私は西陣織物会館にっていろいろなお話を聞くのを楽しみの一つに加えているのですが、そこで実演をされている西陣織、京友禅の様々な分野の職人さんたちが、皆写真撮影を許諾してくれるだけでなくブログへのアップも快く承諾してくれるのには背景があると思います。
それは共通に西陣織、京友禅の前途に不安を感じていること、職人の社会的な地位、工芸的に高度な技への社会的な理解を得たいということだろうと思います。
私のブログがそうしたことに塵ほどの貢献もできるわけでないことは重々承知していても、なお少しでも自分が役立てばというお気持ちがあるからこそ、「写真お願いしていいですか。ブログに掲載させていただいても・・。」というお願いに一も二もなく承諾していただいているのです
このかたもそういう思いでOKされています。
堀川さんは図案を描かれる方です。白と淡い青色で書かれているので写真的にはきついですが、上品な菊の文様です。

この一枚の中でも繰り返しがありますが、この長さが一つの単位となって図案が繰り返されるのです。

絵の具は画面左手の浅い小皿の上で直接混ぜあわされます。ですからその小皿の絵の具がなくなれば二度と同じ色は出せません。
これを糸の染めとしてはできるだけ再現するのですが、必ずしも全く同じ色には染まりませんから、その工程に携わる人が図案を尊重しつつも染めの技術的可能性や、糸の特性などを考慮し、また織り上げた時の効果なども勘案して決定していくのです。ですから図案を描く人が図柄についてすべてを決定しているのではなくて次を受け継ぐ職人を信頼してバトンリレーをしていくことになるわけです。

図案はこうした着物業界にとっても図案を描く人にとっても大切な財産です。でから、著作権的な保護がぜひとも必要なわけですが、あえてこうして撮らせていただいています。
堀川さんも伝統工芸の技術伝承に不安を感じ、私のブログのような非力なものを介してでも仕事が広く社会に知られ後継者が生まれればという思いを持たれています。
これは西陣織物会館で実演している職人さんたちの切なる願いなのです。
- 2011/11/30(水) 00:03:11|
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西陣織物会館では西陣織や京友禅の名工たちが実演を見せてくれている。
先日、伺った時にはこんな方にお会いできた。
お仕事の様子を撮影することはできなかったが、長々と御話し相手をしてくださって実に貴重な話が聞けた。
そのキャリア「75年」の「人間国宝級」の職人さんだ。箔のお仕事をされている。

ついつい話に夢中になって技を拝見することができませんでしたが、ブログのことをお話しすると「結構気ですよ。」と快諾していただけた。「若い職人さんや作家さんの励みになりますので、」とお話したのです。「自分にできることなら、・・。」と言われるのですが、

国から勲章も受けている方です。叙勲が云々というより15歳で弟子入りして75年の間現役で仕事を続けてこられた間にはいろいろなことが・・・召集されたり、戦後の混乱期を生き抜いて来られたり、バブルで二百数十万円もする帯を「ポンと現金で買って行かれた人がいた。」こともあり、そして今日の衰退を経験されている。

それでも、職人として人に言われた仕事を淡々とやり遂げてきたばかりでなく、自分の創意を生かせる仕事にも恵まれたことが幸せだとおっしゃって、今なお創作に意欲を見せておられることが素晴らしい。
私があまり根掘り葉掘りお話を伺ったのでお疲れになったんではと心配でしたが、「こうして人と話をし、作品として仕事を発表できる機会も持てる。幸いにも耳も聞こえ目もまだまだ仕事ができる。職人として幸せなことだ。」と実にお元気だ。
91歳になるこの方からすれば私などは文字通り『鼻たれ小僧』だ。

こんなに話をした人も多くない。記念に色紙をあげようとおっしゃって「箔」で描いた色紙に署名し、落款までしていただい。
実に貴重な時間だった。
- 2011/11/29(火) 00:03:26|
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お二人の意欲はなかなかものでしたが、最初にお会いした時には「なかなかうまくはねぇ」という感じもあったのですが、私が一回りしてくると「たくさん売れましたよ!ほら!!」と嬉しそうに声をかけてくれました。
いくつかの下げてあったバックの多くが姿を消していました。上々の売れ行きです。

それぞれのお店で、こうした販売をの様子を見ているとやはり各々売り方、声のかけ方に個性があります。
このお二人がお客さんの声を聞こう、少しでもバックのよさを聞いてもらおうと身を乗り出しているのがわかります。
それでいて少しも押しつけがましくもなく、執着すぎることも上から誇るところもありません。

立ているところが少し高いせいもあって、体を折り曲げていつもお客さんの目線の高さに自分たちの目線を合わせています。

お二人は普段「糸遍業界」にいるようです。そして仕事が終わると自分のデザインでバックなどを製作し来ていたのです。私が同じように頑張っている様々な分野の人たちの様子や耳にしたこと目にしたことを話すと真剣に耳を傾けていましたが、「まだまだいろいろ考えないといけないことがあるね。」とますます意欲を見せていました。

次の案内が楽しみです。
- 2011/11/28(月) 00:03:11|
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今月の「百万遍手作り市」は大賑わいでした。出町柳辺りからも人の波が百万遍を目指します。
出店者も相当広範囲に広がっています。福井県辺りは近場です。
これだけ出店者が多くなると、出店の狙い・目的・意識も様々になりますが、手作りとはいえ普段の商売の延長になってきている面が濃くなって「素人っぽさ」が薄まっているように感じられます。
買い物に集まる人々の意識も変化してきているのでしょうか。
また新たな・・・原点(?)に帰った・・手作り市が必要になっているのかもしれません。
私は素人の「手作り」作者が玄人を目指す、そういう過程にある人を発掘に行きます。
あるいは玄人はだしの素人が、よいものを求める人と交歓しながら販売しているのを探します。
今回、初出店のこの人たちを見つけました。
バックと小物を販売しています。
「デザイン、製作はどなたが?」「お二人はお友達?それとも姉妹?」

「姉妹に見えますか?! このお店のものは彼女のものです。」
この方がこのバックなどの製作者で、もうお一人は今日の助っ人だそうです。
お二人の服装を見てお分かりの通り、今日は思った以上に雲が出ていて「寒い」です。

この方は羽田さんといいますが、普段は別のお仕事をしていて、時間を見つけてはこうしたバックなどを作ってきたのだそうで、友人・知人に分けるというのとは違って「販売」するのは、きょうがデビューの日なのだそうです。

お客さんの質問に一生懸命に耳を傾け、説明をしています。まさに作り手だからだなあと感じます。体全体で作る時の工夫、苦心を語っています。

作品(商品)に「蟻」のデザインが見えますね。これが彼女の製品のトレードマークだそうで、とてもよく描けています。そして「笑う蟻」と英語で書かれています。せっかくのトレードマークなので厳重に権利保護をしておきました。
何故、笑っている蟻をトレードマークにしたかというと、「アリとキリギリス」の話がありますね、・・・・うん、この話は本人から聞いていただくことにしましょう。

今日は助っ人のこの方も、少し後に展示会をするのだそうです。
メールアドレスを伝えておきましたからきっと連絡をいただけるでしょう。

お客さんに買っていただけました。うれしさもひとしおでしょうね。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2011/11/27(日) 00:04:10|
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「描いているところを撮る」という意識から離れるべきでした。
そうすればまたこのように「う~ん、どうしようか」というようなある種の表現ができますが、

修行が足りない私は、「漫画家はマンガを描いている」という絵を撮ってしまいます。
これではねえ。

撮らせてもらえたから、ただ撮っているという写真じゃ駄目ですよね。
その人のもつ魅力を撮るというならそういうことに徹底すればいいものを・・・。

高橋さんは11月29日から12月4日まで「さらさ西陣」という喫茶店(元銭湯だった鞍馬口にあるお店・・「かみ添」さんの西隣)の2階で「ココロノイエハ・トブ」と題して個展をされるそうです。
宮沢賢治の「イーハトーブ」を意識した命名です。
お知らせのお葉書をいただきましたので、ぜひお尋ねした絵を見るとともに、もう一度撮ってみたいと思います。
- 2011/11/26(土) 00:01:59|
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京都国際マンガミュージアムは精華大学が起爆剤になって作られた。
そこで似顔絵コーナーだけでなく、精華大出身のプロの漫画家が実演と助言コーナーも担当している。
ちょうど漫画家さんのコーナーから似顔絵コーナーが見通せる。そこから私が写真を撮っていたのが見えたことで「写真を撮っていいですか? ブログへのアップは?」に対して好意的な返事をいただくことができた。
「えっ?!意外だなあ。」なんて反応をされることが少なくないのだけれど、私もマンガは嫌いではない。でも最近のものにはテンデ疎い。
少女漫画では『ガラスの仮面』の42巻を待ちわびたことがある程度だ。
男性の方は河上大志郎さん。今マンガの基本構想を練っているようだ。

向こう側の女性が高橋れいかさん.既にマンガ雑誌でも活躍しているようです。
今は2ページものの下書き中です。
「ずいぶんネームが多いですね。」「2ページなんで展開をどうしてもセリフで書かなくちゃならなくて。」
精華大の漫画学部といえば一コマや4コマの漫画でずいぶん鍛えられているはずです。でもストーリー漫画を描くとなると自分の思いの分だけのページ数がもらえるわけではないから難しい面もあるのでしょうね。

「漫画家を撮る」ということを明確に意識しないまま迂闊にお願いしたのが間違いでした。
描くことに集中している様子などを撮っても「漫画家」にはならないわけで・・。

暗い場所で顔をはっきりと写すために、描かれている紙は白とびして何を描いているのか分からなくなってしまうし。
困ったなあ。

赤塚不二夫みたいに生活自体がマンガみたいな人だったら・・・。
でも、ご覧のようにすこぶるまじめな好青年風だし・・・。

「まいったなあ。さあどうしよう。」
こういう表情を刈り取るのが精いっぱいでした。
修行が足りませんね。
- 2011/11/25(金) 00:04:43|
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似顔絵を描くときに静止したポーズ、固定された顔の角度で描くのかと思っていたら「少し横を向いてくれますか。」と回り込んだ角度も意識するのです。特徴的な髪飾りをしているとそれも生かそうとします。

東野さんは「好きな色はなあに?」と聞いています。背景に生かすようです。お客さんの雰囲気によっても色を変えますし、背景の「デコ」にも変化をつけます。

最初に名前を聞いていますから、「〇〇ちゃん、□□ちゃん」と繰り返し名前で呼びかけて親近感を高めて子供の良い表情を引き出しています。
一足先に終わった堀口君がさらに雰囲気を助けています。
東野さんはこのミュージアム創立以来のメンバーで、堀口君は後輩にあたります。

さあ、こちらも出来上がったようです。

「はい、どうぞ。」
お父さんも子供たちも大喜びです。気に入ってくれたようです。
人に笑顔をプレゼントするこの仕事、とても素晴らしい仕事ですね。

「人を描く」ということで私の写真と共通する点も多いです。学ぶこともいっぱいありました。
- 2011/11/24(木) 00:01:24|
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似顔絵に書かれている顔はどれも「笑っています」。それは絵を描く人が勝手に笑顔に仕上げているのではありません。・・・無論ぐずってしまう小さな子や、笑顔が得意でない人が前に座る場合もあるでしょう・・ でも彼らはプロとしてこんな雰囲気を作り上げるのです。

どうやら堀口君の方は仕上がったようですね。

絵を渡すと記念と記録のために似顔絵と一緒にお客さんの写真を撮りますが、描いてもらったお客さんの嬉しそうな明るい雰囲気が周りに満ちます。
それが連鎖反応的に次のお客さんを呼びます。向こうに立っている外国からの人は次を待つお客さんです。この写真ではそうではありませんが、傍らにいて終始「もらい笑顔(こんな言葉あるんですかね?)」でした。

お客さんは上手な絵を手にするだけでなく楽しい時間ももらえるのですね。
- 2011/11/23(水) 00:10:20|
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ミュージアムで似顔絵コーナーを見つけた際に「あなた
たちを撮りに来た。」と複数形で言ったのですが、「どさくさ紛れに」お隣の東野さんも巻き添えにしてしまいました。
先ほどまでは混み合っていて、今は少し余裕があるようです。結婚式の新郎・新婦の似顔絵を描いた「ウエルカム・ボード」などの仕事もあるので、隙間の時間にはそちらのことも進めます。
誕生日・銀婚式や定年退職などのお祝いに似顔絵を送ることも盛んに行われているようです。

少し時間をおいて帰ってくると可愛いお客さんがイスに座っていました。
お父さんと姉妹が似顔絵を描いてもらっています。
テーブルの上には子供たちの喜びそうなものがいくつも準備されています。15分ぐらいで仕上げるのですが、子供たちがその時間を「笑顔で過ごせるように」工夫しています。

でも一番大切なのは描き手の人柄、笑顔、会話の力のようです。
子供さんが笑顔でいるのが分かってもらえると思います。お父さんも含めてとてもいい雰囲気です。

いずれのお客さんにも背後から撮らせていただくことを了承してもらっていますが。後ろ向きのお父さんが東野さんの語りかけと子供たちが機嫌よくしていることで、にっこりしていることが分かってもらえるでしょうか。

どうやら堀口君の方は仕上がったようです。
彼の笑顔からお客さんが喜んでくれたことが分かると思います。
似顔絵画家の一番うれしく、手ごたえを感じるときでしょうね。
- 2011/11/22(火) 00:02:24|
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ギャラリー知で「ニガオエ作家の描くイラスト展」がありました。そこで出会った似顔絵画家の岡山君と堀口君。二人を撮らせてもらえることになっていたのです。
岡山君は溝手さんを描いているところを撮らせてもらったのですが、あいにく堀口君とは行き違って、撮ることができていませんでした。
そこで「職場」まで押しかけました。
この人たちは京都国際マンガミュージアムで土・日・祝に似顔絵画家として活躍している人たちですから、そのミュージアムに堀口君を訪ねたのです。
いました、いました。

「追っかけてきましたよ。君
たちを探して幾千里。」「どうぞ自由に撮ってください。」
「お客さんが来て描いているところを撮りたいなあ。」などと話しているうちにカップルが来て彼の前に座りました。
画家によって絵柄が違います。そこで隣の画家さんの作品と見比べてどちらかを選んでもらいます。
「う~ン、ちょっとシビアだね。」

お客さんのお二人と会話をしながらすぐに描き始めます。
・・・今日はカメラを向けられていたので初めのうちはちょっと緊張しました・・・

女性の方から「ボクシングをしている」という話を上手に聞き出すと「僕もすこしだけ経験があるんですよ・・。」と一挙に打ち解けた空気を創り出していきます。ボクササイズというやつでしょうか。

私もこうして「人を撮る」ことをしていますから、この辺の呼吸は共通しますが、彼はなかなか巧みです。
画板?を妙に高く持っているので描きにくいだろうなあと思っていましたが、これも雰囲気作りのための工夫でしょう。
描き手が目を伏せていては明るい快活な会話はできませんからね。描かれる側が話しづらくなります。
- 2011/11/21(月) 00:02:56|
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哲学の道の秋を撮りに行こうとして、ギャラリーを見つけました。川沿いに柿の実がたわわな樹がありましたので近づくと、そこにギャラリーがありました。このギャラリーは安楽寺が運営するもので「花いろ」といいます。お寺や教会が保育園や駐車場を経営するのはよく見かけますが・・・。
安楽寺といえば宮中女官の松虫、鈴虫の姉妹が浄土宗にこころを奪われて御所を抜け出して出家し剃髪してしまい、それを知った後鳥羽上皇が激怒して法念をはじめとする浄土宗の主だった者に厳しい弾圧を加えた事件を思い出します。松虫、鈴虫に法を説いたのが安楽寺の僧住蓮、安楽だったのじゃなかったかなあ。
このギャラリーで個展を開いていたのが田邊慈玄さんです。
田邊さんの以前の個展の紹介文章に「日本人が受け継いできた共有財産である、日本の伝統美術、文様の美を、画法や形にとらわれることなく、あらゆる組み合わせと実験的なテーマで、新たなものを生み出す。」とありました。
絵を見て「着物の図案?!」と思いましたが、和布団の図案だそうです。いえ、和布団の図案だけでなく大きいものは屏風絵からポストカードほどのもの描かれています。
若いころはイラストレーターとして活躍され、たくさんの仕事とある程度の収入にも恵まれたんだそうです。が、忙しすぎ、自発性の見えなくなってきた仕事に倦むようになり、職場を離れて外国に出て学び、そこで転機を迎えられたとのこと。
背後の絵はたくさんの雀たちです。田邊さんは富山市にお住まいで、庭に来る雀たちとのことです。

友禅の職人さんたちの仕事にもお詳しくて、「とても高度な仕事をしている職人の仕事が報われていない。」ことを・・・田邊さん自身はキャリアをつまれ寺院の襖絵を依頼されるなどすでに地位を確立していますが・・・我がこととして受け止めておられました。

技術を軽視しないで積み重ねることも強調しておられました。

昨年、安楽寺で開かれた展示会のハガキをいただきましたが、そこには狩野派のような襖絵が見えます。田邊さんの作品です。
一輪ざしのような水仙の花も描けば、迫力のある竜の絵も描くといった風に自由に題材を選び手法も多様です。

住所も記帳してきましたので、次の個展も見逃さずに済みそうです。
- 2011/11/20(日) 00:01:15|
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撮影が楽しいとついカット数も多くなります。
((⇔)

細いペン、太いペンを取り変えて、表現に変化をつけます。

お互いに似顔絵を描く時の難しさや面白さに話が広がります。
「ご免、もう一度少し横を向いてくれる?!」
ペン画としてはかなり仕上がってきています。

モデルさんにも余裕が出てきて写真モデルもやってます。

そこで・・・。

もう一枚。
(⇔)
- 2011/11/19(土) 00:02:45|
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普段は私自身が相手の方と話しながら気持ちをほぐし、表情を引き出すのですが、この場合は「描く・描かれる」のを外から撮るのですから、楽しみ(撮ること)に集中できます。

「横を向いてくれる?!」といったのは私じゃなくて岡山君です。
魅力的な、絵になる横顔です。

ただの横顔といえばそうなのですが、通常はこれがなかなか撮れません。
モデルさんが(彼女が)半分以上、描き手の岡山君を意識していてくれるおかげです。この横顔、「いいです!」
雰囲気を出すためホワイトバランスを調整しないで、色かぶりさせたままにしています。

色紙に鉛筆で下書きをしています。彼女の注文通り絵の中の彼女は「ライブステージ」でノリノリです。
彼の作品はロケーションを的確に表現しています。こういう背景描写にも力を発揮しています。

彼女も描き手であるのでどう描かれれているか興味シンシンです。 途中で「こんな風になっているよ。」とはなかなか見せないのですね。
私は後ろから覗き見です。「う~ん。うまいものだなあ!」
(⇔)
- 2011/11/18(金) 00:09:44|
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京都の街の真ん中あたり、烏丸御池の付近に「京都国際マンガミュージアム」があります。京都精華大学に日本初の漫画学部ができて、そのことが契機になったのでしょう、統廃合後の小学校の跡を活用してミュージアムができています。
「その中に(ミュージアムの中に)ミリオンスマイルと呼ばれる似顔絵コーナーがあります。
そこで活躍する京都精華大学マンガ学部カートゥーンコース・及びデザインコースの卒業生を中心とした8人展です。今回、ギャラリー知で展示するのは、ミュージアムで描かれる普段の似顔絵を生かしさらに発展させた作品。」だとギャラリー知さんのHPに書かれています。
似顔絵といってもいろいろなタイプはあります。鎌倉時代の「似せ絵」もその一つでしょうし、いわゆる肖像画もそうでしょう。ここにある作品の大半はイラストタッチで描かれています。
この若い作家さんが在廊する時を見計らって見に行きました。私も「人を撮る」のを楽しみにしていますから、話が弾みました。そこで「写真を撮りましょう」ということになって、後日出かけた時の様子です。
ちょうど仲間同士で似顔絵を描くことになっていたそうで、私はその周りをぐるぐると回らせてもらいました。
描き手はこの人です。グループ展のDMには彼の作品が用いられています。漫画家の楳図氏が高台寺付近の石段でソフトクリームをポタリと落として照れ笑いをしている情景です。背後の修学旅行生?が生きています。

モデルはこのひとです。彼女も似顔絵作家です。背後の作品に描かれているのは「マツコ・デラックス」さんですね。

似顔絵を描く人は自分の似顔絵がないことが多いでしょう。写真を撮る人は写真に写っていないように。そんなわけで「描いてもらう」「描いてあげよう」ということになったのでしょうか。
岡山君のこの集中した表情!!

多分子供さんを描いたりする時には彼特有の人懐こい笑顔で明るくやさしく話しかけながら描くのでしょうけれど、今回は「同業者?」相手ですから力も入るのでしょう。

モデルの溝手さんも描かれなれないのでしょう。少しぎこちないようです。
- 2011/11/17(木) 00:03:47|
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いつものように寺町のギャラリーをはしごしていた時です。
何気なく歩いていると靴店の女子店員さんが奥から笑顔で会釈をしてくれたのです。まあ一つの営業行為ですから「熱心だなあ。」くらいに思っていたのですが、別の日にその店の向かいのギャラリーの二階から見るともなしに下を見下ろすと先ほどの女性店員さんがお客さんと話をしていました。その笑顔が実にすばらしいのです。でその後気にしてみていると実に分け隔てない態度で明るい笑顔をして話しかけ、対応しているのです。
そこで、
これまで見てきたことを話し、「笑顔がとても印象的だったので写真を撮らせて・・。」とお願いすると「私でいいんですか?」と快く引き受けてくれた。
こうしたお店で働く以上「営業用のスマイル」があることはもちろんでしょうが、私には何か惹かれるものがありました。
「どうしましょう? ではその靴を脱いでください。少し汚れていますから磨きしょう。」といって「仕事中」の写真が撮れるようにしてくれました。

毎日履いていて碌な手入れもしない靴ですから、先の方の色がはげてしまっています。
「やあ、なんだか申し訳ないなあ。写真を撮らせてもらう上に・・・。」

こうして作業をしている間も笑顔が途切れることがありません。
学生のころから受講にもいくのも、デモにもビラまきにも集会にも、バイトも何もかも、雨、晴れ関係なく一足の革靴で済ませていましたから、靴は相当酷使されていました。

「もう少しかわいがってあげないと・・。」といわれそうでした。

でも、まあこの靴気に入ってるんです。(他社さんの靴で申し訳ないけど)
靴はすっかりきれいになりました。

そして、ちゃんと履き替えの靴をいくつか勧めていただきました。
こんな笑顔で勧められると「う~ん、どうしよう。」と気の弱い、影響されやすい私は困ってしまいます。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2011/11/16(水) 00:02:54|
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おや?!知人の登場かな?

名刺を交換していましたから旧知の仲ではないようですが、近づいてきた人はどうもジャズ好きの人のようで話しが弾んでいます。けれど彼の演奏は止むことがありません。


ヘッド・フォーンにお気づきでしょうか? しかもこのヘッドフォーンには「無音」と書いたものが張られています。
実は彼の将来予想では、
「今人々は音楽を聴くのに全く個別的になっている。隣の人と音楽を共有していない。聞くことが個別的になるなら演奏もだれかれなく聞かせるものではなくて『聞きたい』『聞こう』としている人にだけ届ける演奏になるだろう。」というのです。

だから聞きたい人にはヘッド・フォーンをしてもらって、周囲に音は出さないようにする。やがてアイフォーンで聞いてもらえば、誰でも「聞きたい人」が個別的に聞くことになるし、演奏者がこの場に幾人、幾組いても構わないことになる。
というのです。
だから彼は東京でも周囲の人には音が聞こえない演奏をしながら舗道を歩いているというのです。
周りの人は「???? 」 でもやがてそれは受け入れられていくだろうと。
皆さんはどう思いますか?

彼はこうして移動する間にも、この場でお母さんと遊んでいる幼い子供たちに向かって笑顔を向けて「一緒に体を動かそう。」といった風に近づいていきます。
- 2011/11/15(火) 00:04:56|
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ある日御池の地下駐車場に車を置いてショッピング街に行こうとすると、ジャズが流れていた。音の響きから地下街の通常の放送施設からのものではなくて誰かが演奏しているようなのです。
ストリートパフォーマンス?!
どこでどんなグループが・・・と思って探すのですが見つかりません。キョロキョロ。
するとこんなものが・・。「JYAZZ屋台」ですって!?

ここは河原町御池にほど近い地下街です。地下街の柱にこんな掲示がしてありました。
「うんっ?! 今何時? 今終わったばかりなのか。」

待つこと20分余り。長身痩躯の男性がJYAZZの演奏を始めました。

楽器を腰で押しながら移動しての演奏です。演奏は相当に「うまい!!」のです。
ステージの経験もたくさん持っているようなのに?「大道」演奏です。
演奏するときのこの表情を見てください。

ハーメルンの笛のようにぞろぞろと後をついていきたくなります。というか、ついて歩きました。
彼が言うにはチンドン屋のイメージだそうです。なぜこんなことをしているのでしょうかね。

演奏の間ずっと笑顔で、表情もステップもジャジーに歌っているのです。
- 2011/11/14(月) 00:03:19|
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この方は御自分が自分の子供さんのためにデザインし縫製していた服の延長で子供服の展示販売をされています。
まず色が柔らかです。仕立ても丸みがあって子供にやさしい仕立てです。
大型店舗に行ってキッヅコーナーなどを見るとゾッとします。文房具、おもちゃ、服、靴・・・どれをとっても「売れるためなら何でもアリ。」的な論理に押し流された商品が少なくありません。子供は単に市場でしかないのだなあと嘆息です。そういう目で生産をしていると結局世の中全体が退廃していくなあ。
それでこのお店の子供服に目が行きました。(鏡の中まで意識が行かなくてごめんなさい。)

「自分が人のためを思って作ったものを楽しそうに販売しているのを見ると嬉しくなるんです。そういう人の写真を撮っています。」と話しかけると
「本当に楽しませてもらっています。」

「ここに来てお客さんといろいろ話ができて、喜んでもらえて・・・。」
色にも形にも手触りにも心を配って作っているようです。
大量生産品や売らんかな論理に嫌気がさして、作っている人との交流をしながら良いものを探したいという人がここに集まっているようにも思います。

夫君の理解・協力があってこそこういうことを経験できているのだと話される時の笑顔はまた一段です。

「大人のものでこういのを作ってくれないかなあ。」という声を幾人ものお客さんが残していきます。

お友達の登場。

お店の「看板」は以前このブログに登場していただいた「緩里」工房さんの作。お気に入りのようです。
- 2011/11/13(日) 00:03:30|
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寺町のギャラリーの一つに「ギャリエヤマシタ」があります。最近改装されてきれいになりました。
そこで山本みつるという方が個展を開いておられました。以前にも見させていただいたことがあり、早速ギャラリーに入りました。
どことなく見たことがあるようなという感じをお持ちになったのでしょうか、「ハガキを見てこられたのですか?」と聞いてくれましたが、通りがかりでした。

この方は求められて水彩画の教室も開いておられますが、なんといっても童画に魅力があります。
私は最近の子供向けの本の挿絵や絵本の絵を見てつくずく悲しい気持ちになるのです。なんて粗末な絵で子供たちが育てられているのだろうと。
へたくそなコミックキャラクターの塗り絵のようなものが氾濫しています。
この方の絵はそういう流れから言うと取り残されたような作品だと言えるかもしれません。
ですが、子供の観察がいかに丁寧で優れているかは絵を見れば明らかです。

1950年、60年代に日本のどこにでもありふれて存在した子供の世界がそこにはあります。
作者の山本さんが、自身子供時代を楽しみ、今いつくしんでいる心が絵の世界にあふれています。

単なる郷愁を記憶に頼って描いているのではなくて、この時代の資料を集めディテールの正確さとして反映しているために、リアルさを欠いていないのです。
童画の背景には水彩に見せている画力の裏付けがあります。ごまかしがありません。

ファンも多いようでお客さんが見えました。

50年代60年代の子供の世界を「保存・記録」の意味も込めて描き続ける山本さんには、今私たち大人が子供たちに与えている状況に対する静かで、しかし強い批判があります。
七福神や神話を題材にしたいくらかコミカルな世界も描かれますが、今回出品されていた「スサノオ」の絵は、魅力的です。
「ギャー」とか「ズガーン」などの叫び声や擬音を書きこんで、大きな口を開けさせなければ迫力を出せない人たちの絵とははっきり一線を画します。
若い絵描きたちにイラストを選ぶ人たちが多いですが、好き嫌いを越えて山本さんの絵から学んでほしいと思いました。
- 2011/11/12(土) 00:03:02|
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実は今日登場する人も京都造形大です(ただしこの人の場合は他大学から大学院へですけど)。
同時代ギャララリーで造形の大学院在学生のグループ展(京都造形芸術大学大学院 日本画六人展)が行われていました。
ここの作品を展示している人は、大学では「模写」を勉強しています。
古美術に属する絵を模写するのです。 それは時間とともに劣化していく絵を復元したり、補修したりする技術につながりますし、照明をあてると劣化が進んでしまう貴重な絵を模写してその複製を展示するなどの仕事につながります。文化継承の点でも観賞・普及の点でも貴重な仕事ですし、高い技術が要求されます。
応挙や雪舟、あるいは絵巻物などの「水準」で模写するということを単純に考えただけでも尋常なことではないと思います。しかも古色にしたり現時点での劣化をそのままに描くということもあります。
文化史や紙、表装などの技術史などだけではなく、どんな顔料、染料をつかっていたかなどを調べるためには化学や物理学などとの連携も必要になってきます。
こういうことに地道に取り組んでいる若い世代にエールを送りたいと思います。
この人たちの模写の作品と並んで、その取り組みの中で培った技術を生かした新たな創造的作品も展示されています。
応天門の変のいきさつを描いた『伴大納言絵巻』の一部を、巻物の形で・・・これもこの人が自ら製作しています・・模写していたのが、この人です。
民衆が生き生きと描写されるおなじみの場面を描いていました。

普段は模写の勉強をしながら、その一方で描いた絵が彼女の左手のものです。

作者の「日常」から取材して描いたそうなのですが、歯医者の薬棚と、別のもう一枚は医療器具です。
実はおじいさんが歯科医だったそうで、この人にとってはまさに日常の風景だったのですね。
私にとってはとても非日常ですが・・・。
こういう写真の撮り方をするようになってからは、ほとんど初対面で撮らせてもらっているので、その人の「日常」を知らないで撮っているわけです。

「こうした場面ではこうした表情をする方だ」ということにしかならないかもしれませんが、日々の努力の結果としてこういうものを生み出している人だ、逆にこういうものを生み出すために日々励んでいる人だということを伝えたいなあとは思っています。

目に光を入れるために無理に少し上を見てもらいました。なにしろ暗いギャラリーですから私には難しいのです。
私の思い入れは別として「撮ってもらってよかったなあ。」と思っていただけるようにはしたいのです。

何かポーズをつけることはほとんどしません。多くの場合かえってぎこちなくなるからです。でもこうしてブログのURLを描いたカードを渡して、その瞬間などに・・ふとした動作の時をねらって・・撮ってみます。

そうすると少しだけその人の「いつもの」表情が覗くように思います。
しっかりした性格のよさそうな方でしょ?!
- 2011/11/11(金) 00:02:42|
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「コアラの生き方と人間の生き方を重ねてみると 人間の生き方を客観的に見ることができるようになる気がします。」
竹内さんの個展案内のポストカードにある文章です。
彼女は現役の学生ですが、高校時代からコアラに自分を擬して描いてきて、こういうことを感じるようになったのだそうです。
画面に描かれるコアラは必ずしも一見してそれとわかるようにばかり描かれているわけではありません。
コアラの形自体はすっかり掌中にしているのだと思いますが、ここに描かれているコアラは心象表現の媒体となっています。

竹内さんは京都造形大学の学生です。
このところ造形大学の学生、院生、OBの活発な活動が私の眼にはよくとまります。
ギャラリを利用するのにコネクションが形成されている関係でしょうか。
(個展が開かれたGallery i はこれまで私がほとんど足を運んだことのない画廊です。)
どうもそれだけではない気がします。

私自身の好みを別にすれば・・・最近の若い作家の動向をみると・・・「油絵頑張れ!」というところですが、竹内さんはその油絵(画)です。

私が女性の描き手ばかりを選んで写真に撮っているつもりはないのですが、気がつくと、若い描き手に女性が多いのです。
その反対に・・・カルチャーセンターなどの教室作品を別とすれば・・・60歳以上の描き手には男性が多いように感じられます。個展の過半は男性だという印象です。

私自身「女性よ世に出よ!」と念じてきた者の一人ですから、若い女性が奮闘していると応援したくなる心理が働くことは事実ですし、そういう願望を込めた目で見るからかもしれませんが、たとえば伝統的な工芸の世界にも女性の姿が・・実際の比率は別にして印象としては・・・目立ちます。

正直なところ若い世代では、女性に肯定的な勢いを感じます。熟年でもそうなのかもしれませんが。
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- 2011/11/10(木) 00:01:48|
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『スーホと白い馬』で馬頭琴を知った程度の知識しかありませんし、ホーミィー(裏声を使ったモンゴルの歌唱法?)の伴奏に使われていたというイメージしかない私にとって「珍しい!」という印象が支配的です。
この人はこの馬頭琴を先生もなくほぼ独学で練習しているのだそうです。
先ほどホーミィーと書きましたが、彼はホーメィを学んだそうです。
ホーミィとホーメィは根っこは同じもので地域的な呼び名の違いかもしれません。(地域が違えば所による個性はおのずと違ってきますね。)
ホーメィはロシア連邦トゥバ共和国に伝わる、一人で二つの声を同時に操る歌唱法だそうです。歌唱法には7つほどあるのだそうですが私はよく知りません。

弾いてみますか?と勧められて楽器演奏の経験もないので弾けるはずもないのですが、とにかく楽器の胴部を脚にはさんで弓を弦にあててみました。弦をさおの部分に押し当てないで浮かせたままにしていますから指に弦の振動が強くつたわってきます。その感覚はなかなか興味深いものでした。

仕事の関係で徹夜明けなのだそうですが、私などとは異次元の生活をしているのかもしれません。電子関係の仕事で神経を使うのでしょうね。

人に教えてもらえば簡単にパスできることも自分で模索していくと能率は悪くても感じ取ったり学ぶものは多いですよと話す。その通りだと思う。
人材育成をこととしている学校教育では捨てられた学習
感だろう。
秋の日差しが彼を包んでとても穏やかな楽しい時間だった。
夕方、鴨川にはいろいろな人が現れますよ。ぜひ来てくださいと誘ってくれた。
- 2011/11/09(水) 00:05:10|
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これまで鴨川ではトロンボーン、サキソホーン、横笛、トランペットなどの練習をしている人を見かけては、このブログで紹介して来ましたが、今回は・・・。
今年はここ数年になく秋らしい気持ちの良い好天の日が続きます。
自転車で鴨川を走っていると川の岸辺に絵になる木を見つけました。こういう風景を撮るのもまた楽しみですから、自転車を降りて良いカットを探します。
この時実はこのカットに怪しい人物が写っていたのです。
木の幹の根元を見てください。わずかに見えませんか。

それはこの人です。遠目には中南米から来日した女性かな?・・と。
なんと馬頭琴を演奏していました。
ここは水の落ちる音が大きくて少し離れると演奏する音が聞こえません。堤より少し下がったところですから姿も見えにくいのです。
人が近づくのを避けての練習かもしれないのですが、最近の私はこれまででは考えられないほど図々しいのです。
「少し聞かせてもらっていいですか?」

一応承諾してくれたのですが歓迎されているかどうかは分かりません。

馬頭琴は二弦ですが、その弦の押さえ方がギターやバイオリンと違ってさおの部分に弦を押しつけません。浮かせたまま指で押さえるのです。
手前の弦は向こう側の弦をまたいだりくぐったりして指を伸ばして押さえます。というより引いたり押したりしているという感じです。

なかなか複雑な音が出ます。
- 2011/11/08(火) 00:01:07|
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60歳を過ぎてもサッカーやラグビーを楽しむ方々がいる。中高生にも負けないのではと思わせるせるような走力を見せる方がいて驚かされたりする。何よりこうしたスポーツをやり続けてグラウンドに立つその気持ちが爽快だ。
ギャラリーをはしごしていると同志社のスケッチのサークルのOB展があったあり、前に紹介した立命のOBの集まりがあったりする。そこでは60代などは青年の部類で70歳80歳も意気旺盛で、時に学生の絵や写真よりはるかにエネルギッシュで冒険的であったりする。
今回は京都工芸繊維大学のOB。
在学は工業繊維大学(通称、工繊大)がまだ工業専門学校であったころ。専門学校といっても今のイメージや社会的なポジションとは違う。(こういういい方はあるいは誤解を招くかもしれませんが。)
繊維は養蚕・生糸に関して研究をしていたところから。繊維の専門学校があった。

OBが絵を持ちよってグループ展を開くというのは珍しいことではありませんが、私にはうらやましいことです。
お二人は普段から仲の良いお付き合いをされているとのことです。メンバーによっては遠方にお住まいの方もあり、普段のお付き合いは必ずしも頻繁であるわけではないですが、年一度のこの会を励みにし楽しみに絵を描き続けられているとのことです。

卒業後の人生体験が絵になって現れます。
元来絵がお好きだったそうですが、学生時代が15年戦争の最中だったために、建築の方に進まれてしばしの徴兵猶予があり、いよいよその猶予期限も切れるころに「終戦」になって招集を免れたとおっしゃっていました。戦争政策によって絵筆を捨てねばならなかった美大生などもたくさんいましたが、この方もそうした意味においてはやはり戦争政策の犠牲者です。

お二人は80代半ばになられます。
写真を撮らせていただくことになって「普段通りにお話でもしていてくだされば・・。」といいますと、すぐにこうしてお話を交わしてくれました。
今の若者より頭も体も機敏です。
そしてお互い長い付き合いですから「呼吸があって」います。

「絵を描いているからかなあ、ありがたいことで体のどこも悪くないし、まだしばらく描けそうだ。」
この方の絵はヨーロッパの街角、竜谷大学の建物を描いた水彩です。

「舞妓」の絵を描く機会があるなんてうらやましい限りです。

体型といい穏やかな笑顔、物腰といい、こういう紳士になれたらいいですね。
- 2011/11/07(月) 00:04:21|
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私のハードディスクが壊れる直前に、何やら胸騒ぎがして?バックアップについて考えなくてはいけないなあなんてぶつぶつ独り言を言っていたのです。
そしてバックアップのルールを考えようなんてしているうちにハードディスクが(これ自体がPCのバックアップになってもらうはずだったのに)壊れてしまい、これまで撮影を許してくれた方々に大変申し訳ないことになったのですが・・・。
少しばかりバックアップのまねごとをしたときに思わぬところに書き込んでいたたった一人分の写真が出てきました。以前、事情をお話して二度目の撮影をお願いした作陶家のモエさんです。
この写真をぜひ見ていただきたいと思ったのですが、連絡先がわかりません。
もし私のブログを見ていただくことがあれば気づいてもらえるかも・・と思ってアップします。

一度目の方が、話をしながらその時の勢いで撮らせていただいたので構えていない感じです。

写真の雰囲気は服装によっても大きく変わりますが・・。

私の方は、この時はモエさんの作品のことも紹介できるようにと思って撮っています。
なんてことを言っても、実際は「人物を撮る」意識には違いありませんが。

いつものことですが、何しろ初対面で「撮らせて」もらっているのですから、なんとか、かしこまらない写真にできるようにということが第一です。その方の雰囲気が少しでも出てくれば・・。

モノづくりに正面から取り組んでいて、お話していて魅力的な方は写真にしても楽しいです。

カットごとに弾みがつきます。

きれいな方ですから二度目の時には、その面がより強く出たと思いますが、一度目は「すましていない」時の魅力も写せたかな。 ですから「失われた」と思った時にはとても残念さがありました。

モエさんがこのブログを見てくれるとよいのですが。
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- 2011/11/06(日) 00:01:28|
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三条御幸町の角に「1928ビル(旧毎日新聞社ビル)」があります。ここの1Fにあるギャラリー(同時代ギャラリー)にはよく行きます。
この建物の入り口に右手には二坪ほどの空間があって、三カ月周期で期間限定の出店があります。
装身具や骨董などの小物の販売を見かけます。
今はイヤリングなどの装身具が展示・販売されています。ここ空間の飾り付けが出店者によって個性があるのでそれもまた見ていて楽しいものです。
今回の装身具は男女二人の製作者がいて、それをサポートする人たちによって運営されています。
お店の名前は「ro-ji(ロジ)」。

この人が男性製作者。名刺には「代表」とありました。
岡崎に拠点を持っているとのことですが、今回ここに出展してより広く知ってもらおうというわけです。
彼の前には製作用の台と、あまり似つかわしくない?計算機が置かれていますが・・・。

製作者ができるだけ作品づくりに専念できるように、サポートする方がおられて・・今私の横で撮影を見守っている素敵な方もその一人ですが・・販売などを手掛けているのです。

手指がとてもやわらかそうです。細かな作業が得意そうな手指です。
撮影はとても快く受けてくれました。
今度、岡崎の方も訪ねてみようかな。
- 2011/11/05(土) 00:05:50|
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今回が最初の出店だそうです。
「ごぼう茶」 ウーロン茶、ジャスミン茶、こぶ茶、柿の葉茶・・・?!?!?!
健康志向の強まりとともに様々なお茶が愛飲されています。
静岡県掛川の深蒸し茶がテレビで紹介されて、「健康にいい!!」とされると異常な人気を呼び、掛川周辺の嫉妬ともつかぬ感情を刺激しました。
周辺のお茶も掛川茶となんら変わらないのに「掛川の深蒸し茶」ということで人気が独占され周囲の袋井や磐田の茶業者が嘆くことしきりなのだそうです。まあこれもいつもの通り、次の騒ぎまでの一過性のものでしょうが。
『喫茶養生記』を引き合いに出すまでもなくお茶が健康に貢献するのは今に始まったことではないですね。

これまで家族の中で飲んできたものを、今回この手作り市に出したのだそうです。
「どうぞお試しだけでいいですから飲んでみてください」と勧められて、「私は緑茶党ですが・・。」といいながらも、飲んでみました。
味は「牛蒡だね。」と当たり前の感想。しかし、口当たりも良く、飲み口もさっぱりして、後に残らない。そういう意味では夏に冷やしても冬に温めても飲みやすい「お茶(?!お茶ってなんだ?)」だろうと思う。

この方がお母さんで、生産・販売の中心?! 後援部隊におばあさんが。

このお茶が「肌にいい!!」と宣伝されているけれど、「この一年間ぐらい飲んでいるんです。」という娘さんとお母さんが並ぶと実に説得力がある。お二人とも肌に艶があって実にきれいなのだ。

このお二人の遺伝的な素質が肌をきれいにしているのかもしれないが、牛蒡茶が便通を良くしてその結果肌もきれいになるということはあるかもしれない。水分も摂ることになるし。
健康効果は「試されずみ(?!)」
とにかく「ダイエット」「肌がきれいに」の言葉に対する反応は実に大きく強いものがある。
大きな袋の方はすでに売り切れて、今は小袋の方しか残っていない。

この笑顔と肌のつやは、とにかく説得力があるようで売れ行きは上々。お母さんの話しぶりもなかなか堂に入っていて、お客さんを惹きつけている。初めての出店とは思えない。

このお客さんなんか、もうお財布を出してしまっています。

ブログに載せることを了承してはいただいたのですが、私が話しこんでいる間にもお客さんがどんどん増えて、私が後ずさりをしていつの間にか離れてしまいましたので、念のために確認をと思ってたので市を一周して戻ると、「完売」の掲示だけがあって、お二人ともどこかに行ってしまって見当たりませんでした。
この成績だと「手作り市」の常連になるのは間違いないでしょうね。
- 2011/11/04(金) 00:03:49|
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百万遍(知恩寺)手作り市を代表格として京都には手作り市がいくつも開かれています。上賀茂神社で開かれる手作り市もずいぶんにぎやかなものの一つです。
ここに若い靴職人さんがいました。
店に展示されているのは「靴べら、名刺入れ、筆箱」です。
まずその仕上がりの丁寧なことに注目しました。

正直に言ってこうしたものの価格としては高いと思いました。
ですが、たとえば手前のある筆箱ですが、底部に靴底に使う革がつかわれているのです。実に斬新です。しかも堅牢であるばかりでなく、筆を入れる部分も実に丹念に角が作られていて良い仕事がされています。これが机の上にあったら周囲の雰囲気まで上等にしそうです。

彼がお客さんに見せているのは名刺入れですが、ことに外国の人と取引する方などはこれくらいのものを持ってあいさつした方がよいのでは、と思います。
日本ではあくまで紺やグレーのスーツしか受け入れずネクタイを外すことにも長年て抵抗してきた「世間」というものがありますから、名刺入れに「個性」があることを受け入れにくいでしょうが、欧米ではこれくらいの個性×良い趣味性を打ち出せないと認めてもらえないのではないでしょうか。

私もブログのカードをこうした名刺入れから、出したいものです。
もともと建築の設計図を書いていたらしいのですが、「出来る物やお客さんとの間が遠くて、もう一つ手ごたえや喜びが湧かなかった。それで転職を考えたのです。はじめから靴作りが頭にあったのではないのですが。
注文であつらえる靴は高価ですし、もっと革を素材に自分の技術を生かしてモノづくりをして、お客さんに近づきたかったんです。」
- 2011/11/03(木) 00:01:28|
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「寺ぶら」は私の数少ない楽しみの一つです。「寺町通をぶらりぶらりと歩く」のを私が勝手に「寺ぶら」と呼んでいます。
この寺町通にはたくさんのギャラリーや骨董店があるのです。
ところがこの日、あまり利用しない河原町通を自転車で南に下っていると、二条通りに至る手前のギャラリーに印象的な色遣いの絵がかかっているのを見つけました。
このギャラリーはこれまであまり覗いたことのないギャラリーでした。
なんだかいつもはよそよそしい感じを受けるその画廊にふと入ってみようという気になったのです。
中から色が誘ってくれていました。
点描画と、省略と単純化によって面と色彩で風景を描いたものとが展示されていました。

小林さんは元来、織物の意匠(デザイン)をされていたのだそうです。で、デザイン的な発想や手法の絵が多くなるのも当然なのですが、油絵の自画像が奥の正面にあって、画力を示していました。
まあお掛けなさいという勧めに従って、お話を聞かせていただきました。

上の写真の背後にかかっているのは鷹ケ峯・光悦寺、知恩院石段を描いたものですが色彩がユニークでしょ?!
それに省略が活きています。

お年は70歳だそうですが、年が若いから創造性があるなどというのは迷信だということがよくわかります。
これが今回の個展の案内はがきに使われた絵です。
余計なものを一切削り落として、ここまで簡略化しても明確に東福寺の通天橋を見上げたときの紅葉の様子であることが分かります。しかもその華麗な紅葉の景色が彷彿としてきます。

写真を撮らせていただいていて、
せっかくですから全身像も・・とお願いすると、
「じゃあスーツを着ましょう。」と上着を着てくれましたが、なんとおしゃれなことでしょう。
「誂えの服が何着もある・・。」とのお話。そういえばネクタイも決まっています。さすがデザインと色彩の勉強をしてこられた方ですね。
年齢を重ねて少しお痩せになったのでしょう。幾分服が余ってしまっていますが、洋服仕立職人の息子としてはこの服の良さが分かるつもりです。

油絵も含めて「良い先生につかなければだめだよ。そして全部吸収するんだ。」と幾度も繰り返しておられました。
「厳しい先生がいい・。」とも。

この光悦垣の絵が一番のお気に入りなのだそうですが、垣を組んでいる竹が金色と銀色で描かれています。この辺りは織物の経験でしょうか。
- 2011/11/02(水) 00:03:35|
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天気はとても良いのですが、なぜか人出が今一。長話をしてしまいました。
この市にはお子さん連れで出店されているそうです。お子さんは女の子ですがとてもしっかりした可愛い子で、お母さんをずいぶん助けているようです。

お客さんと話す時は、こんな風に包み込むように話します。

その女の子がずいぶん親しげに話しているお隣のお店の方です。
奥さんのお姉さんだと聞いてびっくり。そういえばよく似ておられる。

こちらは革製の手作り小物です。
どれもアイディアにあふれたものです。自分が使って便利というアイディアが鞄のポケットにも、肩ひもにも、ありとあらゆるところに光っています。
自転車の鍵をどこに入れたか分からなくなってあっちのポケットこっちの鞄を探したことがあるでしょ?!と自分のポケットをたたきながら話します。
「あるある。」と初老の御夫婦がうなづいて工夫のある小物入れやキーフォルダーを購入されていきました。
いかにも「役立ててな。」という大阪女性の説得です。

この方の下げている鞄を見れば、アイディア満載だということが分かると思います。
裏にひっくり返したら全く感じの違うバックになるのです。

人生山あり谷ありだよね。幸せは「自分で幸せだと思っていかないとね。」
- 2011/11/01(火) 00:02:23|
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