素敵な人たちと

素敵な人たちと一緒に素敵な写真を撮ります。 なお写真のコピーはご遠慮ください。

素敵な人たちと   by 蒼樹   西陣絣を継ぐ   Ⅲ

 経糸のところどころを縛って染料が入り込まないようにしています。
 黒いのは自転車のチューブだそうです。
 伝統工芸も生活の中で生きているのです。職人さんたちは身近なものから「何かうまく活用できないか」と工夫を凝らしています。
 先日絞り職人の方に、今ではすっかり当たり前のように使われているある素材を初めて考案したのは実は私だ、と話していただいたことがあります。

DSC01935 - コピー


 特別特許をとるわけではなくて、欲しいという人に考案したモノを実費で分けてやっていたら、いつの間にか昔からあった技術の様に普及してしまったとおっしゃっていました。
 江戸時代の農業技術などは・・・・大名の政治によっては国外持ち出し禁止などと閉鎖的独占がされるものもありましたが…様々な、例えば「農業全書」などの書物や行商の商人などのもたらす情報、あるいは伊勢参りなどでの見聞などによって技術や知識は全国に広まったのです。

 オッと、話があらぬ方に・・・・。

DSC01938 - コピー


 この地味で単調な繰り返しとも思える作業をワクワクしてされているのです。
 この地道な仕事、ほんのわずかな工夫がもたらすものによって生まれるものをイメージし、心が弾むのですね。
 
 強いられて仕方なくするのであれば一年と堪えられないでしょう。
 でも、・・・・・。

DSC01941 - コピー


 自分が一歩、いや半歩進めばそれだけ西陣絣をより高度なレベルで継承発展させられる。そういう自覚がおありなのだと思います。

DSC01946 - コピー



 自分個人が作家・職人としてどう評価されるか、如何に成功するかという様な尺度を越えた者の仕事する喜びだと思います。
 仕事が楽しい!! と繰り返しておっしゃっていました。


 こうして手仕事ができるのは「人として生まれてきたからなんだ。それがうれしい。」とも

DSC01949 - コピー


 自分が生きて仕事をしていることと、「類」としての人がこれまで生きて仕事をして来てこれからもしていくことを自覚的に重ねられる人が感じることのできるワクワクだろうと思います。

 私もそうあることを念願してはいるのですが。

 そういう気持ちのこもった写真を絵を、見てみたいですね。  いえ、撮りたいですね。

DSC01952 - コピー
  1. 2017/10/20(金) 00:00:08|
  2. 伝統工芸
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

素敵な人たちと   by 蒼樹   西陣絣を継ぐ   Ⅱ

 「職人」という言葉からは時に意固地で偏屈で自尊心が高く・・・・・などなどのイメージが浮かびます。
 ある分野に特化して長年技を極めてきた自負心や自分の腕があればだれにも何も言わせないという自信と自尊の感情がそういう形となってあらわれている方もないとは言えないかもしれません。
 ですが私がお会いすることのできた来た方々の多くはそういうイメージとは程遠い方々でした。

 そこには時の流れの反映もあるだろうし、同じことですが社会の中での職人の置かれた立ち位置の変化という事もあるかもしれません。

 この方からは「現代の職人」というイメージが沸々と湧きます。
 ポジティブで全く肯定的な意味合いにおいてそう言えます。

DSC01931 - コピー
 

 この方の師匠は

DSC01855 - コピー


 この道に60年以上携わってきてなお絣に対する情熱が溢れんばかりの方です。
 

DSC01888 - コピー


 絣について話し始めるととどまるところ知りません。
 私は興味深く耳を傾けるのですが、時々口を押えて「話し過ぎてませんか。」と気にされる。
 普段よほど話に夢中になって奥さまなどから「あんたもういい加減にしないと。」とか「また始まったよ。お客さんが困っているよ。」なんて落語にも出て来そうな場面を思い浮かべてしまいます。
 つい先日経験したとにかく何に付けても自分の自慢話に結びつけてしまう鼻もちのならない長話の人との会話。
 でもそういうものではないのです。
 自分が発見した、自分が初めて、自分がやったなどという事を言いたいのではなくて、見つけた事実そのこと自体を聞いてほしい、知ってほしいという情熱がなせる業なのです。
 

DSC01891 - コピー


 私はそういう話、そういうことを話したがる人は嫌いじゃないです。


DSC01897 - コピー


 職人さんが陥りやすい体験・実感偏重の思考を大きく免れている方です。
 こだわりの強い職人さんの性向が探求心に生きていると言えるかもしれんません。
 貴重な方だと私は思いました。

DSC01898 - コピー


 話は変わりますが、この師匠の写真を撮らせていただくとき、どういう訳かさっぱりわからないのですが、まるでしっかりした写真が撮れないのです。
 ファインダーを覗いてもこれでいけそうだという確信が持てる瞬間がほとんどなくて、しかも何が悪いのかさっぱりわからない。
 結果は案の定、惨憺たるものでした。

 写真は撮り直しが利きません。
 その時、その場は二度と返ってこない。それを撮るところに写真の良さとはかなさがあるわけで、その時撮り切れないでは今まで一体何をしてきたのかということになります。

 それで翌日はレンズを替えて出かけました。

DSC01932 - コピー


  1. 2017/10/19(木) 00:00:41|
  2. 伝統工芸
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

素敵な人たちと   by 蒼樹   西陣絣を継ぐ   Ⅰ

 「誰かがやらないと・・・・。」

 印象的な言葉でした。

 葛西郁子さんとおっしゃいます。 学生の頃に西陣絣の職人さんを紹介されて仕事を見に行き出会ったのが絣を意識した初めだそうです。

DSC01918 - コピー


 京都で「絣」をされていて組合の所属されている人数が、なんと7名なのだそうです。
 そのうえご高齢だったり病気がちだったりで実働は4名ほどなんだそうで、その方たちは70歳以上なんだとか。

 そうであれば数年後には西陣絣は途絶えてしまいます。

DSC01920 - コピー


 そんな状況の中で「誰かがやらないと・・・・。」という思いを強く持たれてこの世界に入ったのだそうです。

 ただ、それは義務感だけの話ではなくて、「とにかく面白いんです。この仕事。」と本当にワクワクを体いっぱいに表現されるのです。


DSC01932 - コピー


 そしてそれは「師匠との出会い」が決定的だったのだそうで、師匠のお話をされるときは目をキラキラさせてまるで恋人についてはナウ少女のようです。

 実はその師匠に当たる絣の職人さんに、昨日ここでお会いしたのです。

 その方から実に様々な・・・・例えば絣という技術の発生とそれがいつごろどのように日本列島に伝播したのかなど・・・・・お話を伺うと同時に「実は一人弟子を育てたんだ。」ということを、この絣業界の継承が危機に陥っているというお話の際に聞かせていただいたのです。

DSC01921 - コピー


 それで、まあ、そのお弟子さんについてのお話が、とにかくべた褒めで、「明日はその弟子がここで実演をするから是非おいで。」ということになったのでした。
 それで今日、ここで師匠の「べた褒め」が少しも誇張でないことを知ったという訳です。

DSC01922 - コピー


 絣に対する情熱と思い入れ、愛情が半端ではないのです。
 
 これは素晴らしい!!


DSC01926 - コピー



 「師匠からあなたのことは聞いています。」とこの不審人物を警戒なく受け入れてくれたのをよいことにさっさとカメラを取り出す私でした。

DSC01927 - コピー

 皆さん是非とも「西陣絣   葛西郁子」でネット検索をしてみてください。 続きを読む
  1. 2017/10/18(水) 00:00:24|
  2. 伝統工芸
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

素敵な人たちと   by 蒼樹   西陣・友禅下絵

 雪をかぶる椿です。

 「線描き」なしですね。

IMG_0244 - コピー


 ここでいう線描きとは絵柄のふちを糊を置いて「ふせる(染料が沁みださないように止める≒防染)」ことをしないという意味です。
 糊を置けばその枠の中を「塗る」ということになります。

IMG_0248 - コピー


 絹布にそのまま日本画を描いているような感じです。

 背景などは水を刷毛でふくませて、そこに筆で描いていきます。それをお好みを焼くときに鉄板に油を引くのに使うタンポン様の刷毛で染料をなじませてぼかしを入れます。

 照明の色かぶりがひどいのですが、無理やりカラーです。


IMG_0249 - コピー


 雪は胡粉を混ぜた白で描きます。

 生地の色を抜いて「白」にすると平板な白になってしまいますが、胡粉を溶いたものだと厚みが出て陰影とボリューム感のある白になります。
 それで雪のつもった感じがリアルに描かれます。

IMG_0258 - コピー


 織り柄のある生地は描きにくいと思うのですが、ぐんぐん描いていきます。
 椿の葉の重なりや陰影がどんどん出て来ます。

IMG_0261 - コピー


 昔は親方や父親の仕事を傍らでみて、その技術を「盗んだ」のだそうです。
 弟子や子に「教える」ということはまずなかったのだそうです。

 それで工夫することを覚えたし、技術が身につき、成長する喜びがあった。そして独自の工夫も生み出すことができた。
 誰にもできない工夫を考案すると、それで相当な期間独占的に仕事を得ることができたんだそうです。

IMG_0262 - コピー


 種明かしをすれば「なんだそういう事か。」というコロンブスの卵みたいな工夫も多いのだそうですが、しかし、それを思いつき一つの技術・技能に仕上げるためには、常に研究心をもって仕事をする気持ちがなければだめだとおっしゃいます。

 「日本画の絵画展などに勉強に行かれることも多いんですか?」とお尋ねすると意外な答えが返ってきました。
 「まあたまには行くにはいくけれどあまり良い絵は見ない。あんまり感心するとその絵が印象に残ってついつい引き寄せられてしまって自分の絵にならない。だから先生について絵を学んだり、立派な作品に心酔しないほうがいいね。」


IMG_0265 - コピー


 同様のことを画家の斎藤さんも言っていました。

 考えさせられます。

IMG_0266 - コピー

 
 
  1. 2017/10/17(火) 00:00:01|
  2. 伝統工芸
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

素敵な人たちと   by 蒼樹   綴れ織り     Ⅰ

 西陣にはとても豪華な織り、綴れ織りがあります。
 このかたはその織元。

DSC01724 - コピー


 指の爪をのこぎり状に削って横糸を描き寄せて詰めます。
 
 以前私がある綴れ織りの旗のあるお宅に伺って、着物地を織っているのを見学させていただいた時に「一日にせいぜい1センチほどしか降り進めない」とおっしゃっていたのを思い出します。

DSC01727 - コピー


 足踏みによって経糸を上下します。そしてそこに経糸の何本目かから何本目かに鮮やかに色染めされた横糸を杼で通すのですが、それによって絵柄ができていきます。

 実に丹念な根気のいる仕事ですし、また高度な技術が求められる仕事です。

DSC01728 - コピー


 織物の折柄は経糸を横糸が上から覆う形で色を出します。それはちょうど経糸一本を横糸が覆えば方眼紙の一マスが塗りつぶされたというようなイメージです。ですから柄はデジタル信号のように構成されるわけです。
 液晶画像が点の集合になっているのと同じですね。

DSC01729 - コピー

 
 構成要素は□の「点」です。ですから緩やかな曲線を描くのは難しいわけで厳密に言えば曲線ではなくて凸凹したラインになるわけですが、それを見事になだらかな線に見せる技は見事なものです。

 「花や葉の曲線は、まあ比較的優しくて真円を描くのがとても難しい。」と言われます。

DSC01730 - コピー


 真円が描ければ、「まあ一応の水準に達した職人とみられる」のだそうですが、そこがスタートともいえるんだそうで、本当に良い職人の技術はその先にあると言われます。

 
DSC01731 - コピー


 公開実演の場には伝統工芸士さんたちをはじめ各分野で京都を代表するような職人さんが役割を引き受けておられます。

 「この会場のほこりにまみれて保管されていたこの機が可哀想で、やっぱり器械は動かしてやらないと・・・・。」ととおっしゃってすっかりきれいに磨かれていつくしむように機を動かしておられます。

 この機はあくまで実演のためのもので幅も長さも短いのですが、綴れ織りの原理はよく分かります。




  

 
   続きを読む
  1. 2017/10/08(日) 00:00:07|
  2. 伝統工芸
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
次のページ

プロフィール

soujyu2

Author:soujyu2
 人はいろいろな場所で様々な思いを抱いて頑張っています。そんな人々の素敵な表情を追いかけてみようと思います。
 「素敵な人たちと」の出会いが私をワクワクさせます。

People hold various thoughts and are doing their best at various places.
I think that I will pursue such people's great expression.
Encounter of "nice people"
excites me.


 大変恐縮ですが、無理をお願いして撮らせていただいている写真です。ご本人のためにも無断でのコピー、転載は固くお断りします。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (118)
人物 (974)
絵画 (209)
陶器 (53)
染色 (17)
工芸 (127)
雑貨・カード (29)
陶芸 (26)
伝統工芸 (157)
服飾 (35)
装身具 (41)
お店 (38)
音楽 (229)
瀋陽 (67)
モノづくり (13)
オブジェ (18)
料理 (28)
写真 (26)
書 (7)
状景 (7)
パフォーマンス (30)
版画 (3)
手作り市 (41)
働く人々 (15)
芸事 (1)
彫刻 (7)
伝統芸能 (2)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR