58|
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