三人の学生の真剣で楽しそうな様子が聞いている私にも伝わってきます。
表情がいいです。(⇔)
似たような写真ばかりですが、撮っている本人としてはそれなりに・・むにゃむにゃ・・。

ひとしきり吹いては「いまのところは・・・。」 とダメだしです。
こういうところが何と言ってもいいですよね。

じっくり音を確認し、アンサンブルを確認するとテンポをアップし始めました。この曲はずいぶん速い曲のようです。お互いに目を見たり、動作を合わせたり、「合奏」っていいですね。
(⇔)
- 2011/08/31(水) 00:05:23|
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ここ数日突然の雨に見舞われます。各地に相当な雨量があって被害も出ているようです。
自転車で街に出ていると雨宿りを余儀なくされます。

にわか雨のやむのを待って出町柳に向かいます。ここは高野川と賀茂川の合流点です。
まだ暑いですから小さな子供が流れに入って遊んでいますし、魚取りをしている子もいます。大人もたくさん飛び石を渡っていますし、その石の一つに仲良く並んで腰をおろしている若い男女もいます。
合流点の下流にかかるのが賀茂大橋ですが、その橋の下で二人の男性と一人の女性が楽器の練習をしています。手を打ってリズムをとりながら繰り返し同じ小節の練習をしています。

3人は学生さんで、ご覧のようにトロンボーンとトランペットを男子学生、サキソフォーンを女子学生が吹いています。
雨宿りをしていた流れでここで吹いているのか、音が遠く今で響かないように橋の下を選んでいるのか聞き洩らしましたが。
どうやら中央のトロンボーンの学生がリーダー格のようです。
(⇔)

突然幼い子が走ってきて「静かにしろ!」なんて言うものだから三人は面食らっていましたが、後ろから追いかけてきたおばあちゃんは「上手だねっていうのよ。」と言っていました。
私が立ち止ってて聞いているので、いぶかしく思ったトロンボーン学生が「目礼」をしてきて、結局撮らせてもらうことになった。とにかくこういう場面はなんだか見逃せないものを感じるのです。うらやましいのでしょうね。

私は、核兵器・原子力発電所に反対です。
- 2011/08/30(火) 00:03:15|
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私自身はこうしてブログに写真をアップする必要上、今ではほとんどデジタルカメラを使用しています。
しかし、あの人、この人についてはやはりコンタックスにツァイスノのプラナーのレンズをつけてじっくり撮ってみたいと思います。
デジタルカメレラの便利さはこうして福島氏の写真をアップできている現実が物語っています、が、・・・。

以前はスタジオを自宅に持ち・・・子供さんやお孫さんに占拠されて今はないそうですが・・、暗室も持っておられるそうです。細かいことはお尋ねしませんでしたが、ただ単に広角レンズから「望遠」レンズまで各種持っておられるというだけではなくて特性の異なるレンズを同じ画角でいく本も持っておいでのようですから「資産」は相当なようです。
奥さんにしかられませんでしたか?
いや、まあそれはね・・、といずこも同じようです。

花のおしべの花粉の「粉」であることが生き生きとリアルに映し出されるレンズ・・・、などなど。作品を見るとそういうものを「写したい」とこだわって、使いこなしてこられた福島さんの技量がうかがわれます。

やめてしまうなんておっしゃらないで来年も個展を見せてくださいよとご挨拶して、この大先輩の素晴らしい個展を後にしてきました。

来年もまた素敵な作品たちとともに福島さんにもお会いできることを心から楽しみにしています。
- 2011/08/29(月) 00:00:44|
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福島さんが「My CADENZA]としたのはどこの集団にも属さずに自分で30年の写真歴を重ねてこられたことを意味しているのでしょう。
その所為か写真の技量はすでに幾度も個展を経験しておられても不思議はないのに今年で4回目かなというものです。80歳になってからの個展です。

やはり世の中には「素敵な人」がおられるものです。
しかし、お話をしている間に幾度も「もう、やめだやめだ。」と言われるのです。
個展の開催ははもちろん外に写真を撮り行くことが身体的につらいとおっしゃるのです。
笑顔でお話しされていた表情が変わります。

「やめだ、やめだ。」と繰り返しておっしゃる背景には高齢で体がつらいということでけではないようです。
確かにカメラ、何本ものレンズ、三脚などなどかなりの重量と容量を担いでの写真撮影は体力も気力も必要です。
フィルムでずっと撮ってこられたのですか?という私の問いへの答えの中に「やめだやめだ。」の理由の一つが潜んでいました。

福島さんはずっとリバーサルフィルムを使ってこられました。一頃は感光特性や色特性の異なるいく種類ものフィルムがいろいろな会社から発売されていましたが、「コダ〇〇」がなくなってもうやる気がなくなったというのです。
モノクロの感光紙も種類が減って「銀の厚みも粗末になって黒の深みがなくなった。」と嘆いておられます。
「デジタルでは表現できないよ。変わる気はない」とおっしゃいます。
もはや自分が培ってきた写真技術や知識を生かす条件が厳しすぎるということでしょう。
- 2011/08/28(日) 00:04:27|
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「お盆」の時期はギャラリーの多くが休廊するので「寺ぶら」の楽しみが半減してしまいます。
それ(休廊)もようやく終わってあちこちのギャラリーで盛んに個展や二人展などが始まりました。また楽しくなります。
寺町三条を上がったところに「カト」とというギャラリーがあってそこでは23日から28日の期間、「福島和男寫眞展
”My CADENZA”」が開かれています。
写真展というのですから見逃すわけにはいきません。まして「寫眞」展というのですから。

36点ほどの写真の大半がカラーの風景や花の写真ですが、氏の後ろに見えるようにモノクロ写真へのこだわりも強く持っておられる方です。

能舞台や舞子さんの写真があるところをみると ただの写真愛好家ではありません。まあ余計な勘ぐりはやめましょう下品になりますからね。いえある程度の社会的地位をお持ちの方だなっと思って・・。
肘掛椅子への座り方が何ともきまってるでしょ?!

御年84歳だといわれるのです、どうしてどうしてお若い。第一84歳でこうした個展に挑むこと自体が大変なエネルギーです。
- 2011/08/27(土) 00:01:14|
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創作盆栽工房 「和苑(nagomien)」
いつの間にか周囲が一目置く盆栽作家になってしまったとのことです。
盆栽の写真をとることをお許しいただいたのですが、これが難しい。人は地ごとに作られている小宇宙を表現して撮るためにはじっくりと腰を据えて撮らなければ到底できない。第一焦点をどこ似せていすればいいかで迷いに迷う。
急峻な断崖に垣根が作られている。
松や楓やさつきなどが植えられているが、まさにどこかな海を望む高い岩場の風景だ。
が、

写真が台無しにしている。
これはモデルをとるときと同じようにしっかりとその植え込みを観察してその特徴をつかまねばならないけれど、奥行きが複雑に深い分撮影は経験したことのない難しさがある。それだけ盆栽の魅力も深いということなのだろう。
宋画に通じるところがある。
この辺りには優れた職人が住んでいて、と町の説明もしてくれた。
そして「手入れをしている様子をとらせて下さい。」という注文にも気さくに答えてくれて・・。
こうして新芽を積んでやらないと伸び放題になってしまうので、

水やりの工夫や難しさ、楽しさ、話は尽きません。
「それでこんなくらいに姿ができたら・・。」
この松も自慢の一つだそうです。

とにかくあまりにたくさんの鉢が密集しているので、「今度お宅の前に居座って一つ一つ見せていただきますが、・・・不審者扱いしないでくださいね。」
「そんな人はよくいますよ。いつでもどうぞどうぞ。」とお許しを頂いたので春夏秋冬の季節を味わいに「和苑」さんをお訪ねしようと思っている。
それにしても良い作品を作る方は皆さん謙虚で、受容性が高いなあ。
- 2011/08/26(金) 00:05:43|
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京都は古い町ですからどんな小路にも名前が付いています。・・・と思いこんでいたら、名無しの権兵衛があったのです。
それは東西の通りで道幅は小路としては広く感じる立派な通りなのですが、おそらくは200メートル余りしかないのでしょう。
その道は最近になって、名無しでは不便なので「鉾参道」と名付けられたということが路地の入口に書かれていました。
今宮神社の「鉾」を出している三つの町がこの路地には関係しているのだそうで、そうだとすればずいぶん古い由緒のある町だと行くことになります。
西の方は「丁字路」になっていてそこには通称「猫寺」があります。ここの松は見事です。
さて西から東に大通りを横切って通っている道ではないので今までこの道を通ったことがありませんでした。
ここには織屋や帯屋などの「職人」が幾人も住んでおられるようで、この通りを囲んで工芸の空間を作っているようです。
さて、この鉾参通りをゆっくり巡っているとこんな景色に出会いました。

盆栽です。ごっちゃりとあります。ごっちゃりとありますが、少しも乱れていません。汚れもありません。よほど手入れがいいのです。
近づいて一つ一つの鉢を見ると、それぞれが一つの世界を作っていてこの作者はどうもただものではなさそうです。

よその家の前ですがじろじろと覗き込んでいるとご主人らしい方が帰宅された様子です。

「盆栽に興味がありますか?」
「いえ、盆栽のことは少しもわからないのですが、どうもじっくりと見るとどの一つ一つもがよくできているようなンで感心して見てました。」

どうももともと植木のお仕事などをされていたのではなくてあるときにきっかけがあって趣味として始められたというのです。
それがいつの間にか駐車スペースを押しのけて「車も軽自動車になってしまいました。」とのことで趣味が高じてということらしいのですが・・。

今では掛け軸の作家さんとのコラボレーションをしたり、正月には「貸してくれという人がいるので」と貸し出してもいるそうです。
- 2011/08/25(木) 00:03:14|
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奈良県五條市から見えている美濃屋さんは「自然素材を使った手作り加工品」を並べておられましたがその点数の多いこと、製品の質の高いこと。
竹笛を求めたご婦人に吹き方の御指南です。
鳥の鳴き声をまねるためには舌の動きが大切なようです。

「そうそう、それでいい。もう少しトゥトゥと舌を動かして・・。」と丁寧なご指導です。
おや?鶯?かな? ご婦人も喜んでいました。

お客さんと笑顔がキャッチボールされているようです。

「手作りの顔」ですね。

「以前にな、ワシを撮ってコンクールで賞をとった人がいてな、その写真を送ってきたことがある。」とちょっとプレッシャー。
「まあ、お好きにうまく撮んなさいよ。」という感じ。泰然自若である。
- 2011/08/24(水) 00:02:33|
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百万遍の「手作り市」にはいかにも「素人」という方もお店を出していますし、プロ中のプロともいえる人も出店をされています。でもそのプロの方たちが自分で作ったものを人に認めてもらい、人に喜んでもらうという原点に立ってお店を開いている点がとても心地よい空間を作っているように思えました。
もちろんアンテナショップ的な役割に徹して、本店への誘因の下心満点という感じの店がないとは言えませんが。
さて、モノづくりをして人の笑顔を自分も喜ぶといったような人は実に良い表情をされます。
この奈良から来られている「美濃屋」さんもそういう方の筆頭です。

山に自生している蔓などを使った工芸品を販売しておられます。伝統的なこうした工芸品を作られる方は次第に減っているわけですが、その味わいは格別です。
籠、バッグ、蔦で編んだ財布、竹の草履、桜の皮の茶筒などなどその種類は数えきれません。

こんな竹笛を取り出して鳥の鳴き声を吹き出しました。
「こうして吹くと鳥が啼いて答えるんやで。」と。
いろいろな鳥に似せて吹きわけて見せます。

ご婦人が興味を抱いて「一つください。私にも吹けますか?」
「どうぞ。教えてあげますから吹いてごらんなさい。」
・・最近の一番の自信作です。エヘン。
クリックしてくださいね。(⇔)
- 2011/08/23(火) 00:04:31|
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写真を撮っていいかと尋ねると快くOKしてくれたのですが「普通にしていたらいいんでしょ。」と照れもせず媚もせず。
とても気持ちの良い人だ。

「音楽でやっていきたいけど、なかなかそういうわけにはね。」
だから植木屋さんの手伝いをしながらだというけれど、音楽と植木屋仕事とのギャップに興味津津だ。
この口元の表情を見てください。絵になる人ですね。

こんな表情もするんですよ。
最初の一枚と比べてみてください。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2011/08/22(月) 00:01:24|
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百万遍の手作り市をあっちにフラフラこっちにフラフラしていると、お堂の庇の下でギターを弾いている影が見えた。
近づいてみると帽子からパンツに履きものまで、実に雰囲気のある人がスコアを前にして・・・音を抑えて・・・弾いている。
「ライブでもするんですか?聞かせてもらってもいいかなぁ?!」
「いや、友達が出店しているって聞いたので見に来たんだけど店も人も多すぎて見つけられなくて休憩しているところ。」だそうです。
明るい所で撮っていたのでカメラの設定がまずくってこんな暗い写真になりました。
が、近くにいた遠慮のないおばちゃんが「ちょっと、あんた女?男?」という感じでした。
ですから印象としてはまあこんな感じですね。(⇔)

日に良く焼けて、肩のあたりなど筋肉質ですし、一見少年かとも見えますが「女性」です。
スポーツもしていたし、「今は植木屋の手伝いをしている。」のだそうですから、日焼けも「筋肉質」も当然といえば当然です。

「音楽はどんなものをしているの?」
「レゲェをしてるけど、まあ、まだまだだね。この前、原発反対の集まりに呼ばれて歌いにいったけど、そういうのがぽつぽつ・・・」
私が胸に反核・反原発のバッチをつけていたから、こういう風な話をしてくれたのかもしれません。

すぐ近くで6,7歳の4,5人の女の子たちが体をリズミカルに動かしながら歌い始めました。そのうちの二人ほどは外国人の子のようですが、周囲の注目と声掛けで声がますます大きくなり、振りも活発になってきました。
JUNさんもギターの胴部をたたいて調子を合わせています。
明るくて優しそうな人です。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2011/08/21(日) 00:04:58|
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百万遍手作り市の翌日のことです。私は御多福珈琲店を見つけに出かけました。
寺町四条。藤井大丸(デパートです)の近く。これだけが情報です。
これまで「寺ぶら」を繰り返してきた私が知らない珈琲店があるとは。
寺町は四条から南は京都の秋葉原・・だった・・ところです。電化製品、ことにパソコンなどはついこの前までこの辺りにたくさんの店が並んで賑わっていましたが、見るべき専門店はぐっと減ってしまいました。量販店に押されてしまったのです。駐車場問題もありましょう。
さて、ありました、ありました。なるほどここに喫茶店があるという印象がなくはありませんでした。しかし、「縁」がなければ記憶にも残らないし、まして名前など知らないわけです。半間ほどの間口の入口を地下に降りていきます。
しかし、狭いが・・いや狭いからこそかな・・好きになれそうな喫茶店です。
店に入ると
「アレっ?昨日の・・。いらっしゃいませ。」
・・・写真を撮らせてくれと言われることは一再ではないらしいし、どうやら自身カメラ・写真のことについては一通り以上の知識があるようですが・・ほとんど初対面に近いので。

職人の良い仕事ぶりはよく「舞」に比せられますが、このマスターもよいリズムに乗って体を動かしていきます。

手前に写っているマッチは特製で彼がデザインしたということです。
「珈琲店でお多福という名前はインパクトがあるでしょ。埋もれてしまわないためには・・。」

お湯を注ぐ時のこの顔を見てください。眉間にしわを寄せての集中です。

常連さんがお店に見えました。「いらっしゃい。今日も暑いですね。どうしてました?」

師匠から受けた教えをよく咀嚼して、よりよい喫茶店経営をいささかストイック気味に追求している。
好もしい。
湯を注いで盛り上がってきたコーヒーの粉の頂点を見てあげてください。

この笑顔は、カメラを向けられているからの笑顔ではなくて、「よし!うまく入れられた。おいしく入りましたよ、どうぞ。」という笑顔です。

いまどきこんな珈琲店主見たことありますか?
- 2011/08/20(土) 00:04:44|
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百万遍の「手作り市」に行った日は多少雲は出ていたので「猛烈な暑さ」というのではないにしてもかなり暑い日だったことは間違いないのです。
ブルーシートを敷いて商品を並べていた高齢の女性が小さな日傘でしか日をよけていないのを見て「大丈夫かしらん。」と心配したのですから。
そんな中でこんなお店を見つけました。
炎天下でコーヒーをいれて販売しているのです。
しかもマスターはご丁寧にもきちんとネーム入りのシャツを着てネクタイを・・緩めることもなく・・しているのです。モミアゲといい、客に対するしぐさといい、これはなかなかのものだと直感しました。

その上に「ホットコーヒーは売り切れ」だというのです。この暑い日中に「ホットコーヒー」を完売する男なのです。
これは黙って見過ごせません。
しかもお店の名前が「御多福珈琲」なのです。

「ネル」ではなくて「紙」を使っています。使い捨てにしていかないとこういう場所では注文に間に合わないからでしょうか。

お湯が注がれたコーヒーの粉の盛り上がり方。完璧じゃないですか。プロをほめても仕方がないかもしれませんが、彼が一杯一杯に集中してお湯を注いでいる姿は「プロ」らしい姿です。

左手で体重を支えながら全身でリズムをとってお湯を注いでいます。気合入ってるなあ。

それにしても「御多福珈琲」とは。
この「手作り市」の常連だそうです。
お客さんは途切れることがありません。
- 2011/08/19(金) 00:01:15|
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京都大学のある辺りを百万遍といいます。
ここに百万遍智恩寺というお寺があります。(南無阿弥陀仏という念仏を何度唱えればよいのかということが法然のころから議論になりました。百万遍も唱えるの? ふ~む。)
今まで長く京都にいながら知らないことは山ほどあってこの知恩寺の境内で毎月15日に「手作り市」が開かれてきたのだそうです。自作の物品を持ちこんで販売するのです。
手作り市のHPの説明によりますと「1987年4月15日 「素人さんが創った手づくりの作品を発表する場」、青空個展会場を。と、京都市在住の臼井さんと榎本さんが企画し、京都市左京区の百万遍知恩寺境内で「手づくり市」を始める。
私が創りました。買ってください。当初の参加出展数6,7軒。雨の日には数軒という始まり。
毎月かかさず、現在まで「手づくり市」を続け、およそ5年後、常に50軒の参加者を越すようになる。」のだそうです。
もう四半世紀も続いているのですね。知りませんでした。
智恩寺に行けば「お盆の珍しい行事」があるのではないかと訪ねたのですが・・・あまりに無計画ですね・・着けば何やら楽しい騒がしさ。
ここでいく人かの方とお話しできました。
まず、一鶴堂さん。
一度その前を通った時には若者がいて焼き物を並べて販売していました。正直に言ってまだ若い作品です。ところが屋号=一鶴堂を名乗っているのです。そしてその見世棚には水彩画のポストカードが並んでいるのですが、その画力はなかなかのものとお見受けしました。この焼き物と、ポストカードの水彩画と、屋号「一鶴堂」・・なんかバランスが悪いなあぁ。
「ときたま・しらこ」さんとお話しした後でもう一度一鶴堂の前に来ると。
ああ、この方が一鶴堂の御主人かと思ってと尋ねしますと、「いえいえ」というお言葉。
このポストカードはどなたの作品なんでしょう。「それは私です。」

この焼き物はどなたが?
「それは息子が焼いたものです。息子が今度この市で自分の作品を出すというので、それは都合がいい、私の絵も並べてもらおう。」ということで一緒に並んでいるのです。
とのことでした。なんとうらやましい親子関係です。
息子さんは焼き物の道でやっていく決意を屋号で示したらしくて、もう何代か続く焼き物の窯を受け継いだのでは・・ありませんでした。
道理で屋号を書いた板が間に合わせでした。

ちなみに「ときたま・しらこ」さんとはこの方です。
かわいいイラストハガキを販売していました。
- 2011/08/18(木) 00:04:31|
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最近また「手ぬぐい」が見直されているようです。江戸時代の古典的な図柄も面白いですし、その図柄にも奇抜なもの、奇天烈なもの、グロテスクなものと江戸の人々の笑いやペーソスが感じられます。
そうした復刻的なものも注目されていますが、若いデザイナーの作品も増えているようです。
そこに見られるデザインをどう評価するかということになると、多少言いたいこともありますが、同じように若い人たちのある程度の支持はあるようです。
室町通りにある「永楽屋」さんの新作の方のお店です。
この方が「様々なアトピー体質の方でも大丈夫ですよ。」と綿布や染色の素材選びに注意を払っていることなどを説明してくれました。

手ぬぐいを縫い合わせて作ってシャツですがなかなか小粋ですね。
下のジーンズとも違和感なく組み合わせられます。
「男の方も買われますよ。」とのこと。
手にしているのはサクランボの図柄。

彼女たちが率先して着て見せてくれている。「手ぬぐい」としてだけでない様々な使い方があるという。
タオルを首周りに巻いたんでは厚ぼったく重くなる。そこ画面の手ぬぐいとは違う。
それにしても達磨を首に巻く・・。

同じようなだるまが並んでいて、時に一つか二つ全然違う表情のだるまが混じっていたりして、という遊びもある。

一時相当衰退していた手ぬぐいを今巻き返してきたのは社長の手腕だという。彼女らもそういう社長の「意気」に共感して頑張っている。

- 2011/08/17(水) 00:01:38|
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烏丸通を西に一筋。そこは室町通りといいます。この室町通りの三条(通り)をやや下がった辺りに帯商の「誉田屋」があります。店主は誉田屋源兵衛。
この誉田屋ではこのところ毎年祇園祭の時に創業からの年数と同じ数の鯉を描いた大きな幟を垂らします。
今年は創業273年でしたから273匹の鯉が泳いでいます。

お盆の時期、このお店もお休みになりますが、ふと見ると店の入り口が開いています。
そこは「“京都の蔵”というドラマティックな空間から発信するギャラリー。
オリジナリティあふれる国内外の著名アーティストによるアルティザンな完成度の高い作品。
強いエネルギーを持つ商品を中心にプロデュース。
従来、同じショップで並ぶことのなかった品々がセレクトされ、調和することにより今までに ない空間を創り上げます。」(SHINAのHPより引用)というコンセプトで2007年に開設されたショップです。
帯商の誉田屋さんの入り口をすり抜けた奥にある蔵を改装してそのショップは開かれています。
「ご自由に・・」という文字に引かれて入ってみると、そこには少壮作家たちの作品を展示販売している素敵なお店がありました。一方で沖縄のガラス工芸家(琉球ガラス)の稲盛盛吉氏の作品などキャリアを積んだ作家の作品もあります。私が見たものは沖縄のサンゴ礁の海を思わせる素敵なものでした。
ここで若手を支援する心を持ってコーディネーターの仕事をされている小澤さんにお会いしてお話を伺うことができました。

いつものことですが、突然「撮影を・・。」と切り出されてのことですので多少緊張気味ですが、知性を感じさせる穏やかな話しぶりの素敵な方です。

お店が有名な帯商の奥にあることからなかなか通りすがりには覗いてもらいにくい立地なので、「お店の紹介にもなるのなら・・。」と撮影を快諾してくれました。
私もいろいろ見聞きする中で若い工芸作家たち、絵画作家たちの置かれた社会的な地位を思うときに、こういう作家たちの良い作品を掘り起こして消費者と結びつけるお仕事を貴重に思い、「ブログに載せさせてください。」とお願いしました。

このショップは蔵を改装したものですが、その蔵も原形のままでなく・・・(以下はショップを訪ねて実際にご覧ください)大変興味深い形になっています。
店頭に展示販売されているどの作品も「しっかりと作りこまれた」質の高いものです。
価格もその品質からすれば手に入りやすい価格設定になっていて「納得がいく」ものです。
- 2011/08/16(火) 00:05:42|
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千本北大路にほど近い所に・・・千本鞍馬口・・千本閻魔堂(引接寺)があります。
ここの閻魔様と鳥辺野の六道珍皇寺の閻魔様はことに有名です。
お盆のころにはあの世を取り仕切る閻魔様にご先祖の霊を「あんじょうよろしく(?)」とお願いします。
閻魔堂では「塔婆流し」が行われ、この時期は人出が多くなります。その閻魔堂の門前町ともいえるのが千本商店街で、その中に和菓子屋さんがあります。
京都に四季折々の和菓子がたくさん作られていることはテレビ番組などでも行くたびも紹介されていますが、仏寺にまつわるお菓子もたくさんあります。
私はそういうことにはとんと疎いのでトンチンかなんことを書くかもしれません。
お盆のお供えには「白餅、おはぎ、蓮菓子」をと書かれています。

八月十二日から日ごとに仏様にお供えするお菓子が決められています。
今日15日には「白餅、送り団子、白むし」とあります。
お店の様子を撮らせてもらっていいですかとお願いしたついでに、「お盆と歳末は一番忙しい」とおっしゃるお店の「おばあちゃん」にいろいろ質問をしました。
なにしろ何も知らないものですから。
「蓮菓子ってどんなものですか?レンコンを材料にしているとか?・・。『白むし』ってなんですか?」
お盆の午前中は忙しくて、といいながらおばあちゃんは少しも嫌な顔をしないで・・と私には見えました・・丁寧に説明をしてくれました。
「蓮菓子」です。

団扇があしらわれていて一層季節感がありますね。
「白むし」というのはもち米を蒸したものだそうで、いわば「赤飯-小豆」です。塩味でいただくのだそうです。無論ご先祖様にお供えした後でですが。この時期だけのものだそうですが好評でよく売れるそうです。
写真では後ろ向きになっていますが、みなさん気さくで笑顔で応対してくれます。おじいちゃん、おばあちゃんからお孫さんまで、一族総出です・。

お店の右手奥には「実演ブース」のような場所があって職人さんが先ほどまでお菓子を作っていました。この職人さんこそ一族期待の跡取り、おばあちゃんのお孫さんです。

とてもいい雰囲気のご家族で、忙しい中をお店の中にまで招き入れていただきました。いくら遠慮を知らない礼儀知らずの私でもこの忙しいときにお邪魔をするほど無神経ではありません。(えっ?そもそも写真を撮らせろと頼んだ時点で無神経ですって?!ごもっとも。) 早々に退散させていただきました。
またお菓子をいただきに伺います。
- 2011/08/15(月) 00:02:47|
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自動車を実際に入れてみると不具合に気付く。
一人で黙々とやっている。頭の中は自分や「対象物」との忙しい対話中かもしれない。

版築の土塀にはめ込まれた灯篭の一部。この中にろうそくをともす。角度を変えたり、穴に紅葉を漉きこんだ障子を張ったりして何かを工夫すると光を演出できる。
取り外して、この空隙に花を活けて客をもてなすこともできる。

この灯篭もなかなかの渋みを出している。くすみ方がいい。形も重厚さがありもう少し壁近くに寄せられるらしいが、邪魔になるような重苦しさではない。きっとどこか由緒のあるところからくすねてきたに違いない(笑い)。
2段に重ねた版築は「三回目の試み」だけに、次第に「わかってきた」という手ごたえがあるらしい。模様の出方は明らかに鮮明度をましている。だがそれがかえって趣を壊すかもしれない。そういうことも含めて「分かってきた」ということなのだろう。

防犯上の理由もあって、この開口部には細い幅のいたと竹を交互に打ち付ける。仮にこうするんですよと言っているから仕上げはもっと何か構想があるらしい。
スリットがあるから通風もある程度確保し、光も入れられる。
ただ私に感覚からすると、外側に自動車があるから目隠しになっていいという半面、建物の片方がふさがれたという感じで窮屈さを感じてしまう。そういうことも何か今後工夫するに違いない。

これまでずいぶんいろいろな寺院やお屋敷で仕事をしてきたらしく、私たちが到底入ることのできないところで仕事をしているらしい。
頭の中にはそうしたいろいろな実例がインプットされているでけでなく革新的な試みについてのアイディアもつまっているようだ。

- 2011/08/14(日) 00:03:09|
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ここに自動車が入るわけなんですが・・・と彼は説明してくれる。
奥に入ると大分傾斜がきつくなる。
風情や形を度外視して自動車を運転する立場になると、どうも使い勝手の悪い駐車場になりそうだ。
が、セメントに混ぜる土の昼とを工夫してただのコンクリートのスロープにはしないように苦心している。

気になるのはこの戸羽口。自動車は中に入って急に右に曲がりながら幾分きつい勾配を登らねばならない。とすれば運転手の心理として、入口ではできるだけ左に寄ろうとする。だとすれば・・・。

話ばかりしていられない手を動かさねば・・。

前日まだ水分をたくさん含んでいるときにはあれほど「土」色をしていたのに今日見てみると「コンクリート」になっている。
版築の土塀の裏側があんなに面白いものになっているのに・・・。

表に回ると、土塀のへこみがうまく生かされて花が活けられている。
この辺が茶の心だ。 ちゃんと水やりがされている。

二つ目の土塀への不満が新たな工夫を生みだした。さらに土をつき増すことにした。
ただし、単に高くするのではない。
ご覧のとおりです。

灯篭の灯明を入れる部分が挟まっているでしょ?!
これは面白そうです。
- 2011/08/13(土) 00:01:26|
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片方で「本業」の依頼されている庭の手入れの仕事をやらねばならず、自分の家の仕事にだけかかわっているわけにはいかない。しかし、あまり遅くない時期に引っ越しても来なければならない。
周囲は作業の進展を興味深く待っているが、当人は仕事のやりくり算段をしながらの時間のねん出も大変だろう。
費用だって湯水のごとく注ぎ込むわけにはいかない。
版築の土塀は乾燥によって次第に趣を変えていく。
う~んとやはり納得のいかない様子。(⇔)
だが翌日になるとこの表情です。夜のうちにいろいろ考えるのでしょう。
工夫のしようをいろいろと考えているようです。
≪7月10日≫

この家の前で路地は「丁字」になっています。少し離れてみるとこの二つの試作品=版築の土塀の面白さがわかります。
無論この土塀をむき出しにしたままで終わるつもりはないのです。それについてもいろいろと考えがあるようです。姿が見えてきたらまたお見せしましょう。

今日は本業に精を出しているのでしょうか。

≪7月11日≫
今日は来ているようです。車が入っています。
実はこの車ががまた新しい難題を生んでいるようなのです。
- 2011/08/12(金) 00:04:10|
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「COMING SOON」と表示されていてなかなか開店に至らない喫茶店がある。
その喫茶店はかれこれ1年も前から改装工事をしていた。工事業者の出入りがあり、店内での打ち合わせらしき様子が垣間見えたこともあった。
どうやら相当凝った内装をしているらしい、珈琲にうるさいらしいと周囲の野次馬はどちらかと言えば好意的な「勘ぐり」をして期待して見守ってきた。
斯くいう私もその野次馬の一人。
ある日の昼近く、私はついにその開店が期待される店の主人を見かけた。そこで早速声をかけてみると、「この8月中には・・。」という話だった。
工事の不具合もあって、そのやり直しなどもあって開店が予定より大分延びた。
通りで工事に『手間がかかって』いたわけだ。
周囲の雑音をお伝えすると「いやそんなにこだわっているわけではないのですが・・。」といいながらも胸の内には秘めたものがありそうだ。
奥さんとともにいろいろ構想を膨らめて開店にこぎつけようとしているこのお店の御主人。
いやこんな格好ですから。というのを無理やり立ってもらった。手にされているのはこの店の看板?
これがずっとお店のガラス窓に見えていたのです。なかなか達筆な毛筆の字です。

頭にタオルを巻いているのは実はお店の前で「自分でできることはやろうと思いまして。」と板を磨く作業をされていたそのままだからです。
中に入ると左手がカウンター席。クリムトの素敵な絵が飾られています。

右に入っていくとテーブル席です。

椅子にかけて撮りましょうかと私が言うと「お客さんの位置ではなくて、一応カウンターの中ではどうでしょう。」


奥さんの好みもずいぶん反映しているのでしょうが、かかっている絵や揃えられているカップなどに主人夫婦の趣味の良さが出ている。
どんな店にしていくか、そんなことを話すご主人の顔はなかなか魅力的だ。

- 2011/08/11(木) 00:03:17|
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「かみ添」さんは藤の森町にある。このお店にも地図を片手に若い女性のお客さんやリピーターらしい年配の女性が見える。
奥さんは出来上がった製品を整えたり、一階の販売を担当されているようだ。しっかりとした芯をやさしさで包んだ人当たりのやさしい、心配りの良くできる方。周辺の「お店」情報もしっかりつかんでおられる。

表の通りからは一空間奥まったこの場所には外の反射光がようやく届く。
カメラの感度をあげているので画面は多少荒れ気味です。ですが私としては大いに気に入っています。

ご主人は取材のための撮影の経験もあるそうですが、奥さんは写真を撮られる経験がほとんどないそうだ。
ちょっと信じられない。


工房見学はいつできるかなあ。楽しみです。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2011/08/10(水) 00:03:54|
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夏真っ盛りですね。今日も私のつたないブログをご覧いただきありがとうございます。
磐田市立城山中学校を卒業した同級生のみなさん,お元気にお過ごしでしょうか。
さて、知恵光院通と鞍馬口通の交差するあたりを「藤ノ森町」といいます。
この辺りには「京都西陣藤森寮」と言ってガラス工芸・和服などの工房や教室を兼ねた「工房」の集まりがあります。町屋を改造して部屋ごとに工夫して展示販売をしています。不定休のところが多くていまだ見られていないところばかりですが。
そこか鞍馬口通を東に行くと(東入るといいます)「サラサ」という文化財級の風呂屋を活用した喫茶店があり(ここには観光客が地図を頼りにやってきます。)ます。
さらにその東隣に「かみ添」さんがあります。
ふすまの唐紙に模様を描く技術の応用で封筒などを作って展示販売しています。
その技法は版画の手法と同じで、一定の模様を繰り返します。以下の写真の背景に襖がわずかに見えますが、その唐紙もここの御主人の作品だそうです。本業は唐紙の方です。(私のこんな説明では誤解を与えるので「かみ添」のさんのHPをご覧いただくことをくれぐれもお願いします。ご主人が切り開いている世界は工芸として大変に魅力的で奥深い世界です。)
お店は町屋を改装したものですが、表はなかなかスマートでしゃれています。「黒」くしたかったのだそうで、ガラスのウインドウなどを作り付けていますが、中はほとんど元のままを生かしているようです。ここは元散髪屋さんだったそうですが、その元の造りに工夫があって面白い構造が見られます。

中の様子です。
「これを買え、あれはどうだ。」という押しつけがましさのまったくない奥ゆかしさのある清楚な空気のお店です。

この写真の右手のベンチが散髪屋当寺うお客さんが腰かけて待っていた場所。奥にはタイル張りの水回りがあります。
さらに奥にご主人夫婦が見えますね。このお二人の落ち着いた雰囲気がそのままお店の雰囲気になっています。

ご主人です。
今まで取材撮影の経験もあるせいか、いささかも動じることなく商品の点検作業を続けておられました。
プロカメラマンの視線を何度も受けてこられたので当然といえば当然なのでしょうが。

職人らしい妥協しない頑固さも含んだ生真面目さを感じさせます。
が、お店の建物のことや技術的なことを・・・遠慮もせずに質問する私を邪魔扱いもしないで・・いろいろ話してくれる気さくさも併せ持っておられます。

この建物の2階が工房だそうです。
実際に働いているところを撮らせてもらえないかとお願いすると、納期が迫っていたりすると「作業場が乱雑になって足の踏み場もないので・・。」と工房見学は「また様子を見て」お願いできることになりました。

販売などの面は奥さんが担当されておられるようです。職住を別にしているとのことで少し遅れて見えられました。
この方がまた魅力的な方です。
3枚目の写真に垣間見られるように大変仲のよさそうなご夫婦です。
- 2011/08/09(火) 00:04:49|
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7月7日。この日は雨です。
雨の中で作業です。二つ目の土塀の型枠を外して「掻き落とし」をしています。普通はワイヤーブラシなどで掻き落とすのですが、土塀の柔らかさ(もろさ)と作業能率を考えて高圧放水銃を使っています。
能率はよいようです。
≪7月7日≫

「版築」する際に前回より一層階層ごとの土の性情を変えました。木炭を混ぜたもの、小石を混ぜたものなどなど、それを様々な暑さでつき固めました。今回の特徴は「少しセメントの混ぜ方を増やした」という点にあります。ですから乾いた後の強度が高くなっています。
見たところ色の調子も模様の様子をも面白そうです。
「この部分が広沢の池とその周囲の山に似ているね。命名。「広沢」でどう?」と私。
不満な点はあるけれど「経験を重ねると多少はやり方が分かってきますね。」と本人もまんざらではない様子。
雨中の作業にも熱が入る。

ところがその翌日。
模様はそれなりに面白く出ているのですが、
「セメンを混ぜすぎたかもしれませんね。白っぽくなってしまいました。」
確かにセメント特有の青白い色に変わってしまいました。きのう雨の中で湿って乾ききっていない時の色とはずいぶん違っています。きのう茶色と今日の白では趣がずいぶん違います。これは面白くない。
「アクが浮き出て一層白くなっているからこれを落とせばもう少し感じが変わるとは思うんですが・・。」
≪7月8日≫

乾いてみると一つ目の方がむしろ野趣があってよいくらいです。

駐車場の脇にエントランスを設けます。そこに石が仮に配置されました。

≪7月9日≫
どうも納得がいきません。やり直そうかなんて弱気なことを言っています。

自動車を入れるこの傾斜面も思ったような出来ではないようです。
「掘り返してやりなおそうかとも思うんですよ。」とこちらについても少し弱気。

濡れると際立ってくる色も乾いていると目立ちません。それでも赤がかった部分や面白いグラデーションになっている部分、砂利の風合いの出ている部分など試みたことのそれなりの結果は出ています。
でも本人が満足していません。
- 2011/08/08(月) 00:01:58|
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庭師の挑戦。
今日は助っ人が入っているようです。
ちょうど『資本論』の協業のところを読んでいて、「これこれ、ここに実証が」と内心興味深く見ていました。『資本論』はち密な論証の書。これでもかというくらい証拠で固めています。何か政治的イデオロギーをアジっていると思いこんでいる人がいたらとんでもない誤解です。ということはさておいて。
≪7月4日≫

一人で頑張る、が基本の彼も時には人の手を借りてやるしかありません。また彼は人を引き付ける力があります。
ここの自動車を入れる計画なのですが、そこにはなんと灯篭の傘の石材を埋め込んでいます。

表の塀を「版築」で作ってみたけれど色の具合、模様ので具合、強度などなど不満はいろいろあります。
型枠を外した直後と乾いてからの色もずいぶんとイメージが違います。焼き物と同様、製作時点では完成の様子はイメージするしかありません。
スロープの境界を作っていますが、彼から見て右側の傾斜地に二つ目の「版築」の土塀を作ろうという構想です。
「一度やってみていろいろ気がついたし、今度は・・・。」
≪7月5日≫

行ってみるとすでに第二の土塀は築かれていました。
「枠をはずしてみないと分からないけれど」といいながらずいぶん期待はしているようです。
それにしても作業が早い。
≪7月6日≫

土塀に「アール」をつけたかったけれど曲げることのできる板が高価なのでとちょっと悔しそう。
でも自信の表れかどうか、いつの間にかカメラも気にしなくなってきている。私がしつこいせいだろうか。

ほうら、このポーズ。

型枠が外れてどんな塀が登場するか、近所の「外野席」はなかなかうるさいよ。
一つ目はこんな風になっています。
- 2011/08/07(日) 00:05:59|
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「かっちゃん」はカヤック歴7年。日本の中では長い経歴に属するそうだ。
「本当に一人で何もかもこなしてこうこうした経験なしに講習している人もいるけれど、いろいろな条件の海を航海し、サバイバル的な経験を積んでこないと、本当に安全に配慮できたり海の素晴らしさを伝えることはできない。」とかつちゃんは言う。
この手と指、腕・胸の筋肉を見ればいかに過酷にパドルを握ってきたかがわかろうというものだ。

カヤックは、スカートをはいてそのスカートをコックピットの入り口の枠に装着するから水は艇の中に入らない仕組みになっている。それでも乗り降りの際に多少の浸水はある。それを組み取って捨てているのだろうか。艇の重心は低く、内部空間は広い。数十キロから百数十キロの荷物を積み込むことができるそうだ。だから相当の海上の旅ができる。
二人乗りのカヤックは、ここでは一度もひっくり返ったことがないのだそうだ。それほど安定している。


水分補給も野生っぽい。
話を聞いているうちに「かっちゃん」の出身地が浜松市の舞坂だということが分かった。ウナギで有名な舞坂だ。
私の生まれ故郷磐田ともほど近い。ますます親近感がわく。
かれは何時か故郷の舞坂に帰って浜名湖にカヤックのスクールを開きたいという。
その時には形にとらわれず、自由に海を楽しむスクールにしたいと抱負を語った。ちょっとヤンキーぽい子だって楽しめるそういうスクールになったらいいともいう。
自分自身が学校という枠に収まりきっていなかったのかもしれない。
そのため(開校)にはいろいろな航海を経験しすべてのことを自分でやりきる、調理も体調管理も様々な人との交流も、天体や海流を観測しての航法も、そしてもちろんカヤックの操縦も練達しなければならない、と彼は言う。「デング熱にかかって一人で乗り切る体験していろいろ考え方も変わりましたよ。」
- 2011/08/04(木) 00:02:37|
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和歌山県の湯浅というところにシーカヤックを体験できる「アイランド・ストリーム」という講習の場がある。ここの代表は平田毅という方(カヤック歴1年で日本一周単独公開を達成した)だが、そこで講習をしている「かっちゃん」もまた魅力的な人物です。
カヤック歴7年で海外での航海歴も豊富、環太平洋的な史観を持ち、海人族(≒安曇の連)が果たした日本史上の役割にも造詣が深い人物。体ごと自然に没入して文化を考える人のようだ。
確かに日本の歴史や大和の精神を稲作文化を中心に陸上に置く歴史観の一面性が指摘されてきており、弥生文化に対比される縄文文化も照葉樹林と結びつけた「陸上文化」としてとらえる一面性はこれから大いに見直されてよいと私も思っている。
ここ湯浅は「アイランド・ストリーム」の資料によれば京阪神近郊では抜群に美しい海で透明度も高いうみだそうだ。

イヌイットなどが猟などの水上移動のために使ってきた船、カヤック。
見かけは小型だが、外洋も十分に航海できる。南太平洋の島々を伝って人々はガラパゴスまで行った。
ガラパゴスまで行ったのに南アメリカに渡らなかったはずはないと「かッちゃん」は言う。その通りだろう。
夜の星を観測し、海上を吹く風を肌に感じれば方向は分かるという。

私が講習を受けた人物がこの「かっちゃん」
日本列島には北方モンゴロイドと南方モンゴロイドが移住してきたといわれるが「かっちゃん」は安曇の連の後裔を名乗っても不思議のない南方モンゴロイドの特徴を備えた人。

海洋文化の伝播や海の素晴らしさを語り始めると目は輝き、表情は一気に輝く。

講習が終わった後カヤックの手入れをしながらも、熱く語り続ける。

「狭い陸上には住み飽きた」気分があふれている。
しかし、それは気分だけの問題ではないのだ。
- 2011/08/03(水) 00:05:12|
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「お昼ごはんは食べたのかい?」「はい、食べました。」
「宿へは何時ころまでに帰ったらいいの? 宿の食事の時間もあるだろうから。それまでに切り上げないとね。」
この会話に私の認識不足が「てんこ盛り」になっている。
「夕食はカバンの中にあります。」「???カバンの中?(コンビニ弁当でも買ってあるのかなあ。こんな暑いときに一日カバンの中に入れて持ち歩いたら危ないなあ。)」
「はい、パンと飲み物を持っています。お昼もパンでした。」
「!?!?」
「私は京都のいろいろを見に来たので食事のために時間を取られることはこまります。食べながら歩きます。行儀悪いですか?」
「(悪くない、悪くない)」・・・最近の私はこういう話を聞いただけで目頭に涙が滲んできてしまう。
無論同情ではない。感動なのである。
私は折悪しく自転車で行動中なので彼女にバスを案内して、先回りをすることにした。実際、四条京阪のバス停には私の方が10分以上早く着いた。

彼女が言うには「バスの中で年配の女性が『私が京都を案内しましょうか。』と言ってくれたのですが、もう案内してくれる人がいるのでとお断りしました。」ということだ。さもありなん。
漢字文化圏の人だからということもあって日本語の様々な掲示はわずかに補ってあげるだけでほとんど理解する。
彼女は池田屋襲撃事件の詳細を知っているだけでなく、歴史学としても相当の本を読んでいる。NHKドラマに触発されて一時的に歴史好きになっているのとはいささか違っている。
佐久間象山、武市半平太、山県有朋、大村益次郎・・・、
「私、中国との関係で山県有朋は好きではないです。」 きちんと理解している。

写真に撮られるのもあまり好きではないとのことで「かわいく写る方法をこれしか知りません。これ、やっていいですか?」とVサイン。
ちょっと記念になるように観光風にも撮っておこうと提案した時の返事です。
カメラを向ければ条件反射的にVサインというのとは違います。

日本で仕事を見つけたいのですがといいながら、日本で外国人が職を見つける難しさについて冷静な観察をしていました。

「大学で私は早く理解できなくてあまりよい学生ではありません。」と日本語の難しさもあって苦闘の様子を話しますが、非常に優れた理解力、本質に近づこうとする思考力は相当なもので、あの超有名大学に留学生として受け入れられた実力が垣間見えました。
「でも運が良かったんです。」と留学できた事情を話します。
今は体調を壊すほど勉強しているようです。
こんなに素直で好奇心に満ちた目を日本の多くの青年にも見たいものだと感じました。

そうした中で息抜きも兼ねての強行軍的一人旅行(昨日は一言も人と話をしなかったそうな。)で笑顔と会話のある半日をお手伝いできたことをうれしく思いました。
あすは神戸から香川に回るんだそうですが、「それは何かテーマがあるの?」という質問に対する答えを予想できますか。私にはさっぱり見当もつきませんでした。その答えに、国は異なってもやはり現代の若者なんだなあと不思議に思ったり感心したりでした。
高瀬川や高瀬舟、舟入などの説明を熱心に聞いてくれて、お別れの直前にまたカメラを向けました。
写真としてはもっと他にいいものがあるのですが、あえて「Vサイン」のこの写真を載せることにしますす。
Gさん。このブログを見ていますか。大学で良い収穫を得て日中の素敵な懸け橋になってくださいさいね。再見。
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- 2011/08/02(火) 00:04:02|
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四条を下がって五条までの間に何か面白いものはないかと自転車を走らせていて「おや?ここは壬生に通じる道じゃないか。」なんて知らない道を走っていると、案の定、壬生寺の南側に出た。
NHKの大河ドラマで新撰組が登場するたびに観光客は増え、壬生寺とその周辺もそれに合わせて観光化を深めてきた。
近藤や土方がなぜそれほど関心を持たれるのか私にはよくわからない。単純に反動的特殊警察≒白色テロリズムの権化などと決めつけるつもりはないが、そうかといって信念さえ持っていれば・・・その信念のいかんを問わないということは日本の文化思想の一特徴だと思うが・・何をやってもよいというものではないと思うし、果たして彼らが信念の人だったかどうかにもいささか以上に疑問を持っている私だから壬生にはさして興味がない。この点は多いに異論があろうと思うが、私としては、非武士が武士になろうとして武士以上に武士をふるまう姿は時代錯誤で哀れに悲しく写る。こういうことはいつの時代にもあることだが。
しかし、ここ(壬生辺り)に集まる人々の関心や意識のあり様には少しばかり興味・関心がある。
第一なぜ大半が女性なのだろうか。
さて、そこを素通りしようとしていると若い一人の女性が地図とアイフォーンを手にして行きつ戻りつしている。服装もその表情も私が普段身の回りに見ている若い女性たちと異質なものを感じる。
目的の場所を探しあぐねているようでもあり、そうでないようでもある。壬生寺の壁の周囲を行ったり来たりしている。
「何か見つけられずに困ってる?!」
「いえ、ここを探していました。」
どうやら案内は必要ないようなので境内をショートカットして抜けようとすると、自転車の男性に声を掛けられて時間を食い、再びその女性に会うことになる。

話しているとどことなくイントネーションに違和感がある。
話を聞いてみると中国からの留学生だという。それにしては流ちょうな日本語だし語彙も豊富だ。
東京のある超有名大学の研究課程にいて「国際政治学」を学んでいるそうなのだが、夏休みを利用して京都に来たのだそうだ。
熱心に写真を撮っている。

1年間の日本語教育をうけたうえでの来日だそうだがそれにしても・・この人に限らず・・来日してい勉強している多くの外国人の日本語の見事なこと。
どうやって勉強したのかと聞くと、日本のアニメを繰り返してみました。だから「敬語を適切に話せないと思います。」という。しかし実に丁寧な話し方だ。「ご免」とか「拙者」などという言葉にもずいぶん親近感を持っているのは新撰組などを扱ったアニメをたくさん見たからだという。

私が、京都案内を買って出たのは彼女の眼、彼女の考え方や態度に大いに興味・関心を抱いたからだ。
無論とてもかわいい人だということも否定はしないが。
初めは壬生寺周辺の案内のつもだったが、彼女の地図に書き込まれている一日の見学計画や、事前の情報収集、さらに・・・。
「これからどうするの?」
「坂本竜馬関係の場所を訪ねます。どういけばいいいいですか。」
早朝から一日乗車券(500円)を手に京都の代表的な場所を片っ端から回っている彼女の意欲とタフさには感心する。
中国から日本に来て2年目、東京に住み、京都、奈良、神戸からさらに香川に行くのだという。
しかも日本の歴史を勉強することが好きなのだと言われれば多少は日本の歴史をかじったものとして放ってはおけない・・・ということにして・・河原町三条の池田屋、酢屋などを案内することにした。
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- 2011/08/01(月) 00:02:00|
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