
「糊を置くときにその線が太くなったり細くなったりしない。途切れればそこから染料が染み出してしまう・・これを「なく」というそうですが・・し、絵がぼけてしまいます。
「けどね。そういうふうに安定して同じ線が描けるというのは大切な基本には違いないけれど、さらに線を微妙に変化させて効果を変えていくというのが高度な技術だね。そういうことができるのは何人もいない。」のだそうです。

三重さんは防染糊を使って積極的に「描く」手法に挑戦しています。
- 2011/09/30(金) 00:02:25|
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大覚寺・大沢の池から北へ指 庵の行く途中に「一ひら」という工芸雑貨のお店があります。「雑貨」と言うと誤解を招くかもしれませんが、石垣島の古布で作った掛けものやバッグ、石垣島のサンゴをデザインTシャツがあったり、帽子や陶器などもあります。お店のご夫婦はなかなかの多芸者のようです。
京都の生まれで一時期、石垣島におられたというご夫婦が今も石垣島とのパイプを保ちながら作品を並べています。
私は広沢の池から山沿いにグルっと自転車を走らせている途中でこの「一ひら」さんを見つけました。
ちょっとリッチにハンディがありそうです。 へは多くの観光客が行きますが、そのコースからわずかにそれているからです。

とても趣味のよい「古布」が活用された作品は魅力がありますが、開店してまだ間もないせいもあって「認知される」ための苦労が続いているようです。

ウッドデッキでは珈琲やケーキをいただけます。石垣島でカフェの経験をお持ちだとか。
奥でお仕事をしているときに出てきていただいてお話をうかがっているので・・。

お店の今後の方向性の模索や、経営の御苦労について話してくれました。
奥さんの後ろの壁にかかっている古布を生かした壁掛けもなかなか感じのよいものです。

奥さんのが着ておられるTシャツのデザインがサンゴです。
お店の主力商品をどうしていくのか、ご主人といろいろ意見を交わしているそうで「ほかのお店も同じように悩みながらなんでしょうか。悠々とやっているように見えるんですが。」とおっしゃるのでこれまで覗かせていただいたお店のことを少しお話しました。「皆さん同じですよ。」と。

物作りに自負と誇りが持てるような作り方・販売の仕方をしているかどうかがカギかなあ、とも。

「北嵯峨山王町」という地名や石垣島とのつながりなどアピールできるものがあるし、魅力的な作品を持っておられるので今後一層多くの人に可愛がられるようになっていって欲しいですね。
(⇔)
- 2011/09/30(金) 00:01:21|
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この方は「手作り市」への出店初体験の方です。そこに自分の描いた絵を持ちこみました。
写真のポストカードを販売している方もいますし、絵を販売している方もいますが、きれい、可愛いものが大半で、まあテーマを追求したものは稀です。
そこへ「芸術」を持ちこんだ彼女に目を止めました。「芸術」と書いたのは・・・などといらぬ説明をするとかえって話を混乱させるだけだと思いますのでやめておきます。
本人も少しこの場に戸惑い気味ですが、・・・。

そこにか描かれているのは「天照大神」「宗像三女神」などです。
「どのような姿をされていたのかわからないのでどう描いていいのか難しくて・・。」と言われた時には、少々困りました。どう返答したらいいのか戸惑いました。「実在したものではないのだから・・。」と云ったらいいのか、「記紀神話ができたころの人々の骨格や服装はね・・。」と話したらいいのか。

絵は寒色系も暖色系も、そして手前のバラの絵もとても巧みに色を使っていました。なかなかの技量だと感じました。
神話上の神々や登場人物には洋の東西を問わず独自の記号的な持ちモノや姿態があるから、そういうものを研究する必要があるかもしれないねなどと話しかけると熱心に耳を傾けてくれていました。

彼女の知り合いの方でしょうか。親しく話していました。彼女の隣がネイルアートの若い女性の出店者でした。彼女とも仲良く話していました。
はじめ彼女の間近で撮っていた私は次第に距離をとってできるだけレンズを意識しないでいられるようにしました。
すると、
こんな風に本来の彼女だろう表情が出てきました。

話をしている相手をまっすぐに見つめる表情、いいと思いませんか?!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2011/09/29(木) 00:03:45|
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「靴つくり※物つくり※くつみがきたい~♪」
靴屋さんのキャッチフレーズに「くつみがきたい」というのはいいなあと思いました。
もともとはブランドの靴屋で修理などをしていた方で、いろいろな靴をばらしているうちにここはこうしたらいいのじゃないかといろいろな改善のアイディアが出てきて、それなら自分で靴を作ろうということで独立したんだそうです。

こういう場所では「作っているときの顔」を撮れないのが残念です。販売の顔ですからね。
でも自分で思いを込めて作っている方は、訪れた人への対応の仕方が違います。応対のうまい下手じゃないんです。

月森さんはこの笑顔ですから、これがすでにアドバンテージですが、ソールの説明一つにもお客さんの「喜び、快適」に対する気持ちがあります。

お店は大阪の堺にあるのだそうですが「もう一人とやっていて・・・。」と盛んに言うのです。
いただいた印刷物には「その相棒さんが月森ゆみこ」と書かれているので・・だと思うのですが。
手作り市ではお客さんの質問や反応に対してこういう笑顔をする方が少なくありません。ですから私は手作り市を好きになりつつあります。

「いつか足を包み込むような靴を作りたい」という願いから「包LEATRHER」と名付けたのだそうです。「とっておきの靴ではなく毎日気軽に履ける普段履きの靴で何か特別なものを感じられる靴を作りたい」といいます。
毎日を特別なものに!なるほど。生活を楽しくできますね。

- 2011/09/28(水) 00:05:53|
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百万遍の手作り市に出かけます。前回は初体験で少し出遅れましたので、午前中に行きましたが大変な人出です。混み合っています。聞くところによると観光バスで来ている人たちもいるそうです。この市が始まったころは数店舗しかなかったころもあったとか。
私が期待しているのは「素人+アルファ」というかセミプロというか素人ではあるがこだわって趣味のモノづくりをしている人たちが発表・交流の場所を持っているという感じ。
もうそういうレベルは越えてしまってもとの「私が作りました、買ってください」ではなくなっているような気配です。多くがプロのようですから。「量の質への転化」でしょうか。
さて、前回はたまたまギターを抱えて知人町だったJUNさんに出会いましたが、今回はシンガーソングライターとしてすでにCDデビューをしている「さとうさおり」さんです。

この会場に隣接して幼稚園があってにぎやかに楽器と歌声が聞こえますから、少々苦戦していましたが・・。
負けじと歌うというよりも共存共栄で合間を待って歌っていました。

自身のCDとともに小物も販売していましたが、こういう道を行くのもなかなか厳しいだろうなあと思いました。
私などは世代的な制約からか、卓越した歌唱力とか超絶的な技巧だとかがないとこういう世界のプロになるのは無理なんだと思ってしまうのです。
歌を作るというときにも・・むき出しではないとしても・・自分の強いメッセージがないといけない。個性がないといけないと思い込みがちです。

そういう点ではよい時代になっているということなのでしょうが、人に聞いてもらうということはどういうことなのか、何を聞いてもらうのかというハードルが少し低いかなと感じます。
でもまあそうだからこそ私もこうして写真をみなさんに見てもらえるのでしょうが、プロとアマは違いますからね。

いえいえ、ここでプロかアマかという二つでしか考えられないところが問題なんでしょう。「半プロでいいじゃないか」ということなのだとおもいます。手作り市にしてもそういうところから始まったのでしょうしね。

いろいろな場所でいろいろな人たちに出会って、それこそいろいろなことを考えさせられます。教えられます。
- 2011/09/27(火) 00:03:41|
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いつもの「寺ぶら」です。これをしないとどうも落ち着きませんン。
パステルの風景画だそうです。(写真を後から構成していますので、いかにも最初から写真を撮ってるように見えますが、絵を見て作者と話して、これはと思って写真を撮ることを承諾していただけたときにだけ撮っています。念のために。)
(⇔)

水彩やパステル画の展覧会は室内が明るく「大作」の雰囲気はあまりないことが多いです。
私の観賞の癖でしょうか、ついつい一点一点に時間をかけて見てしまいます。作者の方からするとそれが何やら気になるようです。
作者の斎藤氏は73歳ですが現役の薬剤師さんです。絵は5年ほど前に描き始めたというのですが・・。
少しお話をしているうちに私がこの写真に写っている絵がいいと言うと「今までそんなことを言ってくれた人はなかった。」と喜んでいただきました。

斎藤さん自身はこの絵がお気に入りのようです。
上の絵は琵琶湖の湖岸の絵です。下の絵は金閣寺です。なんといっても色遣いが独特です。奇をてらって色を使っているのでないことは明らかです。

いずれも水面の色が面白い。宗教的な潜在意識や宗教的な伝統的な色遣いを意識しておられるようです。
そこに、癒しがあるというのが氏の考えです。
自ら職場や家庭では「変わりもの扱い」とおっしゃっていましたが、この色遣いができるということは確かにその傾向があるかもしれません。つまり人の言うことに迎合できない・・まあ時に聞いていない・・という。

小学校の時に受けた絵画教育によって「絵を描く気持ちがくじけた」と、おっしゃっていました。
私の経験とも重なるところがありました。作文にしろ絵画、音楽などにしろ・・・反省され改善されている点はなくはないとはいえ・・たくさんの才能(大才能でなくともよいのです)を埋もらせてきたのではないかなあと感じています。いえ、それは芸術教育に限らない全般的な教育・学校の在り方に問題の根があると思うのですが。

話すほどに表情が和らぎ、笑顔が広がります。
生老病死に向き合ってきた方だけに、話は深いです。
薬局に来られる患者さんの声を聞いて描いてきたと言っておられました。

「大変失礼な言い方になるかもしれませんが『下手うま』ですね。」
技術的には決してうならせるようなものをお持ちでないと思いました。しかしこの色遣いと大胆な省略は非凡だと感じました。少なくない方がこれによって慰安されるのは間違いないとも感じました。
水彩も油も教えてもらったけれど「教えてもらうことで自由に書けないからすぐに止めた。」とのことでした。これは教育を考える上で大切な勘所だと思います。生徒も保護者も先生も教育委員会もこのことについて思想的に考えないから苦しい辛い「ワクワク感のない」学校を作っているのです。

ギャラリーを覗くことはその方の人生の一端を垣間見させていただくことです。そこに「寺ぶら」の楽しさがあります。
そして「人を撮ることの醍醐味」があります。
- 2011/09/26(月) 00:02:51|
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高倉通の姉小路と三条通の間に京都文化博物館があります。最近リニューアルオープンして企画に熱が入っています。
その真向いに「ギャラリー高倉」があります。古いギャラリーではありません。
このギャラリで東京八王子の和田隆彦氏が「鉄の仕事・銅の仕事」という個展をされました。
金属の鍛造による工芸品です。
どちらかというと・・いえ大半が・・和風、京都風の色や形に囲まれた生活をしていると神戸などに見られる洋風のセンスに出会いたくなります。和田氏の作品にはその洋風なテイストがあります。

当初手狭な工房で最小限の機械と道具で作品作りを初めて、次第に大型機械を導入し、30年後のいまでは大きく作品づくりの可能性を広げ、ますます製作意欲を高めている氏の熱意あふれる話を聞けました。

フォルムとしては木や竹でできても照明器具をつるしたり椅子の脚としての強度を得るにはやはり鉄でなければなりません。また鍛造ですから表面がつるつるでない魅力があります。それ自体の存在感も魅力です。小さなものでも重量感があります。

素材の重さをデザインが昇華していますから重量のある存在感と軽快感が喧嘩することなく統一しています。
イスの座面などの木部は知人の木工作家にお願いしているのだそうですが、これも見事にマッチしています。

家の門扉などの大型の製作物も写真で見せていただきましたが、私の故郷・磐田のお客さんのために度々通っているのだと聞いてますます親近感を感じました。
和田氏のザンスカール工房は東京の八王子にあるのですが静岡の磐田からの注文に応じ、こうして京都で個展を開く。実力のある方はすごいですね。
- 2011/09/25(日) 00:04:26|
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すでに展示期間は終わってしまいいるので残念ですが、9月6日から同11日まで、三条御幸町の同時代ギャラリーで、糸とビーズを使って深海の生物を編んで表現した作品の展示がありました。
「しんかい」 アンモナイトや三葉虫にも見える不思議な生物群です。二次元的な表現からしだいに三次元的な表現へと進化したこれらの深海の生物群は単独だったり群をなして編まれていたりするのですが、青い照明と相まって独特の雰囲気を醸していました。
これらは装身具として作られていたり部屋の飾りとして製作されているのです。
作者はこの方。

utata+nelheさん
作品の中には首飾りがあるのですが、その展示に工夫がされていました。
「私がネックレスなどを買いに行って、自分につけた時の様子を見たくても展示のされ方、陳列のされ方によっては手に取ってみることもできないことがあった・・・」というので、作品をテグスのような細い糸でつるしてあって、その前に立つを背後の鏡にちょうどその首飾りをつけたかのような自分の姿を見ることができるという仕掛けです。展示直前に思いついたのだそうですが、こういう工夫をする楽しさが大好きなようです。
作品と鏡の間に入ってもらって、「つけている感じ」で撮りました。それまでご自分がつけていたものをわざわざ外して画面に入ってくれました。
この作品はアンモナイトですね。実に細かい作業です。

「こんな服で(写真を撮るのは・・・)」とおっしゃっていましたが、元来、魅力的な方だし上手に乗ってくれるので、楽しく撮れます。

兵庫県の方だそうで、今日は京都に進出です。
私の偏見、思いこみですが神戸などの人はしぐさ一つもおっしゃれで、写真になります。

いろいろ写真のイメージがわきますが・・・。

クジラの編み物は立体的にできているんですが、なかなか愛嬌と不思議さがあって魅力的でした。

これくらいの年齢の方が肩の力を抜いたおしゃれができているととてもいい感じです。
- 2011/09/24(土) 00:04:23|
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西陣の職人さんたちにはまた登場していただくとして、今日はこんな方たちをご紹介したいと思います。
こんなお店です。
室内で撮っていたカメラの設定解除忘れでこんな写真ですが、かえって面白いと思って使いました。
お店の名前は「Clotte」です。
ご主人の姓の加藤をもじって「カロト」としたのだそうです。皮革製品の工房兼販売店です。

HPにあるように「ひとつひとつの 作品は じっくりと時間をかけて すべて手作業で作る 革製品
角を落とした丸みのあるデザイン 使う人の手になじむ 柔らかなフォルム 丈夫で修理可能な ずっと使い続けられるもの」を目指して製作されているとのことです。
「丈夫で修理可能なもの」を手作りの一つのコンセプトにしているところが私の琴線に触れました。
私は人を撮っているので「作品」につてはHPをご覧ください。

左奥に駿介さん、右手に奥さんの美佐さん、そして若き職人脇坂千紘さん

ここは烏丸北大路少し下がった小路を東に入ったところで、以前から前を撮って気になっていたお店です。入り口にはサボテンなどの小さな鉢が飾ってあり広くない玄関の中は清潔に飾られています。一見何を商っているのか分かりません。でも何かこだわって仕事しているなという感じはひしひしと伝わってきます。

時に革製品の職人として修業したわけではなくて趣味が高じたのだといいます。お子さんが誕生してはっきりこの道を進むことにしたというのですからなかなかの覚悟です。

町屋の良さを生かして夏も風通しを確保しています。ほぼ今年の猛暑も扇風機か、何もなしで済ませたそうです。クーラーはついていますが。
可愛い娘さんもこういう大切なことの勘所を分かっているご両親に育てられて快活でしっかりしていそうです。

製品の製作過程を分解して、過度に高度な熟練を必要としない、誰でも・・と言ったってあくまでそう表現したまでですが・・できるものにしたことが一つの成果だったようです。
奥さんも働き者のようです。

ありがとうございます。撮影終わりましたよ、と言ってからの一枚です。
- 2011/09/23(金) 00:01:42|
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友禅染の「絵」の下書きに色をさしていく作業があります。
やはり布を竹の枠で広げて支えています。下には電熱器を置き、金網を引いています。まるでお餅を焼くような道具立てですね。

今は電熱器ですが昔は炭火だったそうです。熱を安定させるには炭火には難しさがありますが、炭から出る水分が染料に良い効果を与え発色がよく、固い乾き方をしなかったのだそうです。
下から熱を加えると水分とともに染料が布に浸透して裏側の方が色が濃くなり鮮やかになるのだそうです。

これまでの職人田たちの地域的分業態勢が弱くなってきているために、自分の本来の仕事の前後の過程を自分に取り込まざるを得なくなっているようです。下絵を描いたり糊を置いたり。
型を切っていた和田さんも漆塗りに挑戦しておられました。

友禅らしい華やかさですね。これはお孫さんの十三参りのためのものだそうです。成人した時の振袖も自分で描いてやりたいとおっしゃっていました。幸せなお孫さんですね。
そういえば府立朱雀高校は自由服の学校なのですが、卒業式の日にはそれは見事な着物で式に参加する生徒がいました。学区に西陣が入っていましたからね。
この平たい刷毛のような筆は、両端にそれぞれ濃い朱と薄い朱とを含ませて朱い花弁のグラデーションを書き込んでいます。筆先は斜めにカットされています。


この暗さと照明の色かぶりの中で「黄色」が出せるかどうか苦労しました。
こういう被写体の時はカラーがあってよかったなあと思いますね。
野田新政権は選挙での国民に対する公約≒マニュフェスをかなぐり捨ててかつての自公党路線を突き進むようです。これでは民主主義とは言えません。
私は核兵器、原子力発電に反対です。増税政策にも反対します。
- 2011/09/22(木) 00:09:15|
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西陣は織物ですが、友禅は染めものです。
友禅染は防染糊を用いて図柄を描いて行きます。絵柄の輪郭を防染糊で描き、内と外を染料で染めて行くわけです。青花(ツユクサ科オオボウシバナ)の汁で下書きされた絵に沿って防染糊を置いて行く作業を「糸目を引く」と言うそうです。青花で描いた線は水で洗えば落ちてしまします。細い口金の先から糊を搾り出し、一定の太さで糊を置いていくわけですが、描いている途中で糊がなくなって線が乱れるとか、太い細いができてしまってはいけません。そうなると色をさした時にはみ出したり、絵の際に切れがなくなってボケたものになってしまったりして、美しい絵になりません。できるだけ一定の太さで糊を引くことが職人さんにとって最も基本的で重要なことです。その上でコントロールした線の変化をつけるのだそうです。単純そうですが、根気と熟練のいる仕事のようです。

口元を見ると「息を止めて描いている」という感じです。しかし、実際には・・ほかのスポーツなどでもそうですが・・・息を吐きながら描いているのです。
言葉にすれば「下絵をなぞっているだけ」ですが、下絵の勢いや表現を殺さないで一定の糊の線で描くということは言うほど簡単ではなさそうだということは容易に想像がつきます。が、おそらくはその想像をはるかに超えて難しんだと思います。

こういう全身が統一された姿というものは美しいものですね。
写真として撮りきれないのが悔しいところです。

布を浮かして描くというのは不安定そうですが、糊の浸透や作業台への付着などのことを考えてのことなのでしょうし、動きがちな布を固定する意味でもこの描き方になるのでしょうね。

この数カ月「人を撮る」ということをしてきましたが、伝統工芸館やここで職人さんたちを撮らしていただいて、人を撮ることの面白さをますます感じるようになりました。
それを感じさせる理由は、何より「素敵な人たち」がいるというこの事実です。
私は若い時ほど人間について楽観的ではなくなりましたし、好意的な感情もずいぶん磨滅してきていました。しかし、この「人を撮る」ことを通じて、また新たな感覚を得るようになってきています。
自分のためにも今後もっともっと「人を撮」りたいと思います。
糊を置いている細木さんたちの姿・表情を見ているとそう思います。
- 2011/09/21(水) 00:05:15|
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職人さんたちの仕事は見栄えのするものもあれば実に地味なものがもあります。写真を撮るとなるとつい「絵になる」ことを条件にしてしまいますが、職人の技というものは「忍耐」「継続」「精進」といったような言葉が似つかわしいものが多く、大向こうをうならせるような派手さがない場合もあります。
しかし、一見誰にでもできそうなことが「おそらく素人さんには結ぶこともできないでしょうね。」という仕事であることが多い。
女性のあこがれの和服地に「絞り」というものがあることはご存じでしょう。「総絞り」ともなれば数百万円になります。
その「絞り」とはまだ染めてない絹の布をつまんでは絹糸で「括り」、その括った部分だけ染料が染まらないようにするものです。
正面さんは「括匠」です。
写真でお分かりでしょうか。指先に少しだけ布が出ていますね。その首の部分を絹糸で括っているのですが、括る、糸を切る、つまむ、括るの作業がまるでよどみがなく扇を操る舞を見ているようです。

この部分を括り終えて糸を切りの動作に移ります。
この小部分を括る糸は実に均等にまかれて一定の高さにくくられています。

糸を切っています。
お話をうかがっているときには笑顔で話され、また西陣の行く末を真底憂慮されて、社会の在り方にまで及ぶ含蓄のあるお話をされていました。
しかし、一旦作業が始まればこの眼光です。
流れるように作業をすることは「力が均等になるために必要なことなのですよ。強く縛りすぎたり弱かったりということでは染めに影響しますからね。」

括るために糸を手元の竹の細い棒に巻きとっています。きょうは実演用ですから木綿の糸を使っているということです。
今度「絞り」の着物を見たときにその絞りの数を数えてみてください。
着物(和服)が完成するまでにこうした職人技がどれだけ込められているか。
和服は「高価」です。生活習慣の変化など様々な要因が影響して和服はなかなか売れなくなりました。その売れない原因の一つに「高価」だということがあります。
しかし、一人の熟練した職人がここまで丹精込めて時間と労力を注いだものとしてみた時に「高価」だと言えるかどうか。・・・ただし、一部の問屋などが京都ブランドを利用して過剰に高価にしている嫌いも感じますが・・・売れないから途上国に仕事を出して比較的安価な和服を逆輸入する。消費者は職人の技を評価しなくなる=買わない。職人が廃業する。よい着物ができない。消費者が離れる。
正面さんはこういう悪循環を心配されています。
- 2011/09/20(火) 00:04:10|
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宇野さんは大変温厚なお人柄のようで、話し方も穏やかな方ですが、ひとたび筆を持つと眼光が変わりますし、眉間に気がこもります。

シャッタ-音を響かすのがはばかれるのですが、このソニー製のカメラはこういう時に少々困ります。

しかし、シャッター音を気にしているのはどうやら私だけで宇野さんの耳には聞こえていないようです。
無論、集中しているために聞こえていないという意味ですが。
こうしていったん筆をあげて「出来」を確認しているときにも、宇野さんはご自身の世界に入ったままです。
昨日の写真に筆先を水で洗って水分を拭っている場面がありましたが、その時も同様でした。
- 2011/09/19(月) 00:02:59|
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西陣織の帯。その図案を描かれています。以前コーヒーカップの絵柄の帯を見て思わず足を止めたことがありましたが、伝統的な図案はもちろん、中近東などの絨毯の絵柄を参考に図案を描くこともあるようです。

私たちが職人さんの工房のお邪魔することはなかなかその機会がないのでこうして実演を見せていただけることは大変ありがたいと思っています。

技術そのものはもちろんですが「この道一筋〇十年」というのは決して伊達じゃないのです。
筆先に込められる気合というか魂というか。ここで製作されているのは必ずしも本格的に製品とするものではなくてあくまで実演用という場合があるわけですが、それでも指先のしなり方一つからも伝わってくるものがあります。
(⇔)

どの方の技を見せていただいても、こちらの方まで息を止めてしまう雰囲気です。
- 2011/09/18(日) 00:01:22|
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堀川今出川に「西陣織会館」があります。
この辺りから西北域辺りを「西陣」と言っていますが、ご存じの西陣織・友禅染が行われている地域です。
ここでは西陣織・友禅染などの様々な伝統的な工芸品が販売されているほか和服のショー(アンソロジー)が行われています。
私にとってはここで西陣織・友禅染めの一流の職人さんたちが、実演をしていることが最大の魅力です。
(無論、ショーでのモデルさんたちの華麗さ美しさが魅力的でないはずはありませんが。)
西陣には相互に支えあい補完しあう様々な仕事があります。それが地域の中で分業して結びあい、ついには見事な西陣織・友禅染の和服ができます。そういう仕事のコーディネートをしていたのが問屋さんでしたが、今ではそれぞれの技術を担う方が数人しかいないとかご高齢であと何年続けられるかという状況になっています。後継者問題は西陣織・友禅染などの伝統産業沈滞の一つの深刻な表れです。
さて、この方はこの道(型織彫刻)50年のベテランで「京の名工」の一人、伝統工芸士の和田さんです。

和田さんの背後には見事な着物地がかかっていますが、こうした着物に染め付けをする際の型を切るのがこの方のお仕事です。
複雑で多くの色がつかわれるだけにたくさんの型を切らねばなりません。

この型を切る技術の応用として行燈の枠に張る紙を切ったりしていますが、それはそれは見事な技術です。
特殊な和紙を切るのですが、その裏打ちに使われていた紙を頂きました。そこにも当然切り口の素晴らしさが見られるわけですが
(⇔)

「奥さんの名前は?」と唐突に聞かれて、思わず「〇〇」と答えてしまいましたら、その字をさらさらと墨で下書きをして、今切ってくれているところです。

両方の手の指を使って切っているのが分かりますか。小刀の切っ先は細く鋭いのですが、まるで生き物のように滑らかにかつ鋭く、しかもよどみなく紙を切っていきます。ファインダーを覗いていても息がつまりそうな集中です。
名前の横には平安時代の公達の姿が切られています。

仕事の中でお会いしたのならば厳しい方だとお見受けしますが、なにしろ門外漢を相手のお話ですので、実に懐の深い印象でした。
職人たちの未来、西陣織・友禅などの伝統産業の将来について、真正面から可能性を模索されている若々しい大先輩でした。
- 2011/09/17(土) 00:06:17|
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大学校を卒業して独立して製作に励んでいるのだそうです。
ここで実演をしている方は「撮影可」ということで撮らせてもらったのですが、「『実演の』撮影可」ということなんでしょうね。
彼女には「人に着目して撮っている」という私の趣旨を伝えて撮らせてもらっています。
こんなに目を近づけて作業したら目が悪くなりそうです。疲れるでしょうねぇ。
普通は?銅の基板に直接銀線を置いていくらしいのですが、彼女はいったんこうして木に書いた枠の中においてから改めて銅の板に移すのだそうです。


「話しかけてもいいのかな。」と恐る恐る尋ねると、「どうぞ、大丈夫ですよ。」と応じてくれた。

「一生懸命作ってよいものができると手放したくなくなるんです。
私、アーティストなのか、職人なのか、どっちなのか自分が分からなくなります。」

9月25日(日)に文化博物館の別館で自分の製作物を販売する企画があるのでそこに参加するのだそうです。
私もぜひ出かけて、また新たな若い作家たちに出会いたいと思います。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2011/09/16(金) 00:01:30|
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東山三条に、並河靖之七宝記念館という建物があります。並河靖之七という人は明治期から昭和初期にかけて活躍した人で、日本を代表する七宝作家だそうです。建物は帝室技芸員にも任命された並河靖之の自宅兼工房が記念館として公開されているのですが、庭も大きくはないけれど良くできたものです。
その記念館にはたくさんの七宝の作品が展示されていて私も何度か見に行きました。そうした経験があったものですから七宝焼きに先入観ができていて「キティちゃん」を七宝で描く??!!と驚いたわけです。
(⇔)

しかし、従来の枠で七宝焼きを続けてきたから衰退してきたわけで、座して衰亡するのではなくて現代の人に歓迎される新しい枠組みの中で七宝を生かしていくにはこうした若い感性が大切なのでしょう。

ただ、なんでも「カワイイ!」という美意識で取り入れられ・作られているだけでいいかということについては、この若い七宝作家自身が問題意識を持って考えていました。

伝統工芸大学校を出てしまうと七宝について教えを受けることが困難だといっていました。並河靖之七宝記念館にも行っていろいろ学ぼうとするのだけれど「壺の内側までは見せてもらえないし。そこがどう処理されているか見たいところなんですけど。」
美術館の中でゆっくり模写させてもらえない。いろいろな文化財の写真撮影が禁じられている。工芸作品に手を触れて裏返しにしてみることができない。
芸術や工芸を学ぼうとする人々にとって日本の環境は必ずしも良いとは言えないと思います。
作品を守るためのルールなのか作品を所有している人たちの経済的な利益を守るためのルールなのか。
文化を育てない国だと思う。
それにしてもこの集中した姿・表情は魅力的ですね。
私は政治公約を簡単に反故にしてすませるような政治文化に反対です。核兵器・原子力発電に反対です。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2011/09/15(木) 00:00:05|
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写真左手奥に見えるのが竹細工師の細川さんです。
手前の女性が七宝焼きをされている弱冠23歳の職人さんです。
銀線をデザインの輪郭線として、その中に顔料を混ぜたガラス素材を置いて炉で溶かして付着させるという手法です。
同じ面に厚みができるまで何度も同様の工程を繰り返すのだそうですが、いまは銀線をピンセットのような器具でデザインに合わせて曲げているところです。

ノートにはいくつものデザインが書かれていて、それがいわば設計図になり、銀線を当てて確認しています。

これもまた大変な集中を必要とするようです。
七宝の製品は華やかでもありまた美しいので、以前何度も七宝製品を並べている店に通ったことがあります。が、その伝統あるお店は経営の不調で店も工房も閉じてしまいました。
無論、今もほかでは生産も販売もされていますが必ずしも好調だというわけではないようです。

ですから当然後継者も育ちにくいわけです。が、この方は23歳。
デザイン帳を覗き込んで驚きました。キティちゃん?!
- 2011/09/14(水) 00:04:48|
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烏丸御池を下がったところに京都伝統工芸館という建物があります。
ここには「名匠」の作品とともに伝統工芸に携わる人材を育成する伝統工芸大学校の卒業製作の作品や若手職人・作家の作品が展示してあります。
今まで気にはなっていても入る機会がなかった私は・・間口が狭いのでなんとなく中の様子が分かりにくく入りづらかったせいもありますが・・「工芸」の文字に惹かれて入ってみました。
入り口を入ると大学校の卒業生(2年、3年)の仏像をはじめとする作品が展示されていましたが、それはそれは見事で、2年または3年でここまでのことができるようになるのかとただただ感嘆のため息が出るばかりでした。
3階に上がると実演見学コーナーがあります。
ここで思わぬ方に出会いました。このブログで以前取り上げさせていただいた「品」という展示販売のお店がありました。そこには30~40歳の「若手」と言ってよい作家さんたちのガラス製品や竹細工が置かれていましたが、いずれも質の高いものだったように思います。

実演コーナーに近づくとどこかで見たことがあるなあという竹細工の作品が置かれていました。

「品」さんに置かれていたあの稠密で繊細な細工がされた竹細工です。職人さんの前に「品」さんの名刺が置いてありましたので確信しました。お尋ねすると確かに「品」さんに製品を提供しているとのことでした。

そうか、この人が作者だったのか!
今竹を編んだハンドバッグの仕上げを点検しています。細部まで丁寧に目で見指先で確認しています。
静かな作業ですが、見ていて引き込まれます。

実演コーナーとしては一番暗い場所だったので撮影に苦労しました。
この作家さんの作品は北野天満宮のに西方にあるギャラリーでも他の陶芸作家さんたちの作品とともに展示販売されています。
ギャラリーの名前を「ART RIN」といいます。
- 2011/09/13(火) 00:03:59|
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「京―新しい京都」と題してX接点のメンバーが写真のグループ展をしていたということについては数日前にこのブログでお知らせしました。
その際に「出逢い」というテーマで100組もの人たちの写真を展示していたO田氏について少し触れていました。
私自身もこうして町で出会った人たちに「あなたの写真を撮らせて下さい。」とお願いして写真を撮ってきています。
こういうジャンル・・というものがあればですが・・で写真を撮っている人を見かけることがとても少ないので、この方の写真を見た時に「あっ!ここにもいた!」という仲間を見つけた感動がありました。と同時に100組!!もの人にお願いして撮らせてもらっているO氏に対して「よくやるなあ。」という敬服の感情が湧いて、ぜひ直接話を聞いてみたいと思いました。
そこで同時代ギャラリーに出向いたところO氏にお会いすることができました。
それがこの方です。
すでに広告写真のコンテストで入選をしているような実力者です。
彼の今回の作品は「人」を撮っていますので、ここに紹介することができません。この点が人を撮る場合の難しさです。

写った人が特定できないようなピントをぼかしたものを紹介させてもらいます。
障子の桟のような黒ぶちの枠の中に100組の写真が入っています。この100組の写真を、なんと2週間!!で撮ったのだそうです。
私の経験から言うとこのこと自体が驚異的ですね。

今回のように「人を撮る」ことは避けて通れない写真家としての課題だったといいます。
何人もの人に会って「撮らせて下さい」という時に小さなドラマがいくつもあったと思います。実際、彼の心に深く残ったものがいくつもあったそうです。

作品リストを頂きましたが、彼の選んだ作品は水銀灯?の青がかぶって人物が必ずしも明確でない老夫人の写真でした。 これをまずもって取り上げたについては彼の思いいれがあるわけで「上手な写真ならいい写真」というものでは必ずしもないのだということでしょう。そこが作品づくりの面白いところですね。

これからもいろいろ教えてください。
私は(消費税)増税路線と原発・核兵器に反対です。
- 2011/09/12(月) 00:21:45|
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今や多くのお店がWeb Shopを開いています。この「美しいノート」もWebで注文を受けています。
http://lleno.jpでお店を覗いてみてください。素敵な作品が見られます。
・・宣伝してあげるから写真を撮らせてなんて言ってませんよ。念のために。・・

どの作品にも思い入れがあるようで、取り出してくると写真撮影のことを忘れてあのときはああだった、こうだったと思いにふけります。

私の写真はドキュメンタリーでも「〇〇散歩」でもありません。飽くまでポートレートのつもりです。
と言いながらお尻がこそばゆいですが。
で、こいう風に撮ってみます。(⇔)
こんな風にも。

このお二人はいずれもフォトジェニックで、ちょっと撮り方を意識してしまいます。

- 2011/09/11(日) 00:04:41|
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今回もとても素敵な人たちにお会いすることができました。
物事にしっかりとこだわるということを大切にしたい。そういうこだわりをも他人を見つけたいというのがこのブログのコンセプトでもあるのですが・・。
烏丸通を同志社大学のある今出川通から少し北上した通りの西側に「lleno(リエノ)」という手作りノート屋さんがありました。
ノートに手作りの表紙をしつらえるというものです。その表紙はすべてオリジナル。製本もあえて古い製法の糊を使うなどこだわった製本。
表紙のデザインは実に多様・多彩で粋です。[
「美しいノート」の作品例は例によってHPをご覧ください。
社長にお目にかかることができました。

元来は印刷業を続けてこられたのだそうですが、仕事について考えるところがあって「周囲に反対するもの・不安視する人も少なくなかったけれど・・」今の仕事を始めたのだそうです。
写真をお願いすると、スタッフの方も呼んでくださって、「・・・ということで写真を撮りたいそうだから一緒に撮ってもらおう。」と誘ってくれました。
スタッフはみなさんがデザイン・製作、販売を手がけているということで「自分の自信作を持ってきてくれませんか。」とお願いしました。
社長さんがお持ちのものはその自信作です。

みながデザインから制作までやってこそ販売の際にお客様に心のこもった話ができる、店長さんはそういう考えの方です。
どれにしようどれにしようと探し回ってくれて・・・とても楽しそうでした・・、そういえばカフェのメニューも手作りで、と手にしてくれました。奥にカフェがあるのです。
紙の色は何とコーヒ-で色付けしたのだそうで「シミみたいに見えるのはコーヒー豆の痕なんです。」

仕事を楽しんでやっておられる方たちの写真を撮りたいのです。
私が一番楽しんでやっているかも・・。

女性スタッフが二人おられました。
社長さんも含めてとても個性の異なったスタッフが和気あいあいと創り出す作品の数々。
(⇔)

仲もよさそうです。
- 2011/09/10(土) 00:02:39|
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鴨川(加茂川)の岸ではいろいろな人が絵を書いたり楽器の練習をしている。
上賀茂神社から帰ろうとして橋を渡ろうとする刹那、サキソフォーンの妙なる音色が聞こえてきたのです。なかなかの音量でもあるし音も深い。誰やら向こう岸の家の人が窓を開け放って大音量でジャズでも聞いているのかしらん?がそれらしき家もなく・・。向こう岸の橋の下で練習か? これを私が見逃す(聞き逃す?)はずもなく橋を向こう岸まで渡りました。 しかしそこには太極拳の練習をする女性二人がいるばかりで楽器を持った人の影も形もありません。 ややっ不思議、と思って向こう岸を振り返ると橋の下に何やら影が見えます。
自転車をめぐらして確認に行くと、年季の入った吹き込んできたサックスをもった絵になる人物がいました。

これがまた実にいい音なんです。しばし、勝手に鑑賞させてもらいました。

そしてやおら近づいて「やはりプロの方なんでしょうね?」と不躾な質問。
「いえ、プロじゃありません。好きで吹いているだけです。」とちょっと信じられない返事。
少し聞かせてもらいながら写真を撮っていいですか?とお願いして・・。

写真を撮っていても、聞き惚れてファインダーから目が外れてしまいます。
私には・・密かに(することもないけれど)・・楽器を演奏する人を撮りたいという念願があって、しつこく周囲をめぐります。

よくよくお話を伺うと昔?は仲間とバンド演奏もしていたらしく、また今経営している「JAZZ CAFE & Bar」で「自分が演奏してみようかと・・。」
それで練習中なのだということでした。
納得!
ですから、控え目に行ってもセミプロというところなんですね。だっていい音ですもん。

お店の名前を聞いてびっくり。今度行こう今度行こう、どんな店だろうと気になっていた北区大宮田尻にある「PLUGGED NICKEL」でした。
今度こそ行かなくては。 Fさんご一緒にいかがですか?
- 2011/09/09(金) 00:02:29|
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アドバイスを求めたり植物育てることの不安を漏らすお客さんに対してお客さんの一言も聞き洩らさずに答えていこうというこの人の気持ちがこもった表情です。

横で見ているとビデオにでもとっておきたいような好感のもてる動作・しぐさです。

今、赤松と黒松の違いを説明しています。
う~ん言葉で言ってもうまくわかってもらえないあなあ。

あれが赤松なんですよ!!
- 2011/09/08(木) 00:09:14|
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上賀茂神社の手作り市では「ふ~ん、こいう要求と志向で動いている世界があるんだなあ。これが健全な伏流水かもしれないなあ。」なんてことを、ただ自分がこれまで知らなかったというだけで妙に感心していました。
たくさんのお店の中に山野草の鉢を売っているお店がありました。

盆栽ほど肩肘を張らないで楽しめそうなこうした山野草の鉢植えはなかなかの人気のようです。

本職はこうした植物の苗の卸をされているというご主人がまたなかなかの人物です。
私が下手にほめると奥さんにしかられるかもしれませんが・・。
可愛がって育てている山野草を持ち帰って楽しんでくれそうなお客さんが来るとこの表情で話すのです。

お客さんが「手入れの仕方は?」と質問すると「まあ適当でいいのです。日本の自然の条件で育ってきた植物ばかりですからあまり手をかけすぎないことです。私も水やりなど大雑把で家内にしかられます。」
- 2011/09/07(水) 00:04:39|
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作品には人柄が出るとはよく言われることですが、人柄がよいだけでよいものが作れるというわけにはいかないのが職人や芸術家の辛いところです。

手作りの革製品の良さを知ってもらって、わたしの仕事に関心を持っていただき、手作りの靴を作らせていただけるようになればと思うんです。
いろいろな工夫や苦労を聞かせてもらって、私自身もボールペンを握ってみました。上質の革ですから実にしっくりと来て気持ちがよい。その上グリップ部の革の縫い目が細やかで指にやさしく、また握りの力が入りやすくて具合がいい。こういうところにこそ人柄が出ているなあと感じさせました。
その上で私の全く個人的な使い方からくる「違和感」を洩らすと、実に謙虚に「ご指摘ありがとうございます。参考にさせていただきます。」とこの顔で言うのです。

オーダーメイドの靴に対する需要がどれほどあるか私は知りませんが、靴の良し悪しが健康にも心にも大きく影響するということを強く感じている私なので、彼の仕事にも関心を持ちました。

客に対してこんな風に接し、仕事に心をこめている彼が私の足を測って靴を縫ってくれたらさぞかし履き心地の良い靴になえるのではないかと・・注文もしないのに・・ワクワクしました。
- 2011/09/06(火) 00:02:12|
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百万遍の手作り市に行って、いろいろ情報をもらいました。
「ここと姉妹『市』になるのが梅小路で開かれる手作り市。」「上賀茂神社でも毎月第4日曜日に手作り市が開かれるよ。」などなど。
そこでこういうところに今までほとんど無縁だった私が出掛ける気持ちになりました。
行ってみると、大変盛んで出店数も種類もとても多くてとても賑わっていました。子連れの人たちは上賀茂神社の小川で子供たちに水遊びをさせていて和やかな雰囲気でもあります。
そこでこんな方を見つけました。

ボールペンと靴型???

大阪から来ておられるということですが、この青年は「靴職人」さんでした。キャリアは10年ほど。
「ながい間使っていただけるそんなものづくり・・」というのはよく聞くフレーズですが・・。
靴を作るとどうしても革の端切れが出る。それがもったいなくてなんとか活用しようと考え模索する中でこのボールペンが生まれたのだそうです。
「ペン軸は一般的なものなので取り換えていただけます。」

実際上質の革を使っていますから指先によくなじみ、しかも実に丁寧な仕事がしてあって感触がよいのです。握り心地もいいのです。第一ペンキャップを含めておしゃれなデザインです。
ホテルなどで採用すればぐっと感じがよくなるだろうと思いました。

こういう人柄が作られたものに出るのですね。
- 2011/09/05(月) 00:05:27|
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Hさんは私の関心にそって長い時間の話に付き合ってくれました。
ごく短時間の撮影でしたが私が気に入ったものです。

ここでは和気あいあいとした空気が流れていますので、むしろそちらを選びました。
Hさんが笑顔を向けている人がこの人です。
まだ自分の写る番ではないと油断しているところを撮りました。

SYO_さんです。一応自分の作品「京空」の前に腰かけてくれましたが・・・。

まだ覚悟は十分じゃないようです。
空の青さにこだわって、そこに雲がどんな絵を描くかを追及しているようです。

- 2011/09/04(日) 00:04:06|
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数日前の紹介した太田さんから舞子さんの写真を12カ月のカレンダーにしたものを頂きました。太田さんは毎年このカレンダー用に特定の舞妓さんの着物を製作されているということでした。またこれまで吉永小百合さんをはじめ竹下恵子さんなどの着物の絵を描いてきた、その作品の写真を見せていただきました。
いく人もの職人の手を経た素晴らしい着物をどなたが着るにしてもやはり素敵に着てほしいなあと思いました。
というのも、京都に来て和服をレンタルして歩いている方がいますが、・・・、後は言いません。

息は吐きながら描くのだと教えていただいたのが三重さんです。うかがってみればそれはそうだろうと思うのですが、はたから見ているとどなたも息をつめて製作しているように見えるのです。気が凝っているからでしょうか。

周囲にはたくさんの観光客が来ていて入れ替わり立ち替わり覗き込むし、私のように無遠慮に話しかけるものいます。カメラを向けるものは数知れず、フラッシュも焚かれます。
そういう周囲の喧騒の中でこの打ち込み方です。・・・ただしこの方たちは少しも嫌な顔をされずにどんな無知な質問にも、丁寧に繰り替えいお答えくださいますし、手を止めてくれます。職人気質のある部分を時代の課題と向き合って、葛藤のうちに脱いできたご苦労もうかがわれます。
- 2011/09/03(土) 00:04:14|
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