
猛暑ですね。 近所に二台の救急車が相次いで駆けつけていました。
観光地は人ゴミだらけですが、こんな時期に京に来るものではありません。せめて送り火を迎えてからにしましょう。

私がデパートに入いるのは何か月ぶりでしょう。
誰かとその前で待ち合わせて、ついでに暖をとったり雨をしのぐために避難させてもらうほかは用事もありません。

この日は京都ファインダー倶楽部の仲間で山村祥という人が主催したり、作品参加をしている絵画展が某百貨店で開かれていましたので、ちょっと覗いてきました。
その帰り、エレベータの糊口か見つからないので、エスカレーターで階下を目指していると、ふとなにやら・・・・

百貨店でよく見かける情景ではあります。
各地から商品を集めて展示販売するときに職人さんも同席して、制作の様子も見せるという。

デパート側のやり方は大概あまり職人さんを大事にしないで、あくまで安上がりな人寄せ企画でしかないことが多いので私は、そのこと自体にはあまり良い感じを思ってはいないのですが、しかし、「職人さんが何か作ってる!!」となれば、それは置いてあれも置いてやはり駆けつけてしまうのです。

器をくり抜いていました。どうやらいったんは全体に漆らいいものが施したものを、彫っているようなんですが。
福井県からお見えだそうです。

周囲に何かそれに類する伝統産業の地盤があるというのではないけれど「始めちゃいました。」とのことです。
元来は、こういう仕事に、まるで関係のないことをしていたのですが、「子供のころ、木工などは好きではあったんですね。大学も関係のコースをとってはいましたし。」

ところが、実際の経歴を聞いてみると、何でそういう方向に??という曲折を経ての「今」だそうです。でも指を見ればこの仕事にかけてきた時間を窺うことができますね。
職人さんの写真を撮らせてもらうときに、やはり惹きつけられるものの一つですね。

左手の小指には部材を固定させる力がかかるばかりではなく、時には体重全体がかかることもあります。右手の手首に近い掌にもまめができています。そこにも、時に体重が乗ってきます。
職人の仕事は手先でできるものではないし足腰を含めた全身で鑿を動かします。
楽器演奏でもそうだし、写真撮影だって、実はそうなんですね。 そういうことを説明するユーチューブ動画も写真雑誌もほとんどありませんがね。
- 2023/07/29(土) 11:05:26|
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海外からのお客さんがたくさん来られるそうです。
でも大概は十分な外国語での案内が行き届いていませんね。
実演している職人さん任せでは難しいと思います。

この場所では背景を説明する必要はないですし、背後にあるモノの映り込みは邪魔ですから、絞りはかなり開けています。
その時に安心して絞りを開けるためにはピント精度が問題になりますね。
その点このカメラとレンズの組み合わせは安心です。
このカットでの問題は屋内の人工照明と大きな開口部からの自然光とのミックス問題です。この時のフォワイトバランスは私にとって相変わらずの難題です。

やっぱり職人さんの写真は視線と指先の連動が肝心ではないでしょうか。
視線の方向は眼球が見えていても見えていなくても示せます。
でも見ている力を表すにはやはり眼球が見えていたほうがいいですね。

こちらに回れば被写体からの反射光は自然光です。
そして視線の方向は表しやすい。
でも背景がごたつきます。
そういういくつかの要素のバランスシートがどうなるかの判断ですね。

膝をついてにじり寄ります。
一生懸命になると水平垂直が乱れる私です。
ただ私は、あまり神経質に水平垂直を出す必要はないと思っていますが。
それが乱れていると鬼の首を取ったように助言したり指摘されたりする人がいますが。

こういうところで、ほかに人がおられなければ50ミリが撮りやすいですね。

そのためには距離を縮める対話が必要ですが。
- 2023/06/14(水) 00:00:02|
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このところ職人さんをとる機会が減っています。
それで久しぶりにここに来ました。 以前ある若い職人さんが「あそこで週末いろいろな職人が実演してるよ。ぜひ行ってみて。」と教えてくれた場所です。
話を聞いた直後にはたまたま実演のイベントが終了していましたが・・・。

カレンダーを見ると「七宝」とありました。
で、この日は平安楽市という手作り市も近くで開催されているので行くことにしました。
七宝焼の技法は、大きく分けて有線七宝・無線七宝に分かれますが、この方がしているのは有線七宝です。
その「線」は銀の薄い・・箔といっていいほどの・・・板を糊で張り付けます。
「線」は図柄の縁取りになりますが、あとでガラス質の釉薬を入れる田んぼの畔のような役割をはたします。

手描き友禅の「ふせ」る作業と同じ面がありますね。

お客さんから注文された愛犬をデザインしたブローチを制作されていました。
愛犬の写真からデザインするのもなかなか難しいのじゃないかなと思いました。愛犬家はご自身の飼い犬を「この子」などと呼んでかわいがるくらいですからわずかな顔の違いなど・・・口元が違うなあとか…も見つけてしまいますからね。
しかもそれを七宝の「線」で表現しなくてはならないし、釉薬の微妙の色合いでそれらしくしないといけません。

単に技術的に「七宝が焼ける」というだけではだめなんでしょうね。
デザイン画と写真を横において、下書きの線の上に「銀」の板を「塀」のように立てて張り付けていきます。
手前にボケのキラキラした玉が見えますが、それが「銀」線の材料です。

七宝の作品は色も鮮やかですし、グラデーションも豊かにでます。
高度な工芸作品がたくさんありますが、どうしても幾分高価になるせいでしょうか。また現代は何でも淡い感じが好まれるせいでしょうか、お店が少し減っているような感じがします。実際はどうなんでしょうね。
- 2023/06/13(火) 00:00:02|
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先日(3/8)、鴨川で久しぶりにお会いした若いジャズトランペッターさんへ
もしこの文章を読んだら私にE・メールをください。素敵なお知らせがあります。・・・・・・・・
伝統工芸の分野で若い人を育てたい。
それは各方面の希望です。それで様々な取り組みが行われていますが、漆工芸の分野で一年間の研鑽をした人たちの終了制作展が開かれていました。

ズイーコ、ズイーコと糸鋸で貝を切る音が会場に響きます。
螺鈿の材料を切っているのです。
漆に貝の切片を埋めて磨きだすのが螺鈿。

この人は一年の課程を終えて終了する人です。
この過程にはすでに経験のある人も入れるそうですから、この人は周囲を見渡して、四月当初は不安が大きかったでしょうね。
漆に手指がかぶれて、はじめのうちは指を曲げることもできないくらい腫れて、辛かったそうです。

それでも若者の一年間というものは、素晴らしいものですよね。それなりの物を作ることができるようになります。
でも、まあ、熟練した職人たちから見れば・・・・。
それで修了はしたものの、これからどうしようかなと身の振り方に困っているんだそうです。

郷里は名古屋。名古屋は仏壇づくりが盛んです。そして仏壇は漆で仕上げますから、そういう仕事に就くかもしれませんね。
でも作品作りに興味を持つかな。
大変気立てのいい明るい方ですから、きっとどんな工房にいてtもかわいがられて早くいろいろなことを身に着けられるかもしれませんね。

この会場に来て糸鋸の音を聞いたら「撮らずにはいられない。」のが私の習性。
で、この人に「どうだろう?」と尋ねるとすぐさまOKしてくれました。
それで、「ご本人は了解してくれたんですが、主催側としては写真撮影はどうでしょうか?」とスタッフに訊いてみました。そうしたら、責任者のほうに言って話してくれて、向こうのほうで「OK」マークが出ました。

こういう場ですから、なかなかマスクをとってとともいえなくて。
でも、ちょっと外しましょうか、ということになって。

メールをもらえたらこの写真を送ることになっています。
- 2023/03/12(日) 00:00:03|
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この方は型染友禅の実演をされている。
多色刷りですので型は8枚くらいありました。

実演会場ですから実際の工房とは大いにその様子が違います。
ここではエアコンも入り湿度も低いですから染料の調整がいつもと大変違います。
実際の工房は湿度が高い状態に保たれていますし、空気も動きません。

今は型を切る職人もごくわずかです。多くがパソコンを活用して機械でプリントをしてしまいます。
職人の手わざで作り出すグラデーションもどんどんデータとして取り込みますから今や職人の出番は極少です。
それで「よいもの」ができるかどうかは別問題ですが安定した生産はできますし比較的廉価になります。
職人は一日中、何十年もこのような姿勢で仕事をしますから、街を歩いていても腰が曲がり背が傾いていますから、一目であの人は・・・と仕事を言い当てられます。
職人の仕事は体形や指の形に定着します。

この丸い刷毛に染料が含ませてあり、タンポンのようにとんとんと軽くたたくようにまた擦るように押すのです。

21世紀後半には日本、京都から失われる姿です。
- 2023/02/15(水) 10:21:27|
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